JPS5828488Y2 - 耕深が自動調節できる乗用トラクタにおける応答装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は乗用トラクタにおける耕深自動制御機構の応答
装置の改善に関するものであり、その目的とするところ
は、発信装置の発信に応答して回動する応答板の管軸長
を長くしてそ、の回動を円滑に行わしめ、もって応答作
用を正確に行うとともに、応答装置の支持をより強固に
せんとするものである。

本明細書にて説明する耕深自動制御機構によれば、乗用
トラクタの耕うん部に感知発信装置を設け、且つ耕うん
部昇降機構に応答装置を設け、耕うんカバーの後端に均
平板の前端を回動可能に軸支し、その下端部を後方に延
設して感知発信装置と連動するようになした接地板を既
耕地面に接地せしめ、接地板の上下移動量を感知して発
信する感知発信装置からの信号ｉｋ２本のボーデンワイ
ヤーを介して応答装置に連動させて乗用トラクタの耕深
を自動調節することができ、また応答装置の構成は、パ
ルプ開閉軸が油圧パルプから延設され。

該パルプ開閉軸に固着された枠体には、パルプ開閉軸と
直交するビンが止着され、該ビンを支軸としてパルプ開
閉軸の軸方向に傾倒可能に油圧レバーが装着され、該油
圧レバーの外側には耕うん部に設けられている感知発信
装置からの信号に連動して回動される応答板がパルプ開
閉軸に遊嵌して並設され、且つ応答フレームが機体に止
着されており、また枠体の側端より上方に延設されてい
る板材と油圧レバーとの間に嵌装されている弾機の弾発
力によって油圧レバーは応答板の上縁折曲部に設けられ
ている切欠に嵌入係止されて、パルプ開閉軸が応答板の
回動と一体的に回動されるように設計されているもので
ある。

このような応答装置の改善に係る本考案においては、応
答板に固着してバルブ開閉軸の軸方向に延設されている
管軸を、該管軸と平行して応答フレームに固着している
パイプに対して回動可能に重合させて、パルプ開閉軸に
遊嵌止着させ、インナーワイヤーの一端を応答板に設け
た応答ビンに、アウタワイヤーの一端を応答フレームの
起立縁に設けた係止溝にそれぞれ係止させていることが
必要である。

以下において例示する図面に基き本考案を具体的に説明
する。

１は乗用トラクタであって、本機２に耕うん部３を昇降
自在に吊持して構成している。

本機２はエンジン４、ハンドル５、座席６、リフトアー
ム７および連杆８を介して耕うん部３を昂揚げる油圧式
の耕うん部昇降機構の油圧パルプ９、変速機筺１０、前
輪１１．後輪１２、車輪カバー１２′およびヒツチ１３
を備えている。

一方耕うん部３は、ヒツチ１３に枢着するキングピン１
４が突出する前フレーム１５、チェンケース１６、ロー
タリーカバー１７、耕うん刃１８、後部梁１９、耕深調
節ネジ２０およびロータリーカバー１１の後端に回動枢
支せる均平板２１等にて構成されている。

２２は感知発信装置であって、後部梁１９の後端の面板
２３に止着した発信フレーム２４、発信フレーム２４よ
り突出した回動軸２５に枢支された回動式の発信体２６
、均平板２１の下端部に形成されている接地部２１、発
信体２６と接地部２７とを連結する上下調節式の感知棒
２８等によって構成されている。

２９は応答装置であって、耕うん部昇降機構の油圧パル
プ９の側壁から車輪カバー１２′に向って突出している
パルプ開閉軸３０の軸方向に延設されて、これに遊嵌上
着される管軸３１が固着されているとともに上縁に切欠
３２を刻設した応答板３３．管軸３１が回動可能である
ように、これと重合して遊嵌するように管軸３１と平行
するパイプ３４が固着されている応答フレーム３５．バ
ルブ開閉軸３０に固着されている枠体４９にパルプ開閉
軸３０と直交する枢支ピン３６が止着され、該ピン３゛
６を支軸としてバルブ開閉軸３０の軸方向に傾倒可能に
油圧レバー３Ｔが枢着され、また、枠体４９の側端から
上方に延設されている板材５０と油圧レバー３７との間
に嵌装されている弾機３８０弾発力によって油圧レバー
３１は応答板３３の上縁折曲部に設けられている切欠３
２に嵌入係止されて自動制御の状態となるように構成さ
れている。

