JPS5850630Y2 - 発熱体装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は正特性サーミスタを用いた流体加熱用の発熱体
装置に関するものであり、簡単な構造で大きな発熱量を
有し、信頼性の高い発熱体装置を提供しようとするもの
である。

第１図および第２図に従来におけるこの種発熱体装置を
示しており、１〜６は角形をした薄板状正特性サーミス
タであり、その上底面と下底面のほぼ全面にそれぞれ銀
等の電極７，８が設けられており、それぞれの正特性サ
ーミスタ１〜６はそのそれぞれの平面がほぼ平行となる
ように一定間隔をおいて併設されている。

９および１０は上記サーミスタ１〜６の角部近傍をエポ
キシ樹脂等の接着剤１１．１２でもって固定している該
サーミスタ１〜６の上底面および下底面に面する部分に
窓部をもつコ字形をした固定具であり、この固定具９，
１０と上記電極７，８とを銀と樹脂の混合物等の導電性
接着剤１３．１４により電気的に接着し、固定具９，１
０が上記サーミスタ１〜６の電気の供給端子となってい
る。

１５および１６はセラミック等の絶縁ブロックである。

第３図および第４図は従来例の他の例を示し、１７は正
特性サーミスタ１〜６と同じ正特性サーミスタであり、
９′および１０′は上記サーミスタ１〜６．１７の上底
面および下底面の中央部を横切る腕部をもつ固定具であ
り、この固定具９’、 １０’の腕部と電極７，８とを
導電性接着剤１３．１４により電気的に接着している。

この発熱体装置は、流体加熱用に用いられるもので、例
えば空気等を第１図の矢印の方向にそれぞれの正特性サ
ーミスタ１〜６の間を通過させると、正特性サーミスタ
１〜６の表面から熱がうばわれ、空気が加熱されて温風
を得ることができる。

また、この発熱体装置の温風の温度は正特性サーミスタ
の自己温度制御作用により、通常のニクロムヒータ等に
比べて風量や供給電圧による変動が小さい。

このように正特性サーミスタを用いた発熱体装置は上述
した通りの利点をもっている。

しかしながら、従来例においては正特性サーミスタの電
極と給電端子との接続には上記したように導電性接着剤
を用いており、そのため接着面積が少ないので、振動や
衝撃等により容易に外れるという欠点を有していた。

また、発熱量を増加させるためには正特性サーミスタの
使用枚数を増加させればよいが、単に枚数だけを増加さ
せることは発熱体の形状が大きくなったり、空気等の流
体の通過に対する抵抗が大きくなる。

そこで、さらに薄くなった正特性サーミスタを用いて使
用枚数を増加させれば発熱量の大きな発熱体を得ること
ができる。

しかし、先にも述べたように従来例においては正特性サ
ーミスタと給電端子の接続に導電性接着剤を用いており
、正特性サーミスタを薄くすることは接着剤の接着面積
を小さくすることであり、これらのことから形状小さく
して発熱量が大きく、かつ振動や衝撃に弱い発熱体装置
を得ることは不可能なものであった。

本考案は上述のような従来における欠点を解消するため
に創案されたものであり、小さな形状でもって大きな発
熱量を得ることができ、かつ信頼性の高い発熱体装置を
提供することを目的とする。

以下、本考案の一実施例について第５図および第６図と
ともに説明する。

図において、１８〜２２は角形をした薄板状正特性サー
ミスタであり、その上底面と下底面の一部にはそれぞれ
切欠き２３．２４が設けられている。

この正特性サーミスタ１８〜２２の上底面と下底面のほ
ぼ全面には上記切欠き２３゜２４の部分も含んでそれぞ
れ銀等の電極２５．２６が設けられており、それぞれの
正特性サーミスタ１８〜２２はそれぞれの平面がほぼ平
行となるように一定間隔をおいて併設されており、かつ
その時上記切欠き２３．２４がそれぞれ上底面および下
底面において同軸上となるように正特性サーミスタ１８
〜２２は配置されている。

