JPH021156Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、車輌ヘツドランプ光線の自動変角照
射装置に関するものである。

一般に車輌ヘツドランプは車輌の直前方を照射
するようになつている。従つて走行中カーブでハ
ンドルをきり、車輪の角度が変わつても、車体そ
のものの変角は常に遅行するためヘツドランプの
照射角度も遅行し、車輌の進行すべき方向を直ち
に照射することはできないことが欠点となつてい
る。

ハンドルの転回により車輪を変角せしめ、目的
方向に曲直走行する車輌のヘツドランプ光線を自
動的に変角させようとする試みは、従来先行技術
として既に開示されているものもあるが、いずれ
も機械的な不備から実用化に至つていないという
のが現状である。

例えば実公昭31−19421号公報の技術は、メイ
ンランプの左右上下に設けたサイドランプを往復
摺動させるものであるが、発条にて弾発的に支承
したものである。実公昭38−22112号公報の技術
はヘツドライトの首振りが全てワイヤーによる作
動にてなされているものである。特開昭49−
38489号公報の技術も最終的なヘツドライトの結
合はケーブルで行つている。また特公昭55−
22299号公報の技術は回動自在のライトをバンパ
ー上に取り付けていることに特徴があり、さらに
実公昭55−34111号公報の技術は死角解消ライト
をハンドル操作で点灯させるというアイデアのも
のである。

叙上の事情に鑑みて、本考案のものは単なるア
イデアでなく、機構的にも実用性のあるもので、
車輌ヘツドランプの前面に反射板を装備し、車輌
が走行中にハンドルをきると、車輪の変角度合い
に応じて反射板が自動的に変角し、車輌の進行す
べき方向が直ちに照射されるようにしたことを特
徴とする装置の提供を目的とする。以下その実施
例につき図面と共に説明すると次の通りである。

反射板１の上下に設けた突出軸２を基台３の上
下に設けた穿孔４に挿入することにより、夫々の
反射板１を基台３に変角回動自在に枢着して取付
ける。更に、連結部品５に設けた穿孔６に、夫々
の反射板１の下一端に設けた突出軸７を挿入して
連結部品５を反射板１に取付けているが、突出軸
７の先端は連結部品５内にとどまつて基台３上に
は突出していないので、連結部品５の左右摺動に
対して、すべての反射板１は連動して作動する。

次に基台３の前面に透明体よりなる風防カバー
８を嵌着し、取付部品９を基台３に取付けて、風
防カバー８を基台３に圧着させるとともに、基台
３をヘツドランプ１０の前面に装着する。

さて、反射板１を車輪の変角に応じて変角せし
める装置としては、機械式や電気式などが考えら
れるが、このうち機械式による一実施例を次に示
すこととする。

断面〓型（第７図を参照）のカーテンレール状
部品１１をハンドルシヤフト１２と平行に車体の
一部１３に装着した突起部１４をもつ摺動部品１
５をカーテンレール状部品１１の内部に挿入す
る。

二股部品１６の一方の三叉状に穿削されたスリ
ツト１７が、第６図に示すごとき状態で、当該突
起部１４を遊嵌嵌合する二股部品１６を枢支する
固定軸１８をもつて車体の一部１３に装着し、他
の一方の先端を遊動軸１９をもつて遊動杆２０の
一方の先端と結合する。

凹溝２１をもつ円筒２２を、カーテンレール状
部品１１の内部に挿入された摺動部品１５の突起
部１４が、車輌の直線走行中にあるべき位置２３
において凹溝２１に嵌合するように、ハンドルシ
ヤフト１２に嵌着する。

反射板１の一枚に部品２４を取付け、その先端
を、第８図のごとく、遊動杆２０の他の一方の先
端より、固定軸２５をもつて車体の一部に取付け
られた伝動部品２６および伝動杆２７を経て伝導
されてきた遊動杆２８の先端と結合する。

