JPH0130191Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は寝たきり老人その他起居動作の不自
由な病人等を対象とする浴槽における汚れ湯の排
出処理装置に係る。

〔従来の技術〕

この種浴槽においては、入浴者を乗せる洗い台
を上下動させ、その上動状態で体を洗うが、その
汚れ湯の仕末が甚だ面倒であり、このため本出願
人は先に実願昭59〜128296号を提示した。この考
案は洗い台に連設したホースから排湯するもので
ある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記考案においてはホースの先端を排湯口に嵌
脱する煩雑な手数を要し、又排湯した後のホース
の仕末にも手数を要し、その取扱いの都度多少の
汚れ湯が浴槽内に流出する不都合を生じた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上記従来の不都合を排し、汚れ湯の仕
末を至極便利にした排湯装置を提供するもので、
浴槽内で上下動させるようにした周囲に立上り壁
を有する皿状の洗い台の一端に排湯口を設け、洗
い台の上動時には排湯口に連通して先端開口部を
浴槽外に突出させ、洗い台の下動時には浴槽内で
屈折して排湯口を浴槽内で開口させる樋状又は筒
状の排湯案内片を排湯口に対し屈折可能に連結し
て成る。

〔作用〕

本考案において入浴者を乗せた洗い台を下動さ
せて浴槽の湯中で入浴者を温浴させるとき、排湯
口に連結した排湯案内片は浴槽内壁面により屈折
傾動して浴槽内に収められるが、洗い台を所定高
さに上動させるときは排湯案内片は自重又はばね
その他の付勢により前方に倒れて先端を浴槽壁の
上縁に支承させて先端開口を浴槽外に突出させて
安定し、従つて洗い台上で入浴者を洗浄した後の
汚れ湯は排湯口から排湯案内片を経て浴槽内に流
出することなく浴槽外に排出される。

又、上動位置で洗浄を終つた後、洗い台を洗い
流した汚水も排湯案内片を経て浴槽外に排出する
が、これを終つて洗い台を下動させるとき該排湯
案内片は浴槽内壁面に押されて屈折し、このため
排湯口が直接浴槽内に連通するよう開口するため
浴槽内の湯は排出口を経て洗い台内に流入し従つ
て洗い台の下動を軽快円滑にするもので、又洗い
台を上動させるときにも排湯口から湯が流出する
ためその上動が軽快円滑に行はれる。

〔実施例〕

本考案の実施例を図面について説明する。

第１図乃至第６図において、１は浴槽、２は洗
い台を示し、洗い台２は例えばウインチ式巻取機
構３による索条の巻取り巻戻しによつて浴槽１の
内部底板に取付けた左右一対の支持部材４，４の
起伏作動によつて浴槽１内で上下動させるように
したが、その上下動装置は他の適当な手段を採用
し得る。

洗い台２は周囲に立上り壁を有する皿状に形成
して内部に湯か周縁から流出しないようにし、一
端には該立上り壁の一部を欠除させて排湯口５を
形成し、その前面に樋状に形成した排湯案内片６
を軸７により軸着して排湯口５に対し屈折回動す
るように軸着した。

排湯案内片６の樋状部底面は排湯口５を経て洗
い台２の底板上と同一面又はそれよりも僅か下位
になるようにして汚れ湯の排出時に湯の流出を円
滑にした。

又、該排湯案内片６には牽引ばね８を作用させ
て排湯口５側に接着させて第６図実線で示すよう
に洗い台２を上動させたとき自動的に排湯口５か
ら前方に水平状態で突出させるようにして、その
先端下面を浴槽１の上部１ａに支受させるように
し、洗い台２の下動時には排湯案内片６の先端が
第６図仮線で示すように浴槽１の内壁面に押され
ることによりばね８に抗して上方に傾動し、この
とき洗い台２の排湯口５が直接浴槽１内に開放さ
れるようにした。

又、排湯口５の端縁と排湯案内片６との接合部
にはその一方にゴムその他のパツキング材９を貼
装して間隙を封じ湯が洩れないようにする。

又、排湯案内片６を排湯口５から前方に突出さ
せた状態に保持させるためには第７図で示すよう
に一方に磁石片１０を取付け他方に磁性片１１を
固着して両者を磁気結合させてもよく、更に第８
図で示すように両者を掛外しのできるフツク金具
１２で結合させてもよい。

又、洗い台２はその底板２ａを第９図Ａで示す
ように平坦面とするも、同図Ｂで示すように底板
２ａを中高として周囲を低くし、該低部２ｂに汚
れ湯を流入させて排出させるもよく更に同図Ｃで
示すように底板２ａの周縁に特に凹部２ｃを設け
てもよい、且つ洗い台２はその底部を水平として
もよいが、図示するように排湯口５側を低位とし
て傾斜させることにより更に湯の排出を有利にし
得る。

更に排湯案内片６を経て汚れ湯を排出する場合
図示例では汚れ湯を浴槽１の外側に設けた漏斗状
排水部１３を経てその下部から排出するようにし
たが、第２図で仮線で示すように浴槽１の下部に
湯沸部１４並に排湯槽１５を装備したものでは、
該排水部１３の下端を排湯槽１５内に連通させて
汚れ湯をこれに一時貯える場合もあり、又該排出
部１３を特に設けることなく直接排湯案内片６の
先端から排湯する場合もある。

〔考案の効果〕

本考案によるときは、洗い台の排湯口に排湯案
内片を傾動自在に結着し、洗い台を上動させたと
きは、該排湯案内片を洗い台の底面と略同高位置
として前方に突出させ、その先端を浴槽の上縁に
支承させて、該排湯案内片の先端開口を浴槽外に
突出させるから洗い台内の汚れ湯は排湯口から排
湯案内片を経て途中浴槽内に洩れることなく浴槽
外に排湯でき、洗い台を下動させるときは自動的
に排湯案内片は屈折傾動して洗い台の下動を支障
なく行はせ、且つ洗い台の上下動において排湯案
内片の傾動により排湯口は浴槽内に開口して、こ
れから湯が自在に出入できるから上動の場合は排
湯口から湯が流出して軽量となり下動のときは湯
の流入によりいづれの場合もその作動が円滑軽快
となり排湯の処理を有利にした効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の実施例を示す平面図、第
２図は側面図、第３図は截断側面図、第４図は正
面図、第５図は要部の拡大平面図、第６図は第５
図の−線断面図、第７図は他の実施態様を示
す要部の側面図、第８図は更に他の実施態様を示
す要部の側面図、第９図は洗い台底板の形状を示
す截断面図である。 １……浴槽、１ａ……浴槽の一端上縁、２……
洗い台、５……排湯口、６……排湯案内片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 浴槽内で上下動させるようにした周囲に立上り
   壁を有する皿状の洗い台の一端に排湯口を設け、
   洗い台の上動時には排湯口に連通して先端開口部
   を浴槽外に突出させ、洗い台の下動時には浴槽内
   で屈折して排湯口を浴槽内で開口させる樋状又は
   筒状の排湯案内片を排湯口に対し屈折可能に連結
   して成る浴槽における汚れ湯の排湯装置。