JPS5810651Y2 - 車両の外気取入口構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は車両のカウルボックスにおける外気取入口構
造に関する。

一般にカウルボックスは外気を車室内へ導入するためダ
ッシュアッパとカウルトップとで形成され、その上面に
はルーバが配設されている。

しかしながらこのカウルボックスには外気と共に雨水等
が浸入する。

このためカウルボックス内には雨水と外気とを分離して
外気のみを車室内へ導入し、雨水等は車室内へ流入しな
いようにする装置が必要である。

従って従来は第１図及び第２図に示すようにダッシュア
ッパパネル底部１に開設された外気流入口２周縁部に筒
状のエアインテークカバー３が配設され、この外気流入
口２周縁部のフランジ部４とエアインテークカバー３と
の間には雨水５０車室内への漏出を防止するためシーリ
ング６処理が施されていると共に、ルーバ７から浸入し
た雨水５がダッシュアッパパネル底部１ではねて外気流
入口２に浸入しないよう側壁が開口してなる遮水カバー
８が被着されている。

然しなから、従来のこの種のカウルボックスの外気取入
口構造にあっては、雨天時において雨水５の車室内への
漏出を防止するために外気流入口２周縁部の７ランノ部
４とエアインテークカバー３との間にシーリング６処理
を完全とする必要があり、その作業が極めて面倒である
と共に、ルーバ１から流入する雨水５がダッシュアッパ
パネル底部１ではねて車室内へ浸入するのを防止するた
め、遮水カバー８を更に配設する必要があるため部品点
数が増加し、組付作業性が煩雑であるばかりかコスト高
となる等多くの不具合を有していた。

本考案はこのような従来の構造における問題点を解消し
たものであって、ダッシュパネル上級部に形成したカウ
ルボックスの後部縦壁に外気流入口を開設し、この外気
流入口を覆うようにクランク部を有するエアインテーク
カバーを固定した構成によりカウルボックス内に流入し
た雨水が車室内へ浸入するのを完全に防止して外気のみ
を車室内へと導入するようにしたカウルボックスにおけ
る外気取入口構造を提供しようとするものである。

以下添付図面に示す実施例に基づいて本考案を詳細に説
明する。

第３図乃至第５図に示すエアインテークカバー３は千面
略Ｈ字状に、かつ側面が略し字状に形成されている。

カウルトップ９の上方にはルーバ７が開設されたカウル
グリルが固定されており、カウルトップ９の上面には外
気導入口１０が開設されている。

そしてこのカウルトツプ９とダッシュアッパパネル１１
とによって略長方形状のカウルボックス１２が形成され
ている。

このカウルボックス１２内には、外気取入通路の折曲し
た部分すなわちクランク部１８を有するエアインテーク
カバー３がダッシュアッパパネル底部１とダッシュアッ
パパネル縦壁１３とに沿設して固定されていると共に、
エアインテークカバー３に開設されているダッシュアッ
パパネル底部１側の外気取入口１４とダッシュアッパパ
ネル縦壁１３側の外気取入口１５とはダッシュアッパパ
ネル縦壁１３に開設された外気流入口２と連通ずるエア
インテークカバーの通路１６に連通接続されている。

この場合外気流入口２の下端はエアインテークカバー３
に設けられたダッシュアッパパネル底部１側外気取入口
１４高さより上部に位置するように開設されている。

また外気取入口１４゜１５は、外気流入口に対して車幅
方向に対してオフセットした位置になるようにしている
。

したがってルーバγよりカウルボックス１２内に導入さ
れた外気はエアインテークカバー３に開設された外気取
入口１４，１５より通路１６を経てダッシュアッパパネ
ル縦壁１３に開設された外気流入口２′へと流入する一
方、雨天時等においてはカウルボックス１２内に流入し
た雨水５はダッシュアッパパネル底部１側に位置する外
気取入口１４よりエアインテークカバー３内に浸入する
が外気流入口２の下端がエアインテークカバー３に設け
られたダッシュアッパパネル底部１側外気取入口１４よ
り高所に位置し、かつエアインテークカバー３に開設さ
れたダッシュアッパパネル後部縦壁１３側の外気取入口
１５により通路１６へと雨水５が上昇せずヌ、エアイン
テークカバー３にはクランク部１８が形成されているの
で通路１６内へ流入した雨水が直接外気流入口２に流入
しないため車室内には外気のみを流入させることが出来
る。

