JPS5824532B2 - オ−プンエンド紡積装置用繊維開繊装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はオープンエンド紡績装置における繊維開繊装置
に関する。

より詳しくは２本以上のスライバを１個の開繊シリンダ
に供給するのに適したスライバ供給装置を具備した繊維
開繊装置に関する。

オープンエンド紡績におけるスライバからの繊維の開繊
にバイドラフトローラ装置を用いその後に空気流によっ
て繊維を空気力学的に開繊する方法が用いられていたこ
とがある。

しかしこの方法はドラフトローラの回転を速くすると開
繊工程での均一性が可成り悪化するので最近の高能率の
紡績方式には適さず現在では主として開繊シリンダを具
備した開繊装置が用いられている。

開繊シリンダを具備したオープンエンド紡績装置の生産
性を高めるためには、紡糸ロータの回転数の上昇と共に
開繊シリンダの回転数を上げることが必要である。

しかし開繊シリンダの回転数は成る限度以上に上げるこ
とはできない。

これはスライバから個々の繊維に開繊されるときに、開
繊シリンダの周速が極度に高いと、開繊シリンダの開繊
作用、すなわち櫛梳部材の強烈な開繊作用によって繊維
が傷められることになるからである。

そこで太いスライバを供給することも考えられる３しか
し太い繊維スライバを操業中に安定して、幅方向に広げ
て配置することは事実上困難であり、したがってこの方
法ではオープンエンド紡績装置の生産性の向上はできて
も良質な糸を安定して得ることができない。

他の公知の装置としては、異なったタイプの２つのスラ
イバを同時に供給するために、隣り合い状態か直列状態
の、２個の針が植えられたフィードローラーと１本の円
錐形の開繊シリンダとの構成よりなるものがあり、紡糸
ロータと円錐形の開繊シリンダとは同軸に配置されてい
る。

このような装置を高能率の紡糸ユニットに使用すると、
その際開繊シリンダの回転軸と紡糸ロータの回転軸とが
同一直線から外れることがあり、極めて安定性が悪い。

開繊シリンダは円錐形表面であるので、供給されたスラ
イバは異なる周速で開繊され、櫛梳されるし、紡糸ロー
タへの繊維供給ダクトの形状からして、超高速オープン
エンド精紡技術を考慮した時に特に重要である処の繊維
の確かな開繊と真直化の程度がひどく悪化する。

本発明は従来の繊維開繊装置の有する欠点を克服して、
高い生産性を有すると共に均−且つ充分に開繊された良
質な繊維流を紡糸ロータに供給することができるオープ
ンエンド紡績装置用繊維開繊装置を提供することを目的
とする。

本発明の目的は、紡糸ロータと共にオープンエンド紡績
装置を形成し、ハウジングと開繊シリンダと繊維供給ダ
クトと前記開繊シリンダにスライバを供給する少くとも
２個のスライバ供給装置とを含んで構成され、前記開繊
シリンダがその軸線を前記紡糸ロータの軸線を含む平面
に対して直角に配置して前記ハウジング内に回転可能に
載置され、前記繊維供給ダクトが前記開繊シリンダの外
周面の一部に接して設けられ且つその先端を前記紡糸ロ
ータの内側に向けて開口しているオープンエンド紡績用
繊維開繊装置であって、前記少くとも２個のスライバ供
給装置が前記開繊シリンダの外周面の同一の位置に前記
開繊シリンダの軸線と平行な共通軸線を有して並置して
取付けられて、少くとも２本のスライバがそれぞれ別箇
に前記開繊シリンダの外周面に供給されることを特徴と
するオープンエンド紡績用繊維開繊装置によって達成さ
れる。

本発明の装置ではそれぞれのスライバが開繊シリンダの
同一位置に並置して設けられた２つ以上のスライバ供給
装置によって開繊シリンダの外周面にそれぞれ別箇に供
給されるので、それぞれのスライバは開繊シリンダの外
周面でそれぞれ独立に開繊されて独立の繊維流となる。

この独立の繊維流は開繊シリンダの外周面の１部に接す
る繊維供給ダクトの中でもその独立性を保ちながら、す
なわち繊維流が互いに相手側の繊維流を乱すことなく、
徐々にその側面を合せながら進行して１本の繊維流に合
流されて紡糸ロータに供給されることとなる。

したがって本発明の装置では個々のスライバは充分開繊
シリンダで開繊されて繊維供給ダクトに移され、一方繊
維供給ダクトの中で繊維流を乱されることなく、均−且
つ充分に開繊された良質な繊維流として紡糸ロータに供
給することができ、ひいては良質な糸を生産することが
できる。

