JPS5819116Y2 - 船外機の変速装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は船外機の変速装置の改良に関するものである。

更に詳細には、船外機のケース外側に延出されたチェン
ジシャフト操作で回動され、ケースに内装されたシフト
ロッドを操作し、節度を保持するシフトアームと、後進
時のスロットルレバーの規制を行う規制アームとを板材
等で一体成形してチェンジシャフトに清規自在に取り付
け、構造の簡単化、組立性の向上、部品点数の減少、整
備等のメンテナンス性の向上、更にはコストダウンに資
する船外機の変速装置に関する。

第９図はエンジンカバー２を取り外した状態の船外機１
の平面図を、第１０図はエンジンカバー２を断面とした
変速装置要部の破断側面図で、図中３はオイルケース４
に塔載された内燃機関を示す。

かかる船外機においては、チェンジレバー５は船外機の
ケース前方へ延出され、該レバー５を構成するチェンジ
シャフト６はケース内にその本体を収納し、これの先部
にはシフトロッド７を枢着したシフトアーム８が、又先
端には後退位置でキャブレター９のスロットルレバー１
００回動を規制し、スロットル制御を行う規制アーム１
１が設けられ、更に又、上記シフトアーム８の端縁には
複数の溝１２力殺げられ、板バネ１３で弾圧された転子
１４が上記溝１２・・・のものと係合し、シフトアーム
８が当該回動角位置に保持し、両者で節度保持を行って
いる。

そして、シフトアーム８のチェンジシャツ１６０回動操
作、即ちレバー５のシャフト６を支点として回動操作で
シフトアーム８は節度保持を解除して回動し、これに連
なるシフトロッド７をリフトさせ、変速操作を行う。

かかる変速装置において、後進時にはシャフト６の当該
回動位置で上記規制アーム１１がスロットルレバー１０
と対向位置にセットされ、スロットルグリップ１５を回
動させても、規制アーム１１とスロットルレバー１０の
衝合位置以上の回動を阻止し、スロットル開度の規制を
行い、後進速度を規制する。

これは後進時に速度規制を行わないと前進時と異って船
尾が偏平に構成されているため、この方向への急激な進
行や速度のアップは冠水の危険があり、これを防止すべ
（スロットル規制を行っている。

かかる船外機の変速装置において、従来ではシフトアー
ム８と規制アーム１１は夫々別体で形成し、夫々を第８
図に示す如くチェンジシャフト６の先部に溶接により固
着していたものである。

従って、部品点数が多くなり、又溶接作業を必要とし、
作業性１．製作の点で問題があり、更に又、両アーム８
．１１を溶接するため、シャフト６はパイプ材を採用す
ることができず、中実素材を用いざるを得す、これの強
度を考慮した場合、或程度径は太くなり、重量増大、コ
ストアップを招き上記と併せコストは高くならざるを得
ない。

そして又、シャフト６にアーム８．１１を固着するため
、組付、後の整備等を考慮した場合、レバー５とシャフ
ト６とは着脱自在に構成せざるを得す、この点でも構造
が複雑化し、加工、製作は面倒となり、又組付、分解時
もアームを含むシャフトはケース内部で軸方向へ抜脱、
或は挿入せざるを得す、狭いケース内でこれを行うこと
は仲々面倒、煩雑であり、作業性が悪い。

本考案者等は、船外機Ｑ変速装置の上記した問題点に鑑
み、これを解決すべく本考案を威したものである。

本考案の目的とする処は、シフトロッドを操作し、節度
を保持するシフトアームと、後進時のスロットルレバー
の規制を行う規制アームとを板材で一体成形し、これを
外部操作で回動するチェンジシャフトに着脱自在に取り
付けるようにした船外機の変速装置を提供する。

従って本考案の目的とする処は、シフトアームと規制ア
ームとを一体成形し、これをチェンジシャフトに取り付
けるため、部品点数の減少、構造）簡単化に資し、又チ
ェンジシャフトに両アームを兼ねる部材を着脱自在に取
り付けるため、チェンジシャフトをパイプ材等で形成す
ることができ軽量化に資し、上記と併せコストダウンに
も資する船外機の変速装置を提供する。

又本考案の目的とする処は、上記の如くシフトアーム、
規制アームを兼ねる部材をチェンジシャフトに着脱自在
に取り付けるため、これを取り外すことによりチェンジ
シャフトをケースに対して抜脱、或は装着することがで
き、組立性、整備性等のメンテナンス向上に資する他、
チェンジシャフトにチェンジレバーを一体化して設ける
こともでき、この点でも構造を簡単化した船外機の変速
装置を提供する。

以下に本考案の好適一実施例を添付図面に従って詳述す
る。

第１図は鋼板素材をプレス成形して形成したアーム部材
２０を示し、アーム部材２０は二股状のシフトアーム部
２１と、これと平行する如く設けられた規制アーム部３
０とを備える。

