JPH085227Y2 - 竪樋取付け装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、建物の外壁に設けられて、雨水を軒先から
地表へと案内する竪樋取付け装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、この種の竪樋取付け装置は、第７図に示す如
く、建物の外壁下地（イ）に外装材（ロ）を取着して施
工し、該外装材（ロ）の上から竪樋取付け具（ハ）を取
着し、該竪樋取付け具（ハ）に竪樋（ニ）を保持せしめ
てなるものであった。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記従来の技術においては、外装材
（ロ）の表面から竪樋取付け具（ハ）及び竪樋（ニ）が
大きく突出して露出するので、邪魔になり外力によって
破損し易く、又、外観上の体裁も悪いものであり、しか
も、外装材（ロ）が一般には石綿セメント板或いは金属
板等の硬質材で形成されるものであるため、該外装材
（ロ）に竪樋取付け具（ハ）を取着し難くて樋取（ニ）
の施工が困難となるものであった。

本考案は、上記従来の技術における問題を悉く解決す
るために考案されたものであり、すなわちその課題は、
竪樋が体裁良く収納されて該竪樋は破損し難く、しか
も、建物の外壁材の表面から大きく突出することがなく
て邪魔にならず、又、竪樋を比較的容易に施工できる竪
樋取付け装置を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の竪樋取付け装置は、建物の横方向に連続した
外壁下地に竪樋取付け部を設け、該竪樋取付け部の両側
に外装材を取着して同竪樋取付け部を溝形状に形成し、
該溝形状の竪樋取付け部内に竪樋を収納保持せしめて同
竪樋取付け部の前面に後方へ開口した断面略コ状のカバ
ー材を被着し、該カバー材の表面を外装材の表面よりも
前方へ突出させてなるものであり、この構成により上記
課題が解決されたものである。

〔作用〕

本考案の竪樋取付け装置においては、両側に外装材が
取着されて溝形状に形成された竪樋取付け部内に竪樋が
収納保持され、該竪樋取付け部の前面にはカバー材が被
着されるため、竪樋が体裁良く収納されて該竪樋は破損
し難く、しかも、建物の外装材の表面から大きく突出す
ることがなくて邪魔にならず、又、竪樋を比較的容易に
施工できるものである。更には、横方向に連続した外壁
下地の一部分に外装材を取着施工しないで竪樋取付け部
を同外壁下地の適宜部分に設けることができ、竪樋が施
工されるべき部位を建物に応じて容易に設定することが
できるものであり、しかも、断面略コ状のカバー材の表
面が外装材の表面よりも前方へ突出されて、該カバー材
の後方に大きな竪樋収納スペースが形成され、薄肉の外
装材であっても竪樋が支障なく収納されるものである。

〔実施例〕

以下、本考案を、図面に示した実施例に基づいて詳細
に説明する。

第１図、第２図に示す竪樋取付け装置は、本考案の一
実施例で、建物の横方向に連続した外壁下地１に竪樋取
付け部２を設け、該竪樋取付け部２の両側に外装材３を
取着して同竪樋取付け部２を溝形状に形成し、該溝形状
の竪樋取付け部２内に竪樋４を収納保持せしめて同竪樋
取付け部２の前面に後方へ開口した断面略コ状のカバー
材５を被着し、該カバー材５の表面を外装材３の表面よ
りも前方へ突出させてなるものである。外装材３は石綿
セメント板でなり、木質材でなる外壁下地１上に横貼り
して取着施工されるものである。その際、竪樋４が施工
されるべき部位を、前記外装材３を取着施工しないで、
溝形状の竪樋取付け部２が形成されるものである。該溝
形状の竪樋取付け部２の両側面には、外装材３の端部に
よって形成される係止凹段部６が設けられている。同竪
樋取付け部２の底部を構成する外壁下地１に竪樋取付け
具７が打ち込み固定されている。この場合、竪樋取付け
部２には外装材３が施工されておらず、木質材でなる外
壁下地１に竪樋取付け具７が容易に打ち込み固定される
ため、竪樋４が比較的容易に施工されるものである。
又、竪樋取付け具７は金属製で、半円状に分割された前
片と後片とで竪樋４を挟持するものである。このよう
に、竪樋４は竪樋取付け部２内に収納保持されるもので
ある。カバー材５は、後方に開口した断面略コ状に合成
樹脂にて押出成形されるものであり、その両側後端部に
は外方へ突出した係止凸片部８が一体に形成されてい
る。該カバー材５は前記竪樋取付け部２の前面に被着さ
れ、前記係止凹段部６に係止凸片部８が係合されること
によって、着脱可能な状態に嵌合固定されるものであ
る。該カバー材５によって溝形状の竪樋取付け部２の前
面開口部分が塞がれて、その内部に収納保持される竪樋
４及び竪樋取付け具７が覆い隠されるものである。この
場合、カバー材５の前面はその両側の外装材３の表面よ
り突出してはいるが、竪樋取付け部２に外装材３が施工
されていないことにより、該外装材３の厚み寸法分だけ
後退して、竪樋４及び竪樋取付け具７が納められた状態
となっている。したがって、該実施例においては、両側
に外装材３が取着されて溝形状に形成された竪樋取付け
部２内に、竪樋４が収納されて竪樋取付け具７によって
保持されており、該竪樋取付け部２の前面にはカバー材
５が被着されているため、竪樋４及び竪樋取付け具７が
体裁良く収納されて該竪樋４及び竪樋取付け具７は破損
し難く、しかも、カバー材５の前面がその両側の外装材
３の表面から大きく突出することがなくて邪魔になら
ず、又、竪樋４を竪樋取付け具７により外装材３の存在
しない外壁下地１に取着して、比較的容易に施工できる
ものである。更には、横方向に連続した外壁下地１の一
部分に外装材３を取着施工しないで竪樋取付け部２を同
外壁下地１の適宜部分に設けることができ、竪樋４が施
工されるべき部位を建物に応じて設定することができる
ものであり、しかも、断面略コ状のカバー材５の表面が
外装材３の表面よりも前方へ突出されて、該カバー材５
の後方に大きな竪樋収納スペースが形成され、薄肉の外
装材３であっても竪樋４が支障なく収納されるものであ
る。又、該実施例においては、カバー材５が竪樋取付け
部２の前面に着脱可能な状態に嵌合固定されるものであ
るため、該カバー材５を着脱して簡単に竪樋４の取り替
え作業を行うことができるものである。

