JPS5819933Y2 - 歩行型移動農機における安全装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は機体に対して操縦ハンドルを前後に回動調節可
能に構成した歩行型移動農機に関するものであって、操
縦ハンドルを機体に対して前又は後に向けた各状態にお
いて、後進での高速段の変速操作を阻止するように構成
して操縦者に対する安全を図るとともに、すでに後進高
速段の変速がなされている状態でハンドル向きの変更操
作が行われるときには操縦ハンドルの回動を阻止して操
縦者に誤操作を適確に知らしめて適切な操作を促すこと
ができるようにしたものである。

以下本考案の実施の態様を例示図について詳述する。

図は、機体前後に搭載したエンジン１から出力が伝達さ
れるミッションケース２の下部に車力が伝達されるミッ
ションケース２の下部に車輪３゜３を軸支している機体
Ａの後部に、ロータリー耕耘装置（図示せず）等の作業
装置が着脱自在に連結可能に構成されるとともに、前記
ミッションケース２の上部には、上下軸心Ｘ周りに操縦
ハンドル４が、前記機体Ａに対して前後に回動可能並び
に所要回動姿勢で固定可能に枢着されてなる歩行型移動
農機を示す。

前記ミッションケース２には、第２図並びに第３図に示
すように前後に並置された第１及び第２シフト軸５及び
６を択一的に横方向に摺動移動させることによって、ミ
ッションケース２内のギヤ変速装置（図示せず）を変速
操作して前後進並びに高低速を切換えるための変速機構
Ｔが設けられている。

また、前記ミッションケース２の横側壁部には、横軸心
並びに上下軸心周りに回動自在に変速アーム８が枢着さ
れ、この変速アーム８の先端が、前記第１及び第２シフ
ト軸５，６の端部に固着された保合受部５′及び６′に
上下方向での揺動で係合可能に構成されるとともに、前
記変速アーム８の筒状ボス部８′には、変速レバー９が
、上下方向へ挿抜することによって前記機体Ａに対する
所要の前後方向への向き姿勢に変更自在にスプライン嵌
合されている。

そして、前記変速レバー９を上下に揺動操作することに
よって前記変速アーム８を前記係合受部５′もしくは６
′に択一的に嵌合させ、引続く変速レバー９の左右揺動
操作で第１シフト軸５もしくは６をミッションケース２
内方側へ操作した時に高速状態をもたらし、ミッション
ケース２から抜き出す側へ操作した時に低速状態をもた
らし、且つ、第１図中実線で示す操縦ハンドル４の通常
姿勢状態において、第１シフト軸５の摺動操作で前進状
態での高低速切換えを行ない、第２シフト軸６の摺動操
作で後進状態での高低速を切換え、第１図中仮想線で示
す操縦ハンドル４の後方向き状態において、上記と逆の
変速を司る変速操作機構が構成されている。

また、前記変速機構７には、前記ミッションケースの横
−側壁に横軸心回りに揺動自在に枢着された牽制アーム
１０の下端突出部１０′を、前記係合受部５′もしくは
６′のミッションケース２側の内側面に接当させること
によって、前記操縦ハンドル４が通常の姿勢にある状態
（第１図中実線で示す）において、このときの後進変速
軸である第２シフト軸６の高速側への移行を阻止し、前
記操縦ハンドル４が後方を向く姿勢状態（第１図中仮想
線で示す）において、このときの後進変速軸である第１
シフト軸５の高速側への移行を阻止して後進高速の現出
を阻止する機構１１が構成されている。

また、前記牽制アーム１０は、常時は前記両保合受部５
′及び６′に接当しない中立非作動状態に復帰するよう
に一対のスプリング１２゜１２にてバランス付勢される
とともに、前記操縦ハンドル４が略正しく通常の前方又
は後方に向かうときには、第４図イ、口に示すように操
縦ハンドル４の基部に固着されたカム１３ａの突起１３
ａ又は１３ｂに接当押圧されて、上記牽制状態に揺動さ
れるべく構成されており、もって、前記操縦ハンドル４
が略正しく前方又は後方に向かうときにのみ前記牽制機
構１１を所要の作動状態に切換えるべく前記操縦ハンド
ル４と前記牽制機構１１を連動する機構１４が構成され
ている。

上記構成によれば、例えば第１図中実線で示すように操
縦ハンドル４が通常の前向きにある状態で、エンジン１
を止めるか、もしくは主クラッチを切ってハンドル向き
変更操作を行うとき、万一前進高速ＦＨに切換えられて
いたとすると、この場合は前記牽匍腺構１１が第５図に
示す状態にあり、且つ、この連動機構１４が第４図イに
示す状体にあるので、この状態から第４図口に示す状態
に切換えようとしても、牽制アーム１０の下端突出部１
０′が高速位置にある第１軸係合受部５′に接当して第
５図中の仮想線で示す位置までしか移動できず、保合受
部５′の内側に入り込む所定の牽制位置へ移動不能とな
る。

つまり、牽制アーム１０が牽制位置に至らない位置で揺
動阻止されるので、この固定されたアーム１０でカム１
３の凸部１３ｂが受止め係止されて操縦ハンドル４が所
望の反転姿勢まで回動できなくなるのである。

従って、操縦者は、操縦ハンドル４が所定位置まで回動
できないことから、不都合な変速操作状態にあることを
知り、変速中立操作等の適切な操作を行うのである。

以上要するに本考案によれば、ハンドル向きを変更する
ときに、もしも、変更された状態での後進高速に切換え
られていると、ハンドル自体の所定位置への回動切換え
が不能となり、これによって変速状態に誤まりのあるこ
とを操縦者に知らしめることができ、もってこの種移動
農機における変速操作の安全性を高めることができた。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る歩行型移動農機における安全装置の
実施の態様を例示し、第１図は全体側面図、第２図はミ
ッションケースの上部を示す斜視図、第３図はミッショ
ンケースの上部を示す側面図、第４図イ、口は操縦ハン
ドルと牽制機構との連動を示す平面図、第５図はハンド
ル向き通常時における牽制状態を示す要部の平面図であ
る。 ４・・・・・・操縦ハンドル、１０・・・・・・牽制ア
ーム、１３・・・・・・カム、１３ａ、ｂ・・・・・・
凸部、Ａ・・・・・・本機。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 機体Ａに対して操縦ハンドル４を前後に回動調節可能に
   構成した歩行型移動農機において、前記操縦ハンドル４
   の回動基部にカム１３を固着し、このカム１３の凸部１
   ３ａ、１３ｂに接当する牽制アーム１０が、各ハンドル
   向きでの後進における高速段の変速操作を阻止せしめ、
   後進高速段に変速操作がなされている状態においては回
   動を阻止された牽制アーム１０がカム１３の凸部１３ａ
   。 １３ｂを係止するように構成したことを特徴とする歩行
   型移動農機における安全装置。