JPH10127726A - 介護用浴槽付ベッド - Google Patents

介護用浴槽付ベッド

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JPH10127726A
JPH10127726A JP8303826A JP30382696A JPH10127726A JP H10127726 A JPH10127726 A JP H10127726A JP 8303826 A JP8303826 A JP 8303826A JP 30382696 A JP30382696 A JP 30382696A JP H10127726 A JPH10127726 A JP H10127726A
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bed
bathtub
side wall
hot air
care
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Fusako Suzuki
房子 鈴木
Noriko Suzuki
紀子 鈴木
Michiko Mori
美智子 森
Fumiko Takahashi
文子 高橋
Mitsue Ishimine
みつ江 伊志嶺
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Individual
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高齢化、疾病等で寝たきりを余儀なくされた
老人、患者等、被介護者の希望に応じた入浴を、介護者
の要員及び労苦を極力少なくし、より清潔かつ安楽な入
浴介護に役立つ浴槽付ベッドを提供する。 【解決手段】 被介護者が内心最も希望する要求に応じ
て、ベッドの寝床台板を2段屈折させて体位を極く自然
な姿勢そのままでかつ不安なく浴槽に降下、上昇させ、
洗髪漕を別に、そして入浴後の浴槽を速やかに乾燥させ
る装置を夫々設け、屋内に籠もる湯気を処理するととも
に、被介護者の裸体曝露にかゝわるプライバシ−の保護
に幾分役立つために目隠し幕等を設けるものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、寝たきり老人或い
は患者等の主として在宅介護用浴槽付ベッドに関する。
更に詳しくは、比較的幅広の長手側壁体に両側を囲われ
た昇降自在、かつ2段屈折、3分割片連結した寝床台板
を備えるとともに、洗髪漕を浴槽本体の前側に連接縁を
介して連設し、加えて入浴終了後に浴槽及び寝床台板を
強制乾燥させ、更に蒸気が屋内に蔓延して立ち込めるこ
とを防止し、併せて被介護者の裸体曝露を可及的に少な
くするための目隠し幕を配設した介護用浴槽付ベッドに
関する。
【0002】
【従来の技術】本発明の介護用浴槽付ベッドに関連する
従来からの提案としては、次に述べる2件が代表的なも
のである。特開昭61−16744号公報に開示された
「人体洗滌手段を備えたベッド」及び特開平3−128
054号公報の「浴槽付ベッド」である。前者は3枚の
臥床板を屈曲自在に連結し、自在に昇降可能な昇降手段
を備えた臥床部と、該臥床部の下方に、中央をV字形の
凹部槽となし、その上部両側に平坦部を備えた浴槽を配
設してなる洗滌手段を備えたベッドを提案した。
【0003】この提案は、(1)先ずベッドと浴槽とが
一体的に形成されているため、入浴時に被介護者を常用
ベッドから移し替える必要があること、(2)臥床部が
邪魔になって浴槽の清掃が困難であること、(3)臥床
部に人体を移して浴槽内に屈曲下降させた際、頭部が水
没する不安を感じさせること、(4)複雑な昇降機構が
介護の邪魔になること、(5)また下降時に臥床部が浮
力のために聊か下降し難い等の欠点があった。
【0004】後者即ち特開平3−128054号の「浴
槽付ベッド」は、前者を改良したもので、前後の立枠と
これに接続する両側枠とによってベッド枠を形成し、該
両側枠間の下方に浴槽を配し、これらベッド枠と浴槽と
が相対的に出入可能な構成となす。そして浴槽上に中央
部をピンによって屈曲可能に接続した前後2分割ベッド
床を配置し、前部ベッド床は中程を両側枠に枢支して前
