JPS5849725Y2 - 液体保温容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、飲料水などを保温するために用いられる液
体保温容器（以下、単に保温容器と呼ぶ）に関する。

大型の保温容器には、取扱い上の便宜のため下部外面に
開閉自在なバルブをそなえた注出口が設けられているも
のがある。

この注出口は、液体を収容する中容器と液通路で結ばれ
るが、中容器が空になった状態でもこの液通路には若干
の液体が残存することが多く、衛生上好ましくなかった
。

また、上記液通路の洗滌が困難であるという問題もあっ
た。

この考案は上記事情に鑑みなされたもので、中容器の注
出口の外側開口部とを結ぶ液通路に、該液通路内に残存
する液体を排出することのできる開閉自在な排液口を設
けたことを特徴としている。

以下、図面にあられされた本考案の実施例について説明
する。

第１図はこの考案にかかる保温容器の１例の、要部を断
面であられした側面図である。

同図において、この保温容器１は、容器本体２と容器本
体２の開口部２ａを覆蓋する外蓋３、容器本体２の下部
に設けられた注出口４、容器本体を支える脚５および把
手６をそなえている。

容器本体２は、外ケース７の内部に断熱材８を介して中
容器９を収納してなる。

外ケース７は、化粧鋼板でつくられた筒状部７１と、合
成樹脂でつくられた肩部材７２および底部材７３をそな
え、筒状部７１は肩部材７２および底部材７３に材料の
弾性を利用して嵌着する。

いわゆる無理嵌め方式により接合されている。

中容器９は、アルミニウム、ステンレス鋼などの金属材
料でつくられるもので、それぞれ別体に製作された容器
部材９１と上部材９２とが、接合部９ａにおいてかしめ
られ、一体となって中容器を形成している。

この上部材９２の上端周縁は外側に折り曲げられて、取
付は縁９ｂとなり、支持リング１０の上端部に装着され
ている。

中容器の上部材９２を支持リング１０に取り付ける方法
としては、上部材９２の上端部を折り曲げる際、支持リ
ング１０の上端周縁を巻き込むようにして同時に圧着し
てもよく、また、支持リング１０と、支持リング１０が
螺合する口部材１１との間で、パツキン１２を介して上
部材９２の取付は縁９ｂを挟圧、保持するようにしても
よい。

中容器９は、このようにして、主としてその上端部にお
いて外ケース７に取り付けられ保持されるが、その下端
部の下側に配設された断熱材８によっても補助的に支え
られる。

口部材１１は、その上端部が断面コ字型に屈曲成形され
て開口周縁部１１ ａとなり、その中間部の内外両面に
は内ねじ１１ ｂおよび外ねじ１１ Ｃが、また下端部
には垂下片１１ ｄがそれぞれ設けられている。

開口周縁部１１ ａの下側の凹部には、パツキン１２が
設けられ、これに中容器の取付は縁９ｂが当接している
。

また、この開口周縁部１１ ａは、部分的に切り欠かれ
て空気通路１１ ｅとなっており、この空気通路１１
ｅは注出口４から液体を注出するために必要な空気吸入
口として働く。

口部材１１の内ねじ１１ ｂには、前記支持リング１０
の外周ねじ１０ａが螺合し、外ねじ１１ Ｃには外蓋３
が螺着される。

支持リング１０は複数個の補強用リブ１０ Ｃおよびス
トッパー１０ ｂをそなえ、このストッパー１０ｂには
口部材１１の垂下片１１ ｄが当接し、これにより注出
口４の取付けのための中容器の位置決めが行われるとと
もに、口部材１１と支持リング１０との螺合状態が好ま
しい状態とされる。

なお、口部材１１は固定部７２ ａにおいて肩部材７２
に圧着されているが、口部材１１と肩部材７２とを一体
に成形しておいてもよい。

外蓋３は、容器本体２の開口部（中容器の開口部でもあ
る）２ ａを開閉自在に覆蓋するもので、図示例では口
部材１１に螺着されているが、蝶番式に開閉するように
、容器本体に枢着しておいてもよい。

外蓋３の内側には、コツプ３ａ、３ｂが保持されている
が、このように開口部２ａの空間を利用してコツプなど
を収納するようにすれば、実用上便利である。

容器本体２の側面には、前部カバー１４が設けられ、そ
の内側に液量計１３が設けられている。

液量計１３は中容器９に設けられた口金１３ ａ 、１
３ ｂにそれぞれゴム製のエルボ１３ Ｃ，１３ｄを介
して透明なガラス管１３ ｅを連結してなるもので、こ
れを設けておけば、液量を常時観察することができるの
で便利である。

容器本体２の下端部には、３本の脚５が設けられている
。

これら３本の脚５は、底部材７３にピン５ａによって枢
着され、底部材７３に取り付けられている弾性体５ｂの
働きにより、立てた状態および折りたたんだ状態のいず
れにおいても固定される、いわゆる折りたたみ式の脚と
して設けられている。

