JPS6135869Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は吹出しグリルの構造を改良した空気
調和機に関する。

第１図および第２図はヒートポンプ式パツケー
ジ形の空気調和機を示すもので、１は空気調和機
本体である。この本体１の正面板１ａには下部に
空気取入口４、上部に吹出し口６がそれぞれ形成
されている。さらに、本体１の内部には送風機２
および空気熱交換器３等が装着されている。そし
て、送風機２の駆動にともない室内空気を空気取
入口４から本体１の内部に導入し、この空気を空
気熱交換器３との熱交換によつて冷却または加熱
したのち、熱交換された空気（冷風または温風）
を吹出し口６を介して外部側に導くようになつて
いる。また、本体１の吹出し口６には吹出しグリ
ル５が装着されている。この吹出しグリル５には
枠体７とこの枠体７内を左、右に分割する仕切壁
８とが設けられている。さらに、枠体７と仕切壁
８との間には複数の案内羽根９…が架設されてい
る。

ところで、上記従来構成のものにあつては本体
１の吹出し口６からの吹出し風は第３図中に矢印
Ａで示すように枠体７と仕切壁８との間の中央部
位から吹出される部分の流速が最も速く、矢印Ｂ
で示すように仕切壁８の近傍部位から吹出される
部分の流速が最も遅くなつており、吹出し口６か
らの吹出し風の流速分布は第３図中に一点鎖線で
示すようになつていた。そのため、吹出しグリル
５の仕切壁８の先端面８ａと対向する部分には矢
印Ｃで示すように空気の巻込み現象が発生するの
で、冷房運転時のように仕切壁８自体が比較的低
温度に冷却され、仕切壁８の先端面８ａの温度が
露点以下に低下した場合には仕切壁８の先端面８
ａに結露が生じる問題があつた。この場合、特に
上記構成のように送風機２から吹出される吹出し
風を略直角に屈曲させた状態で吹出し口６から外
部側に吹出す構成の場合に仕切壁８の先端面８ａ
に結露が生じ易くなる傾向が強かつた。また、室
内空気は一般に室内上部の方が室内下部側に比べ
て温度が高い状態で分布することが多いので、空
気調和機本体１の正面板１ａの下部に空気取入口
４、上部に吹出し口６がそれぞれ形成されている
場合には冷房運転中に仕切壁８の先端面８ａに結
露がさらに生じ易くなる問題があつた。

この考案は上記事情を考慮してなされたもの
で、その目的は、吹出しグリルの仕切壁の先端面
に結露が生じるおそれが少ない空気調和機を提供
することにある。

以下、この考案の一実施例を第４図および第５
図を参照して説明する。第４図は第１図および第
２図に示す空気調和機に装着された吹出しグリル
全体の概略構成を示すもので、１１は枠体であ
る。この枠体１１は両側板１２，１３、天井板１
４および底板１５によつて形成されており、この
枠体１１の内部に吹出し口１６が形成されてい
る。また、枠体１１の内部には仕切壁１７が枠体
１１とともに一体成形されている。この仕切壁１
７は両側板１２，１３間の中心部位に設けられて
おり、この仕切壁１７によつて吹出し口１６が左
右に２分割されている。さらに、この仕切壁１７
には吹出し風の吹出し方向に対し上流側に向かう
にしたがつて吹出し口１６内への突出量を増加さ
せる状態に傾斜させた傾斜部１８，１９が設けら
れている。また、両側板１２，１３と仕切壁１７
との間には複数の案内羽根２０…が架設されてい
る。各案内羽根２０…は仕切壁１７と略直交する
状態で配置され、かつ吹出し口１６の上、下方向
に複数枚並設されており、それぞれ側板１２，１
３および仕切壁１７に設けられた支持孔によつて
支持されている。