また外気中に雨水等の粒子が含まれていても外気は一旦
ダッシュアツパパネル縦壁１３に衝突し、さらにクラン
ク部においてその流れ方向を変えるため、雨水等の粒子
は外気より完全に除去される。

第６図に示すエアインテークカバー３は千面略コ字状に
、かつ側面が略し字状に形成された他の実施例を示すも
のであり、この実施例におけるエアインテークカバー３
の取付方法並びに作用は前出の実施例と全く同様である
ので、ここではその詳細な説明を省略する。

尚、上記実施例においてはエアインテークカバー３は千
面略Ｈ字状もしくは千面略コ字状と限定して説明したが
、この両者の形状に限定するものではなく所望の形状に
形成してもよい。

従って、本考案に係るカウルボックスにおける外気取入
口構造によれば、従来外気導入と共に室内への雨水浸入
防止を目的としてエアインテークカバー、遮水カバー等
が別体として設けられていると共に、シーリングも施さ
れていたため外気流入口より雨水が車室内へ浸入する虞
れがあったが、本考案にあっては外気流入口２をカウル
ボックス後部縦壁に開設し、この外気流入口２を覆うよ
うにクランク部１８を有するエアインテークカバーを固
定したので、外気流入口に雨水が浸入するおそれはなく
、また雨水浸入防止の為の複雑な作業工程を必要とせず
部品の点数を大巾に削減することが出来、かつ組付作業
の簡略化を図ることが可能となると共に、シーリングと
いう困難な作業も不要とすることができる。

更にエアインテークカバーをカウルボックス底壁から後
部縦壁に沿設したのでカウルボックス底部の曲げ剛性及
び捩り剛性を大巾に向上することが出来るので、ハンド
ルのステアリングシャフトを保持するブラケットをボル
ト、ナツト等でダッシュアッパパネル底部に取付けた際
の強度を増加することができる等、幾多の有益なる効果
を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例のカウルボックスにおける外気取入構造
を示す断面図、第２図は従来例のカウルボックスにおけ
る外気取入口構造の配設位置を示す第１図■−■線に沿
う断面図、第３図は本考案に係るエアインテークカバー
を示す平面図、第４図は本考案に係るエアインテークカ
バーの取付位置を示す平面図、第５図は本考案のカウル
ボックスにおける外気取入口構造の配設位置を示す第４
図Ｖ−Ｖ線に沿う断面図、第６図は本考案に係るエアイ
ンテークカバーの変形例を示す平面図である。 １・・・ダッシュアッパパネル底部、２・・・外気流入
口、３・・・エアインテークカバー、５・・・ｔｉ水、
９・・・カウルトップ、１０・・・外気導入口、１１・
・・ダッシュアッパパネル、１２・・・カウルボックス
、１３・・・ダッシュアッパパネル縦壁、１４・・・外
気取入口。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）カウルボックスの後部縦壁に外気流入口を開設し
   、この外気流入口を覆いかつカウルボックスとの間に外
   気取入通路を形成するエアインテークカバーを設け、上
   記外気取入通路を折曲させこの外気取入通路端の外気取
   入口を上記外気流入口に対して車幅方向にオフセットさ
   せたことを特徴とする車両の外気取入構造。
2. （２） エアインテークカバーは、カウルボックスの
   底壁から後部縦壁に沿って固定されていることを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項記載の車両の外気取
   入構造。