JPS62579Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、蓋体に装備されたポンプから器体
内に給気して内容液を加圧し、器体内に一端が臨
む注出管を通じて内容液を外部へ押し出し注液す
る型式の、いわゆるエアーポツトに関する。

エアーポツトは、ポンプの装備や、注出管先端
の注液口が器体から突出する等のため、実容量に
比べ全体のかさ張りが大きくなり、使用上他の邪
魔になるとか、突出部に引つ掛かる等して取扱い
に不便であるし、器体が円形であることも相俟つ
て、梱包時等無駄な空間が大きく生じ、梱包およ
び運送上不利である。

この点を解消するものとして、注液口を非使用
時格納しておき、使用時は突出状態に引き出すよ
うにしたものが、例えば実開昭53−166754号公報
（従来例１、実開昭54−138161号公報（従来例
２）、実開昭55−48498号公報（従来例３）で知ら
れている。

しかし、従来例１、２のものは注液口を完全に
収納し切るものではなく、注出口の大半が器体外
面になお出つ張つたり、把手部分が突出していた
りするので、取扱い上不用意に引つ掛かつて引出
されてしまうことがある。従来例３は注出口を格
納し切つてしまうため前記のような欠点はない
が、注出口を引出すのに器体外面の凹部に手指を
入れて挟み出さなければならないから、注出口の
引出し操作に不便である。またこれら従来例１、
２、３のものは器体が丸形であるため梱包や収納
時等無駄な空間が大きく、梱包や収納のスペース
効率が悪い。

一方、実開昭55−70028号公報（従来例４）に
は角形の器体を持つものが開示されてはいるが、
注出口が張出したままのものであるし、器体は角
形の外装ケースに丸形の内容器を収容したもので
それ自体でスペース効率の悪いものとなつてい
る。

この考案は前記のような問題点を解決すること
を目的とするものであり、器体が、内外とも角形
で内容液加圧ポンプ装備の蓋体と共に角柱形状に
形成され、前記ポンプにより加圧される内容液を
外部に導く注出管の器体外部分を、器体および蓋
体がなす角柱状外面の天面および側周面に開放す
るように形成された凹部内への格納位置と先端注
液口前記側周面から張り出す注出位置との間で可
動な可動注液口管とし、可動注液管は格納状態の
とき前記角柱状外面の天面および側周面に対し面
一ないしは突出しない大きさおよび形状に形成さ
れていることを特徴とするものである。

第１図から第４図に示される実施例について説
明すれば、器体１は、ステンレススチールやほう
ろう加工される等した、熱伝導性の低い金属材料
からなる外装ケース兼用外容器２と内容器３と
が、それらの間を真空断熱空間４として結合され
た、金属製真空二重容器とされている。真空断熱
空間４は、外容器２および内容器３の接合部５
を、真空空間内でろう接する等して形成でき、接
合部５は、器体１の形状ないし各容器２，３の形
状や組み合わせ方によつて、種々の箇所および形
式を選定してなされる。器体１上端には、内容液
加圧ポンプ６を装備した蓋体７が着脱自在に装着
される。蓋体７は、合成樹脂製であつて、器体１
の一重壁口部１ａに対し、環状の突条７ａおよび
凹条１ｃとの弾性係合によつて着脱自在に装着さ
れ、突条７ａを持つた装着筒７ｂのほかに、器体
１の肩外周段部１ｂと嵌り合う角形飾り周壁７ｃ
を有している。装着筒７ｂには、その円周上数箇
所に縦割溝７ｄが形成され、突条７ａおよび凹条
１ｃの弾性的な係脱を容易にしている。装着筒７
ｂの基部内周には、器体口部１ａと蓋体７との間
のシールパツキング８が装着されている。