二股状のシフトアーム部２１を構成する一対の片２２．
２３は基部２４でＵ字型に折曲されて連続し、該基部２
４に近接する片２２．２３の後部には通孔２５が夫々設
げらへ且つ該孔２５は後端方向へ切欠２６されている。

そして一方の片２２は先部を扇状に形成し、これの先端
には複数の溝２γ・・・を放射状に形成するとともに、
片２２．２３の先部には夫々取付孔２Ｂを同心的に形成
する。

溝２７・・・を備えない片２３の上には側方へ連結片２
９を延出し、該連結片２９の末端部を折曲し、これを上
記規制アーム部３０の上端と連結し、該規制アーム部３
０の後端には通孔３１を上記通孔２５と同心的に形成す
る。

このアーム部材２０を第５図乃至第７図で示した。

以上のアーム部材２０は各部分を上記の如き鋼板素材で
プレス成形により一体成形する。

以上のアーム部材２０をチェンジシャフト４０の先部に
取り付けるが、チェンジシャフト４０はパイプ材等で形
成し、これの先部外周部に入部４１を形成し、又先端部
には圧潰等して係合部４２を形成し、該チェンジシャフ
ト４０の先部をアーム部２１０片２２．２３の通孔２５
を通し、規制アーム部３０の通孔３１に先端係合部４２
を挿入して保合せしめ、通孔３１は係合部４２と係合す
る如き孔形状を選択する。

このチェンジシャフト４０をアーム部材２０に嵌挿した
後、片２２．２３のＵ字型基部２４で囲まれる空間上か
らボルト３２を該空間内に挿入し、ボルト３２の下端部
をこれの下面から突出させ、ナツト３３を該ボルト３２
に螺合せしめる。

これにより基部２４内に位置するチェンジシャフト４０
の大部４１がボルト３２の外周に係合し、上記係合部４
２と通孔３１との係合と、この大部４１とボルト３２と
の係合でアーム部材２０はチェンジシャフト４０に対し
て、これと一体に回転する如く取り付けられる。

又、ボルト３２とナツト３３の螺締により基部２４は大
部２６が存するため撓み、シャツ１４００通孔２５０部
分を強固に締め付け、上記をより確実化する。

そしてナツト３３は第５図に示す如く、予じめ基部２４
の一端側に固着することにより作業上便利となる。

以上のアーム部材２０を先部に取り付けたチェンジシャ
フト４００基端部は第２図に示す如く、Ｌ型に折曲され
、この折曲基端部には把手４３を設けてチェンジレバー
４４を構成し、この部分４４が船外機のケース外部に延
出されることとなる。

チェンジシャフト４０の先部に取り付けられたアーム部
材２０のシフトアーム部２１を構成する片２２．２３の
先部間にはシフトロッド５０の上端を枢着し、シフトロ
ッド５０の上端部は片２２゜２３間に架設したビン５１
を介して揺動自在じ枢着される。

そしてシフトアーム部２１の一方の片２２の端縁に設げ
た複数の溝２７・・・と対向する位置にはスプリング５
２で常時係合方向へ弾圧された係合転子５３を設げ、該
スプリング５２は船外機の機関囲繞保持ケースであるオ
イルケースの一部に設けたボス部５４に基端を支持し、
先端部に転子５３を転勤自在に支持している。

この転子５３と溝２７の何れかとの選択的な保合により
シフトアーム部２１の当該シフト位置での保持を行い、
且つ他のシフト位置への切り換えを防止する節度装置と
して作用し、チェンジシャフト４０をレバー４３を把持
して強制的に回動することによりスプリング５２に抗し
て＠２７と転子５３との係合を解除し、他のシフト位置
に切り換えることができるように構成されている。

そして規制アーム部３０の前面にはキャブレターのスロ
ットルバルブの開度な制御するスロットルレバー６０が
設げられ、このレバー６０と規制アーム部３０はアーム
部材２０のチェンジシャフト４０操作による後進位置に
さいし、対面する如く設定されている。

即ち、シフトアーム部２１の後進位置での角度でのみ規
制アーム部３０はスロットルレバー６０と対面し、他の
位置、角度では対面しないように設定されている。

図示実施例ではスロットルレバー６０を分割シ二枚のレ
バー６１．６２の基部をピン６３で一体的に枢着し、各
レバー６１．６２の各先端部をケーブル６４．６５と連
結し、一方のケーブルを引張して一方のレバーを枢動さ
せ、これに伴って他方のレバーを枢動し、他方のケーブ
ルを引張し、キャブレターのスロットルバルブの制御を
行い得るように構成されている。

そして図示例ではレバー６１を規制アーム３０端縁と後
進位置で対面せしめ、これに第４図に示す如く前進時に
は鎖線ａ”ｃ＝示す位置迄回動し得るレバー６１を規制
アーム部３０により鎖線すの位置でこれと衝合し、これ
以上のレバー６１０回動を規制する。