端部をベッド立枠に設けた昇降手段に接続してなり、該
ベッド枠を変則V字形の浴槽の屈曲底板に沿って屈曲可
能に構成した浴槽付ベッドで、この提案では前記特開昭
61−16744号の欠点は概ね解消された。
【0005】しかしながら、この提案にはなお次のよう
な諸々の欠点があり、実用化のためには更に技術的解決
を必要とするのみならず、在宅看護用としては設置スペ
ース、浴槽から発生する水蒸気対策等不適切な点が多
い。
【0006】この提案における問題点としては、(1)
洗髪機構が無いため洗髪汚水が浴槽に入り、脱毛等を含
めて浴湯の不潔さが累増すること、(2)入浴後ベッド
床及び浴槽の乾燥設備が無いため、寝具が吸湿し、特に
夏季には不快臭やカビが発生すること、(3)屋内で常
用するため冬季には結露が多く、梅雨季には浴槽から発
生する温蒸気が屋内に充満し、不快指数はいやが上にも
増大すること、(4)ベッドの側枠は、この提案の構成
上幅が狭隘なため、床が降下する時被介護者に横転する
不安感を与えること、(5)昇降させる支点となる枢軸
が、ベッド床前端に近い位置にあるため、昇降手段の動
力負担が大きいこと、更に(6)屋内とは申せベッドの
周辺に遮蔽手段が講ぜられていないため、被介護者の裸
体曝露は聊かプライバシーを傷つけることにもなりかね
ないこと、等が指摘される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は寝たきり老人
等の被介護者(以下臥床者と称す)が安楽に清潔に、そ
して洗髪も容易に屋内で入浴を楽しくさせ、入浴中は屋
内の水蒸気対策も充分果たし、入浴後の浴槽及び寝床部
台板等を速やかに乾燥させることができ、しかも介護者
の労を最小限に抑えることができる上、入浴に伴う裸体
曝露の臥床者のプライバシーをできるだけ護るようにし
た、介護用浴槽付ベッドを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、天面が比較的
幅広のベッド長手側壁と切欠側壁、及び短手方向の比較
的幅狭の両短手側壁とに囲まれた昇降自在、かつ寝床部
が2段階屈折、3分割片連結の寝床台板よりなり、しか
も最先の寝床台板の頭部位置に、洗髪用の外し床板を嵌
合して形成した前記寝床部を配設した凾体状の介護用ベ
ッドに於いて、該ベッドの寝床部の下方に底面が断面逆
への字形に屈曲した浴槽本体と、該浴槽本体の前側(図
面上右側)に、連接縁を介して漏斗状の洗髪漕を連設し
て形成した介護用浴槽付ベッドである。
【0009】そして、該介護用浴槽付ベッドの浴槽本体
下部に設けたヒーター付送風機構から、温風管と温風噴
射ノズルをベッドの短手側壁を介して配設し、更に前記
ベッド長手側壁の天面中央に立設した親骨集合軸と、該
親骨集合軸の上部のロクロを介して折り畳み可能、かつ
放射状に展着した親骨と、目隠し幕とより形成された半
蝙蝠傘状の目隠し体にてベッドに臥床する人体を遮蔽す
るとともに、浴槽より立昇る蒸気を吸収する目隠し体を
冠設し、本発明の介護用浴槽付ベッドは完成する。な
お、本発明の介護用浴槽付ベッドに使用する敷布団は、
取り外しが容易なようにタッチクローズ型ファスナーを
介して連結した3分割構成のものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の介護用浴槽付ベッドは、
大別して移動用キャスター付凾体状のベッド本体Aと該
ベッドの寝床部B、及び該寝床部の下方の浴槽本体6と
洗髪漕11、並びにベッド上方に形成された折り畳み可
能な目隠し体24とから構成される。そしてベッドの寝
床部Aには、付け外し自在な3区分連結形敷布団28を
敷いて臥床者32を寝かせている。
【0011】凾体状のベッド本体Aに於いて、比較的幅
広のベッド長手側壁17の間に、3分割した有孔板を連
結して形成した寝床部Bを、2段階に屈折自在に構成
し、第1屈折部4は臥床者の腰の下方に、第2屈折部4
aは膝の下方に配置し、第2寝床台板2の下部に取り付
けられた支持杆5にて浴槽底部6aに支えられて膝屈折
が自然に保持され、従って身体全体が安楽に浴槽内へ自
然屈折させながら、しかも頭が浴中へずり下がらないよ
う降下させて浴槽に浸らせ、洗髪時は第1寝床台板1の
外し床板1aを外して洗髪し、入浴終了後は上昇して元
