JPS5818515Y2 - 無機質押出成形板の取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は無機質押出成形板の取付構造に関する。

従来、セメント、石膏等を主成分とする素材を押出し成
形することにより板材を成形し、これを壁板などとして
用いることが広く行なわれている。

ところで、このようにして得られた壁板を、柱、桁など
の下地材に取付ける場合、釘等を用いると、釘打ち込み
個所を中心として、クラックを生じ、ここから雨水など
が浸入する原因となったり、また壁板自体も見苦しくな
るなどの欠点があった。

そこで、第１図に示すように、壁板Ａの上下端に嵌合部
Ｂｌ、Ｂ２を形成し、壁板Ａを接合する場合、嵌合部Ｂ
ｌ、Ｂ２のうち、突出した嵌合部Ｂ１に釘打ちし、この
上から凹入した嵌合部Ｂ２を被嵌すると共に、コーキン
グ材などの防水シールＣを介在させて、釘打ち込み部か
らの雨水の浸入等を防ぐことが行なわれているが、釘打
ち込み個所が壁板Ａの端縁部であるから、打ち込み個所
から端縁にかけて欠は落ちたりすることがあり、また、
釘打ち込み個所には多少なりともクラックの発生は避は
得ないから、防水シールＣが経年変化により劣化して、
防水性が低下すれば、やがて雨水が浸入し、壁板裏面を
湿らせてしまうこととなるといった欠点があった。

また、上述のような欠点を避けるため壁板の嵌合面の凹
凸部を利用し、この凹凸部に取付金具の先端を係合させ
、この金具の基部を柱９桁などに固定することにより壁
板に直接釘打ち込みを行なうことなく取付けることが提
案されているが、金具先端が雌雄関係をなす嵌合面間に
介入されるから、接合端面間に金具介入のための隙間が
出来、完全な水蜜の達成が阻害されるおそれがあるとい
った問題がある。

この考案は上記欠点に鑑み、無機質押出成形板を全く損
傷することなく、従って、釘打ちなどに起因するクラッ
クからの雨水の浸入といったおそれも全くなく、シかも
容易に施工出来る無機質押出成形板の取付構造を得るこ
とを目的としてなされたものであって、嵌合部を除いた
裏面適所に、軸線が略半円状に湾曲する挿入孔が穿設さ
れた壁板と、該壁板の前記挿入孔に対応する曲率に湾曲
され、前記挿入孔に着脱自圧に挿入された取付金具とか
らなり、該金具の基部を柱、桁などの下地材に固着して
構成されたことを特徴とするものである。

次に、この考案を実施例により説明する。

第２図はこの考案の実施例の要部断面図である。

この考案の無機質押出成形板の取付構造は、セメント、
石膏などを主成分とする素材を用いて押出により成形さ
れた壁板１の裏面１Ａの嵌合部を除いた位置に、軸線２
′が略半円状をなすように湾曲する挿入孔２を穿設し、
この挿入孔２に対応する曲率に先端が湾曲形成された金
具３を挿入すると共に、この金具３０基部３Ａを柱、桁
などの下地材４に釘５などを用いて固定することにより
、金具３を介して壁板１を固定するよう構成されている
。

上記した無機質押出成形板１の裏面に穿設される挿入孔
２は、板材を押出成形した際硬化する前に、適宜手段に
より穿設され、そのまま硬化させたものである。

尚、挿入孔２の断面形状は、円形状、あるいは板材１の
長さ方向に沿って巾広の長方形状とし、金具３の形状を
これに合致する断面形状とされる。

また、板材１の挿入孔２に挿入される金具３との保合状
態を良好とするために、挿入孔２の湾曲曲率Ｒ１に対し
、金具３先端の湾曲曲率Ｒ２を大きくシ、金具３の先端
が挿入孔２に沿って強制的に挿入されていくようにする
ことが望ましい。

第３図は他の実施例の断面図を示したものであって、下
地材４がコンクリート打込みにより形成された場合のも
のであって、この実施例の場合、無機質押出成形板１の
裏面１Ａに形成された挿入孔２に、金具３を挿入し、こ
れを下地材４を構成するコンクリート部材の鉄筋４Ａに
溶接し、鉄筋４Ａと板材１とを金具３を介して強固に固
定した後、この部分にコンクリート４Ｂを打ち込んで、
板材１を取付けるよう構成されている。

尚、金具３と板材１との係合状態をより良好とするため
、第４図に示すように、金具３にナツト３Ａを螺着し、
挿入孔２に挿入した金具３を、ナツト３Ａを締め付ける
ことにより固定しても良い。

また、この場合、第３図に図示したように、板材１の裏
面にあり溝状の凹溝１Ｂを形成しておくと、この部分に
コンクリート４Ｂが流入して硬化するので、下地材４と
板材１との取付けがさらに強固に行なえる利点がある。

この考案は以上述べたように、無機質押出成形板１を下
地材４に取付けるに際し、板材１の表面側から釘などを
打ち込むことなしに、板材裏面１Ａに形成された挿入孔
２に挿入された金具３を介して固定するから、板材を傷
付けるおそれが全くなく、また、嵌合凹凸部により板材
１を接合していく場合にあっても、嵌合部における水昇
り距離が嵌合長さ分だけ十分に使用出来るから、十分な
防水効果が得られると共、金具取付けも、挿入孔に沿わ
せて、金具３を約９０’前後回動させれば、係合させ得
るので作業が容易であり、また、金具３の基部の形状を
適当な形状とすることにより、第３図にも示したように
、無機質押出成形板１をコンクリート打込み用形枠パネ
ルとしても兼用し得るなど種々の実用的効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の断面図、第２図はこの考案の実施例の
要部断面図、第３図は他の実施例の断面図、第４図は第
３図の要部拡大断面図である。 １・・・・・・無機質押出成形板、ＩＡ・・・・・・裏
面、２・・・・・・挿入孔、２′・・・・・・挿入孔軸
線、３・・・・・・金具、４・・・・・・下地材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 嵌合部を除いた裏面適所に、軸線が略半円状に湾曲する
   挿入孔が穿設された壁板と、該壁板の前記挿入孔に対応
   する曲率に湾曲され、前記挿入孔に着脱自在に挿入され
   た取付金具とからなり、該金具の基部を柱、桁などの下
   地材に固着して構成したことを特徴とする無機質押出成
   形板の取付構造。