ポンプ６は、蓋体７の前記装着筒７ｂを下面に
持つ底部壁７ｆ上に形成された手動ベローズポン
プであつて、蓋体７の上面開口７ｅに臨むポンプ
押圧操作板９を有し、操作板９により復元ばね１
０に抗し押圧操作されると、内部空気を底部壁７
ｆに開設の吐出口６ａから器体１内に送り込み、
内容液を加圧するようにしている。６ｂは吸気
口、６ｃは吸気口弁であつて、構造簡略のため操
作板９裏面に一体成形されている。加圧される内
容液を外部に導く注出管１１は、蓋体７側に保持
され下端流入口１１ａが器体１肩部の透孔１２を
通じ器体１内へ着脱自在に挿入されるようにされ
ている。器体１の透孔１２部は、断熱空間５の真
空性を損わないよう、外容器２および内容器３の
接合部５が孔縁をなすような状態に開設されてい
る。

器体１は、その角形を蓋体７と共に角柱形状に
形成されており、器体１の下端部には、合成樹脂
製の底板１３が、突条１ｄと凹条１３ａとの係合
により無理嵌めされている。注出管１１は、蓋体
７における操作板９が臨出している開口７ｅの一
側稜部に蓋体７の天面および側周面に開放するよ
うに形成された凹部１４の底部壁１４ａ一端部に
対し膨出部１１ｂを無理嵌めして固着され、底部
壁１４ａの注出管１１が無理嵌めされている接続
筒１４ｂ上端に横向き連通孔１４ｃが設けられる
と共に、接続筒１４ｂ上端部に対し接続筒１４ｂ
を中心に回動できるよう一端が嵌め合わされた注
液管１５を有している。注液管１５の器体１外部
分は、接続筒１４ｂを中心とした回動によつて、
凹部１４内への格納位置（実線の状態）と、先端
注液口１５ａが前記器体１および蓋体７がなす角
柱状外面から張り出す注液位置（仮想線の状態）
とに自由に移動され、格納状態では前記角柱状外
面に対しほぼ面一となるようにされている。

凹部１４は、注液管１５を格納するために設け
られており、注液管１５は格納状態にて少なくと
も前記角柱状外面から突出しない形状および大き
さであればよく、前記面一状態に限定されない。
横向き連通孔１４ｃは、注液管１５が注液位置に
あるときのみ、注液管１５と連通する向きおよび
大きさに開設され、注液管１５の回動に伴つて自
動的に開閉される。１６は注液管１５のカバーで
ある。

第５図、第６図は、蓋体７が装着筒７ｂを器体
口部１ａに対し螺着２１して着脱自在に装着した
場合を示し、器体１の肩外周段部１ｂはその立ち
上がり面１ｅを円形にし、蓋体７を回動により着
脱する際の、角形飾り周壁７ｃとの干渉を防止し
ている。蓋体７は器体１の前記立ち上がり面１ｅ
に対し螺着しまたは嵌着してもよい。注出管１１
は、横向き連通孔２２を有した注出管１１と注液
管１５との接続筒２３を蓋体７とは別体とし、接
続筒２３外周に太鼓形パツキング２４を装着し
て、蓋体凹部１４の底部壁１４ａに開設された開
口２５へ前記パツキング２４部により着脱自在に
嵌め付けられ、注液管１５と共に蓋体７に対し取
外せるようにしている。蓋体底部壁７ｆの吐出口
６ａ部には、その裏面へ嵌着したキヤツプ２６に
よつて弁室２７を形成し、常時は自然昇圧を防止
し得る程度の隙間を持つて吐出口６ａを閉じてお
く逆止弁２８を設けている。

