JPS5822743Y2 - 身体障害者用入浴装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、身体障害者が車椅子に乗ったまま入浴するこ
とを目的とした身体障害者用入浴装置に関するものであ
る。

従来、この種身体障害者用入浴装置として、第１図に示
すように、所要の側方間隔をもって配設した固定柱Ａｔ
Ａの上部間に、中央に凹陥部Ｂを有する吊床Ｃを水平設
置し、この吊床Ｃの凹陥部Ｂ下方に、凹陥部Ｂよりも横
幅の大きな昇降式浴槽りを設け、この凹陥部Ｂ上に身体
障害者が乗ってから、昇降式浴槽りを上昇させることに
より、身体障害者を吊床Ｃの凹陥部Ｂに乗ったまま、昇
降式浴槽り内に入浴させるようにしたものがある。

しかしながら、このようにした入浴装置は、身体障害者
が車椅子を使用している場合に、車椅子を吊床Ｃの正面
に位置させてから、必ず介添者が身体障害者を両側から
介添して吊床Ｃへ移すため、吊床Ｃの両側にある固定柱
Ａ、Ａが邪魔となり、非常に不便であった。

また、吊床Ｃをベッドの代りに使用する場合に、車行タ
ンカ等の台から身体障害者を吊床Ｃの凹陥部Ｂへ移すと
きに、身体障害者を横ずらしして凹陥部Ｂへ移すため、
介添者が不便な位置に立たなければならず、さらに、身
体障害者を載せた台を幅の広い横方向へ進めざるを得な
いため、斜行が起り易く、また、吊床Ｃの奥行幅が短い
ため、身体障害者が台から吊床Ｃへ乗り移る際にがたつ
きや震動が起き易く、円滑に安定した移動ができない欠
点を有している。

さらに、吊床Ｃの両側に固定柱Ａ、Ａがあるため、装置
全体の占有面積を大きくとる必要があり、また、最近の
リハビリテーション用等の建造物は、風光明媚なところ
に建てられ、眺望を楽しむ目的で、風呂場には大きな窓
を設けることが多いが、固定柱Ａ、Ａにより、入浴中の
視野が妨げられる等の欠点があった。

本考案は、軟土の欠点を除去するためなされたもので、
以下、実施例図に基いて説明する。

床面１に適宜深さの収容穴２を設け、該収容穴２の下底
に基台３を設けるとともに、該基台３上に昇行台４を、
昇降台４の両側下に設したＸ字状に交叉させた２組のリ
ンク５，５と、リンク５の交叉部にある枢軸６と基台３
との間に設けたシリンダ７とによって、昇降可能なよう
に設置する。

前記昇降台４上に、上端外周にオーバーフロー用の樋８
を有し、上側部に設けた給湯口９に可撓給湯管１０を連
結した浴槽１１を支持し、該浴槽１１の底と、同じく上
端外周の樋８の底に設けた排水孔１２，１３に、排水ピ
ット１４に接続した可撓排水管１５，１６を接続する。

浴槽１１の直上において、収容穴２の上端に、浴槽１１
の内周形よりもやや小さな吊床１７を、収容穴２後部の
床面１上に立設した支柱１８と、支柱１８上端前部に水
平突設した梁１９と、梁１９の前端に垂設した垂直杆２
０とを介して、その上面が、床面１と同一面上に位置す
るようにして水平に吊持し、かつ吊床１７の前端と両側
端ミ並びに収容穴２の上端前部と両側との間の間隙に、
基端を収容穴２側に枢軸２１をもって枢着した踏板２２
を、それぞれ水平設置し、該踏板２２の遊端を吊床１７
上に支持する。

なお、図中２３は、梁１９上に設置した作動スイッチで
、該作動スイッチ２３は、その前方に水平突設した作動
杆２４の前端に垂設しである引紐２５を引くことにより
、シリンダ７を作動させて、リンク５，５と昇降台４を
介し浴槽１１を昇降するようにしである。

２６は、吊床１７下に垂設した温度検出器、２７は、浴
槽１１の樋８の外周下に垂設した垂下壁である。

上述した構成よりなる本考案において、浴槽１１は、例
えばステンレス等よりなり、吊床１７にはアルミ材を用
い、また、リンク５，５や枢軸６、並びに垂直杆２０等
の水に漏れる部分には硬質クロームメッキが施され、防
錆をはかつである。

これにより身体障害者が入浴するには、可撓給湯管１０
と給湯口９を介し、浴槽１１内に適温の湯を満した後、
身体障害者が車椅子に乗って、自身で走行操作するか、
或は介添者が押して走行させるかして、車椅子２８を後
退させ、車椅子２８を、床面１から踏板２２を経て、吊
床１７の前方から中央部上に乗入れ、吊床１γの中央に
停止させる。