即ち、後進時におけるスロットル制御を行う。

このように、プレス一体成形された規制アーム部とシフ
トアーム部とを備えるアーム部材で、上記した如く節度
をもったシフト動作と後進時のスロットル制御を行う。

以上においてアーム部材２０の取り付けは、チェンジシ
ャフトを船外機のケース外部から挿入しこれの先部にア
ーム部材２０を嵌合してネジ止めし、シフトロッドとシ
フトアーム部を枢着することにより取り付けることがで
き、又整備、修理等で上記を取り外す必要がある場合に
は、アーム部材２０とチェンジシャフト４０とを結合す
るネジを取り外すことにより両者の結合は解除され、チ
ェンジシャフトを抜脱することができる。

従って、その作業は極めて容易となる。

以上で明らかな如く本考案によれば、船外機のケース外
側に延出されたチェンジシャフトを回動操作し、ケース
に内装されたシフトアームを介してシフトロッドを操作
し、前・後進を変速するようにし、シフトロッドの後進
位置で規制アームによりスロットルレバーの開度を規制
するようにした船外機の変速装置において、上記シフト
アームとスロットルレバーの開度規制を行う規制アーム
を鋼板素材の一体成形により形成し、これをチェンジシ
ャフトに着脱自在に取り付けるようにしたため、先ず上
記アーム部分の部品点数を減少せしめ、これの構造を簡
単化することができる。

次に上記アーム部分を一体成形し、チェンジシャフトに
着脱自在にネジ止め等したため、溶着した従来手段と異
なりチェンジシャフトにパイプ材を用いることができ、
これの軽量化、チェンジシャフトのコストダウンを図る
ことができる。

又以上により二つのアーム部材を別々にチェンジシャフ
トに溶着する必要がないため変速装置におけるこの種ア
ームの製造を簡単化するとともに変速装置の組立上もチ
ェンジシャフトをケースに挿入し、上記両アーム部を備
えるアーム部材を取り付けるため、作業が容易であり、
船外機の組立作業性を向上させ、これの量産上好都合で
ある。

そして上記により整備や修理にさいし、チェンジシャフ
トを取り外す場合も、一体成形されたアーム部材をシャ
フトから取り外し、アームを抜脱することができるため
作業がし易く、メンテナンスの点でも優れるとともに、
チェンジシャフトを抜脱することができるため、操作レ
バ一部をチェンジシャフトに一体に設けることができ、
この点でもチェンジシャフト、操作レバーの構造、製作
を簡単化することができ、コストダウンに資する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図はアーム部材と
チェンジシャツ１１）分解斜視図、第２図は両者を結合
した状態の外観図、第３図はシフトアーム部と節度機構
の関係を示す側面図、第４図はアーム部材Ｑ規制アーム
とスロットルレバーとの関係及びシフトアーム部とシフ
トロッドとの関係を示す平面図、第５図乃至第７図はア
ーム部材を示し、第５図は側面図、第６図は第５図矢視
６方向の図、第７図は第６図矢視７方向の図、第８図は
従来のエンジンシャフトの外観図、第９図は船外機のエ
ンジンカバーを取り外した状態を示す平面図、第１０図
は船外機要部を示す一部破断側面図である。 尚図面中、２０はアーム部材、２１はシフトアーム部、
２７は溝部、３０は規制アーム、５０はシフトロッド、
６０はスロットルレバーである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端をシフトロッドに連結し、端縁に節度部材と係合す
   る溝部を複数設けたシフトアームと、後進時のスロット
   ルレバーの回動を規制する規制アームとを軸方向に離間
   してチェンジシャフトに固定して成る船外機の変速装置
   において、シフトアームと規制アームを板材で一体成形
   し、連結片を介してチェンジシャフトの軸方向にシフト
   アーム部と規制アーム部とを離間して形成するとともに
   、シフトアーム部を千面略Ｕ字状を成す二股状に形成し
   てＵ字型基部を構成する二板のアーム片に同心的に通孔
   を形成し、上記規制アーム部には該通孔と同心的に係合
   孔を形成し、更にチェンジシャフトの先部に該係合孔と
   係合する係合部を形成するとともに、先部寄りの外周で
   あって、上記シフトアーム部のＵ字型基部に挿入される
   部分には先部を形成し、チェンジシャフトをシフトアー
   ム部の通孔に横押して先部の係合部を規制アーム部の係
   合孔に係止し、シフトアーム部のＵ字型基部にボルトを
   縦押してチェンジシャフトの上記先部と該ボルトとを係
   合せしめてナツトを当該ボルトに締着することにより、
   チェンジシャフトに対してシフトアーム及び規制アーム
   を着脱自在に装着したことを特徴とする船外機の変速装
   置。