JPH1199651A - 液体吐出方法及び液体吐出装置 - Google Patents

液体吐出方法及び液体吐出装置

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JPH1199651A
JPH1199651A JP10190437A JP19043798A JPH1199651A JP H1199651 A JPH1199651 A JP H1199651A JP 10190437 A JP10190437 A JP 10190437A JP 19043798 A JP19043798 A JP 19043798A JP H1199651 A JPH1199651 A JP H1199651A
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discharge
droplet
ejection
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Yoichi Tanetani
陽一 種谷
Hiroyuki Ishinaga
博之 石永
Hiroyuki Sugiyama
裕之 杉山
Toshio Kashino
俊雄 樫野
Tomoyuki Kaneda
智之 金田
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Canon Inc
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット記録などにおいて2つのイン
ク滴を飛翔中に衝突・合体させることで階調記録などを
可能とする場合に、吐出速度の揺らぎがあっても安定し
てインク滴を合体させ、着弾位置のずれを小さくする。 【解決手段】 第1の吐出口4から第1の吐出速度v1
で第1の液滴を吐出するのに先立って、第2の吐出口5
から第1の吐出速度v1よりも小さな第2の吐出速度v2
で第2の液滴を吐出し、対象物19に各液滴が着弾する
前に、第1の液滴と第2の液滴とを衝突させて合体させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エネルギー発生素
子を用いて液体を吐出する液体吐出方法及び液体吐出装
置に関し、より具体的には熱エネルギーを液体に作用さ
せることによって生じる気泡の作用によって所望の液体
を吐出する液体吐出方法及び液体吐出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】記録信号に応じて熱等のエネルギーをパ
ルス状にインクに与えることで、インクに急峻な体積変
化(気泡の発生)を伴う状態変化を生じさせ、この状態
変化に基づく作用力によって吐出口からインクを吐出
し、これを被記録媒体上に付着させて画像形成を行なう
インクジェット記録方法、いわゆるバブルジェット記録
方法が従来より知られている。このバブルジェット記録
方法を用いる記録装置には、特公昭61−59911号
公報や特公昭61−59914号公報、米国特許第4,
723,129号明細書等の公報に開示されているよう
に、インクを吐出するための吐出口と、この吐出口に連
通するインク流路と、インク流路内に配されたインクを
吐出するためのエネルギー発生手段としての発熱体(電
気熱変換体)が、一般的に配されている。
【0003】このような記録方法によれば、品位の高い
画像を高速、低騒音で記録することができるとともに、
この記録方法を行うヘッドではインクを吐出するための
吐出口を高密度に配置することができるため、小型の装
置で高解像度の記録画像、さらにカラー画像をも容易に
得ることができるという多くの優れた点を有している。
このため、このバブルジェット記録方法は、近年、プリ
ンター、複写機、ファクシミリ等の多くのオフィス機器
に利用されており、さらに、捺染装置等の産業用システ
ムにまで利用されるようになってきている。
【0004】しかしながら、インクジェット記録方法で
は、1画素分として吐出されるインク液滴の体積が通常
の場合はほぼ一定であるため、階調記録を行うためには
特別の工夫が必要となる。そこで、例えば特開平8−2
30215号公報には、インク液と希釈液とを混合吐出
して被印刷物に印字し、階調記録が行えるようにしたイ
ンクジェット記録ヘッドが開示されている。
【0005】しかし、上述した特開平8−230215
号公報に開示のインクジェット記録ヘッドの場合、各吐
出口から吐出されるインク滴の吐出速度が不変であるこ
とを前提にしており、実際には吐出速度が揺らいでしま
う現実のインクジェット記録ヘッドにおいていかに確実
にインク滴を衝突させるかについては、上記公報にはな
んら記載されていない。また、階調記録を実現するため
には、2種類のインク滴を衝突させることもあれば衝突
させないこともあるが、これら2通りの場合において被
記録媒体におけるインク滴の着弾位置が大きくずれてし
まっては高画質が得られないのもかかわらず、上記公報
にはこの点についても技術開示がなされていない。
【0006】以上、階調記録を行う場合についての従来
のインクジェット記録方法の有する課題を説明したが、
2種類の液滴を吐出し、被印刷物などの対象物に着弾す
る前にこれら2種類の液滴を混合させることは、階調記
録を行う場合に限定されるものではない。
【0007】例えば、A+B→Cという反応による生成