そこで、上記構成のものにあつては枠体１１の
仕切壁１７に吹出し風の吹出し方向に対し上流側
に向かうにしたがつて吹出し口１６内への突出量
を増加させる状態に傾斜させた傾斜部１８，１９
を設け、枠体１１の仕切壁１７に沿つて流れる吹
出し風の流速をこれらの傾斜部１８，１９によつ
て高めるようにしたので、吹出し口１６から吹出
される吹出し風の流速分布は第５図中に一点鎖線
で示すように仕切壁１７の近傍の流速が従来のよ
うに遅くなることはない。そのため、従来のよう
に仕切壁１７の先端面１７ａに空気の巻込み現象
が発生するおそれを少なくすることができるの
で、冷房運転時のように仕切壁１７自体が比較的
低温度に冷却され、仕切壁１７の先端面１７ａの
温度が露点以下に低下した場合であつても仕切壁
１７の先端面１７ａの結露の発生を低減すること
ができる。したがつて、特に第１図および第２図
に示すように空気調和機本体１内に配設された送
風機２から吹出される吹出し風を略直角に屈曲さ
せた状態で吹出し口１６から外部側に吹出す構成
の場合における仕切壁１７の先端面１７ａの結露
を効果的に防止することができる。また、空気調
和機本体１の正面板１ａの下部に空気取入口４、
上部に吹出し口１６がそれぞれ形成されている場
合における冷房運転中の仕切壁１７の先端面１７
ａの結露防止効果を高めることもできる。

なお、この考案は上記実施例に限定されるもの
ではない。例えば、傾斜部１８，１９は仕切壁１
７に設けるだけでなく、第５図中に点線で示すよ
うに枠体１１の両側板１２，１３にそれぞれ形成
してもよい。また、傾斜部１８，１９を仕切壁１
７とは別体に設け、仕切壁１７に適宜の固定手段
によつて固着してもよい。さらに、仕切壁１７は
枠体１１とは別体に設けてもよい。また、上記実
施例では案内羽根２０…を仕切壁１７と略直交す
る状態で配置した場合を示したが、この羽根２０
…を仕切壁１７と略平行状態に配置してもよい。
さらに、その他この考案の要旨を逸脱しない範囲
で種々変形実施できることは勿論である。

以上説明したように、この考案によれば下部に
空気取入口、上部に吹出し口がそれぞれ形成され
るとともに、内部に配設された送風機によつて空
気取入口から導入されたのち熱交換された空気を
吹出し口を介して外部側に導く空気調和機本体を
設け、この空気調和機本体の吹出し口に装着され
た吹出しグリルの枠体内を分割する仕切壁に吹出
し風の吹出し方向に対し上流側に向かうにしたが
つて吹出し口内への突出量を増加させる状態に傾
斜させた傾斜部を設けたので、仕切壁の近傍部位
を通る吹出し風の流速を高めることができ、その
結果、仕切壁の先端面側に空気の巻込み現象が発
生するおそれを少なくすることができ、吹出しグ
リルの仕切壁の先端面に結露が生じるおそれを少
なくすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はヒートポンプ式パツケージ形空気調和
機本体全体の外観を示す正面図、第２図は同縦断
面図、第３図は従来例を示す要部の横断面図、第
４図および第５図はこの考案の一実施例を示すも
ので、第４図は要部の斜視図、第５図は要部の横
断面図である。 １……空気調和機本体、２……送風機、４……
空気取入口、１１……枠体、１６……吹出し口、
１７……仕切壁、１８，１９……傾斜部、２０…
…案内羽根。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下部に空気取入口、上部に吹出し口がそれぞれ
   形成された空気調和機本体を設け、この空気調和
   機本体内に配設された送風機の駆動にともない前
   記空気取入口から導入されたのち熱交換された空
   気を前記吹出し口を介して外部側に導くととも
   に、枠体とこの枠体内を分割する仕切壁との間に
   案内羽根が架設された吹出しグリルを前記吹出し
   口に装着させた空気調和機において、前記吹出し
   グリルの仕切壁に吹出し風の吹出し方向に対し上
   流側に向かうにしたがつて前記吹出し口内への突
   出量を増加させる状態に傾斜させて前記仕切壁に
   沿つて流れる吹出し風の流速を高める傾斜部を設
   けたことを特徴とする空気調和機。