JP2949139B2 - 介護用ベッド - Google Patents

介護用ベッド

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JP2949139B2
JP2949139B2 JP20134996A JP20134996A JP2949139B2 JP 2949139 B2 JP2949139 B2 JP 2949139B2 JP 20134996 A JP20134996 A JP 20134996A JP 20134996 A JP20134996 A JP 20134996A JP 2949139 B2 JP2949139 B2 JP 2949139B2
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功三 河▲崎▼
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は身体障害者や寝たきり老
人等をベッド上から移動させず入浴させることができる
介護用ベッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ベッドから浴室に患者を移動させ
ずに入浴させるさまざまな装置が開示されている。特開
平5ー237160号公報には浴槽をベッド下部に配置
し、マットと共に患者を入浴させる装置が開示されてい
る。特開平7ー51340号公報にはベッドのマット上
にベッドの一部を使用し、浴槽枠を組み立て、防水シー
トを浴槽枠上に敷き浴槽とする方式が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した前者
の発明にあっては、マット上に患者を載せたまま、マッ
トを浴槽の中へ入れる方式で、患者と共にマットも温ま
るために、入浴初期に湯の温度が下がる。湯温を下げな
いためには多量の湯が必要である。また、上記した後者
の発明にあっては、ベッド上に浴槽を組み立てる方式で
ベッドと浴槽が一体化しておらず、浴槽枠を組み立てた
後、防水用シートを浴槽枠上に敷く必要があり、手間が
かかる。また、両方法ともに黴発生防止について考慮が
なく問題があった。
【0004】本発明の目的はベッドと浴槽を一体化し、
ベッドがそのまま簡単な操作で浴槽となり、患者を移動
させることなく一人の介護者の手で患者を入浴させるこ
とができ、また入浴に際して湯温の低下を少なくし、湯
量が少なくとも快適に入浴でき、黴発生が防止できる介
護用ベッドを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に介護用ベッドには、ベッド本体にエアーマットが載置
され、同マットの全周側縁に下縁が固着され上部がフレ
ームに取り付けられた筒状の浴槽側面防水シートが設け
られ、その防水シート上端に空気噴出用開口を持つパイ
プ状防水シートが取り付けられ、上記フレームの相対向
するフレーム辺の組の何れか一方の組に上端が取り付け
られ下端がベッド本体に取り付けられた上記フレームを
昇降させるフレーム昇降装置が取り付けられる。
【0006】
【作用】上記のように構成された介護用ベッドをベッド
として使用するときは、前記のフレームを下げた状態
で、患者をエアーマット上に寝かす。
【0007】入浴させる場合は、患者を脱衣させ、タオ
ルケットや毛布などを除去した後、前記昇降装置を駆動
しフレームを持ち上げ、ベッド本体上に浴槽をつくり、
適量の湯を入れる。
【0008】入浴が終われば、排水し、浴槽内に付着し
た水を拭き取り、前記フレームを下げ、再びベッドとし
て使用する。
【0009】
【実施例】次に本発明の最も好ましい実施例について図
面を参照して以下に説明する。
【0010】Aはエアーマットでベッド本体に載置さ
れ、浴槽として使用する時には浴槽の底面を構成する。
エアーマットは頭から足までの縦長のエアーマットセル
11a、11b、11c、11d、11e、12a、1
2b、13a、13bの集合により構成され、ベッド床
上にマジックテープ17、18により取り外し可能に取
り付けられる。
【0011】また、患者の背中の下の2つのエアーマッ
トセル12a,13aは幅が狭く、長さも他のセルの約
