JP2014114790A - 強制空冷式内燃機関およびそれを備えた鞍乗型車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリンダヘッドおよび/またはシリンダブロックの鋳造性と冷却効率の両方に優れた強制空冷式内燃機関を提供する。
【解決手段】強制空冷式内燃機関(101)は、鋳造により成形されたシリンダブロック(103)と、鋳造により成形され、シリンダブロックに重なるように設けられたシリンダヘッド(100)と、シリンダブロックの少なくとも一部およびシリンダヘッドの少なくとも一部を覆うシュラウド(130)と、回転することによってシュラウド内に空気を導入するファン(121)とを備える。シリンダブロックおよびシリンダヘッドの少なくとも一方は、少なくともシュラウドによって覆われる部分に形成された冷却フィン(10)と、冷却フィンに交差するように設けられ、冷却フィンに接続された交差フィン(20)とを有する。交差フィンの先端部(20a)における厚さ(t’)は、冷却フィンの先端部における厚さ(t)よりも大きい。
【選択図】図10

Description

本発明は、内燃機関に関し、特に、強制空冷式内燃機関に関する。また、本発明は、強制空冷式内燃機関を備えた鞍乗型車両にも関する。
鞍乗型車両用の内燃機関は、水冷式と空冷式とに大別される。水冷式は、水等の冷却液を媒体として冷却を行う方式であり、空冷式は、空気を利用して冷却を行う方式である。空冷式の内燃機関では、冷却効率を向上させるために、内燃機関の表面に多数の冷却フィンが設けられる(例えば特許文献1参照)。
また、空冷式の内燃機関として、自然空冷式の内燃機関と強制空冷式の内燃機関とが知られている。自然空冷式では、冷却フィンに走行風が当たることによって冷却が行われる。特許文献1に開示されている内燃機関は、自然空冷式である。これに対し、強制空冷式では、内燃機関の動力でファンを駆動し、ファンによってシュラウド(導風板)内に導入された冷却風を冷却フィンに当てることによって冷却が行われる。
特開2010−159703号公報
本願発明者は、強制空冷式の内燃機関に最適な冷却フィンの構造に関して検討を重ねた。具体的には、本願発明者は、冷却フィンの厚さおよびピッチを小さくする(つまり薄肉の冷却フィンを間隔を狭くして配置する)ことによってなるべく多くの冷却フィンをシリンダヘッドおよびシリンダブロックに設け、それによって冷却効率を高くすることを検討した。その結果、薄肉の冷却フィンを間隔を狭くして配置すると、冷却効率は高くなるものの、鋳造によってシリンダヘッドやシリンダブロックを成形する際に、冷却フィン周辺における湯回り性が低下し、鋳造不良が発生する場合があることを見出した。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、シリンダヘッドおよび/またはシリンダブロックの鋳造性と冷却効率の両方に優れた強制空冷式内燃機関を提供することにある。
本発明による強制空冷式内燃機関は、鋳造により成形されたシリンダブロックと、鋳造により成形され、前記シリンダブロックに重なるように設けられたシリンダヘッドと、前記シリンダブロックの少なくとも一部および前記シリンダヘッドの少なくとも一部を覆うシュラウドと、回転することによって前記シュラウド内に空気を導入するファンと、を備え、前記シリンダブロックおよび前記シリンダヘッドの少なくとも一方は、少なくとも前記シュラウドによって覆われる部分に形成された冷却フィンと、前記冷却フィンに交差するように設けられ、前記冷却フィンに接続された交差フィンとを有し、前記交差フィンの先端部における厚さは、前記冷却フィンの先端部における厚さよりも大きい。
ある好適な実施形態において、前記シリンダブロックおよび前記シリンダヘッドのうちの少なくとも前記シリンダヘッドが、前記交差フィンを有する。
ある好適な実施形態において、前記交差フィンは、シリンダ軸線方向から見たときに前記ファンの回転軸に対して45°以下の角をなすように設けられている。
ある好適な実施形態において、前記交差フィンは、シリンダ軸線方向から見たときに燃焼室と重なるように設けられている。
ある好適な実施形態において、前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドとを結合する複数のヘッドボルトをさらに備え、前記複数のヘッドボルトは、シリンダ軸線に対して前記ファン側に位置する2つのヘッドボルトを含み、前記交差フィンは、前記2つのヘッドボルト間にその一部が位置するように設けられている。
ある好適な実施形態において、前記交差フィンのシリンダ軸線方向に沿った幅は、前記交差フィンの先端部において、前記交差フィンの根元部においてよりも小さい。
ある好適な実施形態において、前記交差フィンの厚さは、前記交差フィンの先端部側から根元部側に向かうにつれて大きくなる。
ある好適な実施形態において、前記交差フィンの厚さは、前記シリンダブロックに近づくほど大きくなる。
ある好適な実施形態において、前記シリンダブロックおよび前記シリンダヘッドの前記少なくとも一方の見切り位置が、前記冷却フィンの中央と前記冷却フィンの先端部との間にある。