しかる後、シリンダＩを作動させると、リンク５．５と
昇降台４を介して浴槽１１が上昇を開始し、まず、浴槽
１１上端外周の樋８が、踏板２２の遊端側をそれぞれ下
方から押し、吊床１７の前方と両側の踏板２２を、枢軸
２１まわりにそれぞれ起立回動させてから、浴槽１１は
床面１上に上昇し、浴槽１１の直上にあった吊床１７を
、車椅子２８と共に浴槽１１内に収容する。

かくして身体障害者は、車椅子２８に乗ったまま、自動
的に浴槽１１内の湯に入ることになる。

従って、身体障害者は、車椅子２８に乗ったままで、浴
槽１１内の湯に入りながら、自身で体を洗うか、介添者
に前方か両側の三方から洗ってもらうことができるから
、非常に便利であるとともに、吊床１７は、浴槽１１の
平面積よりも僅かに大きな平面積をもつ収容穴２後部の
支柱１８を介して吊持されているのみであるから、風呂
全体の占有面積が小さくてすみ、従って、第２図に示す
ように、本考案装置を２組横に並べて風呂場に設置する
こともできる。

また、吊床１７は、床面１と同一平面上にあり、この吊
床１７と床面１との間の間隙には踏板２２が設けである
から、床面１から吊床１７上への車椅子２８の移乗がし
易く、通常の車椅子２８の走行と何等変ることなく行う
ことができて便利である。

また吊床１７の後部に視界を遮る支柱１８を有するのみ
であるから、身体障害者が落ちついて風呂場の窓の外を
見ながら、ゆっくりと入浴することができる。

また、浴槽１の上端外周には、オーバーフローのための
樋８を設けであるから、この樋８の排水孔１３から、可
撓排水管１６を介して、浴槽１１の湯に浮いた垢や毛髪
等を湯と共に排水したり、又はこれらをフィルターを通
して濾過循環させて、浴槽１１内の湯の汚れを少くした
り、或は湯を多量に循環させて、その流動により、身体
障害者の血行の向上を計ることもできる。

入浴後は、シリンダ７を作動させることにより、浴槽１
１を下降させて、吊床１７を浴槽１１から出し、車椅子
２８に身体障害者が乗ったまま体をふいてから、車椅子
２８を、踏板２２を経て床面１へ前方走行させればよい
。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の身体障害者用入浴装置を示す一部を折
欠いた正面図、第２図乃至第５図は、本考案の実施例を
示すもので、第２図は、縦断側面図、第３図は、縦断正
面図、第４図は、浴槽の一部を示す縦断正面図、第５図
は、浴槽の上昇状態を示す縦断正面図である。 １・・・・・・床面、２・・・・・・収容穴、３・・・
・・・基台、４・・・・・・昇降台、５・・・・・・リ
ンク、６・・・・・・枢軸、７・・・・・・シリンダ、
８・・・・・・樋、９・・・・・・給湯口、１０・・・
・・・可撓給湯管、１１・・・・・・浴槽、１２，１３
・・・・・・排水孔、１４・・・・・・排水ピット、１
５，１６・・・・・・可撓排水管、１７・・・・・・吊
床、１８・・・・・・支柱、１９・・・・・・梁、２０
・・・・・・垂直杆、２１・・・・・・枢軸、２２・・
・・・・踏板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 床面に設けた適宜深さの収容穴の下底に、昇降台を、Ｘ
   次状のリンクとシリンダとによって昇降可能なように設
   け、該昇降台上に、上端外周にオーバーフロー用の樋を
   有し、上側部に開口した給湯孔に可撓給湯管が連結され
   た浴槽を支持し、該浴槽の底と浴槽上端外周の樋底に設
   けた排水孔に、排水ピットに接続した可撓排水管を接続
   するとともに、浴槽の直上において、収容穴の上端に、
   浴槽の内周形よりも小さな吊床を、収容穴後部の床面上
   に立設した支柱と、該支柱の上端前部に連設した梁と、
   梁の前端下に垂設した垂直杆とを介して、その上面が床
   面と同一面上に位置するように水平吊支し、かつ吊床の
   前端と両側端、並びに収容穴上端の前部と両側との間の
   間隙に、基端を収容入側に枢着した踏板をそれぞれ水平
   設置し、該踏板の遊端を、それぞれ吊床上に支持してな
   る身体障害者用入浴装置。