JPS5849726Y2 - 液体保温容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は飲料水などの保温に用いられる液体保温容器
（以下、単に保温容器と呼ぶ）に関する。

外装用の外ケースの内部に、液体を収容するための中容
器を収納してなる保温容器が広く使用されている。

このような保温容器のうち大型のものには、上部に設け
られた投入口のほかにコック式のバルブをそなえた注出
口がその下部外面に設けられていることが多いが、この
コック式のバルブは開けるときも閉めるときも人手でレ
バーを回動操作しなければならないので取扱い上不便で
あった。

この考案は開閉操作が簡単な注出用バルブをそなえた保
温容器を提供するものであり、これについて以下に説明
する。

この考案にかかる保温容器は、中容器の底部から外ケー
スの外面に通ずる通液路を設けるとともに、該通液路の
先端部には先端部が外ケースの外方に臨む管状の注出口
を設けた保温容器であって、前記通液路の中間部に閉弁
側に付勢されたボール弁を設け、かつ前記注出口を通液
路に沿って摺動自在に設けるとともに、該注出口の後端
部には摺動時に前記ボール弁を開く弁操作具を突設し、
常時は注出口が閉ざされているが、外力を加えてこれを
摺動させた場合には中容器内の液体を注出口から注出す
ることかで゛きるようにしたことを特徴としている。

つぎに、図面にあられされたこの考案の実施例について
説明する。

第１図は、この考案にかかる保温容器の１例の正面図、
第２図は要部を断面であられした側面図、および第３図
は底面図である。

同図において、この保温容器１は、容器本体２と容器本
体２の開口部２ａを覆蓋する外蓋３、容器本体２の下部
に設けられた注出口４、容器本体を支える脚５および把
手６をそなえている。

容器本体２は、外ケース７の内部に断熱材８を介して中
容器９を収納してなる。

外ケース７は、化粧鋼板でつくられた筒状部７１と、合
成樹脂でつくられた層部材７２および底部材７３をそな
え、筒状部７１は層部材７２および底部材７３に材料の
弾性を利用して嵌着する、いわゆる無理嵌め方式により
接合されている。

中容器９は、アルミニウム、ステンレス鋼などの金属材
料でつくられるもので、それぞれ別体に製作された容器
部材９１と上部材９２とが、接合部９ａにおいてかしめ
られ、一体となって中容器を形成している。

この上部材９２の上端周縁は外側に折り曲げられて、取
付は縁９ｂとなり、支持リング１０の上端部に装着され
ている。

中容器の上部材９２を支持リング１０に取り付ける方法
としては、上部材９２の上端部を折り曲げる際、支持リ
ング１０の上端周縁に巻き込むようにして同時に圧着し
てもよく、また、支持リング１０と、支持リング１０が
螺合する口部材１１との間で、パツキン１２を介して上
部材９２の取付は縁９ｂを挟圧、保持するようにしても
よい。

中容器９は、このようにして、主としてその上端部にお
いて外ケース７に取り付けられ保持されるが、その下端
部の下側に配設された断熱材８によっても補助的に支え
られる。

口部材１１は、その上端部が断面コ字型に屈曲成形され
て開口周縁部１１ ａとなり、その中間部の内外両面に
は内ねじ１１ ｂおよび外ねじ１１ Ｃが、また下端部
には垂下片１１ ｄがそれぞれ設けられている。

開口周縁部１１ ａの下側の凹部には、パツキン１２が
設けられ、これに中容器の取付は縁９ｂが当接している
。

また、この開口周縁部１１ ａは、部分的に切り欠かれ
て空気通路１１ ｅとなっており、この空気通路１１
ｅは注出口４から液体を注出するために必要な空気吸入
口として働く。

口部材１１の内ねじ１１ ｂには、前記支持リング１０
の外周ねじ１０ａが螺合し、外ねじ１１ Ｃには外蓋３
が螺着される。

支持リング１０は複数個の補強用リブ１０ Ｃおよびス
トッパー１０ｂをそなえ、このストッパー１０ｂには口
部材１１の垂下片１１ ｄが当接し、これにより注出口
４の取付けのための中容器の位置決めが行われるととも
に、口部材１１と支持リング１０との螺合状態が好まし
い状態とされる。

なお、口部材１１は固定部７２ Ｈにおいて肩部材７２
に圧着されているが、口部材１１と肩部材７２とを一体
に成形しておいてもよい。

外蓋３は、容器本体２の開口部（中容器の開口部でもあ
る）２ ａを開閉自在に覆蓋するもので、図示例では口
部材１１に螺着されているが、蝶番式に開閉するように
、容器本体に枢着しておいてもよい。