ある好適な実施形態において、前記シリンダブロックおよび前記シリンダヘッドの前記少なくとも一方は、前記冷却フィンを複数有し、前記複数の冷却フィンのそれぞれの先端部における厚さをt(mm)、前記複数の冷却フィンのうちの隣接する2つの冷却フィンの先端部同士の間隔をc(mm)としたとき、前記厚さtおよび前記間隔cは、t≦3およびt≦c≦3tの関係を満足する。
ある好適な実施形態において、前記厚さtは、さらに、1≦tの関係を満足する。
ある好適な実施形態において、前記間隔cは、さらに、3≦cの関係を満足する。
ある好適な実施形態において、前記冷却フィンは、1.0°以上2.0°以下の抜き勾配を有する。
本発明による鞍乗型車両は、上述した構成を有する強制空冷式内燃機関を備える。
本発明による内燃機関は、シュラウドおよびファンを備えた強制空冷式内燃機関である。そのため、冷却効率の向上を目的としてなるべく多くの冷却フィンを設けるために、冷却フィンの厚さおよびピッチを小さくしても(つまり薄肉の冷却フィンを間隔を狭くして配置しても)、隣接する冷却フィン同士の間隙に十分に冷却風を送ることができる。また、本発明による強制空冷式内燃機関では、シリンダブロックおよびシリンダヘッドの少なくとも一方が、冷却フィンだけでなく、冷却フィンに交差するように設けられ、冷却フィンに接続された交差フィンを有する。この交差フィンの先端部における厚さは、冷却フィンの先端部における厚さよりも大きい。このような交差フィンが設けられることにより、冷却効率の向上のために薄肉の冷却フィンを間隔を狭くして配置しても、鋳造時の湯回り性の低下を防止することができるので、鋳造不良の発生を防止することができる。このように、本発明による強制空冷式内燃機関は、シリンダヘッドおよび/またはシリンダブロックの鋳造性と冷却効率の両方に優れている。
シリンダブロックおよびシリンダヘッドのうちの少なくともシリンダヘッドが、交差フィンを有することが好ましい。一般に、シリンダヘッドは、シリンダブロックに比べて形状が複雑であることが多いので、薄肉の冷却フィンを間隔を狭くして配置すると、冷却フィン周辺における湯回り性の低下が発生しやすい。少なくともシリンダヘッドに交差フィンを設けることにより、鋳造不良の発生を効果的に防止することができる。
交差フィンが、シリンダ軸線方向から見たときにファンの回転軸に対して45°以下の角をなすように設けられていると、ファンによって送られる冷却風に対する抵抗となりにくい。そのため、交差フィンが設けられていることに起因した冷却効率の低下を防止することができる。
交差フィンは、シリンダ軸線方向から見たときに燃焼室と重なるように設けられていることが好ましい。つまり、交差フィンは、燃焼室を規定する燃焼室壁に接続されていることが好ましい。交差フィンがこのように設けられていることにより、燃焼室で発生した熱を、交差フィンを介して冷却フィンに伝達することができるので、冷却効率が向上する。
典型的には、本発明による内燃機関は、シリンダブロックとシリンダヘッドとを結合する複数のヘッドボルトを備えており、複数のヘッドボルトは、シリンダ軸線に対してファン側に位置する2つのヘッドボルトを含む。交差フィンは、これら2つのヘッドボルト間にその一部が位置するように設けられていることが好ましい。交差フィンをこのように設けることにより、交差フィンを燃焼室の中心に近づけることができるので、より多くの熱を交差フィンを介して冷却フィンに伝達することができ、冷却効率のいっそうの向上を図ることができる。
交差フィンのシリンダ軸線方向に沿った幅が、交差フィンの先端部において、交差フィンの根元部においてよりも小さいと、先端部側で冷却フィンを多く設けることができるとともに、根元部側ではカム室を燃焼室側に近づけてシリンダヘッドを小型化することができる。つまり、冷却性の確保と小型化とを両立することができる。
交差フィンの厚さは、交差フィンの先端部側から根元部側に向かうにつれて大きくなることが好ましい。交差フィンの厚さがこのように設定されていることにより、燃焼室からより多くの熱を冷却フィンに伝達することができる。
また、交差フィンの厚さは、シリンダブロックに近づくほど大きくなることが好ましい。交差フィンの厚さがこのように設定されていることにより、燃焼室からより多くの熱を冷却フィンに伝達することができる。
シリンダブロックおよび/またはシリンダヘッドの見切り位置(鋳造時の型割り位置)は、冷却フィンの中央と冷却フィンの先端部との間にあることが好ましい。このような位置に見切り位置を設けることにより、見切り位置におけるバリを除去しやすくなる。これに対し、見切り位置が冷却フィンの中央と冷却フィンの根元部との間にあると、バリを除去する作業を行いにくい。
複数の冷却フィンのそれぞれの先端部における厚さをt(mm)、複数の冷却フィンのうちの隣接する2つの冷却フィンの先端部同士の間隔をc(mm)としたとき、厚さtおよび間隔cは、t≦3およびt≦c≦3tの関係を満足することが好ましい。このような関係を満足するように薄肉の冷却フィンを間隔を狭くして配置することにより、冷却フィンを数多く設けることができ、冷却効率を向上させることができる。
冷却フィンの先端部における厚さtは、1≦tの関係を満足することが好ましい。冷却フィンの厚さが小さいほど、冷却フィンの数を増やすことができるが、冷却フィンの厚さが小さすぎると、シリンダブロックやシリンダヘッドから熱を奪いにくくなる。冷却フィンの先端部における厚さtが1mm以上である(つまり1≦t)と、そのような問題が発生しない。
