JPS5820383B2 - 空冷内燃機関用シリンダ・ヘツド - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、冷却空気の流れ方向を横切って延びた状態
に位置させられた吸気路および排気路と、弁案内と、シ
リンダ軸芯と平行に配設された冷却４ひだ群および該軸
芯に垂直に配設された冷却ひた群と、側部および頂部の
空気案内面、とを備えた空冷内燃機関用シリンダヘッド
に関する。

上記型式の公知構成のものでは構造上の理由から、吸・
排気路が横向きに配置されている。

冷却空気は、フライホイール部に取付けたブロアからク
ランク軸に平行に送られて、冷却すべきシリンダヘッド
上へと吹込まれる。

その場合、冷却空気流に対して横向きの吸・排気路は冷
却空気を妨たけ、下流側のシリンダヘッド部分は不十分
な冷却シしか受けない。

その上、シリンダヘッド背面部にまで来た冷却空気は高
温であり、該背面部ではもはや僅かな冷却効果しか得ら
れず、しばしば、シリンダヘッド冷却不完全の問題を生
じる。

上記問題の改善は、ドイツ連邦共和国特許出願シ公開１
９３０１４８号明細書で公知のシリンダヘッド構造によ
り一部達成されている。

その明細書中のシリンダヘッドは、吸・排気路の高さの
所での冷却空気吸入側でシリンダ軸に平行の冷却ひた群
と、その群の両側でシリンダ軸に垂直に延び吸・、排気
路壁にまで達成している冷却ひた群と、を備えている。

排出側では、シリンダ軸に平行の冷却ひた群を備え、吸
入側では、吸・排気路壁の手前で終わっている案内面に
冷却空気を一部分側方へ排出するための穴が備えられて
いる。

又、シリン。ダヘッドの上方には、冷却空気の流れ方向
で見て吸・排気路の前と後に配置された冷却ひだ、を覆
うべくこれと同時鋳造された案内面も備えている。

しかし、シリンダヘッドと上方の空気案内面が一体であ
るから、製作が難しい。

排出側の冷却空・気路が比較的大きく、吸・排気路のう
しろ側部分には側部空気案内面がないから該部分は不完
全な冷却しか受けない。

この発明の課題は、上記の公知構造の基本は受けつぐも
のの、上記欠点を避けて、冷却性良好かつ製作容易なシ
リンダヘッドを提供することである。

その目的のために、この発明では、第１の冷却ひた群が
前記の吸・排気路よりも下方の領域に位置させられ、シ
リンダ軸芯に垂直、かつ冷却空気流の方向に関して前側
から後側へ延長した状態に配設されていること、 第２の冷却ひた群が前記の弁案内の間の領域に位置させ
られ、シリンダ軸芯と平行に配設されていること、 第３の冷却ひた群が第２の冷却ひだ群の両側において吸
・排気路の領域、かつ冷却空気の流入側に配設されると
共に、シリンダ軸芯に垂直に延長して吸・排気路の壁へ
達していること、 第４の冷却ひだ群が冷却空気の流出側に、シリンダ軸芯
と平行に配設されていること、 前記の側部空気案内面が冷却空気の流入側と側部に配置
されていると共に、冷却空気の一部分を排出するための
側部排出穴をシリンダヘッドの両側において備え、この
側部排出穴の個所に冷却空気排出量を調整する手段が設
けられていること、前記の側部空気案内面がシリンダヘ
ッドの上方に、第３の冷却ひだ群のひだの最上部から離
隔した状態で配置され、冷却空気流の方向に関して吸・
排気路の前側に、ブロワからの強制送風を受ける空気ダ
クトを形成していること、 前記の第４の冷却ひた群が頂部空気案内面と相まって、
吸・排気路の後側の領域において複数の管状空気路を形
成していること、 吸・排気路の上方で弁案内の間に延設された状態の上記
の管状空気路が前記の空気ダクトへ連通していること、 管状空気路の領域においては前記の頂部空気案内面と第
４の冷却ひだ群との間に僅少の空隙が残されているに過
ぎないこと、及び、 前記の側部空気案内面の後端がシリンダヘッドの後端に
冷却空気排出穴を形成していること、の各要件を全て備
えた構成のシリンダヘッドを提供する。

上記構成において、第２及び第４の冷却ひだ群はいずれ
も冷却空気流の方向に関して前側から後側へ延長した状
態に配設されている冷却ひた、からなるものである。

この発明による上記の構成は、冷却空気を整然と案内し
て、シリンダヘッド全体に均等な冷却効果をもたらす。

その結果、冷却空気所要量、従ってブロアの定格、が小
さくなる。

加えて、熱的に対称性の良い冷却となり、シリンダやシ
リンダヘッドの熱応力変形が防止され、構体の摩滅が少
なくなり耐久性が向上する。

吸・排気路の手前の側部排出穴から既に熱せられた空気
の一部分を外部へ排出できる。

また、冷却空気を吸・排気路より上方に通すべく案内し
ているから、吸・排気路自体も、冷却空気流の下流側の
シリンダヘッド部分も、よく冷却される。

弁案内とシリンダヘッドの後側の領域内で冷却ひだの近
くに配置された頂部空気案内面、及びシリンダヘッド背
面部にまで延びている両測部空気案内面、によってこれ
ら領域での空気の流れが強化され、冷却が強化される。

