JPS629178Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、本機に対して前後向き変更調節可能
に枢支させた操作ハンドルの前後向き変更によ
り、本機がわに固着したカムにてハンドルがわに
支承したカムフオロアーを押圧変位させるべく構
成するとともに、前記ハンドルに設けた左右一対
の操向操作具と前記本機に設けた左右一対の操向
クラツチとの連係組合せを両操作具のクラツチ入
り操作状態において２状態に切換え可能なクラツ
チ機構を、前記カムフオロアーの変位に連動して
自動操作すべく、両者を連動連結させた操向クラ
ツチ連係状態自動切換装置付き歩行型耕耘機に関
し、１つの牽制部材を用いた簡単な構造にて、扱
いの誤りによりクラツチ機構を損傷させてしまう
のを回避せんとするものである。

上記自動切換装置は、作業形態に応じてハンド
ルが前後に向き変更されると、これに連動して操
向クラツチとその操作具との連係組合せを自動的
に切換えて、ハンドルの向き変更に拘らず操向操
作を常に同感覚で行なえるようにしたものである
が、次に述べる問題があつた。

すなわち、ハンドルの向き変更操作は、必ず両
操向操作具のクラツチ入り操作状態で行なう必要
があるが、誤つてクラツチ切り操作状態でハンド
ルの向き変更操作を行なつてしまうことがあり、
この結果、クラツチ機構を変形損傷させてしまう
虞れがあつた。

本考案は、冒記構造の操向クラツチ連係状態自
動切換装置付き歩行型耕耘機において、前記ハン
ドルの向き変更を牽制阻止する状態と牽制解除状
態とに切換可能な１つの牽制部材を、両操向操作
具の１つでもクラツチ切り操作状態にあると牽制
状態に切換えるべく、牽制部材と左右操向操作具
とを連係させてあることを特徴とする。

すなわち、両操向操作具の１つでもクラツチ切
り操作状態にあると、ハンドルの向き変更を牽制
阻止させて、扱いの誤りによりクラツチ機構が変
形損傷される冒記問題を回避して、長期間に亘つ
て良好に使用できるようにせんとするものであ
り、特に、本案によれば、１つの牽制部材に対し
て両操向操作具を連係させて所望の目的に達せん
とするものであるから、安価、簡単に所望の目的
に達することができる利点がある。つまり、本案
の目的に達する別手段として、両操向操作具の
夫々に各別に連係される一対の牽制部材を設けて
行なう手段が考えられるが、これに較べて本案の
方が１つの牽制部材を用いるのみであるから、安
価、簡単に実施し易いものであり、実施、製作上
有利である。

以下本考案の実施例を図面に基いて詳述する。

第１図は、歩行型耕耘機の側面を示しており、
走行用ミツシヨンケース１、このケース１の下部
に支承された左右一対の推進車輪２，２、前部エ
ンジン３等からなる本機、及び前記走行用ミツシ
ヨンケース１の上部から後方へ延出される操縦ハ
ンドル４等からなり、前記ミツシヨンケース１の
後部にロータリ耕耘装置（図示せず）を取付ける
か、又は、前記車輪２，２に代えて耕耘ロータ
（図示せず）を取付けて、進行に伴い耕耘作業を
行なうべく構成されている。

前記ハンドル４は、前記ミツシヨンケース１の
上部に固着した筒体５に対して上下軸心Ｘ周りに
回動調節可能に取付けられるものであつて、本機
の左側を通過させて前後に向き変更調節可能に構
成されている。

次に、前記ハンドル４の前後向き変更に連動し
て、前記ハンドル４の延出端に取付けた左右一対
の操向操作具としての握りレバー６ａ，６ｂと、
前記ミツシヨンケース１内に設けた左右一対の操
向クラツチ７ａ，７ｂとの連係状態を自動的に切
換える装置について、第２図乃至第４図イ、ロに
基づいて説明する。

前記ハンドル４のその枢支基部からその延出方
向に適当間隔離れた箇所に、前記左右握りレバー
６ａ，６ｂにワイヤ連係させた操作側回転体８
ａ，８ｂと前記操向クラツチ７ａ，７ｂにワイヤ
連係させた被操作側回転体９ａ，９ｂとの一体回
転すべく組合せを２状態に切換えて、左右レバー
６ａ，６ｂと左右クラツチ７ａ，７ｂとの連係組
合せを２状態に切換えるクラツチ機構が、取付け
られている。このクラツチ機構について詳述すれ
ば、ハンドル４に固着の枠体１０に、前後一対の
摺動軸１１ａ，１１ｂが貫通支承され、これら摺
動軸１１ａ，１１ｂの左右端部夫々に、後述の如
く接当押圧移動される板体１２ａ，１２ｂが取付
けられている。前記後方の摺動軸１１ｂに、左右
一対の筒状カラー１３ａ，１３ｂが前記板体１２
ａ，１２ｂにて軸心方向の移動を受止め支持され
た状態で外嵌されるとともに、これら筒状カラー
１３ａ，１３ｂに、前記操作側回転体８ａ，８ｂ
及び前記被操作側回転体９ａ，９ｂが並置支承さ
れている。前記筒状カラー１３ａ，１３ｂに、左
右一対のキー１４ａ，１４ｂが軸心方向移動不能
に係合連結されるとともに、両操作側回転体８
ａ，８ｂ及び一方の被操作側回転体９ａの夫々
に、１つのキー溝１５ａ，１５ｂ，１６ａが形成
され、且つ、他方の被操作側回転体９ａに、左右
一対の２つのキー溝１６ｂ，１６ｂが形成されて
いる。そして、クラツチ機構は、摺動軸１１ａ，
１１ｂを左方又は右方に摺動操作して、キー１４
ａ，１４ｂのキー溝１５ａ…に対する係合状態を
２状態に切換えることにより、両回転体８ａ，８
ｂ，９ａ，９ｂの一体回転すべき組合せを２状態
に切換えるべく構成されている。