隣接する2つの冷却フィンの先端部同士の間隔cは、3≦cの関係を満足することが好ましい。隣接する2つの冷却フィンの先端部同士の間隔cが3mm以上である(つまり3≦c)と、冷却フィンの根元部まで冷却風を供給しやすくなるので、冷却効率が向上する。
冷却フィンは、2.0°以下の抜き勾配を有することが好ましい。抜き勾配を2.0°以下と小さくすることにより、冷却フィンの根元部における間隔を大きくすることができるので、冷却性をさらに向上させることができる。ただし、離型を容易にする観点からは、冷却フィンの抜き勾配は、1.0°以上であることが好ましい。
本発明によると、シリンダヘッドおよび/またはシリンダブロックの鋳造性と冷却効率の両方に優れた強制空冷式内燃機関が提供される。
本発明の実施形態における自動二輪車(鞍乗型車両)1を模式的に示す右側面図である。 図1中の2A−2A’線に沿った断面図である。 図2中に示されているエンジン(内燃機関)101近傍を拡大して示す図である。 エンジン101の一部分の右側面図である。 は、エンジン101の左側面断面図である。 本発明の実施形態におけるエンジン101が備えるシリンダヘッド100を模式的に示す上面図である。 本発明の実施形態におけるエンジン101が備えるシリンダヘッド100を模式的に示す底面図である。 本発明の実施形態におけるエンジン101が備えるシリンダヘッド100を模式的に示す正面図である。 本発明の実施形態におけるエンジン101が備えるシリンダヘッド100を模式的に示す背面図である。 本発明の実施形態におけるエンジン101が備えるシリンダヘッド100を模式的に示す左側面図である。 本発明の実施形態におけるエンジン101が備えるシリンダヘッド100を模式的に示す右側面図である。 本発明の実施形態におけるエンジン101が備えるシリンダヘッド100を模式的に示す図であり、図10中の12A−12A’線に沿った断面図である。 (a)は、シリンダヘッド100の冷却フィン10を模式的に示す断面図であり、(b)は、シリンダヘッド100の交差フィン20を模式的に示す断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1に、本実施形態における鞍乗型車両1を示す。図1に示す鞍乗型車両1は、スクータ型の自動二輪車である。なお、本発明による鞍乗型車両は、スクータ型の自動二輪車1に限定されない。本発明による鞍乗型車両は、いわゆるモペット型、オフロード型、オンロード型等の他の形式の自動二輪車であってもよい。また、本発明による鞍乗型車両は、乗員が跨って乗車する任意の車両を意味し、二輪車に限られない。本発明による鞍乗型車両は、車体を傾けることによって進行方向を変える形式の三輪車等であってもよく、ATV(All Terrain Vehicle)等の他の鞍乗型車両であってもよい。
以下の説明において、前、後、左、右は、それぞれ自動二輪車1の乗員から見た前、後、左、右を意味するものとする。図中の参照符号F、Re、L、Rは、それぞれ前、後、左、右を表している。
自動二輪車1は、図1に示すように、車両本体2と、前輪3と、後輪4と、後輪4を駆動するエンジンユニット5とを備えている。車両本体2は、乗員によって操作されるハンドル6と、乗員が着座するシート7とを備えている。エンジンユニット5は、いわゆるユニットスイング式のエンジンユニットであり、ピボット軸8を中心として搖動可能なように、車体フレーム(図1には示されていない)に支持されている。つまり、エンジンユニット5は、車体フレームに搖動可能に支持されている。
続いて、図2〜図5を参照しながら、自動二輪車1のエンジンユニット5の構成をより具体的に説明する。図2は、図1中の2A−2A’線に沿った断面図である。図3は、図2中に示されているエンジン101近傍を拡大して示す図である。図4は、エンジン101の一部分の右側面図である。図5は、エンジン101の左側面断面図である。
エンジンユニット5は、図2に示すように、エンジン(内燃機関)101と、Vベルト式無段変速機(以下では「CVT」と呼ぶ)150とを備えている。なお、図2に示す例では、エンジン101とCVT150とが一体となってエンジンユニット5を構成しているが、エンジン101と変速機とが別々であってもよいことは勿論である。
エンジン101は、単一の気筒を備えた単気筒エンジンである。エンジン101は、吸気工程、圧縮工程、燃焼行程および排気工程を順次繰り返す4ストロークエンジンである。エンジン101は、クランクケース102と、クランクケース102から前方(なお、ここで言う「前方」とは、厳密な意味での前方、すなわち水平線と平行な方向に限られず、水平線から傾いた方向も含まれる)に延び、クランクケース102に結合されたシリンダブロック103と、シリンダブロック103の前部に接続されたシリンダヘッド100と、シリンダヘッド100の前部に接続されたシリンダヘッドカバー105とを備えている。
シリンダブロック103は、鋳造(例えば重力鋳造)により成形されている。シリンダブロック103の材料は、例えば、アルミニウム合金や鋳鉄である。シリンダブロック103の内部には、シリンダ106が形成されている。