また、３本の脚５は、互いに１２０°づつの間隔をおい
て対称的に取り付けられている。

注出口４の下にはコツプなどの容器が置かれるので、そ
のための空間を確保するために、該注出口４の直下部を
避けた位置に容器本体を支える複数本の脚を設けておく
のが好ましいが、この場合脚の数は３本とし、これらを
上述したように等間隔で取り付けておくのが安定性およ
び経済性の面で有利である。

なお、これらの脚は図示例のように折りたたみ式に設け
ておく方が携帯に便利である。

容器本体の、上記前部カバー１４の下側には、注出口４
が設けられ、この注出口４の開口部４ａは液通路１９に
よって中容器９の底部と連絡されている。

すなわち、中容器９の底部にパツキン１５を介して口管
１６が取り付けられ、この口管１６にエルボ１７を介し
てバルブハウジング１８が連結され、さらに、バルブハ
ウジング１８の外側端部に管状の注出口４が取り付けら
れている。

上記口管１６、エルボ１７．バルブハウジング１８およ
び゛注出口４は液通路１９を形成する。

口管１６の中容器側端部は球面状にやや隆起し、その部
分に複数個の細孔１６ｂが穿設されてフィルタ一部１６
ａとなっている。

中容器内に保持されている液体は、このフィルタ一部１
６ ａの細孔１６ｂを通って注出口４に導びかれるので
、中容器内に投入された茶の葉などが注出口の開口部４
ａから注出されることが防がれる。

また、上記フィルタ一部１６ ａはいくらか隆起した曲
面として形成されているので、中容器内に投入された氷
塊などによって細孔１６ｂが塞がれてしまうことが防が
れる。

なお、口管１６の中容器側の端部が中容器９の底部に取
り付けられているので中容器内の液体の殆んど全量を注
出することができる。

バルブハウジング１８には、エルボ１７に連結される流
入管１８ ａと、注出口４に連結される流出管１８ ｂ
の間に開閉用口１８ Ｃが設けられ、この開閉用口１８
Ｃの下側には液溜り１８ｄが設けられている。

開閉用口１８ Ｃは、バルブ軸２０ ａの下端部ニパッ
キン２０ ｂを装着してなるバルブ２０によって閉塞さ
れる。

バルブハウジング１８の上部にはガイド筒１８ ｅが設
けられ、上記バルブ軸２０ ａの上部がこれに嵌入して
いる。

バルブ軸２０ ａの上端部にはブッシング２０ Ｃが取
り付けられており、このブッシング２０ Ｃは部分的に
上記ガイド筒１８ ｅに嵌入するとともに、その下端面
はガイド筒１８ ｅの内部に収納されているスプリング
２０ ｄによって常に上向きに押されている。

したがって、バルブ２０は、常時は開閉用口１８ Ｃを
閉塞した状態に保たれるが、バルブ軸２０ ａを下向き
に押圧すれば、該バルブ軸２０ ａがガイド筒底面１８
ｆに設けられた軸用穴１８ ｇおよびガイド筒内面を
案内として下向きに摺動し、開閉用口１８ Ｃを開くの
である。

バルブ２０の上方には、バルブ軸２０ ａと同一方向に
傾斜した押圧部材２３が配設されている。

押圧部材２３の頭部２３ Ｃはバルブ操作用の押圧部と
して働くもので、前部カバー１４の凹部１４ａの内側に
設けられている。

押圧部材２３は前部カバー１４の凹部１４ ａの傾斜壁
１４ｂおよび同凹部１４ ａに設けられた上下両支持板
１４ Ｃ，１４ｄによって摺動自在に支持され、その内
部には該押圧部材２３を常に上向きに押すスプリング２
３ ａが、またその外面には上記傾斜壁１４ ｂに設け
られたスリット１４ｅに嵌入し、これに沿って上下する
ストッパー２３ｂがそれぞれ設けられている。

したがって、押圧部材２３は、常時はストッパー２３
ｂがスリブ）−１４ｅの上端部に突き当った状態で保持
され、この状態では該押圧部材の下端部とバルブ軸２０
ａの上端部との間に隙間２４が形成されているが、押
圧部材２３の頭部２３ Ｃを下向きに押圧すれば、前記
傾斜壁１４ｂおよび上下両支持板１４ Ｃ，１４ｄを案
内として下向きに摺動し、バルブ軸２０ ａの上端部に
当接したのち、該バルブ軸２０ ａを下向きに摺動させ
、開閉用口１８ Ｃを開くのである。

なお、この押圧操作を止めて押圧部材を解放すれば、ス
プリング２０ ｄおよびスプリング２３ ａの働きによ
りバルブと押圧部材と直ちに復帰し、注液が即座に停止
される。

前記バルブハウジング１８の流入管１８ａは流出管１８
ｂよりも下位に設けられている。

したがって、中容器から口管１６とエルボ１７を通って
流入管１８Ｈに流入した液体は、液溜り１８ｄを経て開
閉用口１８ Ｃを下から上に向って流れることになるが
、このように開閉用口１８ Ｃ付近における液通路１９
が下から上に向うので、バルブ２０は常に開閉用口１８
Ｃを閉塞する方向の液圧を受けることになり、常態に
おける注出口４の閉塞をより確実なものとする。