又本発明の装置は２本以上のスライバを用いることがで
きるので、本発明の装置を用いたオープンエンド紡績装
置の生産性を高めることができる。

さらに又２個以上のスライバ供給装置に異種類の繊維か
ら成るスライバを用いて各種のタイプの繊維を混綿して
紡糸ロータに供給することができる以下添附した図面を
参照して本発明の実施例を詳述する。

本発明の繊維開繊装置は第１図に示すようにハウジング
２内の空室６に回転可能に載置された開繊シリンダ７と
、開繊シリンダの外周面の１部に接するように設けられ
た繊維供給ダクト８と、開繊シリンダ７にコンデンサ１
３を通過したスライバを供給するための２個のスライバ
供給装置１４゜１６とを含んで構成されている。

開繊されたスライバは繊維流１１となって繊維供給ダク
ト８を通り、加熱装置としての紡糸ロータ１に達する。

紡糸ロータの内側には円錐状の摺動壁３が設けられ繊維
流１１は摺動壁３の最も径の大きい集繊面４に集積され
、回転する紡糸ロータによって加熱されながら糸となり
糸引出しダクト５より上方に引出される。

本発明の繊維開繊装置は複数のスライバ供給装置が開繊
シリンダ７の外周面の同一位置に開繊シリンダ７の軸線
と平行な供通軸線を有して並置して取付けられているこ
とを゛特徴とする。

すなわち第１図に示した第１の実施態様の２個のスライ
バ供給装置は開繊シリンダ７の軸線と平行な共通軸上に
取付けられて積極的に回動する２個のフィードローラ１
４とそれぞれのフィードローラ１４と協働し且つ共通軸
に支えられた２個の加圧ローラ１６から成る。

なお２対のフィードローラ１４と加圧ローラ１６の上流
にはコンデンサ１３が配置され、コンデンサ１３はそれ
ぞれの内側を通過するスライバ１２の形状をととのえて
案内する２個のダクト部分を有している。

２本のスライバ１２はコンデンサ１３を経てそれぞれ別
箇にフィードローラ１４と加圧ローラ１６の間に供給さ
れ、フィードローラ１４の回転によって積極的に開繊シ
リンダ７の外周面に達して開繊シリンダ７の外周面に設
けられた鋸歯１８（第２図、第６図および第７図参照）
によって開繊される。

この場合第１図に繊維流１１として破線で示したように
、スライバは開繊シリンダ７の周面上で別箇に開繊され
て２個の平行した繊維流１１となる。

この繊維流１１は互いに独立性を保ちながら繊維供給ダ
クト８に移され、第１図に示すように徐々にその側面を
合せながら繊維供給ダクト８内を進んで１本の繊維流に
合流されて紡糸ロータ１に供給される。

したがって２本の繊維流は互いに相手側の繊維流を乱す
ことがない。

第１図に示した第１の実施態様の装置は綿繊維と綿と似
た特性を有するビスコースステープルファイバのような
、１種類の特定の針布に掛けることのできるような２種
の異なったタイプの繊維のスライバを用いて混綿するの
に適している。

コン）デン＋ｆ１３にはスライバの数と同じ数の案内ダ
クトがあるから、２本のローラ１４，１６との間のニッ
プ域に、それぞれのスライバを正しく位置決めすること
ができる。

第２図に本発明の繊維開繊装置の第２の実施前、様を示
す。

この装置は第１の実施態様における２個の加圧ローラ１
６の代りに、１個の加圧シュー１５を用いている。

すなわち第２の実施態様におけるスライバ供給装置は、
開繊シリンダ７の軸線と平行な軸を有する１本のフィー
ドローラ１４とフィードローラ１４との間でスライバ１
２を把持する加圧シュー１５とコンデンサ１３とを含ん
で構成される。

加圧シュー１５のニップ域の下流側に２本の平たくなっ
たスライバを案内するために１組のフォーク１７が設け
られ、一方コンデンサ１７には第１図の実施態様と同様
にスライバの形状をととのえて案内する２個のダクトが
設けら−れている。

第２の実施態様の装置は構造が簡単であるので、装置の
製作費が安く且つ場所を取らないという利点を有する。

第３図には第２の実施態様に用いられるコンデンサ１３
と加圧シュー１５の変形実施例が示されている。

第３図の加圧シュー１５には２本のスライバを分離する
ための１本のフォーク１７がさらに設けられているので
、コンデンサ１３によってそれぞれの形付けされたスラ
イバ１２は確実に分離されて開繊シリンダ７に供給され
て開繊されることになり、それによって開繊された繊維
をそれぞれ確実に別々になった繊維流１１にすることが
できる。