半分と短く、この2つのセルと他のセルの空気の出し入
れはエアーホース14と15によりそれぞれ別々に行わ
れる。また、ベッド側辺には側辺エアーマット16をベ
ッド周囲床58上に設ける。ベッド排水口68にあたる
部分のエアーマットセル11aは排水用の穴が開けられ
る。
【0012】Bは浴槽側面防水シートで浴槽の側面を構
成する。浴槽側面防水シート20はその下縁が上記のエ
アーマットセルの全周側縁に固着され、上縁には後で記
す空気で膨らみ、空気を噴出する小穴を持ったパイプ状
防水シート30が取り付けられる。
【0013】浴槽側面防水シート20は、該シートの上
部と中間部の2カ所がマジックテープ21、22により
フレームのパイプに着脱可能に取り付けられるが、上部
では浴槽側面防水シート20がフレームの上部パイプ4
2を包み込み取り付けられる。中間部はフレームの下部
パイプ43に取り付けられる。
【0014】フレームの変形タイプとして板枠45があ
るが、この場合、浴槽側面防水シート25の上部は板枠
の上部にマジックテープ26で取り付けられ、中間部は
板枠の下部側面にマジックテープ27で取り付けられ
る。
【0015】Cはパイプ状防水シートである。パイプ状
防水シート30はパイプで構成されたフレームに取り付
けられた前記浴槽側面防水シート20の上縁周囲に取り
付けられ、ベッド内側の下方向に空気を噴出する穴がフ
レームに沿い多数開けられ、常時空気が供給されパイプ
状に膨らんでいる。パイプ状防水シートの変形タイプと
して板で構成されたフレーム45に取り付けられた前記
浴槽側面防水シート25の上縁周囲に位置するパイプ状
防水シート35がある。このパイプ状防水シートは浴槽
側面防水シートの一部を使用し、構成される。
【0016】Dはフレーム昇降装置でベッド側面に位置
し、支持リンク40a,40bおよび支持リンク連動軸
41より構成される。支持リンク40aは上端がフレー
ムに、下端が支持リンク連動軸41にそれぞれピンで連
結される。支持リンク40bは上端が支持リンク40a
の中央に、下端がベッド本体にそれぞれピンで連結され
る。支持リンク連同軸41の動きにより、フレームは水
平を保持したまま昇降する。
【0017】Eはベッド本体部でベッド床60、61、
62、ベッド周囲床58、ベッド周囲床取付材57、ベ
ッド基台63、エアーバッグ66a、66b、ベッド脚
65およびベッド排水口68により構成される。ベッド
基台は4本のべッド脚65上に水平に固定される。ベッ
ド床は脚部分ベッド床60、腰部分ベッド床61および
上半身部分ベッド床62の3部分に分割され、腰部分ベ
ッド床はベッド基台23の上に固着され、脚部分ベッド
床と上半身部分ベッド床は腰部分ベッド床にヒンジ59
で固定される。脚部分ベッド床と上半身部分ベッド床は
それぞれエアーバッグ66a、66bにより、前記ヒン
ジを中心として上方に傾け可能に構成される。
【0018】脚部分ベッド床60および上半身部分ベッ
ド床62はベッドとして使用する時には各々4つのベッ
ド床支柱64により水平に支えられる。ベッド周囲床5
8はベッド周囲床取付材57を介してベッド脚に取り付
けられる。
【0019】エアーバッグ66a、66bはベッド基台
とベッド床の間にマジックテープ66cにより取り付け
られ、給排気はエアーバッグ用エアーホース67a、6
7bによりそれぞれ別々に行われる。また、ベッド排水
口68は腰部分ベッド床61の端に配置される。
【0020】給水槽70と排水槽80は、それぞれブレ
ーキの付いた台車を持ち、ベッド下部棚69上に配置さ
れる。給湯槽70は断熱材でつくられ、その中に加熱器
75、給湯ポンプ71を内蔵した箱であり、また水道か
らの給水ホース76および蛇口73とシャワー74に連
結した給湯ホース72が貫通する。
【0021】排水槽80はその中に排水ポンプ81を内
蔵し、排水ホース82とベッド排水ホース83が貫通す
る。排水槽の蓋と排水槽本体との間にゴムのリングを入
れ、排水槽の気密をよくする。
【0022】風呂カバー51は長方形で芯の断熱材54
を合成樹脂防水シート55で覆った構造を持ち、横幅は
フレーム幅より広く、長さが約30cmである。肩カバ
ー53は風呂カバーと同様の構造を持ち、肩部の風呂カ