このような状態で、ハンドルを左にきつてゆく
と、第５図および第６図によつて説明すれば、カ
ーテンレール状部品１１の内部に挿入された摺動
部品１５の突起部１４は、ハンドルシヤフト１２
の回転に伴つて円筒２２の凹溝２１内を摺動しな
がら左下方に移動し、当該突起部１４に嵌合せし
められている二股部品１６の一方の三叉状に穿削
されたスリツト１７を突起部１４と共に移動する
ため二股部品１６の他の一方の先端は固定軸１８
を中心として右に旋回し、遊動軸１９をもつて結
ばれている遊動杆２０は右方に引かれることにな
る。

従つて、遊動杆２０より伝導されてきた遊動杆
２８も同方向に引かれることになるため、反射板
１は一斉に左に変角し、ヘツドランプ１０の光線
は左斜め方向を糎射することとなる。

次いで、ハンドルを右にきつてゆくと、前記と
は逆の作用により、ヘツドランプ１０の光線は次
第に正面に戻り、次いで右斜め方向を照射してゆ
くこととなる。

そして円筒２２の凹溝２１においてカーテンレ
ール状部品１１内の摺動部品１５の突起部１４が
車輌の直線走行中にあるべき位置２３の前後の一
部分２９を円筒２２の軸線Ｂ−Ｂと直角にしてあ
るのは、僅かばかりのハンドル操作では反射板１
を変角せしめないためである。

また、二股部品１６において、三叉状に穿削し
てあるのは、ハンドルシヤフト１２の回転が多い
場合においても、反射板１を適当な角度以上に変
角せしめないためである。二股部品１６を作動せ
しめる突起部１４の移動と、それに伴う二股部品
１６の旋回状況は第１０図に示すごとくである。
２３は直線走行中の突起部１４の位置、３０は同
じく左転回時の位置、３１は突起部１４のみが移
動した状況を示す。なお上記実施例のヘツドラン
プは、サブランプとして使用し、別に正面のみを
向いているメインのヘツドランプを併設してもよ
い。

本考案は以上の構成からなるために次のような
効果がある。即ち路傍に照明のない道路を走行
中、カーブでハンドルをきつたときは、真暗闇の
中に突込んでゆく状況であり、運転者は非常な不
安を覚えるのであるが、本考案を実施することに
より、かかる不安を解消することができ、そのう
え障害物や歩行者などの発見も早くできるため事
故の防止にも役立つものであり、機構が確実且つ
故障がなく実用的に有用なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すヘツドランプ
前面部分の正面図、第２図はその平面図、第３図
はその一部切欠側面図、第４図は同じくその要部
の分解背面斜視図、第５図は同じくその伝導機構
の一部の側面図、第６図は第５図後方部分の側面
図、第７図は第５図および第６図のＡ−Ａ線端面
図、第８図は同じく伝動機構の一部の平面図、第
９図は伝導機構の一部の拡大背面側面図、第１０
図は同じく伝導機構の一部の側面図、第１１図は
全体の連結機構を示す斜視図である。 図中：１……反射板、２……突出軸、１０……
ヘツドランプ、１１……カーテンレール状部品、
１２……ハンドルシヤフト、１４……突起部、１
６……二股部品、１７……スリツト、１８……固
定軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体に固定されたヘツドランプ１０の前面に反
   射板１を装備し、該反射板１とハンドルが連動し
   て作動しうるように連結し、該ハンドルの転回に
   応じて反射板１の向きを変角し、上記ヘツドラン
   プ１０の光線が自動的に変角しうるようにした装
   置において、上記ハンドルのシヤフト１２に平行
   に配設されたカーテンレール状部品１１とハンド
   ルシヤフト１２との間に、固定軸１８にて枢支し
   且つスリツト１７を有する二股部品１６を設け、
   上記反射板１を回動変角させるための連結機構が
   該二股部品１６に連動して作動しうるようにした
   ことを特徴とする車輌ヘツドランプ光線の自動変
   角照射装置。