なお、シリンダ106は、シリンダブロック103の本体(すなわち、シリンダブロック103のうちのシリンダ106以外の部分)内に挿入されたシリンダライナ等によって形成されていてもよく、シリンダブロック103の本体と一体化されていてもよい。言い換えると、シリンダ106は、シリンダブロック103の本体と分離可能に形成されていてもよく、シリンダブロック103の本体と分離できないように形成されていてもよい。シリンダ106内には、ピストン107が摺動自在に収容されている。ピストン107は、上死点TDCと下死点BDCとの間で往復運動自在に配置されている。
シリンダヘッド100は、シリンダ106を覆うようにシリンダブロック103に重ねられている。シリンダヘッド100は、鋳造(例えば重力鋳造)により成形されている。シリンダヘッド100の材料は、例えば、アルミニウム合金や鋳鉄である。シリンダヘッド100と、ピストン107の頂面と、シリンダ106の内周面とにより、燃焼室110が規定される。シリンダヘッド100の、燃焼室110を規定する部分30は、燃焼室壁と呼ばれる。
ピストン107は、コンロッド111を介してクランクシャフト112に連結されている。クランクシャフト112は、左方および右方に延びており、クランクケース102に支持されている。クランクシャフト112に接続されたカムチェーン113により、カムシャフト108が駆動される。カムチェーン113は、カムチェーン室70に収容されている。
なお、本実施形態では、クランクケース102、シリンダブロック103、シリンダヘッド100およびシリンダヘッドカバー105は、別体であるが、これらは必ずしも別体である必要はなく、適宜一体化されていてもよい。例えば、クランクケース102とシリンダブロック103とが一体的に形成されていてもよいし、シリンダブロック103とシリンダヘッド100とが一体的に形成されていてもよい。また、シリンダヘッド100とシリンダヘッドカバー105とが一体的に形成されていてもよい。
CVT150は、図2に示すように、駆動側のプーリである第1プーリ151と、従動側のプーリである第2プーリ152と、第1プーリ151および第2プーリ152に巻き掛けられたVベルト153とを備えている。クランクシャフト112の左端部は、クランクケース102から左方に突出している。第1プーリ151は、クランクシャフト112の左端部に取り付けられている。第2プーリ152は、メインシャフト154に取り付けられている。メインシャフト154は、図示しないギア機構を介して後輪シャフト155に連結されている。クランクケース102の左方には、変速機ケース156が設けられている。CVT150は、変速機ケース156内に収容されている。
クランクシャフト112の右側部分には、発電機120が設けられている。クランクシャフト112の右端部には、冷却ファン(以下では単に「ファン」と呼ぶ)121が固定されている。ファン121は、クランクシャフト112とともに回転する。ファン121は、回転することによって空気を左方に吸引するように形成されている。発電機120およびファン121は、シュラウド130内に収容されている。シュラウド130は、シリンダブロック103の少なくとも一部およびシリンダヘッド100の少なくとも一部を覆うように設けられている。
エンジン101は、図4に示すように、シリンダブロック103およびシリンダヘッド100が水平方向または水平方向から若干前上がりに傾斜した方向に延びる型式のエンジン、すなわち、いわゆる横置き式のエンジンである。図中の参照符号L1は、シリンダ106の中心を通る線(シリンダ軸線)を表している。シリンダ軸線L1は、水平方向または水平方向から若干傾斜した方向に延びている。ただし、シリンダ軸線L1の方向は、特に限定されるわけではない。例えば、水平面に対するシリンダ軸線L1の傾斜角度は0°〜15°であってもよく、それ以上であってもよい。なお、図中の参照符号L2は、クランクシャフト112の中心線を表している。
シリンダヘッド100の上部には、吸気管141が接続されている。また、シリンダヘッド100の下部には、排気管142が接続されている。シリンダヘッド100の内部には、吸気通路40および排気通路50が形成されている。吸気管141は、吸気通路40とつながっており、排気管142は、排気通路50とつながっている。吸気通路40および排気通路50には、それぞれ吸気バルブ151および排気バルブ152が設けられている。
本実施形態のエンジン101は、空気によって冷却される空冷エンジンであり、より具体的には、強制空冷式エンジンである。図2〜図4に示すように、シリンダブロック103は、少なくともシュラウド130によって覆われる部分に形成された複数の冷却フィン114を有する。冷却フィン114は、シリンダ軸線L1と略直交する方向に延びている。また、後述するように、シリンダヘッド100も、少なくともシュラウド130によって覆われる部分に形成された複数の冷却フィン10(図8〜図10参照)を有する。
シュラウド130は、内側部材131と外側部材132とを有しており、内側部材131と外側部材132とが組み立てられることによって形成されている。図4に示すように、内側部材131と外側部材132とは、ボルト133によって固定されている。内側部材131および外側部材132は、例えば合成樹脂から形成されている。
内側部材131には、点火プラグ等の点火装置115が挿入される孔131aが形成されている。外側部材132には、吸込口132aが形成されている。シュラウド130がエンジンユニット5に取り付けられたときに、吸込口132aは、ファン121と対向する位置に配置される(図3参照)。図4中の参照符号Fは、ファン121の外周を表しており、参照符号Bは、ファン121の回転方向を表している。