物Cが対象物に付着することによってC’に変化するも
のとし、このC’によるパターンを選択的に対象物上に
付着・形成したい場合に、生成物C自体は不安定な物質
であることがある。このような場合において、Aを含む
第1の液滴とBを含む液滴とを別々の吐出口から吐出
し、対象物までの飛翔中に両液滴を衝突させることによ
ってAとBとを反応させてCを生成し、その直後にCを
含む液滴が対象物に着弾してC’に変化するような構成
を採用することは、C’によるパターンの位置精度など
の観点から、好ましいものであるが、この場合にも、上
述した課題が解決すべきものとして残されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、別々
の吐出口から吐出された液滴が対象物に着弾するまで
に、相互に作用するようにこれら液滴を接触あるいは衝
突させる場合において、吐出速度の揺らぎがあっても実
用上支障のない範囲で液滴を接触あるいは衝突させるこ
とができ、かつ、着弾位置のずれの少ない液体吐出方法
と、この液体吐出方法による液体吐出装置とを提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、本発明の液体吐出方法は、第1の吐出口と、前記
第1の吐出口ごとに設けられ前記第1の吐出口に連通す
る第1の液流路と、前記第1の吐出口から液滴を発生す
るためのエネルギーを発生する第1のエネルギー発生素
子と、第2の吐出口と、前記第2の吐出口ごとに設けら
れ前記第2の吐出口に連通する第2の液流路と、前記第
2の吐出口から液滴を発生するためのエネルギーを発生
する第2のエネルギー発生素子とを有する液体吐出ヘッ
ドにおける液体吐出方法において、前記第1の吐出口か
ら第1の吐出速度v1で第1の液滴を吐出するのに先立っ
て、前記第2の吐出口から前記第1の吐出速度よりも小
さな第2の吐出速度v2で第2の液滴を吐出し、対象物に
前記各液滴が着弾する前に、前記第1の液滴と前記第2
の液滴とを衝突させて合体させることを特徴とする。
【0010】また、本発明の液体吐出装置は、第1の吐
出口と、前記第1の吐出口ごとに設けられ前記第1の吐
出口に連通する第1の液流路と、前記第1の吐出口から
液滴を発生するためのエネルギーを発生する第1のエネ
ルギー発生素子と、第2の吐出口と、前記第2の吐出口
ごとに設けられ前記第2の吐出口に連通する第2の液流
路と、前記第2の吐出口から液滴を発生するためのエネ
ルギーを発生する第2のエネルギー発生素子を有する液
体吐出ヘッドと、前記第1のエネルギー発生素子及び前
記第2のエネルギー発生素子を駆動する駆動回路とを有
し、前記第1の吐出口から第1の吐出速度で第1の液滴
を吐出するのに先立って、前記第2の吐出口から前記第
1の吐出速度よりも小さな第2の吐出速度で第2の液滴
を吐出し、対象物に前記各液滴が着弾する前に、前記第
1の液滴と前記第2の液滴とが衝突して合体することを
特徴とする。
【0011】上述の液体吐出方法及び液体吐出装置によ
れば、第2の液滴の吐出速度より第1の液滴の吐出速度
を大きく設定しているので、上述の課題を解決する液体
吐出方法及び液体吐出装置を提供することができる。
【0012】上述した液体吐出方法、液体吐出装置単独
でも、上記課題を解決するものではあるが、詳細は後述
する以下の条件の一つ、或いは複数を満たすことは、よ
り好ましい。
【0013】L1を第1の吐出口の中心と第2の吐出口
の中心との距離、r1,r2をそれぞれ第1及び第2の吐
出口から吐出されたインク滴の半径、θ1,θ2を(0°
≦θ 1<θ2<90°)それぞれ吐出口面に対する垂線と
第1及び第2の吐出口の中心軸とがなす角とした時、前
記第1の液滴と前記第2の液滴との吐出時間の差δT
が、次の条件を満たすように制御すること。ただし、m
ax(a,b)はaとbの最大値を与える関数である。
【0014】
【数3】 前記第1の吐出口の中心軸と前記第2の吐出口の中心軸
とが、前記液体吐出ヘッドと前記対象物との間の1点で
交差するとともに、該交点において前記第1の液滴と第
2の液滴の中心が一致するように前記第1の吐出速度及
び第2の吐出速度に基づいて前記第1の液滴及び前記第
2の液滴の吐出タイミングを制御すること。
【0015】合体後の液滴の前記対象物への着弾位置
が、第1の液滴単独での該対象物への着弾位置と、第2
の液滴単独での該対象物への着弾位置との間に位置する
こと。
【0016】前記対象物上への画像記録に用いられ、合
体後の液滴の前記対象物への着弾位置と、第1の液滴単
独での該対象物への着弾位置と、第2の液滴単独での該
対象物への着弾位置と、のうちの任意の2つの着弾位置
の差が、出力する画像での画素密度のドットピッチ以下
の範囲であること。より好ましくはドットピッチの半分
以下であり、さらに好ましくは1/3以下である。
【0017】前記第1の液滴の質量が前記第2の液滴の
質量より大きいこと。
【0018】前記第1の吐出速度v1と前記第2の吐出
速度v2とが、v1/v2>1.10を満たすこと。
【0019】上述した各発明において、第1の液流路に
供給される液体と第2の液流路に供給される液体は、一
般的には相互に異なる液体であり、例えば、相互に色材
濃度が異なるインクであり、また、相互に色材の種類が
異なるインクである。
【0020】さらに上記各発明において、液体吐出ヘッ
ドは、複数の第1の吐出口と、各第1の吐出口にそれぞ
