JPS5819803Y2 - 偏向ヨ−ク - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はカラーテレビジョン受信機の偏向ヨークに関す
るものである。

インライン配列に電子銃を備えたカラーブラウン管に使
用されるセルフコンバーゼンス方式の偏向ヨークでは、
コンバーゼンス調整をするために偏向ヨークをブラウン
管の画面側からみてブラウン管の中心軸に対し、上下１
たは左右方向、もしくはこれらが合成された方向に偏向
ヨーク全体を移動させるか、もしくは偏向ヨークの後方
すなわち電子銃側をブラウン管に固定して、偏向ヨーク
の前方すなわち画面側を移動させるように、偏向ヨーク
の中心軸をブラウン管の中心軸に対し傾斜させるいわゆ
る偏向ヨークの首振り調整を行なっている。

ブラウン管におけるミスコンバーゼンスは、主として偏
向ヨークの組立て誤差、ブラウン管に電子銃を取付けた
際の取付は誤差によって生じる。

首振り調整は、ブラウン管に偏向ヨークを取付ける際に
、その位置を変えることによって上記の誤差を吸収する
ものである。

たとえば、第１図に示すような赤ラスタ４と青ラスタ５
のブラウン管３０の上下における横−直線状のラスタの
ミスコンバーゼンス量ｔは、ブラウン管停側からみて、
偏向ヨークを左に移動することによって補正できる。

ただし電子銃１，２及び３の配列はそれぞれ青、緑、赤
のラスタを発生させるものである。

第１図に示すような上下横−直線状のラスタのミスコン
バーゼンス８が生シる原因は、第２図に示すように垂直
偏向磁界６に対して、電子ビーム１ ａ、２ａ、３ａか
相対的に左にある。

もちろん、この相対的なずれは、電子ビームＩａ、２ａ
、３ａ、に対して垂直偏向磁界６が右にある場合にも生
じる。

ところで、偏向ヨークの組立て精度や性能の向上に伴な
い、組立て誤差が小さくなったために、偏向ヨークの組
立て誤差によって生じる□スコンバーゼンスも小さく、
首振り調整によってこのミスコンバーゼンスを補正する
必要はほとんどない。

したがって、電子銃の取付誤差によって生じるミスコン
バーゼンスを簡単な手段によって補正することが可能で
あれば、繁雑で作業効率が悪い首振り調整を行なう必要
はなくなる。

本考案の目的は、上記した従来技術の欠点をなくし、偏
向ヨークの首振り調整を行なわずに、ブラウン管の電子
銃の取付は誤差によって生じるブラウン管桶上下の横−
直線状ラスタのミスコンバーゼンスを補正する手段を提
供するものである。

本考案は偏向ヨークの電子銃側に、円環を切欠いた形状
の、部分リング形状の磁性体片を取付けることにより、
電子銃側の垂直偏向磁界の対称性を変化して、電子銃の
取付誤差によって生じるミスコンバーゼンスを補正ｆる
。

以下、本考案を実施例によって詳細に説明する。

第３図ａは本考案の１実施例を示すセミトロイダル形の
偏向ヨークを電子銃側からみた正面図で、第３図すは平
面図である。

偏向ヨーク１０の絶縁体１１には、接着剤１３によって
部分リング形状の磁性体片１４が取付けられている。

この磁性体片１４はコア１５に巻回された垂直偏向コイ
ル１２によって作られる垂直偏向磁界に作用し、磁性体
片１４が取付けられている右半盾の電子銃側の垂直偏向
磁界を弱める。

その結果、第２図における垂直偏向磁界６の対称軸７は
矢印９の方向へ移動する。

つオリ、垂直偏向磁界６が電子ビーム１ａ、２ａ、３ａ
に対する位置ずれを修正する方向に移動することによっ
て、第１図に示されるような上下＋！−直線直線状タス
クスコンバーゼンス８が補正される。