一方、手動操作時には油圧レバー３１を手動で弾機３８
の付勢に抗して切欠３２より外した後に前後に操作して
耕うん部３を昇降さす構成である。

応答フレーム３５は機体２に止着されており、例えばそ
の起立縁３５′の上方延長部３９が座席６の下方より突
出せる車輪カバー１２′の支え金４０にボルト４１にて
止着している。

４２．４２’は応答板３３に植立せる応答ビン ４３，
４３’は発信体２６に植立せる発信ビン、４４．４４’
はアウターワイヤー４５，４５’にインナーワイヤー４
６．４６’が挿通してなるボーデンワイヤーであって、
前記の応答ビン４２．４２’ と発信ピン４３．４３’
とを２本のインナーワイヤー４６゜４６′で連結して
いる。

またアウターワイヤー４５゜４５′の一端は応答フレー
ム３５の起立縁３５’に設けた係止溝４７，４７’に、
他端は発信フレーム２４の起立縁２４′に設けた係止溝
４８．４８’に夫々係止している。

次に本考案に係る応答装置の作用状態について詳述する
。

先ず耕うんすべき圃場にて、エンジン４を始動して試行
耕うんを行った後に、耕深調節ネジ２０を調節して耕う
ん深度を設定する。

次に発信体２６の水平延長部が水平となるように感知棒
２８を上下に調節する。

然る後に油圧レバー３１を切欠３２へ嵌入係止して自動
制御状態として前進しながら耕うん作業を続行する。

この場合土壌の硬軟、耕面の凹凸等の影響で機体が上下
に移動し耕うん深度が変化する。

この機体の上・下移動によって接地部２１も上・下に移
動し感知棒２８を介して発信体２６を上・下に回動さす
。

この発信体２６の上・下回動部ち耕うん深度の変化は直
ちにインナーワイヤー４６または４６ の引張作用によ
って応答板３３へ伝達され、応答板３３とともに油圧レ
バー３Ｔが後・前に回動する。

油圧レバー３７の後・前回動によって昇降機構の油圧パ
ルプ９のバルブ開閉軸３０が回動されて耕うん部３の昇
降が自動的に行われて耕うん深度を浅くしたり深くした
りして、耕うん深度を設定深さに保ちながら耕うん作業
を続行するものである。

また圃場内を往復しながら耕うん作業をする場合は、往
路の耕うんが終るとレバー３１を弾機３８の付勢に抗し
て手動で切欠３２より外した後に後方へ回動すると耕う
ん部３は大きく上昇する。

それからハンドル５を操作して乗用トラクタ１を旋回さ
し、復路に向った後油圧レバー３Ｔを手動で前方へ回動
して耕うん部３を降下せしめ再び耕うん作業を続行する
。

而して前述の耕うん深度の自動制御作用において、イン
ナーワイヤー４６または４６′の引張作用によって応答
板３３が回動する構成であるが、昇降機構の油圧バルブ
９と車輪カバー１２′の間隔が狭いためバルブ開閉軸３
０の長さが制限され、第４図に示す従来方式のバルブ開
閉軸３０に応答板３３の管軸３１′と応答フレーム３５
のパイプ３４′とを併列して遊嵌する構造では管軸３１
′の遊嵌長を長く設定することは不可能であり、従って
応答板３３が円滑に回動しないが、第３図に示すように
本考案における管軸３１はその遊嵌長が２倍近く長く設
定されているので応答板３３の回動が安定している。

尚第５図は応答板３３の管軸３１と応答フレーム３５の
パイプ３４との重合遊嵌の他の一例を示すものであって
、同図に示すようにバルブ開閉軸３０に応答フレーム３
５のパイプ３４を遊嵌しパイプ３４に応答板３３の管軸
３１を遊嵌しても管軸３１の遊嵌長が長くなり応答板３
３０回動は第３図に示すと同様に安定するものである。