の平坦な寝床部Bに戻すべく作動する、前記第1寝床台
板1の側面に一体的に固設された枢軸及びレバーを介し
て取り付けられた駆動機構15が前記ベッド長手側壁内
に収納されている。
【0012】更に浴槽の下方には、ヒーター付送風機構
20が設置されていて、該送風機構から温風管21を介
して短手側壁19a内を経由し、複数の温風噴射ノズル
22、22aから温風が噴き出し、浴槽及び寝床板更に
は目隠し体等を短時間内に乾燥を可能とした。
【0013】
【実施例】本発明の一実施例を図面に基づいて説明す
る。図1は本発明の介護用浴槽付ベッドの本体の構成を
示す説明図で、図2は同じく使用状態を示す説明図であ
り、図3はベッド本体の平面図である。図5はベッドの
寝床部を浴槽中に昇降させる機構の拡大説明図で、図8
乃至図10はベッドに使用する着脱自在な3片連結形の
敷布団である。そして図6は目隠し体を取り付けた状態
を示す正面図、図7は同じく側面図である。
【0014】図1乃至図5に於いて、凾体状に形成され
た本発明のベッド本体Aの長手方向の一側、即ちベッド
長手側壁17は厚さ15糎乃至20糎の中空の枠状壁で
形成され、内部に寝床部Bの前部(図面上向かって右)
長側縁に一体的に固着された枢軸13とレバー14を介
して、寝床部を昇降させるための駆動機構15が収納設
置されている。(図5参照)。そして他の長手方向一
側、即ちベッド切欠側壁18は、天頂付近が前記側壁1
7と同一厚さに形成されているが、約15糎下方より以
下の外側面が切欠されて5糎乃至8糎程度の厚さとなっ
ていて(図6参照)、該切欠部には浴槽につながる給
湯、給水及び排水管の連結具、並びに電源スイッチ等が
配設され、また椅子に着座した介護者の膝下位置とな
り、介護が大変楽になった。
【0015】ベッド本体Aの後側の短手側壁19a内に
は、ベッド本体底板23の後部に配設されたヒーター付
送風機構20に連結した直径5糎乃至7糎の温風管21
を収納し、更に上部縁近くで該温風管を分岐させて温風
を浴槽6内へ吹き込む複数の噴出ノズル22を配設する
とともに、前記分岐点に於いて、上方の目隠し幕方向へ
も温風が噴出できるようバルブ(図示なし)を介して噴
出ノズル22aを立設する。
【0016】寝床部Bは、前記幅広のベッド長手側壁1
7と同切欠側壁18及び短手側壁19、19aとに囲ま
れた同一平面で、これ等側壁と分離しながら摺接自在な
2段階屈折、3分割片連結の床板からなり、しかも適宜
数の孔16を穿設した幅約50糎、長さ約210糎の有
孔板で形成されている。そして最先が最大面積を占める
第1寝床台板1であって、その前部1/3の位置に嵌脱
自在な外し床板1aを嵌合した窓部Mを形成し、洗髪時
に該外し床板1aを外すと、直下に洗髪漕11が設置さ
れている。また窓部Mの内部適宜の位置にゴム管連結シ
ャワー用カラン(図示なし)を収納している。
【0017】次の分割片は、裏面後端付近の中程に下向
きに垂設した約15糎の支持杆5を備えた最小の第2寝
床台板2で、続いて第3寝床台板3の分割片となり、各
分割片の間は蝶番によって屈曲部4、4aが形成され、
寝床部Bが浴槽に降下した際浴槽後部底板6cに達した
前記支持杆5の支えを得て、第1と第2の寝床台板は極
く自然な体位に適合した屈接部を臀から大腿部の位置に
形成する。為に頭部がずり落ちて水没するような不安感
を、臥床者に全く与えないと言う予期しない効果が生ま
れた。
【0018】3分割して形成した前記寝床部Bの下方に
は、逆への字形の浴槽本体6を該浴槽本体の後部側板6
bを介して前記ベッド本体Aの後側短手側壁19aに添
着させ、更に浴漕前部底板6aと後部底板6cと接合縁
の適宜位置に排水口10を設けるとともに、浴槽前部底
板6aの上部の連接縁8を介して、その前側に漏斗状の
洗髪漕11を浴槽本体6と一体的に形成し、かつベッド
本体前側の短手側壁19に添設する。該洗髪漕11の下
端に設けた排出口に連結させた洗髪水排出管12を、浴
槽の排出口10まで延出して合流させ、入浴、洗髪両汚
水を一括して排出する。
【0019】なお、前記浴槽後部底板6cの中央付近
に、前記ベッド切欠壁18に取り付けた給湯栓9aと給
水栓9bのそれぞれに連結延出した送水管を、合流して
形成した給湯・給水口9から浴槽本体6に給湯する。
