JPS5821786Y2 - 自転車用前照灯 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自転車用前照灯に関するものである。

この種前照灯においては一般に車両と一体に取付けられ
ている為、夜間走行中左右に方向を変更しようとする際
、車両の向いた方向にしか照射できず、この為に曲がろ
うとする方向と前照灯の照射方向とにずれが生じ運転者
は方向変更のときにあっては常に暗い方向に進まざるを
得すこのため非常に危険であった。

斯る危険を除去せんが為に方向変更の際、当該変更側に
前照灯を回動して車両の進行方向に偏光せんとしたもの
等が提供されてきたことは既知の通りである。

然し乍ら、方向変更の際、即ちカーブを曲るときには制
動をかげ低速にして曲る場合が多いと共に、自転車の前
照灯は一般にはその電源をダイナモからとるタイプのも
のが多く、当該ダイナモタイプの場合には低速になると
必然的に前照灯の照射効率が低下して暗くなり安全性に
おいて問題がある等の難点を有していた。

そこで本考案は斯様なこと鑑み、方向変更の際、同時に
前照灯の照射位置を車両の進行方向に偏光し得ると共に
、当該照射位置の移動と同時に前照灯の光量を低下させ
ることなく光を明るくさせんとしたダイナモを電源とす
る自転車用前照灯を提供せんとするを目的としてなされ
たものである。

以下図面に就いて本考案実施の１例態様を説明する。

１は前照灯本体を示すものであり、該前照灯はライト取
付金具１１と一体的に構成した後ケース１２とレンズ部
を有する前ケース１３とからなり、これら前後ケース１
２．１３は嵌め込み等適当な手段により着脱自在に構成
されている。

１４は上下周縁１４Ａ、１４Ｂを支軸１５Ａ、１５Ｂに
て後ケース１２に取付は該ケースに内装した前照灯の反
射鏡であり、支軸１５Ａ、１５Ｂを支点として左右方向
に回転することができるようにしたものである。

１６は反射鏡の裏面１４Ｃにおいて支軸から横方向に適
当距離を隔てた個所に取付けた回転自在の取手であり、
該取手にはその後方より挿入されているプツシプルケー
ブル１７の一端が連結されている、しかして当該ケーブ
ルを出し入れすることにより反射鏡１４が支軸１５Ａ。

１５Ｂを支点として右または左方向に回転することがで
きるよう構成したものであり、１８は豆電球、１９は豆
電球のソケットである。

２はハンドル等手元に取付けられる前照灯の可動操作機
構であり、基板２１に軸２２にて廻動自在に支承した操
作レバー２３及び後述する前照灯の電気回路のマイクロ
スイッチ２４を具有している。

操作レバー２３には一端を反射鏡の取手１６に連結せる
プツシプルケーブル１７の他端が取付けられており、ま
たマイクロスイッチ２４は操作レバー２３の取付基端２
３Ａ下部に配設されている。

そしてこのマイクロスイッチ２４のスイッチ部凸起２４
Ａは操作レバー２３の取付基端２３Ａと接触して位置し
該レバーの廻動により出没するよう設けたものであり、
本実施例にあっては第３図実線に示すように操作レバー
２３が真中の位置にあるときには露出し、左右に廻動し
たときには前記取付基端２３Ａにより下部に押し込まれ
るように構成したものである。

また、第４図は本考案における前照灯の電気回路を示す
ものであり、ダイナモ３からの電流が直接ランプ１８に
至る回路３Ａと、抵抗３１を経てランプ１８に至る回路
３Ｂの２つの点灯回路を設け、これら回路の分岐点に操
作レバー２３と連動するマイクロスイッチ２４を配し該
スイッチにて回路を切替えるようにしたものである。

尚、図において３２はダイナモの端子、３３Ａは回路３
Ａの端子、３３Ｂは回路３Ｂの端子であり、またランプ
（豆電球）はダイナモ３の出力よりやや小さいワット数
の電球を使用し、通常はマイクロスイッチ２４が回路３
Ａの端子３３Ａと接する状態にしておき抵抗３１により
電力を消費させてランプ１８には定格電圧になるように
しておくものである。

以上のように構成した前照灯本体及びその可動操作機構
並びに電気回路を具有する本考案のものに於いては、進
行方向変更の際可動操作機構の操作レバーを動かすこと
により前照灯を、その照射効度を低下させることなく車
両の進行方向に偏光し得るようにしたものであって、次
にその動作を説明する。

車両が直進しているときにあっては前照灯の反射鏡１４
は第２図実線に示す如くケース１２．１３に対し真正面
を向いて位置し前方を照射しているものであり、当該反
射鏡と緊張せるプツシプルケーブル１Ｔを介して連結し
た可動操作機構の操作レバー２３は第３図実線に示す如
く真中に位置して存在し、該操作レバーの取付基端２３
Ａと接触しているマイクロスイッチのスイッチ部凸起２
４Ａはスイッチ外部に露出している状態にある。

そしてこの状態における前照灯の電気回路は、一端をダ
イナモの端子３２と接続してなるスイッチの他端が回路
の端子３３Ａと接触して抵抗３１を有する回路３Ａを形
成しているものであり、よってランプ１８には前記抵抗
により電力の一部を消費してなる実用照度を有する定電
圧電流が流れている。