さらに、この発明によるシリンダヘッドは鋳造が容易で
あり、特に鋳造用の「なかご」を両側方と上方の３方向
へ引出せるので好都合である。

吸・排気路の高さの所の側部排出穴が排出冷却空気流に
対する絞り部となっている実施例において、該排出穴は
案内板金内に形成されていてもよい。

この排出穴は製作が簡単で、冷却の最適化に寄与する。

さらに、排出穴の断面積が滑り具によって、エンジン運
転特性値、好ましくは排出冷却空気の温度、に応じて調
整できてもよい。

この構成の利点は、内燃機関の回転数が変動する場合に
、確実な運転を保証すべく冷却空気の流れを簡単に調整
できることである。

つまり、冷却程度の過不足が燃料消費、運転の確実さ等
に悪影響を与えないようにされる。

この発明の好適実施例ではシリンダヘッド上方の頂部案
内面が、揺動腕支持軸台と共に該ヘッドにねじ止めされ
、弁案内と揺動腕のところで凹部が形成され、ふた及び
封密材と組合わさって密封状の揺動腕箱を構成している
。

シリンダヘッド上方の空気案内面を、揺動腕組下部も兼
ねるものとすれば構造が簡略化し製作費用が安くなる。

揺動腕支持軸台用の固定具をシリンダヘッドへの空気案
内面固着のために利用しているから製作および組立がさ
らに簡略になりコストを低減する。

この発明の他の実施例では冷却空気が流過する部位にお
いて、前記の吸・排気路が夫々複数の冷却ひだを備えて
いる。

この構成の利点は、ほかのシリンダヘッド部分よりも一
般に強く熱せられるこの部分での冷却作用の向上によっ
て、一層均等なシリンダヘッド内温度分布が達成される
ことである。

添付図面に示された一実施例について、この発明をさら
に詳しく説明する。

この明細書中の「前に」、「後に」又は「前方」部分、
「後方」部分等の表現は冷却空気流の方向についての位
置関係である。

冷却空気流の方向で見てシリンダヘッド１の前方部分に
は、中央部でシリンダ軸に平行に延びている第２の冷却
ひだ群４と、吸気路１と排気路８の高さのところで群４
０両側においてシリンダ軸に垂直に延び吸・排気各路壁
９，１０へと移行している二つの第３の冷却ひだ群５，
６、が備えられている。

シリンダ軸に平行に延びている第２のひだ群４の最外側
部のひだはシリンダヘッドの下部へ向うほど部厚くされ
、シリンダヘッド底部からシリンダ軸に垂直の第３の両
ひだ群５，６への熱伝導が良好である。

シリンダヘッドの下方部分のシリンダ軸に垂直の第１の
冷却ひだ群１１は、シリンダヘッド全周をとり巻いてい
る。

シリンダ軸に平行の第２の冷却ひだ群４は弁案内１２゜
１３間の領域内にまで達している。

両弁案内の間隔が十分に大きい場合は、両弁間連結部１
４を経てシリンダヘッドの後方部分にまで、１本のひだ
を延設できる。

シリンダヘッドの後方かつ上方の部分には吸・排気路７
，８の高さの個所に、シリンダ軸に平行の第４のひだ群
１５がある。

このひだ群は、シリンダヘッド下方部分で吸・排気路壁
に連接しかつシリンダ軸に垂直の一つのびた１６、へ移
行している。

シリンダ軸に垂直の第１のひだ群１１の最上部のひだも
その上の他のびだ１６も、それぞれ連接部へ近づくほど
部厚くされ、シリンダ軸に平行の第２及び第４のひだ群
４，１５への熱伝導が良好である。

シリンダヘッド１は、この実施例では板金で製作した空
気案内面で包囲されている。

吸入側の案内板金１７はシリンダヘッドの前方部分では
第２及び第３の冷却ひだ群４，５，６から離隔している
が、シリンダヘッドの両側方部では第３及び第１の冷却
ひだ５，６，１１に近接している。

案内板金１１に側方部で連接している他の案内板金１８
．１９には、吸・排気路７，８の高さの個所かつそれら
の手前に、絞り部としての穴２０゜２１が開設されてい
る。

両案内板金１８，１９はシリンダヘッドの後方側にまで
延び、第１及び第４の冷却ひだ群ＩＬ１５からは距離を
保ちつつ、しかも互に接近すべく折曲され、そこに冷却
空気排出穴２２が形成されている。