れ対応した複数の第2の吐出口を有するものであること
が好ましい。エネルギー発生素子としては、液体に気泡
を発生させ、気泡の作用力で液滴を吐出させる気泡発生
素子を好ましく使用できる。気泡発生素子としては、液
体に熱を加えて気泡を発生させる発熱体を好ましく使用
できる。発熱体としては、電気熱変換体を好ましく使用
できる。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。
【0022】まず、本発明の実施の一形態の液体吐出方
法が適用される液体吐出ヘッドについて、図1及び図2
を用いて説明する。図1は本発明の実施の一形態の液体
吐出方法が適用される液体吐出ヘッドを示す図であっ
て、(a)は流路方向に沿った側面断面図であり、
(b)は上面からの透視断面図である。また図2(a)
は、この液体吐出ヘッドのオリフィス面の一領域を示す
正面図である。ここでは、インクジェット記録に用いる
インクジェット記録ヘッドとして、液体吐出ヘッドを用
いるものとして説明する。もちろん、この液体吐出ヘッ
ドは、インクジェット記録以外の用途にも使用できるも
のである。
【0023】素子基板1の表面に、液体に気泡を発生さ
せるための熱エネルギーを与える第1の発熱体2及び第
2の発熱体3が、流路の形成方向に沿って配設されてい
る。素子基板1の辺のうち、オリフィス面(後述する吐
出口4,5が設けられる面)側の辺から遠い側に第1の
発熱体2が形成され、近い側に第2の発熱体3が形成さ
れている。この実施形態では発熱体2,3は、等価回路
が電気抵抗で表される電気熱変換体である。また、素子
基板1上に、第2の吐出口5に連通した第2の液流路7
が設けられ、この液流路7の上部に、第1の吐出口4に
連通した第1の液流路6が設けられている。オリフィス
面において、第1の吐出口4と第2の吐出口5は、第1
の吐出口4が上側になるように、上下に配置している。
第1の液流路6は、例えば、ドライフィルム、ニッケ
ル、あるいはポリサルフォン等の樹脂などで形成され、
第2の液流路7は、ドライフィルムあるいはニッケルな
どで形成されている。
【0024】図1(b)に示す補正抵抗21は、第1の
発熱体2と第2の発熱体3の各々の発熱体が同様の駆動
条件で適正な発泡を得るために、第2の発熱体3と直列
に接続して設けられている。また補正抵抗21は、単位
面積当たりの発熱を抑えるために、所定抵抗値を大きく
するとより好ましい。
【0025】そして、第1の液流路6に第1の発熱体2
のみが配され、第2の液流路7には第2の発熱体3のみ
が配されるように、第1の液流路6と第2の液流路7と
の間には、分離板8Aと分離壁8Bが介在している。上
述したように、この液体吐出ヘッドでは、第1の液流路
6と第2の液流路7とが2階建て構成となっており、1
階部分(第2の液流路7)と2階部分(第1の液流路
6)とが分離板8Aで分離していることになる。しかし
ながら、第1の液流路6に対応する第1の発熱体2が素
子基板1の表面に形成されていることにより、第1の発
熱体2の部分では、1階部分と2階部分との間に分離板
が存在しない吹き抜け構造となっている。その代わり、
この吹き抜け構造の1階部分の側面には分離壁8Bを配
し、第2の液流路7が第1の発熱体2の領域を避けて迂
回するようにして、第1の液流路6と第2の液流路7と
の分離を図っている。
【0026】図1(a),(b)において、第1の液流
路6の液体の流れが矢印F1で、第2の液流路7の液体
の流れが矢印F2で示されている。第1の液流路6の液
体は、第1の液流路6の後方(第1の吐出口4と反対
側)から流れ込み、第1の発熱体2の表面を通り、最終
的には第1の吐出口4から吐出される。第2の液流路7
の液体は、第2の液流路7の後方から流れ込み、第1の
発熱体2の周りを囲んでいる分離壁8Bの側面を流れ、
最終的には第2の吐出口5から吐出される。このよう
に、第1の吐出口4に連通する第1の液流路6と、第2
の吐出口5に連通する第2の液流路7とが分離板8A及
び分離壁8Bによってそれぞれ独立しているため、第1
の液流路6と第2の液流路7の間のクロストークを防止
でき、吐出前にこれら2つの液流路6,7の液体が混合
することを防止できる。さらに、第2の液流路7を流れ
る液体は、分離壁8Bの側面を流れ、第2の発熱体3上
に達するため、第2の発熱体3の蓄熱を防止するのみで
なく、分離壁8Bを介して第1の発熱体2の蓄熱防止の
効果も合わせ持つ。これにより、高周波数駆動時の昇温
を低減できる。
【0027】以上のように構成することにより、各液流
路内に形成されているヒーターサイズ、ヒーター配置位
置、吐出口形状、吐出口面積を最適化することにより、
第1の吐出口4および第2の吐出口5から吐出される液
滴の吐出量、吐出方向(吐出口の中心軸方向)、吐出速
度が安定した液体吐出ヘッドが実現する。特に本実施形
態の液体吐出ヘッドでは、第1の吐出口4の中心軸と第
2の吐出口5の中心軸とが、この液体吐出ヘッドに対向
することとなる被印刷物などの対象物よりもこの液体吐
出ヘッド側の1点で交差するように構成されている。こ
のように中心軸を交差させるのは、第1の吐出口4から
吐出した液滴と第2の吐出口5から吐出した液滴とが飛
翔中に、すなわち対象物に着弾する前に、確実に接触あ
るいは衝突して両液滴が混合するようにするためであ
る。もっとも、各液滴はそれぞれ半径を有し、また真球
とみなせる形状を有するので、両吐出口4,5の中心軸