【0020】図5に寝床部Bをレバー方式で昇降させる
機構を示した。本レバー方式では僅かな力を加えるだけ
で至極容易に寝床部Bの昇降が可能になった。即ち図3
及び図5に示すように、寝床部の右前側縁に枢軸13と
レバー14の一端とを一体的に固設し、前記ベッド切欠
側壁18には軸受を、ベッド長手側壁17にはリング軸
受を介してそれぞれ回動自在に枢支し、前記レバーはベ
ッド長手側壁内に於いて前記したとおり後下方へ向かっ
て適宜の角度、好ましくは約20度の傾斜を保たせて、
下端末を油圧、空気圧或いはジャッキ等適宜の駆動機構
15に連結し、寝床部Bを降下させる時はレバーを50
度の位置まで静かに下げると、該寝床部は2段階屈折し
て臥床者とともに浴槽底部まで下降し、予め所定水位ま
で満たした湯浴中に前記支持杆5を介して安定して停止
する。
【0021】水中では浮力の助けを得て、臥床者の体位
を左右に容易に横転させることができるので、洗髪から
爪先洗いに至るまで楽々と湯浴みさせることができ、時
には温泉浴を楽しませて身体の機能回復に貢献する。寝
床部bを上昇させる時は、レバーを逆に操作して旧位置
に復させる。なお、前記レバー14の傾斜角を約20度
とし、下降させた時はベッド長手側壁17の上縁に対
し、50度の位置で停止させると、臥床者が浴湯の水平
面からずり下がらない最適の姿勢を維持することができ
るのである。
【0022】入浴が終わると速やかに浴槽の湯水を排出
し、図4に示すように寝床台板3を45度程度で臥床者
の脚に苦痛を与えない程度に開口し、浴槽内を柄付ブラ
シ等で素早く清掃し、要すれば寝床台板1、2、3の水
滴を布等で拭い去り、直ちにヒーター付送風機構20を
作動させて秒速約20米の温風を浴槽本体内に吹き込む
ことにより、ほぼ10分程度で寝床台板ともに乾燥する
ことが可能である。
【0023】ところで、従来の入浴介護は少なくとも3
名の介護者を必要とした。例えばさきに開示した特開昭
61−16744号公報の「人体洗浄手段を備えたベッ
ド」では、常用ベッドと浴槽付きベッドとの間で、寝た
きりの臥床者を移動させるにしても、或いはこの事案よ
り一歩利便性が向上した特開平3−128054号公報
提案の「浴槽付ベッド」の場合に於いても入浴準備のた
めに常用の敷布団を取り外すためには、臥床者を前後若
しくは左右から抱きかかえるか、持ち揚げるかしなけれ
ばならないので、介護者要員は是非共3名が必要であっ
た。
【0024】しかしながら本発明の介護用浴槽付ベッド
の場合は、介護者1名で不都合なく入浴介護を果たすこ
とが可能となった。その理由は以下述べる3分割式の敷
布団が解決の糸口を作ったのである。
【0025】即ち図8乃至図10に示した着脱可能な3
片連結形の敷布団28は、各布団とも接合端にタッチク
ローズ型ファスナーの雄29と雌29aとを順次取り付
けることによって、常用布団の役目を果たし得る。そし
て、入浴準備に際しては、介護者は臥床者を片腕で抱き
かかえながらもう一方の腕で1片づつ布団を引き剥がす
ことが充分可能であり、予想以上に容易に布団を外すこ
とが実証された。
【0026】図6は本発明の介護用浴槽付ベッドの正面
全体の説明図で、図7は同じく側面説明図である。両図
に於いて、ベッド本体Aのベッド長手側壁17の天面中
央部の外側面に、半蝙蝠傘状の目隠し体24を構成する
親骨25の集合軸25bを嵌合させるための目隠し体取
付金具27を添設し、該取付金具に着脱自在に前記親骨
集合軸を介して目隠し体を冠設する。親骨25は先端を
湾曲させた逆L字形に、金属製細管等を用いて形成す
る。又目隠し体取付金具27は、適宜の管体にて形成
し、前記ベッド長手側壁17に垂直に添設する。そして
3本乃至7本好ましくは5本乃至7本からなる親骨25
を、ロクロ25Aを介して集成した親骨集合軸25b
を、前記目隠し体取付金具に嵌挿し、蝶ネジ等を用いて
嵌脱自在に係止し、ベッド本体Aを覆蔽する。
【0027】目隠し体24は前記ロクロ25aを回動軸
として折り畳み自在に形成し、そして給湿及び排湿の両
性質にすぐれた布帛、例えば軽く起毛した比較的厚地の
綿布又はタオル地等適宜の布帛にて形成した目隠し幕2
6を、恰度洋傘と同じように親骨に纏着して予め目隠し
体24を形成し、ベッド本体Aの上に冠設する。更に該
