JPH0538136Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はマンホール蓋を受枠体に錠止する施錠
装置に関するものである。

（従来の技術） マンホール蓋を受枠体に施錠する機構としては
種々のものが既に提案されているが、キーハンド
ルは蓋の解錠操作後においても蓋に挿入したまま
であると紛失盗難の危険があるため、蓋を開放し
てから蓋の鍵孔から抜取れらている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、キーハンドルを抜取つてしまう
と、施錠機構のロータが逆回転して錠止部材が蓋
側面部より突出した施錠位置に復帰してしまう。
そのため、蓋閉鎖時にキーハンドルを挿入して錠
止部材を後退させてから蓋を受枠体に嵌合操作し
ないと、錠止部材を歪曲損傷することがある。

従つて本考案の目的は、蓋の側面部より突出し
て受枠体の内周突部と係合する錠止用フツク体
が、キーハンドルを抜取つても突出状態に逆戻り
することがないマンホール蓋の施錠装置を提供す
ることである。

（問題点を解決するための手段） 以下、添付図面中の参照符号を用いて説明する
と本考案のマンホール蓋の施錠装置は、蓋２の周
縁部下面に水平枢軸４で枢着され、受枠体１の内
面突部６と係脱するフツク体５と；蓋２の下面側
に回転可能に装着され、周面にカム突起２２を突
設したロータ１４と；蓋２の下面に装着され、フ
ツク体５の方向にバネ３６で摺動付勢されたスラ
イド板９と；スライド板９の内端部にその摺動方
向に傾斜して形成され、カム突起２２によつて押
されるカム斜面部２３と；スライド板９の外端部
に上下方向に傾斜して形成された操作カム面部１
０と；フツク体５の内側アーム７の先端部に設け
られ、操作カム部１０に当接する受動突子８と；
蓋２の鍵孔１９からロータ１４に挿入され、ロー
タ１４を回転駆動するキーハンドル２７とから成
り、前記フツク体５が内面突部６から離脱したと
きカム突起２２の先端面２２ａを前記カム斜面２
２に突当てるものである。

（実施例） 図示の実施例では、施錠装置のケース３の前後
各側面板部に取付耳部４２が突設され、該取付耳
部４２は蓋２の下面ボス部３８に突当てられ、ボ
ルト４０とナツト４１によつて締付け固着されて
いる。該ボルト４０の頭部は該下面ボス部３８の
縦断面Ｔ字型の横溝３９に挿入されている。水平
枢軸４の前後各端部はケース３の側面板部に支持
されている。

フツク体５に突設した内側アーム７は、ケース
３の基板部の開口部３３に突出しており、該基板
部の下面にはプロテクター板部３７が突設されて
いる。このプロテクター板部３７は、蓋取外し時
にフツク体５が道路面に直接当接して歪曲変形す
るのを防止している。受動突子８は支持軸が水平
枢軸４と平行に配置されたローラ型に構成されて
おり、蓋２の施錠状態においては、受動突子８は
操作カム面部１０の最下部に当接している。

ロータ１４の下端小径部はケース３の基板部の
軸孔１５に回転可能に嵌合され、ロータ１４の上
端小径部は蓋２のボス部３５の軸受部１７と上面
ガイド板１１の透孔１６に回転可能に嵌合されて
いる。該上面ガイド板１１は、ケース３の基板部
からの立上り部１２にビス１３によつて固着され
ている。スライド板９の中央開口部内に突出して
いる立上り部の側面には、カム突起２２の側面が
当接するストツパー部２４を設けてある。

軸受部１７に連通した蓋２の鍵孔１９は螺子孔
に形成され、これには栓用のビス１８が螺合され
ている。スライド板９は圧縮コイルバネ型の付勢
用バネ３６によつてフツク体５方向に摺動付勢さ
れている。スライド板９の中央開口部の内側端部
には受動壁部２１が形成され、これにはロータ１
４の周面突起２０の一側面が当接している。カム
斜面部２３の傾斜角度は約45度に設定されてい
る。

ロータ１４を回転操作した当初の段階では、周
面突起２０が受動壁部２１を押圧することによつ
てスライド板９が後退摺動し、約45度回転した後
の段階でカム突起２２がカム斜面部２３を押圧
し、全体として90度回転したとき、スライド板９
は蓋２の解錠位置に到達し、カム突起２２の先端
面２２ａがカム斜面部２３に突当てられる。

このカム突起の先端面２２ａとカム斜面部２３
間に働くバネ３６の押圧力は、一方の分力がカム
斜面方向に沿つて作用し、他方の分力がカム突起
２２の長さ方向、即ちロータ１４の直径方向に作
用するため、スライド板９は当該後退位置に保持
される。

スライド板９の前後側面にはその長さ方向に間
隔を置いて突条部４３を突設してあり、ケース３
の内側面とスライド板９は該突条部４３にて摺接
するだけであるため、摺動抵抗が少なくなつてお
り、また突条部４３間に砂塵の排除空間が形成さ
れるため、砂塵の食い込みによる摺動困難を招く
ことがない。

