JPS5838189Y2 - チエ−ンテンシヨナ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案ハ、チェーンスプロケット間に懸張したチェーン
を所定の張力状態に保持するチェーンテンショナの改良
に関するものである。

従来より、第１図に示すように、ハウジング１にシリン
ダ１ａを穿設し、該シリンダ１ａ内には先端部にチェー
ン２に当接するシュー３を備えたスリーブ４を嵌挿して
、該スリーブ４を軸方向に縮装したコイルスプリング５
で常時突出方向に付勢してチェーン２を一定張力に保持
する一方、スリーブ４の外周面に軸方向の歯形４ａを刻
設するとともに、ハウジング１の前面部に設けた収納部
１ｂに、上記歯形４ａに係合するラチェツト爪部材６を
軸７によりヒンジ支持し、ラチェツト爪部材６をスリー
ブ４が突出するときには逃げ、スリーブ４の後退に対し
てはその後退を阻止するようにスプリング８で保持する
ようにしたチェーンテンショナの構造はよく知られてい
る。

かかるチェーンテンショナの構造では、コイルスプリン
グ５によってスリーブ４が常に突出する方向に附勢され
ているため、コイルスプリング５をシリンダ１ａ内に縮
装した状態のままチェーンテンショナをセットすること
が困難であった。

かかる不具合を解消するため、実公昭５１−２９４２０
号公報には、「自動車エンジン等のパルブタイミングチ
エン用のプランジャ形テンショナニおいて、テンショナ
ボディにピンによう固定・解放レバーを支え、該固定・
解放レバーの一端をプランジャに係着可能に成形すると
ともに、他端を押圧することによりプランジャとの係着
を解くように構成したタイミングチェンテンショナ。

」が提案されており、かかるものではチェンテンショナ
の組付けが容易に行なえる利点がある。

しかしながら、このものでは、組付は後、固定・解放レ
バーを操作してプランジャの係止を解除しなければなら
ず、その点でな訃改善すべき余地があった。

本考案は、かかる従来の問題に鑑みてなされたものであ
って、取付は前にあっては係止状態に保持することがで
き、取付は後においては、チェーンの張力により自動的
に係止が解除され、よってチェーンテンショナを所定の
位置に取付けるただの一操作で、チェーンを必要な張力
状態に保持することができるチェーンテンショナを提供
することを目的としている。

このため、本考案にかかるチェーンテンショナにおいて
は、チェーンを張力状態に保持するスリーブの外周面に
スリーブの後退を許容する所定長さの平担部を設ける一
方、スリーブの前端部に外径方向に突出する突出部を設
け、ノ・シリンダ側には、上記突出部に係合する切欠き
を有する回動板をヒンジ支持するとともに、スリーブが
ノ・シリンダのシリンダ内に縮装したコイルスプリング
のバネ力に抗して後退されたときに、回動板がスリーブ
のピンから自動的に外れるようにピンと協働する傾斜部
を上記回動板に設け、スリーブをコイルスプリングのバ
ネ力に抗して係止した状態でチェーンテンショナの組付
けを行なうことができ、組付ケ後、チェーンをセットし
たときに、そのチェーンの張力で、スリーブを上記平担
部に沿って後退させ、その際、スリーブのピンで回動板
を回動してピンと回動板との係合を自動的に解除するよ
うにしたことを特徴としている。

以下、図示の実施例に基づいて本考案をより具体的に説
明する。

第２図訃よび第３図に釦いて、１１は円筒状の本体１１
ａと、本体１１ａの前部側に突設され一対の側壁１１ｂ
、ｌｉｅを形成する突出壁部１１ｄと、本体１１ａの後
部側に形成された取付用フランジ部１１ｅとからなるノ
・シリンダ、１２はチェーン（第６図参照）を所望の張
力状態に保持するための円柱状のスリーブ、１３はスリ
ーブ１２の先端部において外径方向に突設したピン１４
を係止する回動板、１５はスリーブ１２の後退を阻止す
る爪部材で、第４図、第６図に示すコイルスプリング１
６とともに、チェーンテンショナヲ構成する。