が例えばねじれの位置にあるような構成としても、中心
軸間の最短距離が両方の液滴の半径の和よりも小さけれ
ば、両液滴を衝突させることができ、そのような構成も
本発明の範疇に含まれるものである。
【0028】さらに本実施形態の液体吐出ヘッドは、図
2(a)に示すように、上述したような第1の液流路6
及び第2の液流路7の組を素子基板1上に横方向に複数
組配置し、オリフィス面には第1の吐出口4と第2の吐
出口5がそれぞれ複数個横方向に配置した構成となって
いる。したがって、素子基板1の表面には、この組の数
に応じて、複数の第1の発熱体2と、第1の発熱体2と
同数の第2の発熱体3が配設されている。この場合、各
第1の液流路6に液体を供給するために複数の第1の液
流路6に共通に連通する第1の共通液室(図12の符号
42)が設けられ、同様に、各第2の液流路7に液体を
供給するために複数の第2の液流路7に共通に連通する
第2の共通液室(図12の符号45)が設けられる。
【0029】図2(b)は素子基板1の発熱体周辺の一
部分の上面図である。複数の第1の発熱体2と、複数の
第2の発熱体3と、第1の発熱体2の各々に接続されて
いる配線10A,10Bと、複数の第2の発熱体3の各
々に接続されている配線11A,11Bとが同一の素子
基板1上に形成されている。本実施形態の液体吐出ヘッ
ドは、第1の発熱体2と第2の発熱体3のそれぞれに個
別の基板を用いるものでないため、製造工程が複雑にな
らず、その結果、歩留り、コストダウンが実現する。ま
た図2(b)では、上述した図1(b)のようには、第
2の発熱体3に対する補正抵抗を用いていない。この形
態では、駆動条件を変更する場合、電圧やパルス幅の条
件設定により行うとよい。
【0030】次に、上述の液体吐出ヘッドに好適に利用
可能な、時間差を有して第1の発熱体2及び第2の発熱
体3を駆動するための回路構成の一例について説明す
る。図3は、第1の発熱体2及び第2の発熱体3への駆
動パルスを発生する回路の一例を示す回路図である。図
において、各発熱体2,3及び補正抵抗21は、それぞ
れ、電気抵抗として示されており、各発熱体2,3の一
端は電源VMの正極に接続し、他端はnpnトランジス
タQ1,Q2のコレクタにそれぞれ接続している。トラ
ンジスタQ1,Q2のエミッタは電源VMの負極に接続
している。また、直列に接続した2つのシフトレジスタ
(S/R)51,52と、一方のシフトレジスタ51の
出力と駆動パルスP1との論理積を求めてトランジスタ
Q1のベースに出力するANDゲート53と、他方のシ
フトレジスタ52の出力と駆動パルスP2との論理積を
求めてトランジスタQ2のベースに出力するANDゲー
ト54とが設けられている。シフトレジスタ51,52
は、シリアルデータを展開して各発熱体2,3それぞれ
にデータを送出するものである。
【0031】駆動パルスP1,P2のタイミングは図4
に示す通りであり、駆動パルスP1は駆動パルスP2に
比べてδTだけ遅れている。駆動パルスP1,P2をA
NDゲート53,54に入力すると、シフトレジスタ5
1,52からのデータ応じて、各発熱体2,3に電源V
Mからの電流を供給するためのトランジスタ(スイッチ
ング素子)Q1,Q2がオン状態となる。ここで、駆動
パルスP1,P2間に上述のような時間差があるため、
各発熱体2,3も時間差を有して駆動される。
【0032】次に、上述の液体吐出ヘッド及び駆動回路
を利用した、本発明の液体吐出方法について、図5及び
図6を用いて説明する。図5は、図1に示す実施の形態
の一例を、いかに述べる座標軸を基準に模式的に示した
説明図である。
【0033】以下の説明において、液体吐出ヘッドには
第1の吐出口4と第2の吐出口5がそれぞれ複数設けら
れているが、オリフィス面において上下方向に並ぶ第1
の吐出口4と第2の吐出口5が1つずつで組をなし、同
じ組に属する第1の吐出口4と第2の吐出口5からの液
滴が飛翔中に衝突して混合するように構成し、異なる組
間では液滴の衝突は起こらないようにした。従って、図
5において、第1の吐出口4、第2の吐出口5とあるの
は、オリフィス面において上下に配置して同じ組に属す
ることとなった第1の吐出口4や第2の吐出口5を指す
ものとする。
【0034】また、第1の吐出口4のオリフィス面位置
での中心を原点(0,0)とし、第1の吐出口4の中心
軸をY軸とし、Y軸に垂直で第2の吐出口5の中心軸と
交差する軸をX軸とする。吐出口面に対する垂線と、第
1の吐出口4の中心軸及び第2の吐出口5の中心軸とが
なす角をそれぞれθ1,θ2、第1の吐出口4から吐出さ
れたインク滴の半径をr1、第2の吐出口5から吐出さ
れたインク滴の半径をr2とする。すなわち、X軸はオ
リフィス面での上下方向の軸に相当し、Y軸は、第1の
吐出口4から被印刷物などの対象物に向かう軸である。
【0035】なお、図5において、オリフィス面と対象
物19とは平行になっている。従って、θ1,θ2は対象
物の着弾位置における垂線と、第1の吐出口4の中心軸
及び第2の吐出口5の中心軸とがなす角でもある。ま
た、θ1,θ2は、−90°<θ 1,θ2<90°の範囲を
とることができるが、以下の各式においては、図面によ
る理解を容易にするために0°≦θ1<θ2<90°の範
囲での検討を行なった。
【0036】以上のような条件下で、第1、第2の吐出
口の中心間距離(吐出口間距離)をL1、ヘッドと対象
物間の距離をh1とすると、第1の吐出口の中心軸と対