シュラウド130は、クランクケース102、シリンダブロック103およびシリンダヘッド100に取り付けられ、シリンダブロック103およびシリンダヘッド100に沿うように前方に延びている。シュラウド130は、クランクケース102、シリンダブロック103およびシリンダヘッド100の右側部分を覆っている。また、シュラウド130の一部は、シリンダブロック103およびシリンダヘッド100の上側部分および下側部分の一部も覆っている。
クランクシャフト112の回転に伴ってファン121が回転すると、シュラウド130の外部の空気は、吸込口132aを通じてシュラウド130内に導入される。シュラウド130内に導入された空気は、シリンダブロック103およびシリンダヘッド100に吹き付けられる。シリンダブロック103およびシリンダヘッド100は、この空気によって冷却される。
続いて、図6〜図12を参照しながら、本実施形態におけるエンジン101が備えるシリンダヘッド100の構成を具体的に説明する。図6および図7は、シリンダヘッド100を模式的に示す上面図および底面図である。図8および図9は、シリンダヘッド100を模式的に示す正面図および背面図である。図10および図11は、シリンダヘッド100を模式的に示す左側面図および右側面図である。また、図12は、図10中の12A−12A’線に沿った断面図である。一部の図面には、シリンダ軸線方向が矢印D1で示されている。なお、言うまでもないが、シリンダ軸線方向とは、シリンダ軸線L1に平行な方向である。また、以下では、吸気管141への接続が行われる側をシリンダヘッド100の正面側として説明を行う。
シリンダヘッド100は、図6〜図12に示すように、複数の冷却フィン10、燃焼室壁30、吸気通路40、排気通路50および冷却風通路60を有する。
複数の冷却フィン10は、図8、図9および図10に示すように、シリンダヘッド100の外側面(より具体的には左側面)に設けられており、シリンダヘッド100の外側に向かって突出するように(つまりシリンダ軸線方向D1に略直交する方向に延びるように)形成されている。また、複数の冷却フィン10は、シリンダ軸線方向D1に沿って所定のピッチで配置されている。なお、冷却フィン10の個数は、ここで例示されている物に限定されない。
燃焼室壁30(図7および図10に示されている)は、燃焼室110を規定する。燃焼室110は、シリンダヘッド100の燃焼室壁30と、ピストン107の頂面と、シリンダ106の内周面とによって形成される空間である。燃焼室壁30には、図7に示すように、後述する吸気ポート40aおよび排気ポート50aの他に、プラグ孔32が形成されている。プラグ孔32には、点火装置115の点火プラグが取り付けられる。
吸気通路40は、燃焼室110への吸気を行うための通路である。吸気通路40の燃焼室壁30側の開口部40aが、吸気ポートである。吸気バルブ151が上下動することにより、吸気ポート40aが開閉される。吸気通路40の燃焼室壁30とは反対側の開口部40b(シリンダヘッド100の正面に位置する)には、吸気管141が接続される。
排気通路50は、燃焼室110からの排気を行うための通路である。排気通路50の燃焼室壁30側の開口部50aが、排気ポートである。排気バルブ152が上下動することにより、排気ポート50aが開閉される。排気通路50の燃焼室壁30とは反対側の開口部50bには、排気管142が接続される。
典型的には、複数の冷却フィン10は、排気通路50を規定する排気通路壁から延びる冷却フィン10(図10において相対的に右側に位置する)を含む。本実施形態では、複数の冷却フィン10は、さらに、吸気通路40を規定する吸気通路壁から延びる冷却フィン10(図10において相対的に左側に位置する)を含む。
冷却風通路60(図10に示されている)は、冷却風を通すための通路である。図7に示すように、冷却風通路60の入口60aは、シリンダヘッド100の左側面に位置し、冷却風通路60の出口60bは、シリンダヘッド100の右側面に位置する。ファン121によってシュラウド130内に導入された冷却風CAは、入口60aから冷却風通路60内に導入され、冷却風通路60を通過する過程でシリンダヘッド100を冷却した後、出口60bからシリンダヘッド100の外部に排出される。
また、シリンダヘッド100は、図6、図7および図12に示すように、それぞれにヘッドボルトが挿通される複数のボルト孔80a〜80dを有する。これらのボルト孔80a〜80dに挿通されたヘッドボルト(典型的にはスタッドボルトである)により、シリンダヘッド100はシリンダブロック103に結合される。ボルト孔80a〜80dを有するボス80は、ヘッドボルト用ボスまたはスタッドボルト用ボスと呼ばれることもある。
シリンダヘッド100は、さらに、冷却フィン10に交差するように設けられ、冷却フィン10に接続された交差フィン20を有する。本実施形態では、2つの交差フィン20が設けられている。2つの交差フィン20の一方(図10において相対的に排気通路50側に位置する)は、排気通路壁から延びる冷却フィン10に接続されている。また、他方(図10において相対的に吸気通路40側に位置する)は、吸気通路壁から延びる冷却フィン10に接続されている。