外蓋３の内側には、コツプ３ａ、３ｂが保持されている
か′、このように開口部２ａの空間を利用してコツプな
どを収納するようにすれば、実用上便利である。

容器本体２の側面には、前部カバー１４が設けられ、そ
の内側に液量計１３が設けられている。

液量計１３は中容器９に設けられた口金１３ａ、１３ｂ
にそれぞれゴム製のエルボ１３ Ｃ，１３ｄを介して透
明なガラス管１３ Ｃを連結してなるもので、これを設
けておけば、液量を常時観察することができるので便利
である。

容器本体２の下端部には、３本の脚５．５’、５”が設
けられている。

これら３本の脚５．５’、５”は、底部材７３にピン５
ａによって枢着され、底部材７３に取り付けられている
弾性体５ｂの働きにより、立てた状態および折りたたん
だ状態のいずれにおいても固定される、いわゆる折りた
たみ式の脚として設けられている。

また、３本の脚５．５’、５”は、互いに１２０°づつ
の間隔をおいて対称的に取り付けられている。

注出口４の下にはコツプなどの容器が置かれるので、そ
のための空間の確保するために、該注出口４の直下部を
避けた位置に容器本体を支える複数本の脚を設けておく
のが好ましいが、この場合脚の数は３本とし、これらを
図示例のように等間隔で取り付けておくのが安定性およ
び経済性の面で有利である。

なお、これらの脚は図示例のように折りたたみ式に設け
ておく方が携帯に便利である・ 容器本体の、上記前部カバー１４の下側には、注出口４
が設けられ、この注出口４の先端部の開口４ａは通液路
１９によって中容器９の底部と連絡されている。

すなわち、中容器９の底部にパツキン１５を介して口管
１６が取り付けられ、この口管１６にエルボ１７が、ま
たエルボ１７の前端部には内筒１８がそれぞれ無理嵌め
式に嵌着した状態で設けられている。

内筒１８の前よりの外周部には管状の注出口４の後部が
摺動自在に嵌合しており、該嵌合部の注出口４の内面と
内筒１８の外周面との間にＯリング２０が配されている
。

内筒１８の前端部には内側に突出するリング状の突起１
８ ａが設けられ、この突起１８ ａにパツキン２１が
嵌着されて弁座となっている。

この弁座には外側からボール弁２２がバネ２４によって
押し当てられ、通孔部１９ａを閉塞している。

ボール弁２２は、注出口４の中間部に嵌着された弁筒２
３の後端部に保持されている。

第４図は、弁筒２３のａ正面図およびｂ断面図であり、
同図に示されている如く、前端部にバネ止め片２３ ａ
が、また後端部には断面楔状を呈する弁止め片２３ ｂ
がそれぞれ設けられ、上記バネ止め片２３ ａと弁止め
片２３ ｂとは、ボール弁がそれに沿って摺動するリブ
２３ Ｃによって結ばれている。

この弁筒２３の内部に、ボール弁２２および該ボール弁
２２を常に閉弁側に付勢するバネ２４が収納されている
のである。

上記口管１６、エルボ１７、内筒１８、弁筒２３および
注出口４の内部が通液路１９となっている。

なお、内筒１８に摺動自在に嵌合している注出口４は、
その中間部に設けられた鍔４ｂと前部カバー１４の下部
内面との間に、該注出口４の外周をとり巻くように配さ
れたバネ２５によって常に内側方向（後方）に押されて
いる。

また、注出口４の外部には垂下片４Ｃが設けられており
、この垂下片４Ｃを外向きに引けば注出口４をバネ２５
に逆らって引き出すことがで゛きる。

注出口４が引き出されると、その内部に嵌着している弁
筒２３もボール弁２２を保持したまま前向き（外向き）
に移動するので、ボール弁２２が弁座がら離れ、通孔部
１９ ａが開かれて、中容器内の液体が注出口４の開口
部４ａから注出されるのである。

注出口４を引き出している力を取り去れば、バネ２５の
働きによって注出口４が直ちに後退し、ボール弁２２が
弁座に密着して通孔部１９ ａが閉塞されるので注液は
停止する。

垂下片４Ｃをコツプの縁で゛引っ掛けて引き出すことに
より、コツプ内に液体を注出させるようにしておくと便
利である。

上記垂下片４Ｃのかわりに、注出口４の上部または側部
に、指掛けとして働く同様な突出体を設けておいてもよ
く、あるいはこのような指掛は用突出体を設けずに、直
接注出口４をつかんで引き出すようにしてもよい。