なお、本考案の竪樋取付け装置においては、第３図に
示す実施例の如きであっても良いものである。すなわ
ち、該実施例の竪樋取付け装置においては、溝形状の竪
樋取付け部２の両側面には、外装材３の端部によって形
成される係止凸起部９が設けられており、カバー材５の
両側外面には係止凹溝部10が形成されていて、該カバー
材５は前記竪樋取付け部２の前面に、係止凹溝部10が係
止凸起部９に係合されることによって、着脱可能な状態
に嵌合固定されている。又、竪樋取付け具７が竪樋取付
け部２の底部に釘11が打ち込まれることによって固定さ
れており、該竪樋取付け具７は断面角形状の竪樋４を挟
持しており、その際、竪樋４の両側壁に形成された溝部
に、竪樋取付け具７の両側先端に形成された凸起が係合
されている。

又、本考案の竪樋取付け装置においては、第４図、第
５図に示す実施例の如きであっても良いものである。す
なわち、該実施例の竪樋取付け装置においては、外装材
３が外壁下地１上に縦貼りして取着施工されている。そ
の際、竪樋４が施工されるべき部位を、前記外装材３を
取着施工しないで、溝形状の竪樋取付け部２が形成され
るものである。該溝形状の竪樋取付け部２の両側面に
は、外装材３の側端部に形成されるあいじゃくり形状の
実部12が存在しており、該実部12にカバー材５の両側端
部が係合されて、該カバー材５は竪樋取付け部２の前面
に被着されている。又、該実施例においては、カバー材
５が外装材３と同素材で形成されていて、該竪樋取付け
装置の部分がそれ程目立たず、外観の良いものであり、
又、前記係合部分には接着剤が介在されていて、カバー
材５は確実に固定されている。

又、本考案の竪樋取付け装置においては、第６図に示
す実施例の如きであっても良いものである。すなわち、
該実施例の竪樋取付け装置においては、前記実施例と同
様に、外装材３が外壁下地１上に縦貼りして取着施工さ
れており、その際、竪樋４が施工されるべき部位を、前
記外装材３を取着施工しないで、溝形状の竪樋取付け部
２が形成されるものである。該竪樋取付け部２には、前
記外装材３と両端部形状が同様に形成された補助外装材
13が、外装材３と同様に施工されるものであり、該補助
外装材13の表面には凹溝14が形成されていて、該凹溝14
内に竪樋４が収納保持されている。又、カバー材５の裏
面略中央には後方に開口した略Ｕ字状の挟持部15が一体
に突設されていて、該挟持部15に竪樋４が弾性的に嵌合
されて保持されるものである。この場合、竪樋４を予め
挟持部15に保持させた状態で、カバー材５が被着される
ものである。

〔考案の効果〕

上述の如く、本考案の竪樋取付け装置においては、両
側に外装材が取着されて溝形状に形成された竪樋取付け
部内に竪樋が収納保持され、該竪樋取付け部の前面には
カバー材が被着されるため、竪樋が体裁良く収納されて
該竪樋は破損し難く、しかも、建物の外装材の表面から
大きく突出することがなくて邪魔にならず、又、竪樋を
比較的容易に施工できるものである。更には、横方向に
連続した外壁下地の一部分に外装材を取着施工しないで
竪樋取付け部を同外壁下地の適宜部分に設けることがで
き、竪樋が施工されるべき部位を建物に応じて容易に設
定することができるものであり、しかも、断面略コ状の
カバー材の表面が外装材の表面よりも前方へ突出され
て、該カバー材の後方に大きな竪樋収納スペースが形成
され、薄肉の外装材であっても竪樋が支障なく収納され
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例である竪樋取付け装置を示す
断面図、第２図は同実施例の施工状態を示す斜視図、第
３図、第４図、第６図は各々別の実施例である竪樋取付
け装置を示す断面図、第５図は第４図に示す実施例の施
工状態を示す斜視図、第７図は本考案の従来例である竪
樋取付け装置を示す断面図である。 図において、１は外壁下地、２は竪樋取付け部、３は外
装材、４は竪樋、５はカバー材、６は係止凹段部、７は
竪樋取付け具、８は係止凸片部、９は係止凸起部、10は
係止凹溝部、11は釘、12は実部、13は補助外装材、14は
凹溝、15は挟持部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】建物の横方向に連続した外壁下地に竪樋取
   付け部を設け、該竪樋取付け部の両側に外装材を取着し
   て同竪樋取付け部を溝形状に形成し、該溝形状の竪樋取
   付け部内に竪樋を収納保持せしめて同竪樋取付け部の前
   面に後方へ開口した断面略コ状のカバー材を被着し、該
   カバー材の表面を外装材の表面よりも前方へ突出させて
   なる竪樋取付け装置。