図10に示されているように、交差フィン20の先端部における厚さt’は、冷却フィン10の先端部における厚さtよりも大きい。なお、冷却フィン10は、実際には、図13(a)に示すように、その先端にアールが付いている。つまり、冷却フィン10は、湾曲面を有する湾曲部分10cと、平坦な面を有する直線部分10dとを有している。本願明細書において、冷却フィン10の先端部における厚さtは、直線部分10dのもっとも外側における厚さ、言い換えると、湾曲部分10cと直線部分10dとの境界における厚さを指す。また、交差フィン20も、実際には、図13(b)に示すように、その先端にアールが付いている。つまり、交差フィン20は、湾曲面を有する湾曲部分20cと、平坦な面を有する直線部分20dとを有している。本願明細書において、交差フィン20の先端部における厚さt’は、直線部分20dのもっとも外側における厚さ、言い換えると、湾曲部分20cと直線部分20dとの境界における厚さを指す。なお、図13(a)および(b)では、冷却フィン10および交差フィン20の抜き勾配が誇張して示されている。
本実施形態におけるエンジン(内燃機関)101は、上述したように、シュラウド130およびファン121を備えた強制空冷式エンジンである。そのため、冷却効率の向上を目的としてなるべく多くの冷却フィン10を設けるために、冷却フィン10の厚さおよびピッチを小さくしても(つまり薄肉の冷却フィン10を間隔を狭くして配置しても)、隣接する冷却フィン10同士の間隙に十分に冷却風CAを送ることができる。
また、本実施形態における強制空冷式エンジン101では、シリンダヘッド100が、冷却フィン10に交差するように設けられる交差フィン20を有する。交差フィン20は、冷却フィン10に接続されている。この交差フィン20の先端部における厚さt’は、冷却フィン10の先端部における厚さtよりも大きい。このような交差フィン20が設けられることにより、冷却効率の向上のために薄肉の冷却フィン10を間隔を狭くして配置しても、鋳造時の湯回り性の低下を防止することができるので、鋳造不良の発生を防止することができる。
このように、本実施形態における強制空冷式エンジン101は、シリンダヘッド100の鋳造性と冷却効率の両方に優れている。
湯回り性の低下をより確実に防止する観点からは、交差フィン20の先端部における厚さt’は、冷却フィン10の先端部における厚さtの1.5倍以上であることが好ましい。また、冷却性を十分に確保する観点からは、交差フィン20の先端部における厚さt’は、冷却フィン10の先端部における厚さtの10倍以下であることが好ましい。
なお、本実施形態では、シリンダヘッド100が交差フィン20を有する構成を例示したが、シリンダヘッド100だけでなく(あるいはシリンダヘッド100の代わりに)シリンダブロック103が、冷却フィン114に交差するように設けられ、冷却フィン114に接続された交差フィンを有していてもよい。シリンダブロック103およびシリンダヘッド100の少なくとも一方が冷却フィンに加えて交差フィンを有することにより、シリンダヘッド100および/またはシリンダブロック103の鋳造性と冷却効率の両方に優れたエンジン101が得られる。
ただし、以下の理由から、本実施形態で例示したように、シリンダブロック103およびシリンダヘッド100のうちの少なくともシリンダヘッド100が交差フィン20を有することが好ましい。一般に、シリンダヘッドは、シリンダブロックに比べて形状が複雑であることが多いので、薄肉の冷却フィンを間隔を狭くして配置すると、冷却フィン周辺における湯回り性の低下が発生しやすい。本実施形態のように少なくともシリンダヘッド100に交差フィン20を設けることにより、鋳造不良の発生を効果的に防止することができる。
交差フィン20は、図12に示すように、シリンダ軸線方向D1から見たとき、本実施形態のように、ファン121の回転軸(クランクシャフト112の中心線L2(参考のために図12に示している)に一致する)に対して45°以下の角をなすように設けられていることが好ましい。交差フィン20が、シリンダ軸線方向D1から見たときにファン121の回転軸に対して45°以下の角をなすように設けられている(本実施形態のような横置き式では、上下方向よりも左右方向に近い向きに延びるように形成されているといえる)と、ファン121によって送られる冷却風CAに対する抵抗となりにくい。そのため、交差フィン121が設けられていることに起因した冷却効率の低下を防止することができる。
また、交差フィン20は、図12に示すように、シリンダ軸線方向から見たときに燃焼室110と重なるように設けられていることが好ましい。つまり、交差フィン20は、燃焼室110を規定する燃焼室壁30に接続されていることが好ましい。交差フィン20がこのように設けられていることにより、燃焼室110で発生した熱を、交差フィン20を介して冷却フィン10に伝達することができるので、冷却効率が向上する。
本実施形態におけるエンジン101が有する複数のヘッドボルトは、シリンダ軸線L1に対してファン121側に位置する2つのヘッドボルト(ボルト孔80cおよび80dに対応)を含んでおり、交差フィン20は、図10および図12に示すように、これらの2つのヘッドボルト間(つまりボルト孔80cおよび80d間)にその一部が位置するように設けられている。交差フィン20をこのように設けることにより、交差フィン20を燃焼室110の中心に近づけることができるので、より多くの熱を交差フィン20を介して冷却フィン10に伝達することができ、冷却効率のいっそうの向上を図ることができる。