象物の交点Qと、第2の吐出口の中心軸と対象物との交
点Rとの距離ΔL(着弾位置ずれ)は、以下の式で表さ
れる。
【0037】
【数4】 ここで、特に画像などの階調記録等を行なう場合には、
第1及び第2の吐出口からそれぞれ単独で対象物に着弾
させることがある。このため、上述したΔLは、画像の
処理方法にもよるが、所望の画素密度におけるドットピ
ッチ以下、好ましくは1/2以下、さらに好ましくは1
/3以下にすることが望ましい。
【0038】なお、実際に吐出される液滴は、その中心
が吐出口の中心軸とずれる場合があるが、0°≦θ1
θ2<90°の範囲では、吐出速度が第2の吐出口から
吐出される液滴に対して速い第1の吐出口から吐出され
る液滴が、吐出口の中心軸とずれる場合のずれの影響
を、θ1>θ2の場合に比べて小さくできる利点がある。
このため、後述するように、第1の液滴の運動量が第2
の液滴の運動量より大きい場合には、合体した液滴の着
弾位置のずれをより一層少なくすることができるので望
ましい。また、θ1とθ2との角度差が90°未満である
ので、それぞれの吐出口から吐出される実際の液滴が吐
出口の中心軸とずれる場合のΔLのばらつきを、θ1
θ2との角度差が90°以上の範囲をとる場合に比べて
小さくすることができるので望ましい。
【0039】さて、2つの液滴を確実に合体させるため
には、ヘッドと対象物との間で、第1の液滴と第2の液
滴とが、交差領域を有していることが望ましい。
【0040】ここで、図5においては、概略説明図であ
るため同じ大きさに描かれているが、圧電素子により液
滴を吐出させたり、電気熱変換体により液体に気泡を発
生させることで液滴を吐出させる場合には、一般的に
は、吐出口から吐出された液滴の径は、吐出口径より大
きくなる。従って、このような場合には、それぞれの吐
出口の中心軸上の投影面同士がヘッドと対象物との間で
交差領域を有するようにすれば、液滴の吐出方向及び吐
出速度の多少のばらつきにも対処することができる。
【0041】さらに液滴の吐出方向及び吐出速度のばら
つきに対処するためには、図5に示すように、2つの吐
出口の中心軸が、ヘッドと対象物との間で1点で交差す
ることが望ましい。図5において、2つの吐出口の中心
軸が1点Pで交差するためには、以下の式を満たす必要
がある。
【0042】
【数5】 この場合、2つの液滴が合体することにより生じる液滴
の対象物19への着弾位置は、吐出方向のばらつきを考
慮しなければ、2つの液滴の大きさ、吐出速度によら
ず、QとRを結ぶ線分上に位置する(図6(c)のS参
照)。従って、第1の液滴単独の場合の着弾位置及び第
2の液滴単独の着弾位置と合体した液滴の着弾位置の差
は、それぞれΔLより小さくなる。そのため、ΔLが所
望の画素密度におけるドットピッチ以下であれば、第1
の液滴単独の場合の着弾位置及び第2の液滴単独の着弾
位置と合体した液滴の着弾位置の差は、ドットピッチよ
り小さくなるので、高精度な階調記録を行うことができ
る。
【0043】なお、通常の液体吐出記録分野の範囲で
は、対象物の所望の位置に精度よく着弾させるためには
上述の式(1)において用いられるL1及びh1にそれぞれ
好適な範囲が存在する。
【0044】すなわち、ヘッドと対象物との間の距離h
1については、0.2mm未満の領域では対象物が特に
紙などの場合には、コックリングの発生によりヘッドと
対象物とが接触する場合があること、3mmより大きい
領域では液滴の吐出方向のばらつきの影響が大きくなる
ことを考慮すると、0.2mm以上3mm以下の範囲で
あることが望ましい。
【0045】一方、2つの吐出口間の距離L1について
は、小さい方がθ1に対してθ2を大きくする必要がない
ので好ましいが、ヘッドの製造上の条件から電気熱変換
体を利用するヘッドの場合には、15μm未満のヘッド
を作成するのが難しい(ピエゾ素子などの圧電素子を利
用する場合には、0.5mm未満のヘッドを作成するこ
とは難しい)。そして、3mmより大きくすると上述の
1の範囲ではθ1に対してθ2を大きくする必要が生
じ、液滴の吐出方向のばらつきの影響が大きくなること
を考慮すると、15μm以上3mm以下の範囲であるこ
とが望ましい。なお、液滴を吐出させるための手段とし
ては、ピエゾ素子などの圧電素子を利用するより、電気
熱変換体を利用する方がL1を小さくすることができ、
液滴の吐出方向のばらつきの影響を小さくすることがで
きるので望ましい。
【0046】次に、2つの液滴の合体について、図6を
用いて説明する。図6(a)〜(d)は、図5に示す説
明図において、2つの液滴が合体する時の様子を時系列
的に示したものである。以下の説明で、図5と共通する
部分には同一の符号を用いる。
【0047】まず、図6(a)に示すように、第1の吐
出口から液滴を吐出するのに先立って、第2の吐出口か
ら吐出速度v2で半径r2の第2の液滴を吐出する。そ
して、前述した駆動回路等を用いることで、図6(b)
に示すように第2の吐出口から液滴を吐出速度v2で吐
出後δTだけ時間をずらして、第1の吐出口から吐出速
度v1(v1>v2)で半径r1の液滴を吐出する。す
ると、図6(c)に示すように、2つの液滴は、その軌
跡の交差領域上で合体し、合体後に半径r3、速度v3
(v1<v3<v2)となった略球状の液滴は、図6
(d)に示すように、その中心が直線QR上の点Sで対
象物19と交差するように移動する。