ベッド本体を移動可能なように、底面四隅にキャスター
30を取り付けると、ここに本発明の介護用浴槽付ベッ
ドは完成する。
【0028】本発明の介護用浴槽付ベッドを屋内にて供
用するにあたり、季節によっては目隠し幕内に湯気が立
ち込めるのみならず、広く屋内に蔓延いたしかねない。
このような時は、前記ベッド本体Aの短手側壁19aに
内設した温風管21の先端で分岐突設させた噴出ノズル
22aのバルブ(図示なし)を開き、温風を吹き上げさ
せて湯気を乾湿化させるとともに、速やかに目隠し幕に
吸収された水分を強制乾燥させることができる。本発明
の介護用浴槽付ベッドのベッド本体及び寝床部並びに浴
槽等の主要部材は、吸湿、抱水性のできるだけ少ない合
成樹脂を選択使用するのが、成型加工の容易なこと、製
作費の経済性等併せ考え最も好適である。
【0029】
【発明の効果】本発明の介護用浴槽付ベッドの一番大き
い利点は、寝たきり老人等の入浴介護がたった一人の介
護者の手で行うことができるようになったことで、従来
入浴介護には少なくとも3人の介護者が必要であった
し、この事情が在宅看護の上で最大の問題であった点を
考慮すれば、本発明はこの難問題を解決し得て在宅看護
に多大の貢献をなすことができる。そして次に述べるよ
うに、本装置は身体不自由な被介護者の立場に立って最
大の注意を払ったことである。
【0030】本発明の介護用浴槽付ベッドは、洗髪漕を
浴槽と別に設けたため、洗髪汚水が入浴漕に混入しない
ため浴湯の汚れが減殺されたこと、入浴後の浴槽及びベ
ッドの寝床台板の裏面が速やかに乾燥できるため寝具の
吸湿や不快臭、カビ等の発生を無くしたこと、目隠し幕
を設けたことで入浴中の湯気が屋内に流れることを防ぐ
ことができるし、吸湿した目隠し幕を強制的に乾燥でき
るようにしたこと、ベッド長手側壁の天面の短手方向幅
を拡げたことで、寝床台板の下降時に臥床者に横転する
不安感を取り除いたこと、寝床台板の2段屈折、3分割
連結の方式により浴中の姿勢が極く自然になった上、頭
部が浴中にずり落ちることの無い姿勢の保持が可能とな
ったこと、ベッドの寝床台板上に敷く敷布団を着脱自在
な3分割片としたことで、入浴準備の脱布団を容易にし
たこと、寝床台板の昇降機構を新規開発したことで前記
臥床者の頭部のずり落ちを防ぐ手段を講じ得たことに加
え、動力負担が少なくなったこと、臥床者の裸体曝露に
対するプライバシーの保護に聊かなりとも役立ったこと
等々、俗に言う被介護者に優しい介護手段を提供するこ
とができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の介護用浴槽付ベッドの本体の構成を示
す説明図である。
【図2】使用状態を示す説明図である。
【図3】本発明の浴槽付ベッド本体の平面図である。
【図4】使用後の浴槽洗滌及び乾燥実施の態様を示す説
明図である。
【図5】寝床部の枠体に連結した昇降機構の拡大説明図
である。
【図6】本発明の介護用浴槽付ベッドの正面説明図であ
る。
【図7】介護用浴槽付ベッドの全体側面図である。
【図8】着脱自在な3片連結形の敷布団を載置した側面
説明図である。
【図9】敷布団の分解説明図である。
【図10】敷布団の平面図である。
【符号の説明】
A ベッド本体 B 寝床部 1 第1寝床台板 1a 外し床板 M 窓部 2 第2寝床台板 3 第3寝床台板 4、4a 屈折部(蝶番) 5 支持杆 6 浴槽本体 6a 浴槽前部底板 6b 後部側板 6c 浴槽後部底板 7 湯水 8 連接縁 9 給湯・給水口 9a 給湯栓 9b 給水栓 10 排水口 11 洗髪漕 12 洗髪水排出管 13、13a 枢軸 14 レバー 15 駆動機構 16 孔 17 ベッド長手側壁 18 ベッド切欠側壁 18a 切欠部 19、19a 短手側壁 20 ヒーター付送風機構 21 温風管 21a、21b 分岐温風管 22、22a 温風噴射ノズル 23 ベッド本体底板 24 目隠し体 25 親骨 25a ロクロ 25b 親骨集合軸 26 目隠し幕 27 目隠し体取付金具 28 敷布団 29 タッチクローズ型ファスナー(雄) 29a タッチクローズ型ファスナー(雌) 30 キャスター 31 枕 32 被介護者 33 椅子 34、34a リング軸受