交差フィン20のシリンダ軸線方向D1に沿った幅w(図10参照)は、交差フィン20の先端部20a(図12参照)において、交差フィン20の根元部20b(図12参照)においてよりも小さい。交差フィン20の幅wがこのように設定されていると、先端部20a側で冷却フィン10を多く設けることができるとともに、根元部20b側ではカム室を燃焼室110側に近づけてシリンダヘッド100を小型化することができる。つまり、冷却性の確保と小型化とを両立することができる。
なお、図12では、交差フィン20は、その厚さが先端部20aから根元部20bまで一定であるように図示されているが、交差フィン20の厚さは、先端部20a側から根元部20b側に向かうにつれて大きくなることが好ましい。交差フィン20の厚さがこのように設定されていることにより、燃焼室110からより多くの熱を冷却フィン10に伝達することができる。
また、図10では、交差フィン20は、その厚さがシリンダ軸線方向D1に沿って変化しないように図示されているが、交差フィン20の厚さは、シリンダブロック103に近づくほど(つまり図10において上側から下側に向かうにつれて)大きくなることが好ましい。交差フィン20の厚さがこのように設定されていることにより、燃焼室110からより多くの熱を冷却フィン10に伝達することができる。
また、シリンダヘッド100および/またはシリンダブロック103の見切り位置(鋳造時の型割り位置)Pは、図12に示すように、冷却フィン10(あるいは冷却フィン114)の中央と先端部との間にあることが好ましく、より具体的には、冷却フィン10(あるいは冷却フィン114)の先端部から10mm以内にあることが好ましい。このような位置に見切り位置Pを設けることにより、見切り位置Pにおけるバリを除去しやすくなる。これに対し、見切り位置Pが冷却フィン10(あるいは冷却フィン114)の中央と根元部との間にあると、バリを除去する作業を行いにくい。
複数の冷却フィン10のそれぞれの先端部における厚さt(mm)と、複数の冷却フィン10のうちの隣接する2つの冷却フィン10の先端部同士の間隔c(mm)(図10参照)とは、t≦3およびt≦c≦3tの関係を満足することが好ましい。つまり、厚さtは3mm以下であることが好ましく、間隔cは厚さtの1倍以上3倍以下であることが好ましい。このような関係を満足するように薄肉の冷却フィン10を間隔を狭くして配置することにより、冷却フィン10を数多く設けることができ、冷却効率を向上させることができる。なお、シリンダブロック103に設けられる複数の冷却フィン114の先端部における厚さおよび先端部同士の間隔も、同様の関係を満足することが好ましい(つまり先端部における厚さが3mm以下であり、先端部同士の間隔が先端部における厚さの1倍以上3倍以下であることが好ましい)。
冷却フィン10の先端部における厚さtは、1≦tの関係を満足することが好ましい。つまり、冷却フィン10の先端部における厚さtは、1mm以上であることが好ましい。冷却フィン10の厚さが小さいほど、冷却フィン10の数を増やすことができるが、冷却フィン10の厚さが小さすぎると、シリンダヘッド100から熱を奪いにくくなる。冷却フィン10の先端部における厚さtが1mm以上である(つまり1≦t)と、そのような問題が発生しない。シリンダブロック103の冷却フィン114についても同様に、先端部において1mm以上の厚さを有することが好ましい。
また、隣接する2つの冷却フィン10の先端部同士の間隔cは、3≦cの関係を満足することが好ましい。つまり、隣接する2つの冷却フィン10の先端部同士の間隔cは3mm以上であることが好ましい。間隔cが3mm以上である(3≦c)と、冷却フィン10の根元部まで冷却風CAを供給しやすくなるので、冷却効率が向上する。シリンダブロック103の冷却フィン114についても同様に、隣接する2つの冷却フィン114の先端部同士の間隔が3mm以上であることが好ましい。
シリンダヘッド100の冷却フィン10および/またはシリンダブロック103の冷却フィン114は、2.0°以下の抜き勾配を有することが好ましい。抜き勾配を2.0°以下と小さくすることにより、シリンダヘッド100の冷却フィン10および/またはシリンダブロック103の冷却フィン114の根元部における間隔を大きくすることができるので、冷却性をさらに向上させることができる。ただし、離型を容易にする観点からは、シリンダヘッド100の冷却フィン10および/またはシリンダブロック103の冷却フィン114の抜き勾配は、1.0°以上であることが好ましい。
また、シリンダヘッド100の複数の冷却フィン10は、排気通路50を規定する排気通路壁から延びる冷却フィン10を含んでいることが好ましい。排気通路50は、シリンダヘッド100の中でも高温となり易い箇所であるので、冷却フィン10が排気通路壁から延びていることにより、冷却効率を向上させることができる。排気通路壁から延びる冷却フィン10は、十分に高い冷却効率を確保する観点から、より具体的には、排気通路壁のうちの、少なくとも、ボルト孔(排気通路壁から延びる冷却フィン10にもっとも近いボルト孔)80cに対応したボス(スタッドボルト用ボス)80よりもシリンダ軸線L1側に位置する部分から延びている(図10参照)。