【0048】本発明では、2つの吐出口から吐出される
液滴について、時間差δTを設け、後から吐出される液
体の吐出速度を速くしている。従って、δTを適切に定
めることにより、同時に液滴を吐出させる場合に比べ
て、2つの液滴を合体させるための2つの吐出口から吐
出される液滴の速度の条件が緩くなり、吐出される液滴
の多少の速度のばらつきを許容しうる液体吐出装置、及
び吐出方法を提供することができる。
【0049】さらに、後から吐出される第1の液滴の速
度を大きくすることで、第1の液滴の運動量を第2の液
滴の運動量に対して増大させることができ、その結果、
合体後の液滴の対象物への着弾位置Sを、第1の液滴単
独で対象物に着弾させた時の着弾位置Qに近づけること
ができる。このとき、第1の液滴の吐出量(質量)w1
を第2の液滴の吐出量w2より大きくすると、第1の液
滴の運動量を第2の液滴の運動量に対してより大きくす
ることができるので、望ましい。この場合、それぞれの
液滴の吐出速度及び吐出方向のばらつきによる、合体し
た液滴の着弾位置の所定の位置からのずれは、第1の液
滴の吐出速度及び吐出方向のばらつきの影響が大きくな
る。
【0050】本発明において、v1,v2に応じて適切
なδTを求めることは重要である。このδTの範囲は、
それぞれの液滴の中心位置をt及びδTを用いて表現
し、液滴の中心間の距離が2つの液滴の半径の和より小
さくなるためのtが存在するためのδTの条件を求める
ことで定められる。このδTの範囲を図5のh1,L1
θ1,θ2を用いると、
【0051】
【数6】 で表される。ここで、r1,r2はそれぞれ第1、第2の
液滴の半径である。
【0052】式(3)で表されるδTの最小値及び最大値
は、v1,v2により定められる2つの液滴の交差可能
領域(2つの液滴の軌跡の交差領域の部分集合をなす)
のうち、それぞれ対象物から最も遠い領域、最も近い領
域で接触するための吐出時間差で表される。
【0053】ここで、2つの液滴が、図5に示す点P
を、それぞれの液滴が同じ時間に通過するように第1及
び第2の液滴の吐出速度v1,v2に基づいて、δTを
定めると、それぞれの液滴の吐出速度、及び吐出方向の
ばらつきにより合体できなくなる液滴を最小限に食い止
め、多くの場合について確実に2つの液滴を合体させる
ことができるので望ましい。この時のδTは、図5より
1,θ1,θ2,v1,v2を用いると、
【0054】
【数7】 で表される。
【0055】さて、上述の液体吐出方法において、液滴
の吐出速度をvと定めた時に、実際には吐出口から吐出
される液体の吐出速度には多少のばらつきが生じること
がある。具体的には、電気熱変換体により液体に気泡を
発生させることで液滴を吐出させる場合、所定の速度に
対して±5%の範囲では全吐出液滴の80%程度が含ま
れる。従って、吐出速度の遅い第2の液滴が5%速度が
速く、逆に吐出速度の速い第1の液滴が5%速度が遅い
時でも、第2の液滴より第1の液滴の方が実際の吐出速
度が大きいこと、すなわち、
【0056】
【数8】 を満たすことが望ましい。
【0057】また、所定の速度に対して±10%の範囲
では全吐出液滴の98%程度が含まれるので、吐出速度
の遅い第2の液滴が10%速度が速く、逆に吐出速度の
速い第1の液滴が10%速度が遅い時でも、第2の液滴
より第1の液滴の方が実際の吐出速度が大きいこと、す
なわち、
【0058】
【数9】 を満たすことはより望ましい。
【0059】一方、上述の式(5),(6)は2つの液滴の速
度の比に関する条件を与えるものであるが、速度そのも
のにも上限及び下限が存在する。すなわち、吐出速度が
あまり低すぎると安定性が低下すること、また、あまり
高すぎると紙面などの対象物に着弾した液滴が跳ね返る
などして画質等を低下させてしまう要因ともなってしま
うこと、を考慮すると、v1,v2は、 5m/sec.<v2<v1<22m/sec.??(7) を満たすことが望ましい。
【0060】さらに、実際に精度よく液体吐出を行なわ
せるためには、前述の(1)の式で表されるΔLに対する
条件から、h1,L1,θ1,θ2に制限がある。この制限
を考慮した上で、吐出タイミングを(4)式で与えた時
に、2つの液滴がそれぞれ同じ(例えば、5%,10
%)速度ばらつきαを有していても、確実に液滴を合体
させるための条件は、それぞれの液滴の中心位置をtを
用いて表現し、速度ばらつきをを考慮した時の、液滴の
中心間の距離が2つの液滴の半径の和より小さくなるた
めのtが存在するための条件を求めることで定められ
る。この条件はv1とv2との比で、
【0061】
【数10】 という形に表される。ここで、f(θi,ri,L1
α)は、r1,r2が大きく、θ1,θ2の角度差が大き
く、L1が小さく、そして速度ばらつきαが小さいほど
小さな値になる。
【0062】そこで、吐出口間距離L1=15μm、第
1及び第2の液滴をそれぞれ80plとした時のΔLに
対する諸条件を満たす範囲内でのfの最小値を求めたと
ころ、θ1=0°,θ=5.7°の時最小値をとるこ
とが分かり、その値は、速度ばらつきが5%の時f≒
1.56、速度ばらつきが10%の時f≒1.91、と
なった。
【0063】従って、より実用的な範囲としては、全吐
出液滴の80%程度について速度ばらつきを考慮しても
確実に液滴を合体させるためのv1とv2の範囲は、式
(7)、かつ、
【0064】
【数11】 を満たすこと、また、全吐出液滴の98%程度について
