JPS5825529B2 - プレス加工による歯車の製造装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は板金からプレス加工より歯車を製造する装置に
関する。

薄板状の板金から歯車を製造するためには従来において
、板金を歯車形状に成形して歯車素材を製作した後、シ
エビンクカッターにより或は複数の歯車素材を重ね合せ
てブローチ加工により歯切りするようにしていた。

かかる方法によると多くの作業工程数を必要とし、又作
業時間が長くなり、作業性、量産性の点で問題がある他
、高精度が要求される歯車については高精度の位置決め
機構を必要とし、その加工時間も長くかかるなどの問題
点があった。

又、板金を歯車形状に成形するにさいし、従来において
歯型形状に形成されたポンチ、ダイによりプレス打抜加
工することが行われていたが、歯車が内歯歯車の場合に
は正確な歯を得るために内歯歯車の歯先部となるべきリ
ング状歯車素材の内周側加工端をダイ歯部の頂部より内
径側へ突出させ、ポンチの歯元部を含めたポンチ歯部全
体により板金を打抜くことにより行われ、これによると
ポンチに過大なプレス荷重が加わり、ポンチ抵抗が大き
く、時としてポンチ破損の事態が発生していた。

本発明者等は以上の如き従来における問題点に鑑み、こ
れを有効に解決すべく本発明を成したものである。

本発明は、板金から予め歯部を残した歯車形状の歯車素
材を製作した後、ポンチ、ダイにより歯車形状に成形し
次いでシエビングカッターにより縁切り加工して最終仕
上げするまでの加工作業を一回のプレス工程で完了でき
るようにし、作業工程数の削減、作業時間の短縮を図り
、作業性の向上を目的とするものである。

以上に加えて本発明の目的は、歯車の歯先部となるべき
歯車素材の加工端よりダイ歯部の頂部を突出（内歯歯車
では内径側へ、外歯歯車では外径側へ）させるようにし
、ポンチ歯部全体で歯の打ち抜きを行わず、ポンチ歯部
の先部側で該打ち抜きを行い、以ってポンチに過大なプ
レス荷重が作用するのをなくし、プレス時におけるポン
チ抵抗の軽減を図るようにしたプレス加工による歯車の
製造装置を提供する処にある。

以下に本発明の好適一実施例を添付図面に基づいて詳述
する。

第１図は本発明に係るプレス式の歯車製造装置を示す正
断面図であり、第２図は加工中を示す同装置の正断面図
である。

固定され不動となっているダイホルダー１にはガイドポ
スト２とダイ３とが起立設置され、ダイ３の上面には歯
車素材４が位置決め載置される。

該歯車素材４は図示しないポンチ、ダイによって板金か
ら予め歯車形状にプレス打抜加工されて製作されたもの
である。

本実施例では内歯歯車を製造するためダイ３はその内周
面３ｂに山形状に歯部が形成された筒状となっており、
又歯車素材４は中央部に孔４ａが予め貫通形成されたリ
ング状となっている。

該素材４の板厚は１，０朋〜５．０ｍｍ程度である。

ダイホルダー１の上方にはラム等の昇降手段で昇降動せ
しめられるポンチホルダー５が設けられ、該ポンチホル
ダー５の昇降動はガイド筒６とガイドポスト２とが案内
嵌合して行われる。

ダイ３の真上に位置してポンチホルダー５の下面には支
持部材７が垂下固定され、該支持部材７の下面にともに
円盤状としたポンチ８、シェビングカツター９を取り付
ける。

この取付順序はポンチ８を下、シエビングカッタ−９を
上とし、ポンチ８のプレス方向後方にシエピングカッタ
−９を続けて配置し、且つポンチ８と同軸的にシエピン
グカッター９をボルト１０により支持部材７に固定する
。

ポンチ８、シエビング力ツタ−９の外周の環状のバット
１１を設け、該バット１１を上下動自在にポンチホルダ
ー５、支持部材７から垂下した支持ピン１２・・・によ
り吊下げ支持し、且つスプリング１３・・・によって下
方へ弾圧する。

第４図はポンチ８、シエビング力ッター９の下面図を示
し、これら８，９は外周部に山形状歯部８ａ・・・ｔ
９ ａ・・・を有する。

ポンチ歯部８ａよりもシエビングカッター歯部９ａは歯
幅、歯だけが人きく形成され、ポンチ８及びシエビング
カッタニ９を支持部材７の下面に同軸的に取り付けるさ
い、これらの歯部８ａ 、９ａを位置合せして重ねる。

筒状となっている前記ダイ３は第５図に示す通り内周面
３ｂの山形状歯部３ａ・・・によって歯型形状に形成さ
れ、該歯部３ａ・・・間の谷部にポンチ歯部８ａがクリ
アランスをとって嵌合できるようになっている。

又、シエピングカッター歯部９ａもダイ歯部３ａ・・・
間の谷部に嵌合できるようになっている。

第５図の如くダイ３にシェビングカッター９が嵌合した
さいにおける歯部３ａ 、９ａの歯側縁間のクリアラン
スＳ１を小さく（０，１勤＞０．１５ｍｍ程度）し、ダ
イ歯部３ａの歯先部とシエビングカッター歯部９ａの歯
元部間のクリアランス生ヲ犬きく：（０，１５朋〜９．
２ｍｍ程度）する。