本発明の実施形態における内燃機関101は、自動二輪車、ATV(All Terrain Vehicle)などの各種鞍乗型車両に好適に用いられる。また、発電機などにも好適に用いられる。
本発明によると、シリンダヘッドおよび/またはシリンダブロックの鋳造性と冷却効率の両方に優れた強制空冷式内燃機関が提供される。本発明による強制空冷式内燃機関は、冷却効率に優れているので、自動二輪車をはじめとする各種の鞍乗型車両に好適に用いられる。
1 自動二輪車(鞍乗型車両)
10 冷却フィン
10c 冷却フィンの湾曲部分
10d 冷却フィンの直線部分
20 交差フィン
20a 交差フィンの先端部
20b 交差フィンの根元部
20c 交差フィンの湾曲部分
20d 交差フィンの直線部分
30 燃料室壁
32 プラグ孔
40 吸気通路
40a 吸気ポート
40b 開口部
50 排気通路
50a 排気ポート(排気通路の入口)
50b 開口部(排気通路の出口)
60 冷却風通路
60a 冷却風通路の入口
60b 冷却風通路の出口
70 カムチェーン室
80 ヘッドボルトボス
80a、80b、80c、80d ボルト孔
100 シリンダヘッド
101 エンジン(内燃機関)
102 クランクケース
103 シリンダブロック
105 シリンダヘッドカバー
106 シリンダ
108 カムシャフト
110 燃焼室
113 カムチェーン
121 ファン
130 シュラウド
141 吸気管
142 排気管
151 吸気バルブ
152 排気バルブ
CA 冷却風
D1 シリンダ軸線方向
L1 シリンダ軸線
L2 クランクシャフトの中心線(ファンの回転軸)
P 見切り位置

Claims (14)

  1. 鋳造により成形されたシリンダブロックと、
    鋳造により成形され、前記シリンダブロックに重なるように設けられたシリンダヘッドと、
    前記シリンダブロックの少なくとも一部および前記シリンダヘッドの少なくとも一部を覆うシュラウドと、
    回転することによって前記シュラウド内に空気を導入するファンと、を備え、
    前記シリンダブロックおよび前記シリンダヘッドの少なくとも一方は、少なくとも前記シュラウドによって覆われる部分に形成された冷却フィンと、前記冷却フィンに交差するように設けられ、前記冷却フィンに接続された交差フィンとを有し、
    前記交差フィンの先端部における厚さは、前記冷却フィンの先端部における厚さよりも大きい強制空冷式内燃機関。
  2. 前記シリンダブロックおよび前記シリンダヘッドのうちの少なくとも前記シリンダヘッドが、前記交差フィンを有する請求項1に記載の強制空冷式内燃機関。
  3. 前記交差フィンは、シリンダ軸線方向から見たときに前記ファンの回転軸に対して45°以下の角をなすように設けられている請求項1または2に記載の強制空冷式内燃機関。
  4. 前記交差フィンは、シリンダ軸線方向から見たときに燃焼室と重なるように設けられている請求項1から3のいずれかに記載の強制空冷式内燃機関。
  5. 前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドとを結合する複数のヘッドボルトをさらに備え、
    前記複数のヘッドボルトは、シリンダ軸線に対して前記ファン側に位置する2つのヘッドボルトを含み、
    前記交差フィンは、前記2つのヘッドボルト間にその一部が位置するように設けられている請求項4に記載の強制空冷式内燃機関。
  6. 前記交差フィンのシリンダ軸線方向に沿った幅は、前記交差フィンの先端部において、前記交差フィンの根元部においてよりも小さい請求項1から5のいずれかに記載の強制空冷式内燃機関。
  7. 前記交差フィンの厚さは、前記交差フィンの先端部側から根元部側に向かうにつれて大きくなる請求項1から6のいずれかに記載の強制空冷式内燃機関。
  8. 前記交差フィンの厚さは、前記シリンダブロックに近づくほど大きくなる請求項1から7のいずれかに記載の強制空冷式内燃機関。
  9. 前記シリンダブロックおよび前記シリンダヘッドの前記少なくとも一方の見切り位置が、前記冷却フィンの中央と前記冷却フィンの先端部との間にある請求項1から8のいずれかに記載の強制空冷式内燃機関。
  10. 前記シリンダブロックおよび前記シリンダヘッドの前記少なくとも一方は、前記冷却フィンを複数有し、
    前記複数の冷却フィンのそれぞれの先端部における厚さをt(mm)、前記複数の冷却フィンのうちの隣接する2つの冷却フィンの先端部同士の間隔をc(mm)としたとき、
    前記厚さtおよび前記間隔cは、t≦3およびt≦c≦3tの関係を満足する請求項1から9のいずれかに記載の強制空冷式内燃機関。
  11. 前記厚さtは、さらに、1≦tの関係を満足する請求項10に記載の強制空冷式内燃機関。
  12. 前記間隔cは、さらに、3≦cの関係を満足する請求項10または11に記載の強制空冷式内燃機関。
  13. 前記冷却フィンは、1.0°以上2.0°以下の抜き勾配を有する請求項1から12のいずれかに記載の強制空冷式内燃機関。
  14. 請求項1から13のいずれかに記載の強制空冷式内燃機関を備える鞍乗型車両。
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