第４図に示すように、ハウジング１１には、本体１１ａ
とは若干偏心した軸芯を有するシリンダ１Ｔを突出壁部
ｌｉｄから軸方向内向きに穿設し、このシリンダ１７に
は、上記スリーブ１２を摺動自在に嵌合している。

このスリーブ１２はその軸方向後端から軸方向に穿設し
た軸孔１８を有し、シリンダ１Ｔの底壁１７ａと軸孔１
８の底壁１８ａとの間には、スリーブ１２をチェーンの
張力に抗じて保持するためのコイルスプリング１６を縮
装してしる。

このコイルスプリング１６のバネ力で突出する方向に付
勢されたスリーブ１２を係止する回動板１３は、第５図
に拡大して示すように、その基端部１３ａがハウジング
１１の突出壁部１１ｄの一方の側壁１１ｂに垂直に取付
けられたヒンジピン１９によって回動自在にヒンジされ
、先端１３ｂ側には、スリーブ１２の前端部１２ａに突
設したピン１４と係合するフック１３ｃを形成する切欠
き１３ｄが形成されるとともに、切欠き１３ｄから基端
１３ａ側に向うにしたがってピン１４に対して高くなっ
た傾斜部１３ｅが形成された構造を有し、組付は状態で
は、フック１３ｃでスリーブ１２のピン１４をスリーブ
１２がシリンダ１７から軸方向前方に突出しないように
係止している。

なお、上記ヒンジピン１９の先端は、シリンダ１７内に
僅かに突出させ、その突出端をスリーブ１２の外周胴部
に軸方向に一定長さ条設した条溝２０に嵌合して、スリ
ーブ１２を回ジ止めしたうえで軸方向にスリーブ１２を
ガイドしうるようにしている。

一方、第６図に示すように、上記スリーブ１２には、条
溝２０と９０°異なるスリーブ１２の外周胴部の上部に
軸方向の一定範囲に亘って歯形ηを刻設し、この歯形２
１には、突出壁部１１ｄの上部を軸に垂直な方向に貫通
させたヒンジ軸２２により両側壁部１１ｂ、ｌｉｅ間に
揺動自在にヒンジ支持した上記爪部材１５の係合部１５
ａを係合させている。

この場合、爪部材１５の上部には、第６図において、爪
部材１５をヒンジ軸２２の回すで時計回うに付勢するコ
イルスプリング２３をハウジング１１０本体１１ａの前
面側から穿設した孔２４に装着し、スリーブ１２の突出
時には爪部材１５を逃がしてスリーブ１２の突出を許す
一方、スリーブ１２の後退に対しては、これを阻止する
係合構造としている。

なお、第６図に番号２５で示すように、歯形２１の前部
側には、歯形２１を設けていない平担部としての遊びの
溝２５を設け、図に示すスリーブ１２０組付は位置から
、所定の距離だけスリー７１２を後退させることができ
る構造とし、このスリーブ１２の後退でスリーブ１２の
係止を解除することができるようにしている。

即ち、上記遊びの溝２５は、その長さだけスリーブ１２
が軸方向に後退させられたときに、スリーブ１２のピン
１４がその後退に際して回動板１３の傾斜部１３ｅを押
しつつ摺動してヒンジピン１９０回りに回動板１３を回
動させ、再度スリーブ１２が軸方向に前進したときに、
回動板１３のフック１３ｃがスリーブ１２のピン１４を
係止しない退避位置１で逃がすことができる長さに設定
する。

上記の構成を有するチェーンテンショナについて、その
取付は構造釦よび作用を次に説明する。

ｔｆ、チェーンテンショナは、コイルスフリング１６を
スリーブ１２の軸孔１８内に装入した状態でハウジング
１１のシリンダ１１内に嵌合し、第２図、第４図、第６
図等に示す如く、スリーブ１２をコイルスプリング１６
のバネ力に抗して軸方向に押し込んだ状態で回動板１３
のフック１３ｅをスリーブ１２のピン１４に係合させて
、スリー７１２を軸方向に飛び出さないように係止保持
する。