速度ばらつきを考慮しても確実に液滴を合体させるため
のv1とv2の範囲は、式(7)、かつ、
【0065】
【数12】 を満たすこと、がそれぞれ望ましい。
【0066】以上の点を考慮した上で、それぞれの吐出
速度の範囲としては、低い側は5〜11m/secが好
ましく、高い側は8〜22m/secが好ましい。
【0067】以上の説明では、第1の吐出口から2つの
液滴の合体地点までの距離が、第2の吐出口から2つの
液滴の合体地点までの距離に比べて短い場合、すなわち
θ1<θ2の場合について説明したが、逆の場合、すなわ
ち第1の吐出口から2つの液滴の合体地点までの距離の
方が長い場合(θ1>θ2)についても、それぞれの条件
式は、それぞれ上記式とは異なる形で、θ,vの関数で
与えられる。ただし、この場合には、前述の場合に比べ
v1/v2をより大きくする必要がある。
【0068】また、上述の説明では、2つの吐出口の中
心軸が1平面をなすことができるとともに、吐出口面と
対象物とが平行であるとして説明しているが、上述の説
明の前提となるこれらの幾何学的条件については、いず
れもヘッドや記録装置の製造上や装着時のばらつき等に
よる僅かなずれを、本発明では許容しうるものである。
【0069】次に、上述の図5及び図6を用いて行なっ
た説明について、上述の各条件を満たす具体的な例を用
いて説明する。
【0070】(実施例1)本実施例では、上述の各条件
のうち、特にΔLに関する条件を満たすヘッドの例を示
す。
【0071】図5に示す形態を、液滴の吐出手段として
ピエゾ素子を用い作成した。L1=2mmとなったの
で、紙間距離を1.2mmにとったところ、θ1=0、
θ2=59.1°としたヘッドでは、2つの液滴が対象
物に着弾する前に合体することを確認できた。また、こ
の時、それぞれの液滴及び合体した液滴の着弾位置のば
らつきを、画素密度360dpiのドットピッチ70.
5μmの1/3以下に収めることができるのを確認でき
た。紙間距離を0.5mm,2.0mmにとったとこ
ろ、θ1=14°とした時に、それぞれ、θ2を76.8
°,51.4°とすると、2つの液滴が対象物に着弾す
る前に合体すること、また、着弾位置のばらつきを画素
密度360dpiのドットピッチの1/3以下に収める
ことができるのを確認できた。
【0072】(実施例2)図7に示す実施例において
は、図5に示した実施形態において第1の吐出口の対象
物に対する角度が直交する場合、すなわち、θ2=0と
して、ΔLに関する条件を満たす範囲内で、速度ばらつ
きによっても確実に2つの液滴が合体する例を示す。以
下、本実施例ではθ1=θとする。
【0073】本実施例では、第1の吐出口4と第2の吐
出口5の中心間距離は38μm、第1の吐出口4の中心
軸と第2の吐出口5の中心軸とがなす角度θは3°と設
定した。
【0074】そして、第2の共通液室から色材濃度の高
いインク(約5重量%の染料)を第2の液流路7に供給
し、第2の発熱体3に電気パルスを印加することによっ
て、第2の吐出口5からインク滴が吐出するようにし
た。一方、第1の共通液室から、第2の液流路7に供給
されるインクの1/16の色材濃度のインクを第1の液
流路6に供給し、第1の発熱体2に電気パルスを印加す
ることよって、第1の吐出口4からインク滴を吐出する
ようにした。インク(色材)の種類及びインクを溶かし
ている溶媒は、第1の液流路6、第2の液流路7とも同
一のものを使用した。
【0075】ここで、第1の吐出口4から吐出されるイ
ンク滴の吐出量(質量)及び吐出速度をそれぞれW1,
v1とし、第2の吐出口5から吐出されるインク滴の吐
出量及び吐出速度をそれぞれW2,v2とする。この実
施の形態では、第1の組み合わせのノズルとして、吐出
量W1が24ng、吐出速度v1が18m/secのイ
ンク滴と吐出量W2が16ng、吐出速度v2が9m/
secのインク滴とが吐出してこれら両液滴が飛翔中に
衝突するようにしたノズルと、第2の組み合わせのノズ
ルとして、吐出量W1が33.3ng、吐出速度v1が
16m/secのインク滴と吐出量W2が6.7ng、
吐出速度v2が8m/secのインク滴とが吐出してこ
れら両液滴が飛翔中に衝突するようにしたノズルとを、
同一の液体吐出ヘッドに製作した。第1の組み合わせの
ノズルでは、先に第2の吐出口5からインク滴を吐出
し、第2の吐出口5からのインク滴の吐出から40.2
μsec後に、第1の吐出口4からインク滴を吐出し
た。一方、第2の組み合わせのノズルでは、先に第2の
吐出口5からインク滴を吐出し、その45.2μsec
後に第1の吐出口4からインク滴を吐出した。
【0076】さらに、インク滴の衝突を伴わないものと
して、第1の吐出口4と第2の吐出口5からそれぞれ単
独にインク滴を吐出するノズルを作成した。インク滴の
吐出量及び吐出速度は、吐出口1,2とも、吐出量が4
0ng、吐出速度14.5m/secとなるようにし
た。上述の第1の組み合わせのノズルも、第2の組み合
わせのノズルも、吐出速度が±6〜8%程度揺らいだ
が、上記の構成とすることにより、吐出速度が±10%
程度揺らいだとしても、第2の吐出口5から吐出するイ
ンク滴の軌跡領域と第1の吐出口4から吐出するインク
滴の軌跡領域の交差領域の範囲内で確実に双方のインク
滴を衝突、混合させることができた。衝突後の飛翔速度
は、第1の組み合わせのノズルの場合に14.4m/s
ecであり、第2の組み合わせのノズルの場合に14.