第７図、第８図に示される実施例は、注液管１
５を注出管１１に対し伸縮自在に接続して、凹部
１４内に格納される（実線の状態）か、先端注液
口１５ａを角柱状外面から張り出させる注液位置
（仮想線の状態）にされるようにしている。注液
管１５は、注出管１１の接続筒２３を凹部１４内
で横向きに折り曲げた水平管部２３ａに対し伸縮
自在に嵌め合わされ、格納状態では、水平管部２
３ａの先端連通孔２３ｂを塞ぐ弁部１５ｂが形成
されている。凹部１４は、器体１の蓋体７に隣接
する上方突出部１ｆがなす稜部に形成され、その
底部に注出管１１を挿入する透孔１２が開口する
ようにされている。注出管１１は接続管２３の縦
管部２３ｃ外周に設けたＯリング２９部によつ
て、透孔１２に対し着脱自在に装着されている。

第９図、第１０図は、蓋体７の一側面に、縦長
の凹部３１を形成し、この凹部３１内へ上端部が
枢着３２されたカバー３３の保持孔３４に縦向き
の注液管１５を保持し、カバー３３の枢着３２部
を中心とした回動により、実線の格納位置と仮想
線の注液位置との間で可動なようにされている。
注液管１５は注出管１１とは接続されてはいない
が、注出管１１の吐出口１１ｃから吐出される注
出内容液を受け入れ、下端注液口１５ａから流出
させる。

この考案によれば、器体が内外ともに角形で蓋
体とともに角柱形状に形成されているから、それ
自体でも、また梱包や収納状態でもスペース効率
のよいものとなる。

また注出口が、器体および蓋体がなす角柱状外
面の天面および側周面の双方に開放するよう設け
た凹部に、角柱状外面と面一状態かそれから突出
しない状態に格納されているから、格納時不用意
に引つ掛かつて張出し操作されてしまうようなこ
とがないうえ、そのような完全収納状態でありな
がら収納している凹部の角柱状外面に対する天面
および側周面双方への開放部を利用してどのよう
な型式で出入れする注出口でもそのどこかを引つ
掛け、また押動するなどして容易に張出し操作す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一実施例の斜面図、第２図は縦断面
図、第３図は一部拡大縦断面図、第４図は一部拡
大横断面図、第５図は別の実施例の要部縦断面
図、第６図は一部斜面図、第７図は別の実施例の
要部斜面図、第８図は要部縦断面図、第９図は今
１つの実施例の要部縦断面図、第１０図は要部斜
面図である。 ｛２……外容器、３……内容器｝１……器体、
１ａ……口部、４……真空断熱空間、６……内容
液加圧ポンプ、７……蓋体、｛１ｂ……凹条、７
ａ……突条、２１……螺着、７ｂ……装着筒｝蓋
体７の装着手段、１１……注出管、１２……透
孔、１４……凹部、１４ｂ，２３……接続筒、１
５……注液管、１５ａ……注液口。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 器体が、内外とも角形で内容液加圧ポンプ装
   備の蓋体と共に角柱形状に形成され、前記ポン
   プにより加圧つされる内容液を外部に導く注出
   管の器体外部分を、器体および蓋体がなす角柱
   状外面の天面および側周面に開放するように形
   成された凹部内への格納位置と先端注液口前記
   側周面から張り出す注出位置との間で可動な可
   動注液口管とし、可動注液管は格納状態のとき
   前記角柱状外面の天面および側周面に対し面一
   ないしは突出しない大きさおよび形状に形成さ
   れている角型エアーポツト。 (2) 器体は、熱伝導性の低い金属材料からなる金
   属製真空二重容器である実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の角型エアーポツト。 (3) 蓋体は、器体の肩部ないしは口部に対し着脱
   自在に装着されている実用新案登録請求の範囲
   第２項記載の角型エアーポツト。 (4) 蓋体の装着は、螺着による実用新案登録請求
   の範囲第３項記載の角型エアーポツト。 (5) 蓋体の装着は、弾性嵌着による実用新案登録
   請求の範囲第３項記載の角型エアーポツト。 (6) 可動注液管は、弧回動式に前記２位置間を移
   動されるものである実用新案登録請求の範囲第
   １項記載の角型エアーポツト。 (7) 可動注液間は、伸縮式に前記２位置間を移動
   されるものである実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の角型エアーポツト。