この組付は状態では、スリーブ１２は、第４図に示すよ
うに、ヒンジピン１９の先端によって回り止めされ、渣
た、第６図に示すように、爪部材１５は遊び用の溝２５
上に位置して、係止されたスリーブ１２の後退を可能と
している。

上記のようにして組付けたチェーンテンショナは、第６
図に仮想線で示すように、チェーンスプロケット（図示
せず）間に懸張したチェーン３０の中間部に押し付けて
チェーン３０に所定の張力を付与した状態で上記ハウジ
ング１１の取付用フランジｌｉｅを図示しない固定部材
に固定する。

このチェーンテンショナの固定の際、もしくはチェーン
を駆動した際、チェーン３０の張力によりスリーブ１２
に作用する軸方向力でスリーブ１２は、遊び用の溝２５
分だけ軸方向に後退され、そノ際、スリーブ１２のピン
１４と傾斜部１３ｅとの協同作用で回動板１３はヒンジ
ピン１９のＤＯすに回動されて、フック１３ｃとピン１
４との係合が解除される。

そのため、スリーブ１２は、チェーン３０に作用する張
力によって与えられる軸方向の押込力と、コイルスプリ
ング１６の軸方向のバネ力とがバランスする筐で前進し
て停止し、それ以後は、スリーブ１２に設けた歯形２１
に爪部材１５の係合部１５ａが係合してスリーブ１２が
後退しえないように、スリーブ１２を係止し、チェーン
３０を所望の張力状態に保持する。

そして、チェーン３０の使用中に釦けるゆるみや伸びは
、スリーブ１２の徐々の前進によって吸収され、常時良
好な張力状態が維持される。

以上の説明から明らかなように、本考案は、ノ・シリン
ダのシリンダ内に先端部を残して嵌合したスリーブをシ
リンダ内に縮装したスプリングのバネ力に抗して組付状
態に係止し、スリーブを軸後退方向に押込んだときに係
止を解除する係止構造を備えたチェーンテンショナを提
供するものである。

本考案に係るチェーンテンショナによれば、チェーンテ
ンショナを装着する以前においては組付は状態の１１取
扱うことができるうえ、チェーンに対してセットした段
部では、スＩ）□−ブの係止を自動的に解除することが
できるので、特別な係止解除操作が不要となシ、その取
扱いを著しく簡単なものとすることができ、とくにライ
ン作業では作業能率を著しく向上させることができる効
果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のチェーンテンショナの要部断面図、第２
図は本考案に係るチェーンテンショナの側面図、第３図
は上記チェーンテンショナの正面図、第４図は第２図の
ｔｖ−ｔｖ線方向断面図、第５図は第２図の回動板の拡
大図、第６図は第３図のＶｌ−■線方向の断面図である
。 １１・・・・・・ハウジング、１２・・・・・・スリー
ブ）１３・・・・・・回動板、１３ｄ・・・・・・切欠
き、１３ｅ・・・・・・傾斜部、１４・・・・・・突起
部としてのピン、１５・・・・・・爪部材、２１・・・
・・・歯形。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ・・シリンダ内に設けたシリンダ内に、外周面に軸方向
   に所定長さ歯形を刻設したスリーブをスプリングを介し
   て摺動自在に嵌挿して、スリーブの前端でチェーンの中
   間部を支持するとともに、ハウジングに上記スリーブの
   歯形と係合してスリーブの後退を防止する爪を設けたチ
   ェーンテンショナにおいて、上記スリーブの外周面に該
   スリーブの後退を許容する所定長さの平担部を設ける一
   方、該スリーブの前端部に外径方向に突出するように設
   けられた突出部と、基端が上記・・シリンダに回動自在
   に保持され、先端に上記突出部に係合する切欠きが形成
   され、かつ該切欠きからスリーブの後退方向に対して傾
   き、スリーブの上記後退に伴つて上記突出部と切欠きの
   係合を解除する傾斜部が形成された回動板とを備えたこ
   とを特徴とするチェーンテンショナ。