シリンダヘッド１上方にさらに別の案内板金２３が備え
られていて、上記の各案内板金１７゜１８．１９と相ま
ってシリンダヘッドを包囲している。

空気案内板金２３は吸・排気路７，８の高さにある第２
、第３及び第４の冷却ひだ群４，５゜６．１５のさらに
上方に位置し、シリンダヘッドの前方部分では、第３の
冷却ひだ群５，６の各最上部のひだとの間に、ある距離
２４を保って空気ダクト２５を形成し、ブロワからの冷
却空気がここへ供給される。

弁案内１２，１３および揺動腕２７．２８、のところで
、案内板金２３には凹部２６が形成されている。

揺動腕支持軸台２９゜３０および弁案内１２，１３、用
としてシリンダヘッドと一体鋳造されている保持台部３
１ 、３２ 。

上に案内板金２３が載置され、支持軸台２９゜３０と共
にシリンダヘッドにねじ止めされている。

吸・排気路７，８が吸・排気管へ移行する各接続面３３
，３４の近傍では、案内板金２３は凹部がなくなって元
の高さになり、吸・排気路１，８の上方に二つの空気路
３５．３６が形成されている。

吸・排気路７，８、特に排気路８、には冷却ひだ３７を
備えることが好ましい。

シリンダヘッドの後方部分において、案内板金２３の凹
部２６の下面と、シリンダ軸に平行の第４の冷却ひだ群
１５とは密接し、又は僅かな間隙を残している。

したがって、シリンダ軸に平行の第４群の冷却ひだの数
と同じだげの数の管状空気路３８、に空気ダクト２５が
移行し互に連通している。

空気案内板金２３の縁はシリンダヘッド後端部で凹みが
なくなり元の高さに戻り橋形な呈すると共に、その四方
の周縁が同一平面内にある。

この周縁上に適当な封密材３９を介してふた４０が載置
されて適宜の方法で固着され、前記の空気案内板金２３
と組合わさって封密揺動腕箱４１を形成している。

この発明による上記の構成の冷却ひだ群と空気案内面の
作用によるシリンダヘッドの冷却をつぎに説明する。

シリンダヘッド１は、ブロワ、特に単気筒エンジンの場
合フライホイール部に取付けるのが好ましいブロアから
、空気室２空気ダクト２５を経て冷却空気の供給を受け
る。

矢印３で示された空気流は空気ダクト２５へ入り、そこ
で冷却ひだ群４゜５．６，１１により複数の分流４’、
５’、 ６’、 １１’にされる。

下方の第１の冷却ひだ群１１と両測部案内板金１８．１
９とで導かれた空気流１１′は、シリンダヘッドの背面
側にまで至り、その結果シリンダヘッド下方部分が冷却
される。

空気流テ。σは吸・排気路７，８の壁９，１０で外向き
に偏向され、熱せられて、側部案内板金１８，１９の穴
２０，２１から外へ出る。

これによりシリンダヘッド前部の両側が冷却される。

空気流６′、５から分流６“、５“が分かれ、第３の冷
却ひだ群６，５の最上部の冷却ひだの上を通り、さらに
各空気路３５．３６を経てシリンダヘッドの背面側へ到
達し、これによって吸・排気路１，８が冷却される。

一方、案内板金２３と第４の冷却ひだ群１５の作用を受
けて下方へ向けられた空気流６〃、５“がシリンダヘッ
ド後方の両側部を冷却し、熱くなった空気は排出穴２２
から外へ出る。

第２の冷却ひだ群４と空気案内板金２３とで作り出され
た空気分流イは、シリンダヘッド中央部の上方部分を冷
却するべく、速さを増して両弁案内１２，１３間を通り
抜ける。