２７および２８は上記正特性サーミスタ１８〜２２の角
部近傍をエポキシ樹脂等の接着剤２９．３０でもって固
定しているコ字形をした固定具であり、この固定具２７
．２８は上記正特性サーミスタ１８〜２２の上底面およ
び下底面に面する部分に長方形の窓部が形成されている
。

３１および３２は上記正特性サーミスタ１８〜２２の上
底面および下底面に形成されたそれぞれの切欠き２３．
２４の中を通っている金属体であり、この金属体３１．
３２は上記正特性サーミスタ１８〜２２のそれぞれの電
極２５．２６と導電性接着剤３３．３４でもって電気的
に接続されており、金属体３１．３２が上記正特性サー
ミスタ１８〜２２のそれぞれの電極２５．２６の共通電
極となる。

３５および３６はセラミック等の絶縁体である。

第７図および第８図は本考案の他の実施例を示しており
、ここで固定具２７ ａ 、２８ ａが金属でできてお
り、この固定具２７ａ、２８Ｈの一部が上記正特性サー
ミスタ１８〜２２のそれぞれの切欠き２３．２４の中に
入る形となっている。

第９図も同じく金属でできた固定具２７ｂ、２８ｂの一
部が正特性サーミスタ１８〜２２（図では１８〜２１は
省略）のそれぞれの切欠き２３ ａ 、２４ ａの中に
入る形となっている他の実施例を示しており、ここでは
それぞれの切欠き２３ ａ 、２４ ａが上底面および
下底面の中央に設けられており、固定具２７ｂ、２８ｂ
もそれに対応して長方形の窓部を正特性サーミスタ１８
〜２２の配列方向に２分するような腕部をもった形状と
なっている。

第１０図は４ケ所の切欠きを設けてなる正特性サーミス
タを示し、本考案は切欠きの数が上述した２ケ所のもの
だけに限定されるということはなく、このように４ケ所
の切欠きを正特性サーミスタに設けた場合にも適用でき
ることは明らかである。

第１０図で３７は正特性サーミスタ、３８および３９は
上底面および下底面にそれぞれ２ケ所設けられた切欠き
、４０および４１は電極である。

以上のように本考案は構成されているものであり、正特
性サーミスタに切欠きを設け、その切欠きの中に正特性
サーミスタの共通電極となる金属体を入れたものである
ため、小形で大出力の発熱体を得ようとして正特性サー
ミスタを薄くしても該正特性サーミスタの電極と金属体
との接続は完全に行われることになり、振動や衝撃に強
く信頼性の高い発熱体装置を得ることができるものであ
る。

また、金属体を固定具でもって兼用させた時には構造が
簡単で部品点数を少なくすることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例における発熱体装置の概略構成図、第２
図は同断面図、第３図は同じ〈従来例における発熱体装
置の概略構成図、第４図は同断面図、第５図は本考案に
係る発熱体装置の一実施例を示す概略構成図、第６図は
同断面図、第７図は本考案の他の実施例を示す発熱体装
置の概略構成図、第８図は同断面図、第９図は同じく本
考案の他の実施例を示す要部概略構成図、第１０図は本
考案の他の実施例における正特性サーミスタの正面図で
ある。 １８〜２２・・・・・・正特性サーミスタ、２３，２３
１．２４．２４ａ・・・：・・切欠き、２５，２６・・
・・・・電極、２７，２７ ａ 、２７ ｂ 、２８゜
２８ ａ 、２８ ｂ・・・・・・固定具、３１．３２
・・・・・・金属体。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）上下に少なくとも２ケ所の切欠きのついた薄板状
   正特性サーミスタの複数枚を、それぞれの面がほぼ平行
   となるように固定具に固定させ、上記切欠きの中に金属
   体を通し、この金属体が上記複数枚の正特性サーミスタ
   のそれぞれに設けられている電極の共通電極を構成して
   なる発熱体装置。
2. （２）固定具を金属で構成し、この固定具が切欠きの中
   を通る金属体を兼用してなる実用新案登録請求の範囲第
   （１）項記載の発熱体装置。