なお、前記口管１６の中容器側端部は球面状にやや隆起
し、その部分に多数の細孔１６ｂが穿設されてフィルタ
一部１６ ａを形成している。

中容器内の液体は、上記細孔１６ｂを通って注出口４に
導びかれるので、中容器内に投入された茶の葉などが流
出することか防がれる。

またフィルタ一部１６ ａが球面状に隆起しているので
、中容器内に投入されている氷塊などによって細孔１６
ｂが塞がれてしまうことが防がれる。

第５図は、注出口４を内側に押し込むことにより開弁す
るようにした実施例をあられすもので、注出口４の後部
が摺動自在に嵌合する外管２６が設けられ、該外管２６
の後部はエルボ１７′に嵌合している。

また、エルボ１７′の後部には口管１６′が嵌着されて
いるが、この口管１６′には部分的な伸長部１６ Ｃが
設けられ、この伸長部１６ Ｃの中間部に突起１６ｄが
設けられている。

外管２６の中間部内面にはリング状の突起２６ ａが設
けられ、この突起２６ ａにパツキン２１′が嵌着され
て弁座となっている。

外管２６の該弁座の後方内壁にはリブ２６ ｂが設けら
れ、このリブ２６ ｂによってボール弁２２が摺動自在
に保持されている。

ボール弁２２は、前記口管１６の突起１６ｄの下側に配
されたバネ２４′によって弁座に押し付けられ、通孔部
１９ａ′を閉塞している。

また、外管２６に嵌合した注出口４の後端部とボール弁
２２との間には弁押圧具２７が配設されている。

弁押圧具２７は第６図に示すように輪軸状の棒２７ ａ
をそなえている。

この弁押圧具２７は、弁座との間に配されたバネ２８に
より、常時は注出口４の後端部に押し付けられているが
、注出口４を内側に押し込めば後退してその棒２７ ａ
がボール弁２２を弁座から押し離す。

これにより通孔部１９ａ′が開かれ、注出口４の開口部
４ａから注液が行なわれるのである。

注出口４を押圧する力を取り除けばバネ２４′および２
８の働きにより直ちに復帰し、注液が停止する。

なお、外管２６と注出口４の嵌合部にはＯリング２０′
が配されており、また注出口４の中間外周部には段部４
ｄが設けられ、この段部４ｄに前部カバー１４の開口周
縁部１４ ａが当接して、それ以上の注出口４の突出が
阻止される。

注出口４の上部には指掛は用の突出体４ｅが設けられて
いるが、場合によってはこれを設けておかなくてもよい
。

この考案にかかる保温容器は、注出口を内側に押し込む
か、または外側に引き出すことにより注液を行なうこと
ができるので、注液のための開弁操作がきわめて簡単で
あり、実用上便利なものとなった。

注出口を開閉する弁としてボール弁を用いているので、
開閉操作時における液体の抵抗が少なく、開閉をスムー
スに行なうことができるとともに、開閉が確実となる。

第２図に例示したように、注出口を引き出したときに注
液されるような構造としておけば、保温容器の携行中に
注出口が立木などの物体に衝突して不意の注液が行なわ
れるような事故を防ぐことができるとともに、常時は注
出口の突出量を小さくしておくことができるので便利で
ある。

また、第５図に例示したような構造としておくと、液圧
が常にボール弁を閉じる方向に働くので、通孔部の閉塞
がより確実となるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案にかかる保温容器の１例をあられす正
面図、第２図はそのＡ−Ａ断面図、第３図はその底面図
、第４図は要部拡大図であり、ａは正面図、ｂは断面図
、第５図は異なる実施例をあられす要部断面図、第６図
は弁押圧具の斜視図である。 １・・・・・・保温容器、２・・・・・・容器本体、３
・・・・・・外蓋、４・・・・・・注出孔、５・・・・
・・脚、６・・・・・・把手、７・・・・・・外ケース
、９・・・・・・中容器、１６・・・・・・口管、１８
・・・・・・内筒、２０・・・・・・Ｏリング、２１・
・・・・・パツキン、２２・・・・・・ボール弁。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）外ケースの内部に中容器を収納し、該中容器の底
   部から外ケースの外面に通ずる通液路を設けるとともに
   、該通液路の先端部には先端部が外ケースの外方に臨む
   管状の注出口を設けた液体保温容器であって、前記通液
   路の中間部に閉弁側に付勢されたボール弁を設け、かつ
   前記注出口を通液路に沿って摺動自在に設けるとともに
   、該注出口の後端部には摺動時に前記ボール弁を開く弁
   操作具を突設し、常時は注出口が閉ざされているが、外
   力を加えてこれを摺動させた場合には中容器内の液体を
   注出口から注出することができるようにしたことを特徴
   とする液体保温容器。
2. （２）注出口を外方へ引き出す方向に摺動させたときに
   ボール弁が開くようにした実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の液体保温容器。