バー52の上面に回転可能に接着されている。
【0023】
【発明の効果】エアーマット上に寝る患者の敷物はタオ
ルケットのような薄いものでよいために、風呂にはいる
前の敷物を取り除く処理が容易である。
【0024】浴槽とベッドが一体化しているので、支持
リンク連動軸を動かすのみで、患者を移動させることな
く、ベッド上に浴槽をつくることができる。
【0025】浴槽側面防水シートを格納する時、該シー
トの中間部を下方に引き格納するので、シートは折れる
ことなく、また、ベッド上に残ることなく格納すること
ができる。
【0026】浴槽側面防水シートおよびエアーマットは
マジックテープで固定されているので、取付、取り外し
が容易である。
【0027】黴の発生しやすい浴槽側面防水シートは格
納後、該シートにパイプ状防水シートの小穴より空気が
吹き付けられるので、十分乾燥し、黴発生が抑えられ
る。
【0028】風呂を風呂カバーと肩カバーで覆うので、
湯温の低下が防げるために、少ない湯量で長時間の入浴
が可能である。また、夏などは風呂カバーで風呂を全て
覆うと、患者の体温が高くなりすぎ、かえって患者を不
快にするが、カバーが分割されているために、必要に応
じて部分的に風呂カバーをはずすことができ、常に患者
を快適な条件で入浴させることができる。
【0029】脚部分ベッド床および上半身部分ベッド床
を上に傾けることにより、少ない湯量で患者を湯につけ
ることができ、また、脚部分と上半身部分が上方に持ち
上がり、腰部分が浴槽内の最下部になるので、入浴時に
患者が浴槽内に滑り落ちる心配がなく、患者に安心感を
与えることができる。
【0030】入浴時、背中の下の2つのエアーマツトセ
ルのみを膨らませ、それ以外のエアーマットセルの空気
を抜くと、背中の下に湯の入る空間がつくられ、背中も
十分温まる。
【0031】給湯槽と排水槽がベッドに常備しているの
で、水を給湯槽に入れるだけで、シャワーや蛇口に給湯
できる。また、排水ホースを便所や風呂等の排水口に取
り付けるだけで排水もできる。
【0032】ベッド排水口を腰部分ベッド床の中央でな
く端に開けているので、患者の腰にじゃまされることな
く、介護者は排水栓の操作をすることができる。
【0033】ベッドとして使用する場合、ベッド上は平
坦となるので、一般のベッドにエアーマットを使用した
状態と同じ状態で本ベッドを使用することができる。
【0034】以上の個々の効果の集合により、介護者の
労力が大幅に軽減でき、一人の介護者のみで寝たきりの
患者を安楽に入浴させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例でベッドとして使用されてい
るときの側面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】本実施例で風呂として使用されているときの側
面図である。
【図5】図4の平面図である。
【図6】図5のB−B断面図である。
【図7】本実施例における風呂カバーと肩カバーの拡大
説明図である。
【図8】本実施例におけるフレームの他の変化例を示
す。
【符号の説明】
A エアーマット B 浴槽側面防水シート C パイプ状防水シート D フレーム昇降装置 E ベッド本体 70 給湯槽 80 排水槽

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エアーマット、同マットの全周側縁に下
    縁が固着され上部がフレームが取り付けられた筒状の浴
    槽側面防水シート、その防水シートの上端に取り付けら
    れた空気噴出用開口を持つパイプ状防水シート、上記フ
    レームの相対向するフレーム辺の組の何れか一方の組に
    上端が取り付けられ下端がベッド本体に取り付けられた
    上記フレームを昇降させるフレーム昇降装置とからなる
    ことを特徴とする介護用ベッド。
JP20134996A 1996-07-10 1996-07-10 介護用ベッド Expired - Lifetime JP2949139B2 (ja)

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