JPS5848679Y2 - 熱ロ−ル

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【考案の詳細な説明】本考案は、熱ロールに係り、とくに複写機の定着部等に
用いる熱ロールに関する。

一般に、複写機の定着部等においては、第１図に示すよ
うに熱ロール１とこれに圧接するピンチロール２とを設
け、これらのロール１，２間に複写用紙を挾んだ状態で
その複写用紙を加熱移送するようにしている。

この場合、熱ロール１としては、金属等の円筒体３内に
ニクロム線等のヒータ４を設けた構成が用いられていた
。

しかし、ニクロム線等のヒータ４では円筒体３とヒータ
４との間の熱伝導性が悪く、所望の表面温度を得るため
の消費電力が大きくなる。

また、過熱の危険性があるため、これについての安全対
策が必要である。

このため、正の抵抗温度係数を有する発熱体として働く
正特性サーミスタ（ＰＴＣサーミスタともいう。

）で熱ロールを形成することが提案されている。

しかし、熱ロール全体を正特性サーミスタ形成すると、
重量が大きくなり過ぎ、また軽量化のために正特性サー
ミスタの肉厚を薄くすると、破損し易く、機械的強度に
不足を生じることが判明した。

本考案は、上記の点に鑑み、金属円筒体内に複数の正特
性サーミスタ素子を埋設した構成により、軽量でしかも
熱効率の良好な熱ロールを提供しようとするものである
。

以下、本考案に係る熱ロールの実施例を図面に従って説
明する。

第２図及び第３図において、アルミニウム等の軽量の金
属から戊る金属円筒体１０には、軸方向に複数の貫通孔
１１が形成され、これらの貫通孔１１内に両端部に電極
１２が形成された棒状の正特性サーミスタ素子１３が夫
々埋設される。

ここで、貫通孔１１の寸法と正特性サーミスタ素子１３
の寸法とは、該正特性サーミスタ素子１３の挿入作業に
支障をきたさない範囲で、貫通孔１１の内周面に正特性
サーミスタ素子１３が密着するように設定される。

また、貫通孔１１及び正特性サーミスタ素子１３の個数
は要求される表面温度及び表面温度の均一性の要求精度
によって適当な個数に定められる。

なお、金属円筒体１０と正特性サーミスタ素子１３は電
気的な絶縁を施すことが必要である。

このために、円筒体１０の貫通孔１１の内面又はサーミ
スタ素子１３の表面にテフロン、シリコンまたはワニス
等の絶縁被膜層が設けられる。

上記実施例によれば次のような効果を上げることができ
る。

（１）アルミニウム等の軽量の金属円筒体１０でロール
を構成しているから、軽量で堅牢である。

（２）正特性サーミスタ素子１３を発熱体として用いて
おり、正特性サーミスタ素子１３自体が温度の自動調節
機能を有しているため、温度変化が小さく、熱ロールと
しての温度安定性を確保できる。

（３）金属円筒体１０に正特性サーミスタ素子１３を密
着させることができるから熱効率が良好で、消費電力が
少くてよい。

第４図は本考案の他の実施例を示す。

この図においては、金属円筒体１０の貫通孔１１に筒状
の正特性サーミスタ素子１３Ａを埋設するようにしてい
る。

この場合、正特性サーミスタ素子１３Ａの外周面及び内
周面に夫々電極１２Ａが形成される。

この実施例による発熱量は前述の実施例に比して抵抗が
小さく、電流が大きくとれるため数倍の発熱量が得られ
効率が良い。

斜上のように、本考案によれば、金属円筒体内に複数の
棒状又は筒状の正特性サーミスタ素子を埋設した構成と
することにより、軽量でしかも熱効率の良好な熱ロール
を得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般的は複写機定着部の構成を示す概略構成図
、第２図は本考案に係る熱ロールの実施例を示す斜視図
、第３図は同断面図、第４図は他の実施例を示す部分断
面図である。１０・・・・・・金属円筒体、１１・・・・・・貫通孔
、１３．１３Ａ・・・・・・正特性サーミスタ素子。

【実用新案登録請求の範囲】