JPS5845161Y2 - リザ−バ別体型マスタシリンダ用の密封部材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、車両等に装着されシリンダ本体に）ノサーハ
を組付けるようにしたリザーバ別体型マスクシリンダ用
の密封部材に関するものである。

最近、マスクシリンダのリザーバとシリンダ本体とは、
シリンダ本体に設けたボス部の内孔にリザーバの下部に
設けた液接続部を密封部材を介在して嵌合した状態に組
立てられ、上記密封部材によりボス部の内孔内周面と液
接続部の外周面との間を密封するようにしている。

ところが、上記密封部材は、密封すべき部所すなわち上
記ボス部の内孔内周面或は液接続部の外周面に圧接する
ようにした部所に、環状に突起を形成しているが、実際
にマスクシリンダに組込んで実車に使用した場合に、初
期には、設計上の締付力を与えられて充分な密封性能を
達成するものの、密封部材の材質はゴム製であるのが殆
どであり、経時使用により変形し或いはエンジン等によ
り発散する熱により変質・変形したりするため、その密
封部材の密封性能が著しく低下することがある。

特に上述した如き密封部所に環状の突起を形成している
密封部材にあっては、締付力を大きく設定される突起部
分の変形・変質が著しく、長期にわたって充分な密封性
能を維持できなくなる。

本考案は、上述の問題点に鑑みて成されたもので、密封
部所に突起を形成するようにしたりザーバー別体型マス
クシリンダ用の密封部材であっても、比較的長期間にわ
たって充分な密封性能を維持できるようにしたリザーバ
別体型マスクシリンダ用の密封部材を提供することを目
的とし、その特徴とするところは、前記突起を、突出高
さが異なるように複数個設けたことにある。

以下、図示の実施例に基づき、本考案のリザーバ別体型
マスクシリンダ用の密封部材について詳説する。

第１図は、リザーバ別体型のタンデムマスタシリンダの
一部を断面で示す側面図である。

第１図において、リザーバ別体型タンデムマスクシリン
ダは全体を１で示され、該マスタシリンダ１は、合成樹
脂より形成されたリザーバ２と、アルミニウム系或は鉄
系等の金属より形成されたシリンダ本体３とを有してい
る。

リザーバ２とシリンダ本体３とは、リザーバ２の下部に
設けた突部４の図示しない孔にボルト５の軸を挿通し、
ボルト５をシリンダ本体３の突部６の図示しないねじ穴
に螺着することにより一体化されており、更に、リザー
バ２の下部に設けた液接続部７，８が、シリンダ本体３
の上部側に設げたボス部９，１０の内孔ｌＬ１２に各々
嵌合している。

液接続部７とボス部９との関係と、液接続部８とボス部
１０との関係とは同一であるので、以下の説明は、前者
の関係について述べ、後者については略す。

液接続部７は、はぼ円筒形状を呈し、下端外周に鍔部１
３が形成されており、他方、ボス部９の内孔１１には、
中間部分に増径孔部１４が形成されている。

液接続部７とボス部９との間には、液接続部７の外周面
とボス部９の内孔１１内周面との間を密封する密封部材
１５がある程度の締付力を与えられた状態で配置されて
いる。

第２図に、密封部材１５の形状を示す半断面図を示す。

この第２図を参照すると、密封部材１５には、液接続部
７の外周面と内孔１１の内周面との間で締付けられる主
部１６と、リザーバ２下面とボス部９上端面との間に位
置する鍔部１７と、主部１６と鍔部１７とをつなげる連
続部１８とを有している。

主部１６の外周には、上下端部に高さが相等しい突起１
９，２０が設けられ、両突起１９，２０間には突起１９
，２００高さより低い高さの小突起２１が設けられてい
る。

他方、主部１６の内周及び連続部１８の内周には、突起
１９，２０より若干低く、小突起２１より若干高い突起
２２゜２３が各々設けられている。

密封部材１５は、第２図破線で示す液接続部７及びボス
部９に対して締付力を設定されて両者間に配置せしめら
れるが、この締付力を寸法的に示せば、内周側では全体
的に１１の締代を与えられ、かつ、突起２２．２３が設
けられた部所では、上記ｌ工に突起２２，２３の高さ１
２を加えた締代が与えられており、他方、外周側では、
突起１９゜２０が設けられた部所で１３の締代が、小突
起２１が設げられた部所で１４の締代が各々与えられて
いる。

２５は、密封部材１５の主部１６の下端内周に設けた増
径部を示し、液接続部７の鍔部１３が嵌合するようにさ
れている。

以上に示す密封部材１５を使用して、リザーバ２とシリ
ンダ本体３とを組立てる際の工程について以下に説明す
る。

まず、密封部材１５を、主部１６がボス部９の内孔１１
の増径孔部１４に嵌着し、かつ、鍔部１７の下面がボス
部９の上面に接する状態で、ボス部９に取付ける。

次いで、リザーバ２の液接続部７を密封部材１５の上方
に軸線をほぼ一致させて配置した後、液接続部７を密封
部材１５の内孔に嵌入する。

すると、密封部材１５は変形してボス部９の内孔１１内
に入り込もうとするが、主部１６の下端が内孔１１の増
径孔部１４の下方段部に当接するとともに、鍔部１７に
より連続部１８が内孔１１内に入り込もうとするのを阻
止するため、液接続部Ｉは、密封部材１５を変形させつ
つ、密封部材１５の内孔へ深く入り込んでゆき、遂には
、鍔部１３が密封部材１５の増径部２５に嵌合する位置
まで嵌合される。