第４図のコンデンサ１３は、別々の形状をした交換可能
な単位部分から成る。

したがって形状が繊度等種類の異った繊維からなるスラ
イバの種類に適合して作られた数種類の単位部分を用意
して、目的に応じて適宜単位部分を組合せて１組のコン
デンサ１３を作って用いることにより、第４図のコンデ
ンサ１３は繊度等性質の異なる繊維から成る複数のスラ
イバを使用する場合に適している。

又第４図に示すように、フィードローラ１４の表面の筋
溝を個々のスライバに対応するセクション毎に一直線に
揃わないように設けると良い。

このようにすれば開繊シリンダ７で形成された繊維流１
１、したがって本発明の繊維開繊装置を用いて紡出され
た糸の周期的斑を一段と減少するのに役立つ。

繊度等の異った繊維からなる複数のスライバを扱うため
には第５図又は第６図に示したスライバ供給装置を用い
ることが望ましい。

第５図のスライバ供給装置では、別々にスプリング荷重
された２個の加圧シュー１５が用いられ、一方第６図の
スライバ供給装置では別々にスプリング荷重された独立
の２個の加圧ローラ１６が用いられ、何れも各スライバ
１２が単独に１個の積極回転しているフィードローラ１
４に押付けられている。

この場合加圧力はスライバ１２毎に繊度や性質に応じて
調節することができるので、各々のスライバの繊維を完
全にコントロールすることができ、その結果より均一な
繊維の供給としたがってより規則的な開繊が得られる。

前述のスライバ供給装置を用いて異った種類の繊維から
成るスライバを扱うのに適した開繊シリンダ７の例を第
７図および第８図に示す。

第１図に示した開繊シリンダ７には２つのセクション１
９毎に異なる形状をした鋸歯１８を有する針布が設けら
れている。

そして片方のセクションが第１の供給装置から送られた
スライバを扱い、他方のセクションが第２の供給装置か
ら送られたスライバを扱うことになる。

又開繊シリンダ７に第８図に示したように異った形状を
有する鋸歯１８を所定の間隔１９毎に形成した１本の針
布を設けてもよい。

この場合鋸歯の形状はそれぞれの区域に導入される個々
のスライバの繊維のコーミングに最適になるように選定
すればよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は２個のスライバ供給装置を並置して配置した本
発明の繊維開繊装置の第１の実施態様を示す一部断面斜
視図であり、第２図は第１図に示した繊維開繊装置の変
形態様である第２の実施態様を示す１部所面斜視図であ
り、第３図は前記第２図に示した繊維開繊装置用コンデ
ンサ及び加圧シューの変形実施例を示す正面図であり、
第４図はフィードローラとコンデンサの変形実施例を示
す斜視図であり、第５図は他の変形実施例の加圧シュー
を有する第２図同様の１部所面斜視図であり、第６図は
さらに別の変形実施例の加圧シューを有するスライバ供
給装置の斜視図であり、第７図は開繊シリンダ上の鋸歯
の変形実施例を示す斜視図であり、第８図は別の変形実
施例の鋸歯を示す正面図である。 １・・・・・・紡糸ロータ、２・・・・・−ハウジング
、５・・・・・・引出しダクト、６・・・・・・空室、
７・・・・・・開繊シリンダ、８・・・・・・繊維供給
ダクト、１３・・・・・・コンデンサ、１４・・・・・
・フィードローラ、１５・・・・・・加圧シュー、１６
・・・・・・加圧ローラ、１７・・・・・・フォーク、
１８・・・・・−鋸歯、１９・・・・・・セクション。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 紡糸ロータと共にオープンエンド紡績装置を形成し
   、ハウジングと開繊シリンダと繊維供給ダクトと前記開
   繊シリンダにスライバを供給する少くとも２個のスライ
   バ供給装置とを含んで構成され、前記開繊シリンダがそ
   の軸線を前記紡糸ロータの軸線を含む平面に対して直角
   に配置して前記ハウジング内に回転可能に載置され、前
   記繊維供給ダクトが前記開繊シリンダの外周面の一部に
   接して設けられ且つその先端を前記紡糸ロータの内側に
   向けて開口しているオープンエンド紡績用繊維開繊装置
   において、 前記少くとも２個のスライバ供給装置１３゜１４．１５
   ，１６，１７が前記開繊シリンダ７の外周面の同一の位
   置に前記開繊シリンダ７の軸線と平行な共通軸線を有し
   て並置して取付けられて、少くとも２本のスライバがそ
   れぞれ別箇に前記開繊シリンダ７の外周面に供給される
   ことを特徴とするオープンエンド紡績用繊維開繊装置。