JPS582145Y2 - 発電子外付型フライホイルマグネトのロ−タ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 周知の通り、一般の小型エンジンに装着されるフライホ
イルマグネトは碗状のロータ内部に発電子を設けた発電
子外付型のものと、ロータの外部に発電子を設けた発電
子外付型のものとがある。

そして、そのロータ本体はアルミ合金などの非磁性材で
磁石およびその磁極片を鋳くるんで形成したものと、鉄
板または鋳鉄などの磁性材で形成され、これに磁石およ
びその磁石片を固着したものがある。

本考案は上記のうちで、碗状のロータ外部に発電子を設
けた発電子外付型フライホイルマグネトで、そのロータ
本体を磁性材または非磁性材で碗状に形成し、これに半
径方向に着磁した磁石と、その磁石片よりなる磁石体を
固着したロータの改良に関するものである。

従来この種ロータはそのロータ本体の材質が磁性材で形
成されたものであるが、第１図および第２図に示すよう
なものが提案されている。

まず第１図に示すロータは鋳鉄などの磁性材で碗状に形
成したロータ本体１１の筒状部１２の一部にＵ字形の凹
部１３を形成し、この凹部１３の中央に半径方向に着磁
した磁石１４およびその磁極片１５を、これらの間に接
着剤を介在させて重積し、取付ネジ１６で締めつけると
共に、加熱することにより前記接着剤を硬化させて固着
したものである。

しかしながら、この第１図に示すロータは安価で特性の
良好なフェライト磁石を用いると、そのフェライト磁石
は非常に硬く、脆い性質を有するものであるから、前記
取付ネジ１６の締付機械による締めつけ時に亀裂が生じ
破損するものである。

また、その時破損に致らなくとも、その時に内部ひずみ
が発生しているものがあり、これがエンジンに装着され
てからの使用中における温度変化による熱ひずみなどが
加算されて亀裂が生じ破損に致るものもあるのである。

そこで、上記第１図に示すロータの欠点を防止するため
、第２図に示すロータは鋳鉄などの磁性材で碗状に形成
したロータ本体２１の筒状部２２の一部外周面に向けて
幅が広くなる凹部２３を形威し、この凹部２３内に半径
方向に着磁したフェライト磁石２４およびこれに当接し
た磁極片２５を合成樹脂またはアルミ合金などの非磁性
材２６でその外周を包囲して圧入固着するようにしてい
る。

しかしながら、この第２図に示すロータはロータ本体２
１の筒状部２２の一部外周面に内側に向けて幅が広くな
る凹部２３を形成し、この煩雑な形状をした凹部２３に
磁石２４と磁極片２５の外周を非磁性材２６で包囲して
圧入固着するものであるから、その煩雑な形状の凹部２
３と非磁性材２６の嵌合部は綿密で、かつ高精度の仕上
加工をしなければならない。

したがってその加工は著るしく面倒で量産には全く不向
であり、結局製造コストが高価となる欠点がある。

また、前述の第１図および第２図に示すロータの両者共
にそのロータ本体が鋳鉄などの磁性材で形成したものに
限られ、アルミ合金などの非磁性材で形成したものには
適用できない不利な点もある。

本考案は上記の点に着目してなされたもので、その加工
の簡単容易化を計ることにより量産に適した構成とし、
製造コストを安価とすると共に、その゛ロータ本体が磁
性材で形成されたものと、非磁性材で形成されたものの
両者に適応できる優れた発電子外付型フライホイルマグ
ネトのロータを提供することをその目的とするものであ
る。

以下本考案〜実施例を示す第３図乃至第５図を参照して
説明すると、１は鋳鉄などの磁性材またはアルミ合金な
どの非磁材で形成したロータ本体で、このロータ本体１
はエンジンの出力軸（図示せず）に嵌合されるボス部１
Ａと、エンジン冷却用のファン部１・Ｂと、椀形の筒状
部１Ｃと、その筒状部１Ｃの一部を完全に削除した切り
込み１Ｄとが形成されている。