この状態で密封部材１５は、第１図に示す如く、液接続
部７とボス部９との間に所定の締付力を与えられて配置
される。

この際、第２図に示す連続部１８とボス部９上端との間
の空間２６は、密封部材１５の変形によって乙その大き
さが減少し若しくは殆んど無くなっている。

リザーバ２とシリンダ本体３との組立ては、この上述の
工程の後、ボルト５を螺着する工程を経て完了する。

上述の密封部材１５０作用について以下に述べる。

リザーバに２とシリンダ本体３とを組立てた後、密封部
材１５は、設計通りの締付力を与えられ充分な密封性能
を達成する。

今密封部材１５の外周側について注目すると、突起１９
，２０は、締代１３に応じて、小突起２１は、締代１４
に応じて、各々内孔１１の内周面に圧接し、密封部材１
５と内孔１１との間を密封するが、その密封力は、小突
起２１のものより突起１９ 、２０のもののほうが大き
くなっている。

ところで、突起１９ 、２０は、初期の締代が大きく設
定しであるため、熱等に影響されて比較的短期間のうち
に変質・変形してしまい、充分な密耐性能を達成するこ
とが不可能となるばかりでなく、液漏れの原因となるこ
ともあるが、他方、小突起２１の締代は突起１９ 、２
０に比較して小さく設定されているため、熱等の影響を
受けても比較的長期間にわたって密封能力を維持するこ
とができ、突起１９，２００密封性能が低下しても小突
起２１により長期間にわたって、液漏れを防止できる。

又、液接続部７とボス部９との間に配置される密封部材
１５は、リザーバ２のたおれを防止する機能を有してい
るが、この機能を達成する際、突起１９ 、２０にかな
りの負担がかかり、突起１９゜２００変質・変形が促進
されるが、小突起２１は、両突起１９ 、２０間に設け
であるため、リザーバ２のたおれによる影響は小さく、
より長期間にわたって密封性能を維持せしめろことがで
きる。

すなわち、密封部材１５は、リザーバ２とボス部９，１
０との間の密封を行なうとともに、リザーバ２の倒れを
一対の太きな突起１９ 、２０で防止して小突起２１に
作用する応力を小さく制限し、また、大きな突起１９，
２０のシール力が低下してもリザーバ２の倒れにより与
えられる小突起２１に対する影響が小さいので、この小
さな突起２１により長期間にわたって密封性能を確保で
きろ。

以上の如く、上述の実施例によれば、密封部所に、比較
的高い突起１９，２０を設けるとともに、両突起１９．
２０間に小突起２１を設けであるため、充分な密封性能
を比較的長期間にわたって維持することができるもので
ある。

上述の実施例では、高さの異なる突起を、密封部材１５
の主部１６の外周にのみ設ける例を示しているが、他の
部所すなわち密封部材１５の内周側の突起２２，２３間
に小突起を設けるようにしてもよい。

ただし、この場合には、密封部材１５の内孔に液接続部
７を挿通する際に、液接続部７の鍔部１３が引っ掛かり
易くなり、結局挿通しに（くなろため、又、内周側には
、突起２２ 、２３の締代ｌ に加えて全体的に１０の
締代が設けられており、密封性能は比較的長期間にわた
って維持できるため、必ずしも必要ではない。

更に、高さの異なる突起を上述の例では、２個設けたが
、小突起２１より更に小さい締代のもの或は若干大きい
締代のものを更に設けてもよいことは勿論であるが、あ
まり多く設けろことは密封部材を大型化するので第２図
の例が好ましい。

なお、各部所における締代（締付力）は、要求される密
封力に対応して設定すればよく、例えば、配管系内の空
気抜き作業時のブレーキ液圧送による散気圧、或は、真
空圧を第１」用した空気抜き作業の負圧の圧力を密封で
きるような高さを突起の最大高さとすればよく、他方、
突起の高さの最低限は、リザーバ２内の液重量により液
漏れが生じない高さ以上とすればよい。

以上述べた如く、本考案によるりザーバ別体型マスクシ
リンダ用の密封部材によれば、密封部所に、高さの異な
る突起を複数個設けであるため、比較的長期間にわたっ
て密封性能を維持できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はリザーバ別体型タンデムマスクシリンダの一部
を断面で示す側面図、第２図は本考案の一実施例である
密封部材の半断面を示す説明図である。 １・・・・・・リザーバ別体型タンデムマスタシリンダ
、２・・・・・・リザーバ、３・・・・・・シリンダ本
体、７，８・・・・・・液接続部、９，１０・・・・・
・ボス部、１１，１２・・・・・・内孔、１５・・・・
・・密封部材、１９ 、２０ 、２２ 。 ２３・・・・・・突起、２１・・・・・・小突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダ本体３に設げたボス部９，１０の内孔１１．１
   ２と、この内孔に嵌合し、リザーバ２の下部に設けた液
   接続部７，８との間を密封するように設けた密封部材１
   ５を、液接続部７，８の外周面と内孔ｌＬ１２の内周面
   との間で締付けられろ主部１６と、リザーバ２の下面と
   ボス部９゜１０の上端面との間に位置する鍔部１７と、
   主部１６と鍔部１７とをつなげる連続部１８とより一体
   に形成し、主部１６の外周には、上下端部に高さが相等
   しい突起１９ 、２０を設けろと共に、両突起１９，２
   ０間には突起１９，２００高さより低い高さの小突起２
   １を設け、主部１６の内周及び連続部１８の内周には全
   体的に締代を付与したことを特徴とするリザーバ別体型
   マスクシリンダ用の密封部材。