JPH0331247Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は魔法瓶の蓋の構造に関するものであ
る。

〔従来技術及びその問題点〕

近年、コーヒー飲用が日常化し、しかも本物志
向の傾向が強く、インスタントコーヒーなどでは
味わえないひきコーヒーが好まれている。そこで
行楽地などに出かける際も魔法瓶にひきコーヒー
で入れたコーヒーを貯蔵して持参することになる
が、魔法瓶にコーヒーを貯蔵するには、別にコー
ヒードリツパーやサイホンを用いてコーヒーを作
り、これを魔法瓶に入れるのが通常である。しか
しながら、上記のようにして魔法瓶に貯蔵された
コーヒーは、魔法瓶に入れる際にコーヒーの温度
が下がつたり、また高温で長時間を経るとどうし
てもコーヒーの風味が落ちるなどして目的地で飲
むときはせつかくのひきコーヒーの風味が味わえ
ないという問題があつた。このことは、コーヒー
のみでなく紅茶や緑茶の場合にも同様の問題があ
る。そこで魔法瓶には白湯を貯蔵し、ドリツパー
を別個に持参して目的地でコーヒーを入れること
も考えられるが、ドリツパーを別個に持つていく
ことは手荷物が増えるためわずらわしく、またド
リツパーを落すなどして壊すこともある。

この考案は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、簡易携帯性、価格などは従来の魔法瓶と何ら
変わらないが、これまで飲用時のコツプ及び蓋と
してしか使用されなかつた魔法瓶の蓋を、更にド
リツパーとしても使用できるようにして上記問題
点を解消するとともに家庭でも単品のドリツパー
としても使用できる便利な魔法瓶の蓋を提供する
ものである。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案に係る魔法瓶の蓋は、一端を小口径と
した漏斗状の蓋本体の前記小口径部開口を形成す
るとともに、前記蓋体の小口径部に流出孔閉塞用
キヤツプを冠着して飲用コツプとしても使用でき
又上記閉塞用キヤツプを離脱してコーヒー等のド
リツパーとしても使用し得るように構成したもの
である。

〔実施例〕

この考案に係る魔法瓶の蓋の実施例を図面に基
いて説明する。

第１図ないし第３図はこの考案に係る魔法瓶の
蓋の実施例を示すもので、この実施例に係る魔法
瓶の蓋は第１図及び第２図に示すように、プラス
チツクからなる一端を小口径とした漏斗状の蓋本
体１０とこの蓋本体１０の前記小口径部１１に着
脱自在に冠着されるエラストマー等の耐熱軟質樹
脂からなる閉塞用キヤツプ２０とから構成される
ものである。

前記蓋本体１０の小口径部１１に向けて傾斜す
るテーパ壁１０ａの外周壁には魔法瓶の開口部５
１にドリツパーとしてセツトされた場合に流出口
となる筒状袴部１２と前記開口部５１の周縁に当
接される当接板１３とが一体成形されて設けられ
ている。前記蓋本体１０の小口径部１１には侵出
したコーヒーが流出する流出孔１１ａが形成され
て開口している。また蓋本体１０の広口径開口部
の内面周縁には、蓋として使用される場合に魔法
瓶本体５０の肩部材に螺着するための螺着用ネジ
１０ｂが形成されている。また蓋本体１０の外周
壁上方には指掛用の把手１０ｃが設けられてい
る。前記流出口の筒状袴部１２の外周壁には前記
閉塞用キヤツプ２０に形成された嵌合用溝２０ａ
と嵌合される嵌合用環状リブ１２ａが形成されて
いる。

前記閉塞用キヤツプ２０は、その内径を前記蓋
本体１０の流出口の筒状袴部１２の外周壁に嵌合
可能な大きさに形成されている。更にこの閉塞用
キヤツプ２０の天面内壁には、前記蓋本体１０の
小口径部１１に形成された流出孔１１ａに嵌合し
て閉塞するための流出孔閉塞突起２１が形成され
ている。

次にこの実施例に係る魔法瓶の蓋の使用方法に
ついて説明する。第１図及び第３図に示す魔法瓶
本体５０は、携帯用の魔法瓶であり、その内筒５
２及び外筒５３はステンレススチールなどの金属
で形成され、上記内外筒間５４は真空排気された
金属製魔法瓶である。蓋本体１０をドリツパーと
して使用し、魔法瓶本体５０内にコーヒーを貯蔵
するには、初めに、魔法瓶本体５０の開口部５１
に止栓されている中栓３０を抜き取り、第１図に
示すようにこの開口部５１に蓋本体１０の流出口
筒状袴部１２を挿入し蓋本体１０の当接板１３を
前記開口部５１の周縁部に当接しドリツパーとし
ての蓋本体１０を安定させる。次いで蓋本体１０
の内壁面にフイルター（図示せず）を配置し、ひ
きコーヒーを入れ、やかん等で沸かした白湯を注
ぐ。このようにして浸出されたコーヒーは蓋本体
１０の小口径部１１に形成された流出孔１１ａか
ら流れ出し、魔法瓶本体５０内に流入し貯蔵され
る。

