JPS6221884Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、燃焼に伴なつて次第に高温化される
燃焼室の壁面を、フアンを介して強制送給される
ところの燃焼用空気流をもつて冷却するように構
成されている湯沸器等で、詳しくは上部に熱交換
器を、かつ下部にバーナを備えた矩形内胴とこれ
に套嵌固定させた矩形外胴との間に、上端は閉塞
しかつ下端は前記矩形内胴下部と連通する状態
で、矩形環状の空気流路を形成し、この空気流路
内へ燃焼用空気を強制送気するためのフアンを設
けた空冷式強制燃焼器に関する。

従来から知られているこの種の燃焼器としては
第４図で示すようなものがある。これは上部に熱
交換器０１を、かつ下部にバーナー０２を備えた
内胴０３とこれに套嵌固定させた外胴０４との間
に形成の空気流路０５に対する強制送気用フアン
０６が前記空気流路０５の上部横一側に設置され
ており、このフアン０６からの強制空気流をもつ
て燃焼室０８を構成する内胴０３を万遍なく冷却
できるような整流作用を発揮させるために、前記
空気流路０５内に多数の小孔を穿けた均圧板０９
を設けていたが、これによる時は前記均圧板０９
の所での通気抵抗が相当に大きく、それがために
フアン能力が著しく減退する欠点があり、しか
も、屋外設置、チヤンバー設置の何れにしてもフ
アン０６が吸い込んだ細塵が均圧板０９の小孔に
詰まつてフアン能力、ひいては冷却性能が一層低
下し、かつそのような詰まり発生に伴なつて必要
となるメンテナンスが非常に面倒になる欠点もあ
つた。

本考案が解決しようとする技術的課題は、簡単
な構造改良でもつて、細塵を吸込んでもフアンの
能力に影響を及ぼすことなく、且つ圧力損失の殆
どない状態で矩形内胴の全周を均等に冷却できる
コンパクトな空冷式強制燃焼器を提供することで
ある。

上記技術的課題を解決するために講じた技術的
手段は、 強制送気用フアンを、前記外胴の下部でその吐
出口における空気流の流線方向が前記外胴の壁内
面に向かう傾斜姿勢にあるべく配置するととも
に、前記フアン吐出口に近接位置する前記内胴の
下端部分に、上方ほど前記外胴の壁内面側に近づ
くべく傾斜した整風板を付設することである。

上記技術的手段は、次のように作用する。

つまり、空気流路の下部に配置のフアンから強
制吐出される空気流は、その流線方向を外胴の内
壁面に向かう姿勢で流入し、上方ほど外胴内壁面
側に近づくように傾斜させ空気流路を先細まり状
にするように付設した整風板によつて、増速さ
れ、矩形環状空気流路のうちの一辺相当流路部分
に流入案内される。この際、その空気流の速度は
第２図で示すように巾方向の中央部分が最も高い
分布を呈しており、その高速中央空気流イが流路
内を真直ぐに上昇したのち、天井壁面に衝突して
左右に分流して下降流動イ′、イ′する一方、前記
巾方向両側の比較的速度の低い空気流ロはその位
置で左右両側に分流ロ′、ロ′して上昇流動する。
このようにフアンから吐出される強制空気流をそ
れの保有している運動エネルギーの有効利用によ
り前記空気流路の全域に亘つてほぼ万遍なく分配
することができるとともに、その分配空気流の速
度低下も最小限に止めてフアン能力を最大限発揮
させることができる。

従つて、本考案は、既記の従来構成のものとの
比較において、 通気抵抗が小さく、フアンの小型小容量化が
図れる。

細塵等の詰まりの心配がなく、燃焼室壁面の
冷却性能に勝れている、 に起因してメンテナンスが不要、或いはそ
の頻度が非常に少ない、 従来の均圧板でみられるような風切音がな
く、使用環境を改善できる、 フアンを、内外胴の横巾内に納める状態に設
置できるので器具全体を横巾の小さいコンパク
トなものに構成し易い。

といつた諸効果を奏するに至り、つまり、本考案
は、フアンの配置を工夫し整風板を設けるだけの
簡単な構造改良でもつて、細塵を吸込んでもフア
ンの能力に影響を及ぼすことなく、かつ圧力損失
の殆どない状態で矩形内胴の全周を均等に冷却で
きるコンパクトな空冷式強制燃焼器を提供するこ
とができるに至つた。

以下本考案の実施例を図面に基づいて詳述する
と、第１図及び第２図で示すように上部にバフラ
ー１０付きの熱交換器１を、かつ下部にブンゼン
式のバーナ２を備えた燃焼室８を構成するように
例えば、ステンレスなどの耐蝕性金属板の折曲げ
加工をもつて平面視で矩形状に形成された内胴３
の外側に、この内胴３と同様にステンレスなどの
耐蝕性金属板の折曲げ加工をもつて前記内胴３と
相似又はほぼ相似の矩形状に形成された外胴４
を、これら内外胴３，４間にその全周に亘つて矩
形環状の空気流路５を形成する状態に套嵌すると
ともに、それらの内外胴３，４夫々の上端に連設
のフランジ部３Ａ，４Ａ同志をスポツト溶接する
ことにより一体に連結固定する。そして、前記空
気流路５内に強制送気するためのフアン６を、前
記外胴４の下部でその吐出口６Ａにおける流線方
向（矢符ｘ−ｘで示す。）が前記外胴４の後壁内
面に向かう傾斜姿勢（傾斜角度θにおいて約10度
〜45度）にあるべく配置して外胴４の底板４ａに
固定連結するとともに、このフアン吐出口６Ａに
近接位置する内胴３の下端部分に、上方ほど外胴
４の後壁内面に漸次近づくべく傾斜した整風板７
を、その下端底板部分７ａが外胴４の底板４ａ内
面に重合溶着され、かつ、その上端板部分７ｂが
前記内胴３の後面下端に重合溶着される状態に設
ける。図中１１は前記内外胴３，４の底板３ａ，
４ａ間の左右両側に形成された二次空気供給用開
孔であり、１２は前記バーナ２に対する燃料ガス
供給管である。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図の図面は本考案に係る空冷式
強制燃焼器の実施例を示し、第１図は縦断側面
図、第２図は第１図−線縦断面図、第３図は
第１図−線横断面図、第４図は従来例の概略
縦断側面図である。 １……熱交換器、２……バーナ、３……内胴、
４……外胴、５……空気流路、６……フアン、６
Ａ……吐出口、７……整風板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部に熱交換器１を、かつ下部にバーナ２を備
   えた矩形内胴３とこれに套嵌固定させた矩形外胴
   ４との間に、上端は閉塞しかつ下端は前記矩形内
   胴３下部と連通する状態で、矩形環状の空気流路
   ５を形成し、この空気流路５内へ燃焼用空気を強
   制送気するためのフアン６を設けた空冷式強制燃
   焼器において、前記フアン６を、前記外胴４の下
   部でその吐出口６Ａにおける空気流の流線方向が
   前記外胴４の壁内面に向かう傾斜姿勢にあるべく
   配置するとともに、前記フアン吐出口６Ａに近接
   位置する前記内胴３の下端部分に、上方ほど前記
   外胴４を壁内面側に近づくべく傾斜した整風板７
   を付設してあることを特徴とする空冷式強制燃焼
   器。