JPS5835680Y2 - 障子紙 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は障子紙の改良に関するものである。

障子紙としては和紙が最適とされているが、良質の和紙
は非常に高価なため和紙状のレーヨン紙が一般に使用さ
れている。

ところが和紙状のレーヨン紙は強度も不充分なため和紙
状のレーヨン紙の表裏面に透明合成樹脂薄膜を貼着一体
化したものと和紙状のレーヨン紙の表面に網材を貼着一
体化したものが一般に使用されているが、前者は表裏面
が透明合成樹脂膜であるため障子紙とは感触が異るうえ
に障子枠に対し接着する場合に合成樹脂糸の接着剤を使
用せねばならず、張替時に容易に剥離しないという難点
があり、しかも、透明合成樹脂薄膜により全く通気性が
阻害されて和紙等とは全く性質が異ったものとなり、他
方、後者は前者のような欠点は解消されるが表面の網材
が目障りとなるうえ汚れ易く、また、張替後の古紙は網
材があるため紙料として融解再使用できない等種々の難
点がある。

本考案は前記のような難点のない障子紙を目的として完
成されたもので、図示の実施例に示すように、温水に溶
解されるポリビニルアルコールよりなる透明網材１を和
紙状のレーヨン紙よりなる主体２中に埋設してなるもの
である。

このように構成されたものは、和紙状のレーヨン紙より
なる主体２の内申に一体となって埋設された温水に溶解
されるポリビニルアルコールよりなる透明網材１の発揮
する補強効果によって引張強度は大であり、しかも、透
明網材１は主体２の内申に埋設されているために表面に
露呈されて目障りとなることがないは゛かりで゛なく内
申の透明網材１が透明であることによって殆んど透視さ
れることもなく、また、透明網材１は主体２の通気性を
何ら妨げることがないから、透明合成樹脂薄膜を張り合
せた補強障子紙とは異り性質も極めて和紙に近似したも
のであって、従来の障子紙張付用糊と同様の水溶性接着
剤をもってしても素人でも容易に皺寄ることなく障子枠
に張付けることができるものであるが、張付は後は表裏
面が和紙状のレーヨン紙であるため外観上障子紙同様の
装飾効果が得られることは勿論のこと表裏面の手触りも
殆んど和紙類と変ることがない。

しかして、長期間使用後において張替える場合には従来
の障子紙同様周縁を蝉んで強く引けば、主体２の表裏面
は和紙状のレーヨン紙であるために和紙同様層間剥離の
如き現象を生じて障子枠に主体２の裏側の一部が残され
た状態で容易に剥離されるから、次いで障子紙を剥離す
る場合同様に水洗すれば、水溶性接着剤により接着され
ていた主体２の一部が容易に取除かれるもので、従来の
間仕切用装飾合成樹脂板の張替作業時のように障子枠に
残された接着剤をナイフで切削するような手数を全く必
要とせず、また、使用済の古紙は例えば６０℃以上に加
熱した温水に入れて攪拌すれば、温水により溶解される
ポリビニルアルコールよりなる透明網材１は溶融し、和
紙状のレーヨン紙とともに紙料として簡単に溶解再生で
きるものである。

しかして、このような障子紙を製造するには、温水に溶
解されるポリビニルアルコールよりなる透明網材１の表
裏面に通常の２重抄き法によってレーヨン紙よりなる主
体２を常温で抄造一体化したのち必要に応じスプレー法
やロールコーティング法等により防水加工を施せばよい
から、量産も容易で安価に提供できる利点もある。

従って、本考案は在来のレーヨン紙よりなる障子紙の難
点を一掃したものとして実用的価値極めて大なものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示す一部切欠斜視図である。 １：温水に溶解されるポリビニルアルコールよりなる透
明網材、２：和紙状のレーヨン紙よりなる主体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 温水に溶解されるポリビニルアルコールよりなる透明網
   材１を和紙状のレーヨン紙よりなる主体２中に埋設して
   なる障子紙。