しかしてこの状態にあって方向変更、即ちカーブを曲る
場合には可動操作機構の操作レバー２３を曲る方向に応
じて右または左に廻動するものであって、例えば右方向
に曲るときには操作レバー２３を第３図イの鎖線に示す
如く右方向に廻動すれば、該レバーと連結せるプツシプ
ルケーブル１７が牽引され該ケーブルの一端と取手１６
を介しで接続している反射鏡１４が前記牽引動作の伝達
により後方に引かれ第２図イの実線の状態から支軸１５
Ａ、１５Ｂを支点として右方向に回転しライトの照射位
置が同方向に移動する、と同時に前記操作レバーの右側
廻動によりその取付基端２３Ａがマイクロスイッチ２４
のスイッチ部凸起２４Ａを露出状態から強制的に下方へ
押しやる。

このスイッチの押動によりスイッチの他端が回路３Ａの
端子３３Ａと離反して端子３３Ｂと接触し回路３Ｂを構
成するものであり、ダイナモによる起電力は抵抗３１を
通過することなく直接ランプ１８に至るものである。

また、この場合においては前述したように方向変更のと
き制動をかげ自転車の走行速度を直進（通常）走行速度
より若干ゆるめる関係上、ダイナモの出力電圧が若干低
下するものであるが、直進（通常）走行状態におけるラ
イトの照度を、抵抗により電圧を落して定格電圧にし走
行に支障のない実用照度に予め設定してお（ために電圧
が若干低下しても実質上直進走行状態と同等、若しくは
それ以上の照度が得られるものである。

次にこの状態から直進走行状態に至ったときには先の操
作レバー２３を回動して真中の位置に戻せば、プツシプ
ルケーブル１７による反射鏡の牽引状態が解かれ反射鏡
１４は回転して原状の状態に復し正面前方を照射するも
のであり、と同時に前照灯の電気回路も回路３Ｂから回
路３Ａとなる。

しかしてこのような前照灯における反射鏡の回転及び電
気回路の切替えは自転車の進行方向を直進走行から左方
向に変更したときにも同様になされるものであるが、た
だ右側の場合と違うところは操作レバー２３を左側に廻
動することによりプツシプルケーブル１７は先とは逆に
前照灯本体ケース内に押し込まれ反射鏡１４を前方に押
しやるかたちとなる。

（第３図口参照）したがって、反射鏡は支軸１５Ａ、１
５Ｂを支点として左方向に回転しライトの照射位置が同
方向に移動するものである。

（第２図口参照）尚、本実施例のものにあっては反射鏡
と操作レバーとはプツシプルケーブルにより連結したも
のであるがこれをワイヤーケーブルに代えて用いてもよ
く、この場合には支軸１５Ａ、１５Ｂ部分にネジリバネ
を挿入するものである。

斯様に本考案のものは実施例で説明したように夜間走行
中左右に方向を変更しようとする際、前照灯本体の反射
鏡を右または左に回転させてライトの照射位置を左右に
移動せしめると同時にライトの照度を低下させることな
く直進（通常）走行状態と同等またはそれ以上明かるく
なるようにしたものであるから、曲がろうとする方向と
ライトの照射方向とにズレが生じることなくその進行方
向をよく照らす。

よって安全に走行することができる等、自転車の前照灯
として交通安全上極めて有益である。

また、本考案のものは上述したようにその構造が簡単で
、且つ又、前照灯における反射鏡の回転と電気回路の切
替動作が共に前照灯可動操作機構の操作レバーによりな
されるものであるから、その取扱操作が容易で且つ至便
である等の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の１実施例を示すものであり、第１図は前
照灯本体の横断面図、第２図イ９口は同じく平断面図、
第３図イ９口は本考案を構成する前照灯可動操作機構の
正面図、第４図は本考案を構成する電気回路図である。 １・・・・・・前照灯本体、１２・・・・・・前照灯本
体の後ケース、１３・・・・・・前照灯本体の前ケース
、１４・・・・・・反射鏡、１５Ａ、１５Ｂ・・・・・
・反射鏡の支軸、１６・・・・・・取手、１７・・・・
・・プツシプルケーブル、２・・・・・・前照灯の可動
操作機構、２３・・・・・・操作レバー、２３Ａ・・・
・・・操作レバーの取付基端、２４・・・・・・マイク
ロスイッチ、２４Ａ・・・・・・スイッチ部凸起、３・
・・・・・ダイナモ、３Ａ、３Ｂ・・・・・・回路、３
２・・・・・・ダイナモの端子、３３Ａ、３３Ｂ・・・
・・・回路の端子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前照灯のケース内に反射鏡の上下周縁を支軸により支承
   して反射鏡を回転自在に支持し、この反射鏡の裏面に回
   転自在の取手を前記支軸から横方向に所要距離を介して
   取付けると共に、ダイナモの起電圧が直接ランプに至る
   回路と、抵抗を経てランプに至る回路の二つの点灯回路
   を設け、これら回路の分岐点にマイクロスイッチを設置
   してこのマイクロスイッチにより前記回路を開閉すべく
   した電気回路を具備する前照灯本体と、基板に廻動自在
   に支承した操作レバー及び該レバーの下部において出没
   自在のスイッチ部凸起を有するマイクロスイッチを配設
   したノ・ンドル等手元に取付けられる前照灯の可動操作
   機構とから成り、前記マイクロスイッチのスイッチ部凸
   起は操作レハーノ取付基端と当接すると共に、操作レバ
   ーと反射鏡の取手とは緊張ケーフルを介して連動自在に
   接続し、以って操作レバーを左右に廻動することにより
   反射鏡の左右回転と電気回路の切換え操作が出来るよう
   にしたことを特徴とする自転車用前照灯。