JPS5838520Y2 - 偏向ヨ−ク - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、カラーテレビジョン受信機に使用する偏向ヨ
ークに関するものである。

インライン配列からなる電子銃をそなえたカラーブラウ
ン管に適用するセルフコンバーゼンス方式の偏向ヨーク
では周知のようにコンバーゼンス調整をするために、偏
向ヨークをブラウン管の画面側からみて上下または左右
方向もしくはこれらの合成方向に偏向ヨーク全体を移動
させるが、もしくは偏向ヨークの後方電子銃側（以下ネ
ック部側という）を固定して偏向ヨークの前方開口部側
（以下開口部側という）を移動させるように偏向ヨーク
を傾斜させたいわゆる偏向ヨークの首振りを行なってい
る。

たとえば、第１図に示すような横−直線状ラスタの交差
状ミス・コンバーゼンス・パターンが生じる場合はブラ
ウン管画面側から見て偏向ヨークを上側に移動すること
により補正できる。

ここで、電子銃の配列はブラウン管画面側から見て、左
側よりそれぞれ、青色、緑色、赤色用の順とする。

（以下青色、緑色、赤色をそれぞれ順にＢ、Ｇ、Ｒと略
称する。

）次に、第１図に示すミスコンバーゼンス・パターンの
生ずる原因について考える。

（簡単のため、Ｇビームによるラスタは省略する）第１
図に示す画面上における横−直線状ラスタのＲ，Ｂよこ
線ひらきの交差状ミスコンバーゼンス・パターンが生じ
る原因は、第２図に示すように、水平偏向磁界７に対し
て、無偏向の状態で偏向ヨークを通過する時のＢ、Ｒ電
子ビーム１，３が相対的に上にあるためである。

従って何らかの方法でこの偏向磁界と電子ビームとの相
対的な位置ずれを修正することにより、ミスコンバーゼ
ンスを補正することができる。

ところで、偏向ヨークやブラウン管の組立精度や性能向
上に伴ない、上記した偏向ヨークの移動調整を不要化に
する偏向ヨークでは、従来偏向ヨークの移動調整により
吸収していた偏向ヨークの製造上のバラツキおよびブラ
ウン管の製造上のバラツキ（主に電子銃の組込みのバラ
ツキ）に対しても補正を行なう必要がある。

従来この種のブラウン管の製造上のバラツキにしては、
偏向ヨーク側では特別な手段を用いずに上記したように
偏向ヨークの移動調整によりこれらのバラツキを偏向ヨ
ークの製造上のバラツキとともに吸収していた。

このため、カラー・テレビジョン受信機組立ラインでは
ブラウン管に偏向ヨークを装着してから、コンバーゼン
ス調整するための手段として、ブララン管の製造上のバ
ラツキおよび偏向ヨークの製造上のバラツキを吸収する
ように偏向ヨークの移動調整を行なっていたが、これに
伴なう調整作業の繁雑さがあり作業効率の面で問題があ
った。

本考案の目的は、上記した従来技術の欠点をなくシ、偏
向ヨークの移動調整を行なわずに、偏向ヨークとブラウ
ン管製造上のバラツキによるブラウン管画面上の横−直
線上ラスタの交差状ミスコンバーゼンスを修正して、偏
向ヨークの歩留りを向上するためのコンバーゼンス補正
手段を提供するにある。

本考案は偏向ヨークのネック部側絶縁物端面に、長方形
状または÷リング形状からなる磁性体片を該絶縁物端面
上で偏向ヨーク中心軸方向から見て、第１〜４象限のい
ずれかに相当する位置に１個設け、かつ、同一面上に偏
向ヨークの中心軸方向から見て上記磁性体片と上下軸（
Ｙ軸）で線対称となる位置に上記と同様の磁性体片を１
個設け、これらを１組として使用することにより、水平
偏向磁界では、上下での対称性が変化するようにして、
ブラウン管の電子銃と偏向ヨークの相対的な位置ずれに
起因するミスコンバーゼンスを修正するように構成した
ものである。

以下本考案を図に示すセミトロイダル型偏向ヨーク（水
平偏向コイルはくら型、垂直偏向コイルはトロイダル型
で構成された偏向ヨーク）の実施例について説明する。

第３図は、本考案による一実施例の偏向ヨーク１０をネ
ック部側より見た図、第４図は同偏向ヨークの側面図で
ある。

同図の偏向ヨーク１０に取付ける磁性体片としては、一
例として士リング形状のものを使用している。

（円形リングを６０°〜９０°に切断したリングを÷リ
ングと称することにする。

リング形状にすると、長方形状よりコアに接近する部分
が多くなるので、磁界への影響が強い。

）本実施例は、第３図、第４図に示すように＋リングを
偏向ヨーク絶縁物ネック部側端面で偏向ヨーク中心軸方
向画面側から見て、第３象像の位置に１個設置し、かつ
同一面上に、偏向ヨーク中心軸方向画面側から見て第４
象像の位置に１個設置しこれらを１組として使用するよ
うに構成したものである。

かかる実施例を使用すると、第１図に示す画面上の横−
直線状ラスタの交差状ミスコンバーゼンスを同図の矢印
で示す方向に修正することができる。

以下この理由について簡単に考察する。

先ず、第５図ａ、ｌ）で示すように士リング形状（また
は長方形状）磁性体片１４を偏向ヨーク絶縁物ネック部
側端面で偏向ヨーク中心軸方向画面側から見て第３象限
の位置に設置する場合、画面上のコンバーゼンスの動き
について考える。