バルブハウジング１８の液溜り１８ｄの下端部には開口
である排液口２５が形成され、この排液口２５はキャッ
プ２１によって閉塞されている。

この例における排液口２５は、バルブの点検修理用の覗
き窓としても利用される。

キャップ２１は排液口の開閉手段として働くもので、上
記液溜り１８ｄの下端部にパツキン２１ ａを配して螺
着されており、必要に応じて取り外すことができる。

キャップ２１はねじ式に限らず、例えばゴムキャップで
あってもよく、無理嵌め式に嵌着するようなものであっ
てもよい。

上記液通路１９の配設位置では底部材７３が部分的に切
り欠かれて開口部７３ ａを形成し、この開口部が底板
２２によって覆蓋されている。

底板２２は蝶番２２ ａによって底部材７３に開閉自在
に枢着され、該枢着部と反対側の端部には、底板７３の
開口縁部に設けられた突出片７３ ｂと無理嵌め式に嵌
合する嵌着部２２ ｂが設けられている。

嵌着部２２ｂの下側にはツマミ２２Ｃが設けられており
、このツマミ２２Ｃを下向きに引っ張れば、底板２２を
開くことができ、逆にツマミ２２ Ｃを押し上げて嵌着
部２２ ｂと突出片７３ ｂとを嵌合させれば、底板２
２を閉じた状態で保持することができるようになる。

キャップ２１を開閉する頻度はそれほど高くないので、
常時はこの部分を図示例のように覆蓋しておくのが、美
感上および液通路配設部の保護上好ましい。

なお、排液口を覆う底板は図示例のような蝶番式のもの
に限らず、例えば電池ケースの蓋にしばしば採用される
ようなスライド式に開閉するものであってもよく、更に
他の開閉方法によるものであってもよい。

また、場合によってはこのような底板を設けておかず、
排液口の設置部分を露出させておいてもよい。

第２図は、第１図における液溜り１８ｄ以外の部分に排
液口を設けた実施例をあられすもので、第１図における
エルボ１７のかわりにＴ字管２６を設け、このＴ字管２
６に排液口２５′とその開閉手段とを設けた例をあられ
す。

すなわち、Ｔ字管２６の内部に通孔２６ ａをそなえた
中間壁２６ ｂが設けられ、パツキン２７ ａをそなえ
た排液弁２７がこの通孔２６ ａを閉塞するように設け
られている。

排液弁２７は、その弁軸２７ ｂに設けられたピン２７
Ｃと上記中間壁２６ ｂとの間に保持されたバネ２８
によって常に通孔２６ ａを閉塞する方向に付勢されて
いるが、Ｔ字管２６の下端面から外部に突出した弁軸２
７ ｂの下端部を上向きに押せば、通孔２６ ｂが開い
てＴ字管内の液が流下し、排液口２５′から排出される
のである。

第３図は、ねし式のバルブ２０′をそなえ、後端部が直
接中容器９に取り付けられる管状の注出口４の中間部に
側口４ｂを設け、これに液量計１３の口金１３ａを接続
した例をあられす。

この例では口金１３Ｈの部分に残留する液を排出するた
めに、該口金１３Ｈの内部に連通ずる排液管２９が設け
られ、その下端部が排液口２５″となっている。

排液口２５″にはゴムキャップ３０が被せられており、
このゴムキャップ３０を取り外せば排液することができ
る。

この考案にかかる保温容器は、注出口の外側開口部と中
容器との中間部に開閉自在な排液口が設けられているの
で、必要に応じてそこから内部の液体を排出することが
できる。

したがって、保温容器内の液体を入れ換える場合や、保
温容器内部の洗滌を行なう場合に、古い液体が管内に残
留することを効果的に防ぐことができるようになり、衛
生上きわめて好ましいものとなった。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案にかかる液体保温容器の１例をあられ
す一部断面側面図、第２図および第３図はそれぞれ異な
る実施例をあられす要部断面図である。 １・・・・・・保温容器、２・・・・・・容器本体、３
・・・・・・外蓋、４・・・・・・注出孔、５・・・・
・・脚、６・・・・・・把手、７・・・・・・外ケース
、９・・・・・・中容器、１６・・・・・・口管、１８
・・・・・・バルブハウジング、１８ｄ・・・・・・液
溜す、１９・・・・・・液通路、２０・・・・・・バル
ブ、２５・・・・・・排液孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外ケースの内側に中容器を収納し、外ケースの外面には
   開閉自在なバルブをそなえた注出口を設け、該注出口の
   外側開口部と中容器とを液通路で連通してなる液体保温
   容器であって、前記注出口の外側開口部と中容器との中
   間部に外部に通ずる排液口を設けるとともに、該排液口
   を自在に開閉することのできる開閉手段を設けたことを
   特徴とする液体保温容器。