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 596040909 伊志嶺 みつ江 大阪府泉南郡岬町淡輪2577−8 (72)発明者 鈴木 房子 大阪府泉南郡岬町深日1971−2 (72)発明者 鈴木 紀子 大阪府泉南郡岬町孝子286 (72)発明者 森 美智子 高知県高知市桟橋通1丁目2−28 (72)発明者 高橋 文子 兵庫県神戸市中央区港島中町3−1−44− 909 (72)発明者 伊志嶺 みつ江 大阪府泉南郡岬町淡輪2577−8

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向が天面幅広の中空枠形のベッド
    長手側壁17及びベッド切欠側壁18と、前後の短手方
    向が天面狹隘の中空枠形の両ベッド短手側壁19、19
    aとより形成された凾体状のベッド本体Aに於いて、該
    ベッド本体の寝床部Bは前記各側壁の天面と同一平面
    で、枢軸13、13aを介して摺接自在に軸支され、か
    つ第1寝床台板1、第2寝床台板2及び第3寝床台板3
    の3分割有孔板が、複数の蝶番4、4aを介して折り曲
    げ自在な2段階屈折に連結形成され、前記第1寝床板1
    には洗髪用の外し床板1aを嵌合した窓部Mが形成さ
    れ、かつ該第1寝床板1の長側縁前端付近に一体的に固
    着された枢軸13とレバー14を介して寝床部Bを昇降
    させるべく形成された駆動機構15が、前記ベッド長手
    側壁17の内部に収納設置され、更に寝床部Bの下方に
    逆への字形の浴槽本体6と、該浴槽本体の前部連接縁8
    を介して洗髪漕11を一体的に連設したことを特徴とす
    る介護用浴槽付ベッド。
  2. 【請求項2】 先端が内側に湾曲して逆L字形に形成し
    た少なくとも3本以上複数本の親骨25を、ロクロ25
    aを介して放射状かつ折り畳み自在に拡設し、該親骨上
    に吸排湿性にすぐれた布帛を目隠し幕26として展着し
    て半蝙蝠傘状の目隠し体24を形成し、前記親骨がロク
    ロを介して集合してなる集合軸25bを、ベッド本体A
    のベッド長手側壁17の天面中央部の外側壁に添設した
    目隠し体取付金具27に嵌脱自在に嵌挿し、前記ベッド
    本体A上に目隠し体24を冠設して覆蔽したことを特徴
    とする請求項1記載の介護用浴槽付ベッド。
  3. 【請求項3】 ベッド本体Aの後側の短手側壁19aに
    近いベッド本体底板23上に固設したヒーター付送風機
    構20から導出した温風管21は、前記短手側壁内を通
    って上端近くまで導き、同位置にて水平方向に分岐温風
    管21aを設け、該分岐温風管から浴槽方向へ複数ヶの
    温風噴射ノズル22を突設したことを特徴とする請求項
    1記載の介護用浴槽付ベッド。
  4. 【請求項4】 ベッド本体Aの後側の短手側壁19aに
    近いベッド本体底板23上に固設したヒーター付送風機
    構20から導出した温風管21は、前記短手側壁内を通
    って上端近くまで導き、同位置にて水平方向に上下2段
    に分岐温風管21a、21bを設け、下段の分岐温風管
    には浴槽方向へ複数ヶの温風噴射ノズル22を、また上
    段の分岐温風管は前記短手側壁の外方に突出して形成し
    た開閉用バルブを介して目隠し幕26の方向へ複数ヶの
    温風噴射ノズル22aをそれぞれ配設したことを特徴と
    する請求項2記載の介護用浴槽付ベッド。
  5. 【請求項5】 寝床部Aのベッド長手側壁17側の前側
    縁に、枢軸13とレバー14の一端とを一体的に固設
    し、ベッド切欠側壁18には軸受を、ベッド長手側壁に
    はリング軸受34、34Aを介してそれぞれ回動自在に
    枢支し、前記レバーはベッド長手側壁内に於いて後下方
    に向かって約20度の傾斜を保たせて、下端末を適宜の
    駆動機構15に連結して形成したことを特徴とする請求
    項1及び請求項2記載の介護用浴槽付ベッド。
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