第４図は磁性体片の正面図で、磁性体片１４は円環状の
磁性体を切欠いたものである。

磁性体片１４の内角αを９０°から１８０゜昔で変化さ
せた場合、上下横−直線状うスクのミスコンバーゼンス
８の補正可能な量１ｔｉ 当社ノｇ □度偏向１８形の
テレビジョン受信機では第５図に示すようになり、内角
αが１２００の場合には補正量は約０．７ｒｒｒｒｎ、
内角αが１８００の場合には補正量は約１．８．になる
。

上下横−直線状うスクの□スコンバーゼンス量ｔは最大
０．７．程度であるから、少なくとも内角αが１２０°
あればミスコンバーゼンス８を補正することが可能であ
る。

ミスコンバーゼンス量ｔが０．７Ｍよりも小さい場合に
は、磁性体片１４を矢印１６の方向へ移動することによ
って調整を行なう。

矢印１６の方向へ磁性体片１４を移動すると、垂直偏向
磁界への作用が弱甘り、たとえば７ｗｎ移動した場合補
正量は約Σに減る。

第４図に示すような内角１８００の磁性体片１４では補
正量が約１．０．であるから、この磁性体片１４によっ
て０．５ｍｍのミスコンバーゼンスを補正する場合には
、磁性体片１４を７Ｍ矢印１６の方向へ移動させればよ
い。

なお、磁性体片１４の材質は鉄で、その厚さは約０．５
ｗｒＬである。

なお、従来長方形状の鉄片を用いて、上下横−直線状の
ラスタのミスコンバーゼンスを補正スる試みもなされた
が、第６図に示すように、鉄片２０を垂直偏向コイル１
２ａ、１２ｂにまたかるように絶縁体１１に取付けた場
合では改善の効果は１つたくない。

鉄片２１を斜めに取付けた場合は補正効果があるが、第
７図に示すように横−直線状ラスタは画面左右で交差状
の□スコンバーゼンスを生じ、完全に□スコンバーゼン
スを補正することができない。

なぜならば、鉄片２１は垂直偏向磁界に対しては部分リ
ング形状磁性体片と同様に作用するが、第３図に示すよ
うに水平偏向磁界２２に対しても作用し、水平偏向磁界
の対称軸２３が矢印２４の方向に移動するためである。

以上のように本考案によれば、偏向ヨークの電子銃側に
部分リング形状の磁性体片を取付け、磁性体片をわずか
に移動させることによって、ミスコンバーゼンスを補正
することができるので、繁雑な作業である首振り調整に
よってミスコンバーゼンスの補正を行なう必要がない。

したがって、コンバーゼンス調整のための作業はきわめ
て簡単かつ、容易になり、調整作業の効率は大幅に向上
する。

【図面の簡単な説明】

第１図はブラウン管の画面上のラスタのミスコンバーゼ
ンスを示す図、第２図は垂直偏向磁界と、電子ビームの
相対的な位置を示す図、第３図ａは本考案による偏向ヨ
ークを示す正面図、第３図すは、その平面図、第４図は
本考案による偏向ヨークに取付けられる磁性体片の正面
図、第５図は本考案による偏向ヨークによって補正され
るコンバーゼンス量を示す特性図、第６図は長方形状の
磁性体片が取付けられた偏向ヨークの正面図、第Ｔ図は
ブラウン管の画面上のラスタのミスコーバーゼンスを示
す図、第８図は水平偏向磁界と電子ビームの相対的な位
置を示す図である。 １０：偏向ヨーク、１１：絶縁体、１２，１２ａ。 １２ｂ：垂直偏向コイル、１４：磁性体片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ３本の水平インライン配列された電子ビームを発生する
   ブラウン管と組合わされて使用される偏向ヨークであっ
   て、一対のトロイダル形に巻回された垂直偏向コイルを
   有するテレビジョン受信機の偏向ヨークにおいて、偏向
   ヨークの電子銃側に設けられた絶縁体上に、上記一対の
   垂直偏向コイルにまたがって、かつその水平方向の位置
   が選択されて、内角が１２００〜１８００に形成された
   部分リング状の磁性体片が取付けられブラウン管面上下
   の横−直線状のラスタのミスコンバーゼンスが補正され
   ることを特徴とする偏向ヨーク。