歯車素材４をリング状に成形加工するさい、内周側加工
端４ｂ即ち前記孔４ａの周壁が第３図に示す通りダイ３
の歯部３ａの頂部３ｂよりも外方へ位置するように設定
し、いい換えると孔４ａの径ｒをダイ歯部３ａの歯先円
の径ｄよりも大きくし、これにより歯車の歯先部となる
べき加工端４ｂよりダイ歯部３ａの頂部３ｂを内径側に
突出させる。

次に歯車のプレス加工製造方法について述べる。

ポンチホルダー５を降下させてバット１１を歯車素材４
の加工部分よりも外周側に当接させ、圧縮されるスプリ
ング１３の弾圧力が作用するバットによって歯車素材４
をダイ３上に加圧固定する。

連続するポンチホルダー５の降下動により板金素材４は
デルタ状のスクラップを生じつつポンチ８とダイ３とに
より打ち抜かれ、歯車形状にプレス成形される。

ポンチ８が歯車素材４を通過すると、シエピングカッタ
ー９が歯車形状となった歯車素材４の歯部を縁切り加工
し、最終形状に仕上げる。

以上によってポンチ８、ダイ３で歯車形状にプレス打抜
、歯抜き加工する成形作業と、シェビングカッター９に
よって縁切りし最終仕上げする仕上作業とを一回のプレ
ス工程によって完了することができる。

ポンチ８がダイ３とともに歯車素材４を打ち抜くさい、
ダイ歯部３ａの頂部３ｂは歯車素材４の加工端４ｂより
内径側に突出し、歯車素材４の孔４ａの径ｒはダイ歯部
３ａの歯先円の径ｄよりも太きいため、ポンチ歯部８ａ
の歯元部はこの打抜加工に参加せず、打抜加工は歯元部
よりも先部の歯先側で行われ、従ってポンチ８に過大な
プレス荷重が作用することはなく、ポンチ抵抗は小さく
なる。

又、シエビングカッター９により縁切り加工するさい、
歯部３ａ 、９ａの歯側縁間のクリアランスＳ１は小さ
いため剪断抵抗は小さく、このためこの加工を無理なく
行え、且つ歯先部と歯元部間のクリアランスＳ２は大き
く確保されているため、縁切りにより生じる切粉をこの
クリアランスＳ２から排出でき、切粉による目詰りを防
止できる。

以上の本実施例では内歯歯車を製造する場合について述
べたが、本発明は外歯歯車についても適用可能であり、
外歯歯車を製造する場合には、ダイを外周面に歯部を設
けた円柱状とし、ポンチ、シエビングカッターを内周面
に歯部を設けた円環状とし、歯車素材を円盤状とすれば
よい。

又、ダイ歯部の頂部を歯車素材の外周側加工端より外径
方向へ突出させればよく、歯車素材の径寸法をダイ歯部
の歯先円の径よりも小さくする。

以上で明らかな如く本発明によれば、板金から歯車形状
の歯車素材を製作した後、歯車素材をポンチ、ダイによ
り歯車形状に成形する作業と、次いで行うシエビングカ
ッターによるシエビング最終仕上作業とをプレスの一工
程によって実施でき、工程数の削減、作業時間の短縮を
実現でき、作業性が向上し、量産化を図ることができる
。

又、ポンチ、ダイにより歯車素材を歯車形状に成形する
場合、ポンチ歯部の全部によって板金素材を打ち抜くの
ではなく、歯先側で打ち抜くためポンチに過大なプレス
荷重が加わることはなく、ポンチ抵抗を減じ得、ポンチ
の破損事故をなくすことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図は装置の正断面
図、第２図は加工中を示す同装置の正断面図、第３図は
加工直前のダイ、歯車素材、ポンチ、シエビングカツタ
ー一部分を拡大して示した断面図、第４図はポンチ、シ
エビングカッターの下面図、第５図はダイとシエビング
カッターの嵌合時を示す平面図である。 尚図面中、３はダイ、３ａはダイ歯部、３ｂは頂部、４
は歯車素材、４ｂは加工端、８はポンチ、８ａはポンチ
歯部、９はシエビングカッターである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 歯型形状に形成されたダイと、該ダイと嵌合する歯
   型形状に形成され、ダイとともに歯車素材を歯車形状に
   プレス打抜加工するポンチと、該ポンチのプレス方向後
   方にポンチと同軸的に設けられ、歯車形状に成形された
   歯車素材の歯部を縁切り加工するシエビングカッターと
   からなり、歯車の歯先円形状を備える歯車素材の加工端
   より前記ダイ歯部の頂部を突出させ、前記シエビング力
   ッター歯部と前記ダイ歯部の歯側縁間のクリアランスを
   小さく、且つシエビングカッター歯部の歯元部とダイ歯
   部の歯先部とのクリアランスを大きく確保するように構
   成したことを特徴とするプレス加工による歯車の製造装
   置。