前記ミツシヨンケース１の上部に、突起状のカ
ム１７が固着されるとともに、ハンドル４の基部
に、前記カム１７と接当可能なカムフオロアー１
８が支承されている。このカムフオロアー１８
は、上下方向中間部の支点Ｐを中心に左右揺動可
能に枢支され、且つ、上下方向に沿う中立姿勢に
つる巻スプリング１９にて復帰付勢されるもので
あつて、ハンドル４の前後向き変更により、前記
カム１７にて押圧変位され、変位後中立姿勢され
るべく構成され、且つ、ハンドル４を後向き姿勢
から前向き姿勢へ変更する際と、前向き姿勢から
後向き姿勢へ変更する際とにおいて、夫々反対方
向に押圧揺動されるべく構成されている。

前記ハンドル４に、その中間部を上下方向軸心
Ｙ周りに揺動可能に枢支されて揺動リンク２０が
設けられ、このリンク２０の一端が、前記カムフ
オロアー１８の上端部に係止連結されるととも
に、リンク２０の他端が、前記一対の板体１２
ａ，１２ｂの間に係入されている。

切換装置は、上記の如く構成されたものであつ
て、ハンドル４の前後向き変更により押圧揺動変
位されるカムフオロアー１８の変位に連動して、
揺動リンク２０を用いて自動的にクラツチ機構を
２状態に切換えるべく構成されている。

又、前記クラツチ機構は、前記握りレバー６
ａ，６ｂが握り操作されないクラツチ入り操作状
態でのみ、各回転体８ａ，８ｂ，９ａ，９ｂのキ
ー溝１５ａ…の位相角度が合致して適正作動可能
な状態となるものであつて、適正状態以外でのハ
ンドル向き変更が、次に述べる如く牽制阻止され
るようなつている。

すなわち、第５図イ、ロ、ハに示す如く、ハン
ドル４に横軸心Ｚ周りに揺動可能に枢支されて、
揺動により、前記揺動リンク２０を揺動不能に係
止して結果的に揺動不能となつたカムフオロアー
１８とカム１７との接当によりハンドル４の向き
変更を牽制阻止する状態と、揺動リンク２０の係
止を解除した牽制解除状態とに切換可能な１つの
牽制部材２１が、後方牽制状態がわに付勢されて
設けられるとともに、この牽制部材２１の下端に
その中央部を枢支されたアーム２２の両端部夫々
から、前記操作側回転体８ａ，８ｂに付設のカム
突起２３ａ，２３ｂにて接当押圧されるスライド
棒２４ａ，２４ｂが延出されている。そして、両
握りレバー６ａ，６ｂの少なくとも１つでも握り
操作されると、牽制部材２１が牽制状態となつて
ハンドル４の向き変更が牽制阻止されるようにな
つている。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る操向クラツチ連係状態自動
切換装置付き歩行型耕耘機の実施例を示し、第１
図は歩行型耕耘機の側面図、第２図はカムフオロ
アーとクラツチ機構との連係構造を示す一部切欠
き平面図、第３図は同構造の一部切欠き側面図、
第４図イ，ロはカムとカムフオロアーとの接当状
態を示す側面図、第５図イ，ロ，ハは牽制阻止構
造を示す概略図である。 ４……操縦ハンドル、６ａ，６ｂ……操向操作
具、７ａ，７ｂ……操向クラツチ、１７……カ
ム、１８……カムフオロアー、２１……牽制部
材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本機に対して前後向き変更調節可能に枢支され
   た操縦ハンドル４の前後向き変更により、本機が
   わに固着したカム１７にてハンドルがわに支承し
   たカムフオロアー１８を押圧変位させるべく構成
   するとともに、前記ハンドル４に設けた左右一対
   の操向操作具６ａ，６ｂと前記本機に設けた左右
   一対の操向クラツチ７ａ，７ｂとの連係組合せを
   両操作具６ａ，６ｂのクラツチ入り操作状態にお
   いて２状態に切換え可能なクラツチ機構を、前記
   カムフオロアー１８の変位に連動して自動操作す
   べく、両者を連動連結させた操向クラツチ連係状
   態自動切換装置付き歩行型移動農機であつて、前
   記ハンドル４の向き変更を牽制阻止する状態と牽
   制解除状態とに切換可能な１つの牽制部材２１
   を、両操向操作具６ａ，６ｂの１つでもクラツチ
   切り操作状態にあると牽制状態に切換えるべく、
   牽制部材２１と左右操向操作具６ａ，６ｂとを連
   係させてあることを特徴とする操向クラツチ連係
   状態自動切換装置付き歩行型耕耘機。