そして案内板金２３と、第４の冷却ひだ群が形成する管
状の空気路３８を通りシリンダヘッドの後方中央部分で
前記の空気流６“、５“と合流して排出穴２２から外へ
出る。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一実施例によるシリンダヘッドを示し、第
１図は第２図中の線Ｉ−Ｉによる水平断面図、第２図は
第１図中の線■−■による鉛直断面図、第３図は第１図
中の線■−■による鉛直断面図、第４図は第１図中の矢
印■方向側視図、第５図は第１図中の線■−■による鉛
直断面図、第６図は第２図中の線ＶＩ−■による断面図
、である。 １・・・・・・シリンダヘッド、２・・・・・・空気室
、３・・−・・空気流、４・・−・・・第２の冷却ひだ
群、イ・・・−・・空気分流、５・−・・・・排気側の
第３の冷却ひた群、テ、５“−・・ｉ・・−空気分流、
６・・・・・・吸気側の第３の冷却ひた群、６１．６“
・・・・・−空気分流、７・−・・・・吸気路、８・・
・・・・排気路、９・・−・・・吸気路壁、１０・・・
−・・排気路壁、１１・・・・・・第１の冷却ひだ群、
１１’・・・・・・空気分流、１２゜１３−・・〜・・
弁案内、１４・・・・・・両弁間連結部、１５・・・・
・・第４の冷却ひだ群、１６・・・・・・ひだ群１５の
底部にあるひだ、１７，１８，１９・・・・・・案内板
金、２０．２１・・・・・・側部空気排出穴、２２・−
・・・・冷却空気排出穴、２３・・・・・・案内板金、
２４・・・・・−間隔、２５・・・・・・空気ダクト、
２６・・・・・・凹部、２７，２８・・・・・・揺動腕
、２９，３０・・・・・・揺動腕支持軸台、３１．３２
・・・・・・保持台部、３３・・・・・・吸気路から吸
気管への接続面、３４−・・・・・排気路から排気管へ
の接続面、３５，３６・・−・・・空気路、３７・曲・
冷却ひだ、３８・・・・・・管状空気路、３９・・・・
・・封密材、４゜・・・・・・ふた、４１・・・・・・
揺動腕箱。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 冷却空気の流れ方向を横切って延びた状態に位置さ
   せられた吸気路および排気路と、弁案内と、シリンダ軸
   芯と平行に配設された冷却ひだ群および該軸芯に垂直に
   配設された冷却ひた群と、側部および頂部の空気案内面
   、とを備えた空冷内燃機関用シリンダヘッドにおいて、 第１の冷却ひた群が前記の吸・排気路よりも下方の領域
   に位置させられ、シリンダ軸芯に垂直、かつ冷却空気流
   の方向に関して前側から後側へ延長した状態に配設され
   ていること、 第２の冷却ひだ群が前記の弁案内の間の領域に位置させ
   られ、冷却空気流の方向に関して前側から後側へ延長し
   た状態でシリンダ軸芯と平行に配設されていること、 第３の冷却ひた群が第２の冷却ひだ群の両側において吸
   ・排気路の領域、かつ冷却空気の流入側に配設されると
   共に、シリンダ軸芯に垂直に延長して吸・排気路の壁へ
   達していること、 第４の冷却ひだ群が冷却空気の流出側に、シリンダ軸芯
   と平行に、かつ冷却空気流の方向に関して前側から後側
   へ延長した状態で配設されていること、 前記の側部空気案内面が冷却空気の流入側と側部に配置
   されていると共に、冷却空気の一部分を排出するための
   側部排出穴をシリンダヘッドの両側において備え、この
   側部排出孔の個所に冷却空気排出量を調整する手段が設
   けられていること、前記の頂部空気案内面がシリンダヘ
   ッドの上方に、第３の冷却ひだ群のひだの最上部から離
   間した状態で配置され、冷却空気流の方向で見て吸・排
   気路の前側に空気ダクトを形成し、このダクトにブロワ
   からの強制送風を受ける構成であること、前記の第４の
   冷却ひた群が頂部空気案内面と相まって、吸・排気路の
   後側の領域において複数の管状空気路を形成しているこ
   と、 この管状空気路は、吸・排気路の上方で弁案内の間に延
   設されて前記の空気ダクトへ連通していること、 管状空気路の領域においては前記の頂部空気案内面と第
   ４の冷却ひだ群との間に僅少の空隙が残されているに過
   ぎないこと、及び、 前記の側部空気案内面の後端がシリンダヘッドの後側に
   冷却空気排出穴を形成していること、を特徴とするシリ
   ンダヘッド。 ２ 前記の側部空気案内面の側部排出穴が、前記の吸・
   排気路壁の直前の個所に夫々備えられて、排出される冷
   却空気のための絞り部を形成している特許請求の範囲第
   １項記載のシリンダヘッド。 ３ 前記の側部排出穴の断面積、したがって該穴を通っ
   て排出される冷却空気量、を調整するための手段を備え
   、排出される冷却空気の温度に基いてこの断面積調整手
   段が制御される特許請求の範囲第２項記載のシリンダヘ
   ッド。 ４ 前記の頂部空気案内面が、揺動腕を支承する支持軸
   台を取付けるためのボルトによってこの支持軸台と共に
   シリンダヘッドに止着され、一方、前記揺動腕と弁案内
   の領域において頂部空気案内面が、ふた及び封密材と共
   に密閉状の揺動腕箱を形成するべく、凹部を備えている
   特許請求の範囲第１項記載のシリンダヘッド。 ５ 冷却空気が流過する部位において前記の吸排気路が
   夫々複数の冷却ひだを備えている特許請求の範囲第１項
   記載のシリンダヘッド。