つぎに、２は磁石体で、この磁石体２は半径方向に着磁
されたフェライト磁石３と、このフェライト磁石３の外
側面を覆うようにした磁極部４Ａ。

該磁石３の両端近傍部に穿設した漏洩磁束防止用の慣通
孔４Ｂおよび取付孔４Ｃを設けた両端部４Ｄとを有する
ように断面円弧状に彎曲した外側磁極片４と、前記フェ
ライト磁石３の内側面に当接した中央部５Ａ、□鉄磁石
３の両側方部５Ｂは外径骨肉に折り曲げられて、その取
付孔５Ｃを設けた両端部５Ｄは前記外側磁極片４の両端
部４Ｄに当接するようにした内側磁極片５とが第５図に
示すように接着剤などで一体に構成されている。

そして、この磁石体２は第３図および第４図に示すよう
にロータ本体１の筒状部１Ｃに形成した切り込み１Ｄの
中央に位置するように、前記内側磁極片５の両端部５Ｄ
の内側面が、ロータ本体１Ｃの外周面に当接され取付ネ
ジ６で固着されている。

なお、外側磁極片４、フェライト磁石３および内側磁極
片５よりなる磁石体２を一体にする加工は、接着剤を用
いるのが普通であるが、両磁極片４．５の両端部４Ｄ、
５Ｄをカシメ固着、スポット溶接などの周知の方法によ
り固着することによりその両磁極片４，５の間に両者の
弾性でフェライト磁石３を強固に挾持させるようにして
もよいことはもちろんである。

本考案は上記のように、碗状に形成された口→本体１の
筒状部１Ｃの一部を削除した切り込み１Ｄを設け、この
切り込み１Ｄの中央に、別途とくに工夫をこらして一体
に構成した磁石体２、すなわち、半径方向に着磁したフ
ェライト磁石３と、このフェライト磁石３の外側面を覆
うようにした断面円弧状で該磁石の両端近傍部に慣通孔
４Ｂを設けた外側磁極片４と、前記フェライト磁石３の
内側面に当接され、該磁石の側方部は外径方向に折り曲
げられその端部５Ｄは前記外側磁極片４の端部４Ｄに当
接するようにした内側磁極片５とを接着剤などで一体に
構成した磁石体２を位置させると共に、前記内側磁極片
５の両端部５Ｄの内側面を前記ロータ本体１の筒状部１
Ｃの外周面に当接して固着するようにしたものであるか
ら、第２図に示す従来のロータのように、ロータ本体と
磁石体とを嵌合する両者の嵌合面の綿密で、かつ高精度
の仕上加工は全く不要であり、その加工はきわめて簡単
容易であるから量産に適している。

そこで、ロータ全体の製造コストを大巾に安価とするこ
とができるので、その実用的顕著な効果大なるものがあ
る。

また、本考案ロータにおいては、そのロータ本体が鋳鉄
などの磁性材で形成されたものと、アルミ合金などの非
磁性材で形成されたものの両者に適応できるという優れ
た効果もある。

【図面の簡単な説明】 第１図および第２図は従来この種ロータの一部断面正面
図、第３図は本考案−実施例ロータの一部断面正面図、
第４図は同ロークの側断面図、第５図は同ロークの磁石
体の斜視図である。 図中、１はローフ本体、１Ｃは筒状部、１Ｄは切り込み
、２は磁石体、３はフェライト磁石、４は外側磁極片、
４Ｂは慣通孔、４Ｄは端部、５は内側磁極片、５Ｂは側
方部、５Ｄは端部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 半径方向に着磁したフェライト磁石と、このフェライト
   磁石の外側面を覆うようにした断面円弧状で該磁石の両
   端近傍部に慣通孔を設けた外側磁極片と、前記フェライ
   ト磁石の内側面に当接され該磁石の側方部は外径方向に
   折り曲げられてその端部は前記外側磁極片の端部に当接
   した内側磁極片とを備え、前記フェライト磁石、外側磁
   極片および内側磁極片の三者を一体に固着した磁石体を
   形成し、この磁石体を腕形のロータ本体の筒状部の一部
   を削除した切り込みの中央に位置されると共に、前記内
   側磁極片の端部内側を該ロータ本体の筒状部外周面に当
   接して前記磁石体とロータ本体とを取付ネジで固着した
   ことを特徴とする発電子外付型フライホイルマグネトの
   ロータ。