キーハンドル２７は丸棒型に形成され、基端部
に回転操作用摘み３２を固着してある。キーハン
ドル２７の先端部に直径方向に設けた割溝２８に
は爪板３０が収容され、枢軸２９でキーハンドル
２７に枢着されている。該割溝２８と交差する軸
方向のピン受部には押ピン３１が摺動可能に収容
されている。押ピン３１の先端小径部はキーハン
ドル２７の先端面から自重で突出し、爪板３０は
自重で割溝２８内に没入している。そのため、鍵
孔１９と受孔２５へのキーハンドル２７の挿入操
作は爪板３０の不必要な飛出しに邪魔されずに円
滑になされる。

栓用ビス１８を鍵孔１９から取外してキーハン
ドル２７をロータ１４の受孔２５に挿入すると、
押ピン３１の突出下端部が該受孔２５の内底面に
当接する。この当接後、キーハンドル２７を更に
押込むと、押ピン３１の上端部が爪板３０の側面
を押上げるため、爪板３０は枢軸２９を中心に回
動して先端部が割溝２５から飛出し、ロータ１４
の受溝２６に入り込むことになる。これによつ
て、キーハンドル２７とロータ１４が連結され、
キーハンドル２７からの回転力がロータ１４に伝
達される。

（作用） このマンホール蓋の施錠装置では、キーハンド
ル２７を蓋２の鍵孔１９からロータ１４に挿入し
てロータ１４を回転駆動すると、ロータ周面のカ
ム突起２２がスライド板２７のカム斜面部２３を
押圧してスライド板９をバネ３６に抗して後退摺
動させ、これに伴つてスライド板２７の操作カム
部１０が内側アーム７の先端部の受動突子８を押
上げるため、フツク体５が枢軸４を中心に斜め上
方向に回動し、フツク体５のフツク部が受枠体１
の内面突部６から離脱し、受枠体１に対する蓋２
の錠止を解除する。

蓋２を解錠するまでロータ１４が回動したとき
には、カム突起２２の先端面２２ａがカム斜面部
２３に当接する。そこでキーハンドル２７をロー
タ１４から抜取つてから蓋２を受枠体１から取外
し、所要の作業を行なう。

（考案の効果） 以上のように本考案のマンホール蓋の施錠装置
では、蓋２の周縁部下面に水平枢軸４で枢着され
たフツク体５は、内側アーム７の受動突子８とス
ライド板９の操作カム部１０を介してスライド板
９に連動装備され、スライド板９のカム斜面部２
３をロータ１４の周面カム突起２２で押圧するこ
とによつて内側に後退回動して受枠体１の内面突
部６より離脱するものであるが、このようにフツ
ク体５が内面突部６から離脱した解錠位置にある
ときには、カム突起２２の先端面２２ａがカム斜
面部２３に突当てられてスライド板９の前進摺動
が阻止されるため、キーハンドル２７にロータ１
４から抜取つてもフツク体５が無意味に施錠位置
に突出することがなく、蓋２の受枠体１への嵌合
操作時にフツク体５が歪曲損傷を受ける危険性が
ない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例に係るマンホール蓋の
施錠装置を示し、第１図は蓋施錠状態の要部縦断
面図であり、第２図は同施錠状態の要部水平断面
図であり、第３図は該施錠装置の左側面図であ
る。第４図は該施錠装置に用いるキーハンドルの
正面図、第５図は該キーハンドルの底面図であ
る。第６図は該キーハンドル挿入時の要部拡大縦
断面図である。 １……受枠体、２……蓋、３……ケース、４…
…水平枢軸、５……フツク体、６……内面突部、
７……内側アーム、８……受動突子、９……スラ
イド板、１０……操作カム部、１１……上面ガイ
ド板、１２……立上り部、１３……固着用ビス、
１４……ロータ、１５……軸孔、１６……透孔、
１７……軸受部、１８……栓用ビス、１９……鍵
孔、２０……周面突起、２１……受動壁部、２２
……カム突起、２２ａ……カム突起の先端面、２
３……カム斜面部、２４……ストツパー部、２５
……受孔、２６……受溝、２７……キーハンド
ル、２８……割溝、２９……枢軸、３０……爪
板、３１……押ピン、３２……摘み、３３……開
口部、３４……フツク体用ストツパー部、３５…
…下面ボス部、３６……付勢用バネ、３７……プ
ロテキター板部、３８……下面ボス部、３９……
横溝、４０……ボルト、４１……ナツト、４２…
…取付耳部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 蓋２の周縁部下面に水平枢軸４で枢着され、受
   枠体１の内面突部６と係脱するフツク体５と；蓋
   ２の下面側に回転可能に装着され、周面にカム突
   起２２を突設したロータ１４と；蓋２の下面に装
   着され、フツク体５の方向にバネ３６で摺動付勢
   されたスライド板９と；スライド板９の内端部に
   その摺動方向に傾斜して形成され、カム突起２２
   によつて押されるカム斜面部２３と；スライド板
   ９の外端部に上下方向に傾斜して形成された操作
   カム面部１０と；フツク体５の内側アーム７の先
   端部に設けられ、操作カム部１０に当接する受動
   突子８と；蓋２の鍵孔１９からロータ１４に挿入
   され、ロータ１４を回転駆動するキーハンドル２
   ７とから成り、前記フツク体５が内面突部６から
   離脱したとき、カム突起２２の先端面２２ａを前
   記カム斜面２２に突当てるマンホール蓋の施錠装
   置。