JP2703138B2 - 偏向ヨーク - Google Patents

偏向ヨーク

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JP2703138B2
JP2703138B2 JP3210589A JP21058991A JP2703138B2 JP 2703138 B2 JP2703138 B2 JP 2703138B2 JP 3210589 A JP3210589 A JP 3210589A JP 21058991 A JP21058991 A JP 21058991A JP 2703138 B2 JP2703138 B2 JP 2703138B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、インライン型の電子
銃を有するカラー陰極線管に用いられる偏向ヨークに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】図11は、インライン型カラー陰極線管
の一部破断斜視図で、3色(通常、赤,緑,青)の蛍光
体ドット(またはストライプ)を規則的に配設されてな
るスクリーン20が内面に形成されたパネル21と、漏
斗状のファンネル24と、ネック25から構成され、パ
ネル21の内面のスクリーン20に近接対向するよう
に、主面に電子ビーム通過孔22が形成されてなるシャ
ドウマスク23が配設されている。
【0003】ネック25内には、3本の電子ビーム赤
(R),緑(G),青(B)を集束して射出する一直線
上に配列されたインライン型電子銃26が配置されてお
り、ファンネル24のコーン部の外壁には、偏向ヨーク
27が配設されている。
【0004】インライン型電子銃26の特徴は、偏向ヨ
ーク27によって非斉一な磁界を発生させることによ
り、回路的な補正手段を用いなくともカラー陰極線管と
偏向ヨークの組み合わせのみによって、画面の全体で
R,G,B電子ビームを実質的に一致させること、いわ
ゆるセルフコンバーゼンスを実現させることである。
【0005】現在、インライン型カラー陰極線管で主流
になっている方式は、上述のセルフコンバーゼンス型で
あり、かつ、画面上下のラスター歪をも同時に補正する
ものである。
【0006】次に、偏向ヨークによるセルフコンバーゼ
ンスの原理について説明する。通常、偏向ヨークは、水
平偏向コイルと垂直偏向コイルとの2つのコイルで形成
されるが、この2つのコイルの発生する磁界の分布がと
もに斉一であった場合、画面上のコンバーゼンス特性は
図12のようになり、R,G,B電子ビームを画面上で
一致させることはできない。
【0007】しかし、図13のように、水平偏向磁界1
1を糸巻形磁界に、垂直偏向磁界をたる形磁界13に設
定することによりR,G,B電子ビームに対する偏向力
に差が生じ、これによりR,G,B電子ビームを画面上
で一致させることが可能となる。
【0008】この方式を用いた場合に問題となるのは、
陰極線管や偏向ヨークの製造誤差によって、3本の電子
銃26や、水平・垂直偏向コイル27にバラツキが生じ
た場合、電子ビームの軌道中心と偏向磁界の分布の中心
軸にずれが生じ(これを通常「軸ズレ」という)、画面
上のコンバーゼンスが乱れてしまうことである。
【0009】図10(a),(b)は軸ズレの例を示す
図で、電子ビームの軌道中心に対して、水平偏向磁界が
横方向にずれた場合のコンバーゼンス特性(XH)であ
る。
【0010】従来、これらの軸ズレを補正する方法とし
て、図14に示すような偏向ヨーク27の“首ふり”作
業が行われてきた。これは、陰極線管に偏向ヨーク27
をセッティングする際、偏向ヨーク27の締め付けバン
ド部34を支点として、偏向ヨーク27を上下左右に首
振り微動させ、偏向磁界の軸の位置を調整することによ
って軸ズレを補正するものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法で軸
ズレを補正した場合、画面上のラスター歪が悪化してし
まうという大きな問題点がある。これは、偏向ヨークの
ネック側の締め付けバンド部を支点として偏向ヨークを
動かした場合、偏向ヨークのスクリーン側が大きく動い
てしまうこと、および、この偏向ヨークのスクリーン側
の磁界は、ネック側の磁界に比べてラスター歪特性に与
える影響が大きいことに起因している。
【0012】この発明は、上記のような課題を解消する
ためになされたもので、コンバーゼンス特性の軸ズレに
よるミスコンバーゼンスを、偏向ヨークを首振り微動さ
せることなく補正することができる偏向ヨークを得るこ
とを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明に係る偏向ヨー
クは、インライン型の電子銃を有するカラー陰極線管に
装着される偏向ヨークであって、その水平偏向コイルの
側のx軸近傍にそれぞれ配設され且つ上記水平偏向
コイルに接続されない第1、第2の補助コイルと、この
第1、第2の補助コイルに直列に接続され上記第1、第
2の補助コイルのインダクタンスを差動的に変える差動
コイルとを備え、主水平偏向磁界の横方向のバランスを
調整するようにしたものである。
【0014】
【作用】この発明によれば、コンバーゼンス補正コイル
のインダクタンスを差動的に可変することにより、主水
平偏向磁界の横方向のバランスが調整可能になり、コン
バーゼンス特性の軸ズレによるミスコンバーゼンスを補
正することができる。
【0015】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面にもとづい
て説明する。図1はこの実施例の構成を示す図、図2は
この実施例の等価回路図である。図において、1はトロ