なお、第５図ａは偏向ヨークをネック部側から見た図、
第５図すは同偏向ヨークの側面図を示すものである。

この時、士リング形状（または長方形状）磁性体片１４
を取付けた場合の垂直偏向磁界を第６図に示す。

すなわち、画面側から見て、士リング形状磁性体片１４
を取付けた左半面のネック部垂直偏向磁界は磁性体片に
引きつけられることにより相対的に弱められて、第６図
に示すように垂直偏向磁界の対称軸１９は、矢印の方向
１８に移動する形となる。

また、ネック部水平偏向磁界は士リング形状磁性体片１
４を取付けた下半面の水平偏向磁界が磁性体片に引きつ
けられることによりピン磁界が弱められて、第２図に示
すように水平偏向磁界の対称軸８は矢印の方向９に移動
する形となる。

すなわち、第５図ａ、ｌ）で示す位置に士リング形状（
または長方形状）磁性体片を取付けた場合には、第７図
で示すような、画面上側横線でＢがＲより下、画面下側
横線でＢがＲより上、画面左側横線でＢがＲより上、画
面右側横線でＢがＲより下となるミスコンバーゼンスパ
ターンになる。

次に、第８図ａ、ｂで示すように士リング形状（または
長方形状）磁性体片１４を今度は、偏向ヨーク絶縁物ネ
ック部側端面で偏向ヨーク中心軸方向画面側から見て第
４象限の位置に設置する場合、画面上のコンバーゼンス
の動きについて考える。

この時、第５図ａ、ｌ）の場合と同様の考え方で垂直偏
向磁界については、第６図の場合と逆に、垂直偏向磁界
の対称軸は右側に移動する形となる。

また、水平偏向磁界については、第５図ａ、ｌ）の場合
と同様に第２図に示すように水平偏向磁界の対称軸は、
第２図の場合と同様に矢印の方向に移動する形となる。

すなわち、第８図ａ、ｌ）で示す位置に÷リング形状（
または長方形状）磁性体片を取付けた場合には、第９図
で示すような、画面上側横線でＢがＲより上、画面下側
横線でＢがＲより下、画面左側横線でＢがＲより上、画
面右側横線でＢがＲより下となるミスコンバーゼンス・
パターンになる。

以上のことから、第５図、第８図に示すそれぞれの磁性
体片を一組として使用すれば、画面上下のＢ／Ｒの横線
ひらきは相殺され、画面左右のＢ／Ｒ横線ひらきが強調
されるため、第１図で示す横−直線状ラスタのミスコン
バーゼンスの原因である電子ビームと水平磁界の位置ず
れについて修正を行なう作用をもつので第１図のような
横−直線状ラスタの交差状ミスコンバーゼンスを補正す
ることができる。

また、第１図とは逆の、第１０図のような横−直線状ラ
スタの交差状ミスコンバーゼンスを補正するには、第３
図、第４図とは逆に、÷リングを偏向ヨーク中心軸方向
画面側から見て第１象限の位置に１個設置し、力ごつ、
第２象限の位置に１個設置し、これらを１組として使用
すれば、第１０図の矢印で示す方向に修正することがで
きる。

本考案は上記のように構成されたもので、電子銃と偏向
磁界の相対的な位置ずれに起因するミスコンバーゼンス
を偏向ヨークの移動調整によらずに単に磁性体片を偏向
ヨークのネック部側に取付けることにより修正できる。

従って偏向ヨークをブラウン管に装着してからのコンバ
ーゼンス調整作業が簡易になると同時に偏向ヨークの移
動調整のための構造が不要となり、偏向ヨークの構造の
簡略化が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の適用により補正可能なミスコンバー
ゼンスを示すパターン図、第２図は第１図の画面横−直
線状うスクの交差状のミスコンバーゼンスを生じる原因
となる電子ビームと水平偏向磁界の位置ずれを示すパタ
ーン図、第３図は、本考案による一実施例の偏向ヨーク
をネック部側より見た正面図、第４図は同偏向ヨークの
側面図である。 第５図ａは、士リング形状磁性体片を偏向ヨーク絶縁物
ネック部側端面で偏向ヨーク中心軸方向画面側から見て
第３象限の位置に設置した偏向ヨークをネック部側から
見た正面図、第５図すは同偏向ヨークの側面図である。 第６図は、第５図の場合の垂直偏向磁界を示すパターン
図、第７図は、第５図ａ、ｌ）で示す位置に↓リング形
状（または長方形状）磁性体片を取付けた場合のミスコ
ンバーゼンスを示すパターン図、第８図ａは、第５図ａ
で示した士リング形状磁性体片を第４象限の位置に設置
した偏向ヨークをネック部側から見た正面図、第８図す
は同偏向ヨークの側面図である。 第９図は第８図ａ、ｌ）で示す位置に↓リング形状（ま
たは長方形状）磁性体片を取付けた場合のミスコンバー
ゼンスを示すパターン図、第１０図は第１図とは逆の横
−直線状ラスタの交差状ミスコンバーゼンスを示すパタ
ーン図である。 １１：絶縁体、１４：磁性体片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 偏向ヨークの後方電子銃側絶縁物端面に長方形状、また
   は、士円周リング形状からなる第１の磁性体片を絶縁物
   端面上に配置するとともに、偏向ヨークの中心軸方向か
   ら見て上記磁性体と上下軸（Ｙ軸）で線対称となる位置
   に上記第１の磁性体と略同−形状の第２の磁性体片を設
   け、ミスコンバーゼンス補正を行うことを特徴とする偏
   向ヨーク。