またこの実施例に係る魔法瓶の蓋は、魔法瓶の
みでなく他のコーヒーカツプ等の容器にひきコー
ヒーを浸出してコーヒーを入れる場合のコーヒー
ドリツパーとしても使用することができる。この
場合、当接板１３を他の容器の開口部周縁部に載
置することにより安定させる。そして魔法瓶本体
５０に貯蔵して持参した白湯を注ぐことにより湯
温も下がることがなく、入れたてのひきコーヒー
の風味を味わうことができるもので、魔法瓶に貯
蔵して持参したコーヒーの味と比べて格段の差が
ある。このように行楽地など戸外の目的地でおい
しいコーヒーの風味を味わえるので極めて便利で
ある。なお、家庭内でドリツパーとして使用でき
ることはいうまでもない。

そして通常魔法瓶の持運びに当つてはこれを蓋
として使用するもので、この場合、第３図に示す
ように、魔法瓶本体５０の開口部５１から蓋本体
１０の流出口筒状袴部１２を抜き出し、前記開口
部５１を中栓３０で止栓し次いで前記蓋本体１０
を逆さにして、魔法瓶本体５０の肩部材に螺合し
て冠着する。更に蓋本体１０の小口径部１１に形
成された流出孔１１ａに閉塞用キヤツプ２０の天
面内壁に形成された流出孔閉塞突起２１を嵌合す
るとともに閉塞用キヤツプ２０の周壁内面に形成
された嵌合用溝２０ａに蓋本体１０の流出口筒状
袴部１２の外周に設けた嵌合用リブ１２ａを嵌合
することにより閉塞用キヤツプ２０を流出口筒状
袴部１２に冠着して流出孔１１ａを閉塞する。

また上記のように流出口筒状袴部１２に閉塞用
キヤツプ２０が冠着された蓋は魔法瓶本体５０内
に貯蔵されたコーヒーを飲む際の飲用コツプとし
て使用できる。この場合、蓋本体１０の流出孔１
１ａには閉塞用キヤツプ２０の突起２１が嵌合さ
れ、かつ閉塞用キヤツプ２０の嵌合用溝２０ａと
流出口筒状袴部１２の嵌合用リブ１２ａとか互い
に嵌合されているため蓋本体１０の流出口筒部１
２と閉塞用キヤツプ２０との間は水密性が確保さ
れコーヒーが漏れ出すことはない。

上記実施例においては、蓋本体１０をプラスチ
ツク製としたが、金属製例えばステンレススチー
ル製でももちろんよく、閉塞用キヤツプ２０の材
料も実施例のものに限られるものではない。また
魔法瓶本体５０の内筒、外筒もステンレススチー
ル製のものに限られるものではない。また蓋本体
１０の外周壁に当接板１３が形成されたものとし
たが、当接板１３を設けないものでもよい。また
流出口筒状袴部１２を蓋本体１０のテーパ壁１０
ａに形成したが、別個に流出口筒状袴部１２を設
けず、テーパ壁１０ａの裾部を第４図に示すよう
に円筒状に形成し、流出口筒状袴部１５としても
よい。この場合、流出口筒状袴部１５の下端に流
出孔１１ａを有する板面１４を形成してもよく、
あるいは流出口筒状袴部１５の上部に板面１４を
形成してもよい。このようにすると構造が簡単と
なり製造の作業性が良くなる。なお、上記実施例
では、コーヒーに関して述べたが、紅茶、緑茶に
ついてももちろん使用することができる。

〔考案の効果〕

上述のようにこの考案に係る魔法瓶の蓋は漏斗
状として蓋本体に小口径の流出口を形成し、魔法
瓶本体の開口部に挿入できるようにしたため、ド
リツパーとして家庭内でも使用でき、行楽地など
へも魔法瓶本体に白湯を持参するとともにドリツ
パーも一緒に簡便にもつていけるので戸外でも手
軽にひきコーヒー等の本物の風味を味わうことが
できる。また蓋本体の小口径部開口に閉塞用キヤ
ツプを冠着するので水密性が保たれ、飲用コツプ
としても使用できる。また魔法瓶に上記のような
多様な便利な用途をもつ蓋をつけても、従来の魔
法瓶の蓋の形状を少々変更するのみであるため価
格も従来のものと殆ど変わらず、しかもコーヒー
ドリツパーを別個に購入する必要もないので経済
的にも安価な魔法瓶を提供することができるなど
の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図はこの考案の実施例を示す
もので第１図はこの考案に係る魔法瓶の蓋本体を
魔法瓶の開口部にセツトした場合を示す側面半断
面図、第２図はこの考案に係る魔法瓶の蓋の分解
側面半断面図、第３図は魔法瓶の蓋として冠着し
た状態を示す側面半断面図、第４図は他の変形例
を示す側面半断面図である。 １０……蓋本体、１１……小口径部、１４……
板面、１１ａ……流出孔、１２，１５……流出口
筒状袴部、２０……閉塞用キヤツプ、２１……流
出孔閉塞突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端を小口径とした漏斗状の蓋本体と、この蓋
   本体に形成された前記小口径部開口に着脱自在に
   冠着される閉塞用キヤツプとからなり、この閉塞
   用キヤツプの内壁には前記蓋本体の流出口に形成
   された流出孔に嵌合される流出孔閉塞突起が形成
   されてなる魔法瓶の蓋。