イダルコア、2,3はトロイダルコア1に巻回されたコ
ンバーゼンス補正コイル、4はコンバーゼンス補正コイ
ル2,3のインダクタンスを調整するネジコア式の差動
コイル、5は水平偏向コイル、6,7は差動コイル4を
構成する第1,第2のコイルで、コンバーゼンス補正コ
イル2と第1のコイル6および第2のコイル7とコンバ
ーゼンス補正コイル3はそれぞれ直列に接続されてお
り、第1のコイル6と第2のコイル7の接続点にコンバ
ーゼンス補正コイル2,3の他端が接続されている。
【0016】図3〜図5は、差動コイル4の具体的な構
成例を示す図で、8は円筒状のボビンで、一方に第1の
コイル6が、他方に第2のコイル7がそれぞれ巻装され
ている。9はこの円筒状ボビン8の内部のネジ孔に挿入
されたネジコアで、このネジコア9を回転させて軸方向
に移動させるように構成されている。
【0017】つぎに、動作について説明する。まず、ネ
ジコア9がボビン8の中央にある場合、つまり、水平偏
向コンバーゼンス補正コイル2および差動コイル4の第
1のコイル6側のインダクタンスと、コンバーゼンス補
正コイル3および差動コイル4の第2のコイル7側のイ
ンダクタンスが同じ場合には、水平偏向磁界の左右のバ
ランスは変化しない。
【0018】つぎに、ネジコア9をボビン8の中央から
軸方向に移動させた場合、例えば、第1のコイル6側に
移動させた場合は、コンバーゼンス補正コイル2および
第1のコイル6のインダクタンスは、他方のコイル3,
7のインダクタンスよりも大きくなり、この場合の水平
偏向磁界は図6のようになり、このときのコンバーゼン
スは、図7のようなパターンになる。
【0019】また、ネジコア9をコイル7側に移動させ
た場合は、コンバーゼンス補正コイル3および第2のコ
イル7のインダクタンスが、他方のコイル2,6のイン
ダクタンスよりも大きくなり、この場合の水平偏向磁界
は図8のようになり、このときのコンバーゼンスは、図
9のようなパターンとなる。
【0020】すなわち、ネジコア9の位置調整で、図1
0(a),(b)のようなコンバーゼンス特性の軸ズレ
によるミスコンバーゼンスを、偏向ヨークを微動させる
ことなく補正することができる。
【0021】なお、上記実施例では、コンバーゼンス補
正コイル2,3をトロイダルコア1に巻回した例につい
て説明したが、水平偏向磁界の左右を変化させるもので
あれば他の装置であってもよく、上記実施例と同様の効
果を奏する。
【0022】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、水平
偏向コイルの両側のX軸近傍にそれぞれ配設されている
第1,第2の補助コイルと、この第1,第2の補助コイ
ルのインダクタンスを差動的に増減させる手段とを備
え、第1,第2の補助コイルのインダクタンスを変化さ
せて左右の水平偏向磁界の強さを変えて軸ズレを補正す
るようにしたので、偏向ヨークを微動させることなく偏
向ヨークと陰極線管との軸ズレを補正できる偏向ヨーク
が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の構成を示す図である。
【図2】この実施例のコンバーゼンス補正コイル装置の
等価回路図である。
【図3】このコンバーゼンス補正コイル装置の正面図で
ある。
【図4】このコンバーゼンス補正コイル装置の側面図で
ある。
【図5】このコンバーゼンス補正コイル装置の縦断面図
である。
【図6】コンバーゼンス補正コイル装置の第1のコイル
のインダクタンスを大きくしたときの水平偏向磁界分布
図である。
【図7】図6の磁界分布時の画面上のミスコンバーゼン
スパターンを示す図である。
【図8】コンバーゼンス補正コイル装置の第2のコイル
のインダクタンスを大きくしたときの水平偏向磁界分布
図である。
【図9】図8の磁界分布時の画面上のミスコンバーゼン
スパターンを示す図である。
【図10】コンバーゼンス特性の軸ズレを説明する図で
ある。
【図11】インライン型カラー陰極線管の一部切欠き斜
視図である。
【図12】斉一磁界の偏向ヨークを用いた場合の画面上
のミスコンバーゼンスパターンを示す図である。
【図13】水平偏向糸巻形磁界と垂直偏向たる形磁界を
示す磁界分布図である。
【図14】従来の偏向ヨークの取り付け状態を示す側面
図である。
【符号の説明】
1 トロイダルコア 2,3 コンバーゼンス補正コイル 4 差動コイル 5 水平偏向コイル 6 第1のコイル 7 第2のコイル 9 ネジコア

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インライン型の電子銃を有するカラー陰
    極線管に装着される偏向ヨークであって、その水平偏向
    コイルの両側のx軸近傍にそれぞれ配設され且つ上記
    水平偏向コイルに接続されない第1、第2の補助コイル
    と、この第1、第2の補助コイルに直列に接続され上記
    第1、第2の補助コイルのインダクタンスを差動的に変
    える差動コイルとを備え、主水平偏向磁界の横方向のバ
    ランスを調整するようにしたことを特徴とする偏向ヨー
    ク。
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NL7410643A (nl) * 1974-08-08 1976-02-10 Philips Nv Afbuigeenheid voor kleurentelevisie.
JPS52122622U (ja) * 1976-03-15 1977-09-17
JPH0433238A (ja) * 1990-05-29 1992-02-04 Toshiba Corp カラー受像管装置

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