以上詳述せる如く本考案に係る深度自動制御機構の応答
装置は、インナーワイヤーを係止する応答板の管軸と応
答フレームのパイプを重合嵌合したので管軸の長さを長
く設定することが可能となり安全確実な支持方法であっ
て耕うん部昇降機構側壁と車輪カバーとの間の狭い間隙
を有効的に利用するとともに、管軸の遊嵌長が長くなる
ことは。

インナーワイヤーの引張作用によって回動する応答板の
回動が安定して、発信体の発信に確実に応答することが
できるので、耕深自動制御作用が確実に且つ円滑に行わ
れる等の利点を有する。

更にアウターワイヤーを係止する応答フレームのパイプ
と応答板の管軸とを重合遊嵌するとともに、応答フレー
ムを機体に止着する構造としたため、応答装置全体がバ
ルブ開閉軸と機体に支持された状態となりその支持は一
層強固なものとなり、前述の引張作用による応答板の回
動を更に円滑且つ確実に行い得るものである。

【図面の簡単な説明】

添付せる図面は本考案の実施の態様及び比較例を例示す
るものであって、第１図は移動農機の側面図、第２図は
応答装置と感知発信装置との連結状態の説明図、第３図
は応答装置の断面図、第４図は比較例であってバルブ開
閉軸に応答板の管軸ト応答フレームのパイプとを併列遊
嵌しｔ、：状態（７）部分図、第５図は応答フレームの
パイプに応答板の管軸を遊嵌した状態を示す部分図であ
る。 これらの図面において、２は本機、３０はバルブ開閉軸
、３１は管軸、３３は応答板、３４はパイプ、３５は応
答フレーム、４５４５’はアウターワイν ヤー、４６．４６’はインナーワイヤー、４７゜４７′
は係止溝である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 乗用トラクタ１の耕うん部３に感知発信装置２２を設け
   、且つ耕うん部昇降機構に応答装置２９を設け、耕うん
   カバー１７の後端に均平板２１の前端を回動可能に軸支
   し、その下端部を後方に延設して感知発信装置２２と連
   動するようになした接地板２１を既耕地面に接地せしめ
   、接地板２Ｔの上下移動量を感知して発信する感知発信
   装置２２からの信号を２本のボーデンワイヤー４．４゜
   ４４′を介して応答装置２９に連動させて耕深を自動調
   節するようになした乗用トラクタにおける応答装置２９
   は パルプ開閉軸３０が油圧バルブ９から延設され、該
   パルプ開閉軸３０に固着された枠体４９には、パルプ開
   閉軸３０と直交するビン３６が止着され、該ビン３６を
   支軸・とじてパルプ開閉軸３０の軸方向に傾倒可能に油
   圧レバー３１が装着され、該油圧レバー３７の外側には
   耕うん部３に設けられている感知発信装置２２からの信
   号に連動して回動される応答板３３がパルプ開閉軸３０
   に遊嵌して並設され、且つ応答フレーム３５が機体２に
   止着されており、また、枠体４９の側端より上方に延設
   されている板材５０と油圧レバー３Ｔとの間に嵌装され
   ている弾機３８の弾発力によって油圧レバー３７は応答
   板３３の上級折曲部に設けられている切欠３２に嵌入係
   止されて、パルプ開閉軸３０が応答板３３の回動と一体
   的に回動されるように構成されているものであり、この
   ような応答装置２９において、応答板３３に固着してパ
   ルプ開閉軸の軸方向に延設されている管軸３１を、該管
   軸３１と平行して応答フレーム３５に固着しているパイ
   プ３４に対して回動可能に重合させてパルプ開閉軸３０
   に遊嵌止着させ、インナーワイヤー４６．４６’の一端
   を応答板３３に設けた応答ビン４２．４２’に、アウタ
   ーワイヤー４５．４５’の一端を応答フレーム３５の起
   立縁３５′に設けた係止溝４７．４７’にそれぞれ係止
   させたことを特徴とする耕深が自動調節できる乗用トラ
   クタにおける応答装置。