7m/secであった。
【0077】図8及び図9は、第1の組み合わせのノズ
ルを用いて両吐出口4,5からインク滴を吐出したとき
の、両方のインク滴の相対距離とオーバーラップ時間T
の関係を示したグラフである。図7は、上記に記載の数
値よりも吐出速度v1が10%増加し吐出速度v2が1
0%減少した場合を示し、図8は、上記に記載の数値よ
りも吐出速度v1が10%減少し吐出速度v2が10%
増加した場合を示している。上述の条件を図面上に示す
と、x軸上でオーバーラップする時間をt1、t2(t
1<t2)、x軸上における中心間相対距離が0となる
時間をt3とするとき、交差領域はy−tグラフ上にお
いて、それぞれy=0を軸とし、t=t3でy=±(r
1+r2)を通る2つの2次曲線の組み合わせによる楕円
状の領域内で示されるが、図では省略しており、かわり
にY軸方向に関しては、x軸上でオーバーラップする時
間内に各インク滴の中心点距離が0になること(この領
域はもちろん上述の楕円状の領域内である)によって、
両方のインク滴が合体することが証明されている。
【0078】同様に、図10及び図11は、第2の組み
合わせのノズルを用いて両吐出口4,5からインク滴を
吐出したときの、両方のインク滴の相対距離とオーバー
ラップ時間Tの関係を示したグラフである。図10は、
上記に記載の数値よりも吐出速度v1が10%増加し吐
出速度v2が10%減少した場合を示し、図11は、上
記に記載の数値よりも吐出速度v1が10%減少し吐出
速度v2が10%増加した場合を示している。図10及
び図11から、この第2の組み合わせのノズルにおいて
も、双方のインク滴が合体することが分かる。
【0079】上述した第1及び第2の組み合わせのノズ
ルを有する液体吐出ヘッドをインクジェット記録ヘッド
としてインクジェット記録装置に装着し、対象物である
紙面と各吐出口との距離を1.2mmに設定し、360
dpi(25.4mmあたり360ドット)の画素密度
で印字した。約5%の色材濃度のインクのみで印字した
場合に比べて色材濃度がその1/16のインクのみを用
いると、OD(オプティカルデンシティ)は1/4とな
り、第1の組み合わせのノズルを用いるとODが3/
4、第2の組み合わせのノズルを用いるのODが1/2
となり、等間隔の階調性を有する画像が得られた。ま
た、第1の吐出口4のみで印字した場合と比べ、紙面に
おけるインク滴の着弾位置ずれは、第1の組み合わせの
ノズルで約7μm、第2の組み合わせのノズルで約3μ
m、第2の吐出口5のみを使用するノズルで約27μm
であり、360dpiの画素密度ではドットピッチが7
0.5μmであることから、画質を劣化させることなく
階調性を有する画像を出力することができた。
【0080】(その他の実施例)以上、本発明の要部の
実施例について説明を行なったが、以下に、本発明に適
用可能なヘッドの全体構造、ヘッドの製造方法、液体吐
出ヘッドカートリッジ、液体吐出装置、記録システム、
ヘッドキットなどの説明を行なう。
【0081】〈ヘッドの全体構造〉以下に、液体吐出ヘ
ッドの全体構造の一例について説明する。図12は液体
吐出ヘッドの全体構造を示す縦断面図である。
【0082】この図に示される形態において、溝付き部
材40は、素子基板1に対して垂直方向に配された第1
の吐出口4及び第2の吐出口5を有するオリフィスプレ
ート41と、複数の第1の液流路6を構成する複数の溝
(不図示)と、複数の第1の液流路6に共通して連通し
各第1の液流路6に液体を供給するための第1の共通液
室42を構成する凹部とから概略構成されている。素子
基板1は、液体に対して膜沸騰による気泡を発生させる
ための熱を発生する発熱体としての電気熱変換素子が複
数設けられた基板である。
【0083】この溝付き部材40の下側部分には分離板
8Aが接合されている。これにより、第1の吐出口4に
連通する複数の第1の液流路6を形成することができ
る。この分離板8Aは後に接合される素子基板1上の第
1の発熱体2の位置に対応して開口穴を有している。さ
らに、分離板8Aの下側部分には、第1の発熱体2の周
りを囲む分離壁8Bを介して素子基板1が接合されてい
る。これにより、第2の吐出口5のみに連通し第2の発
熱体3のみが配置された第2の液流路7を第1の液流路
6とは完全に分離して形成することができる。第2の液
流路7の図示右方側部分は、複数の第2の液流路7が合
流して第2の共通液室45となっている。
【0084】このような溝付き部材40は、その上部か
ら第1の共通液室42内に到達し第1の液体を供給する
第1の液体供給路43を有している。また、溝付き部材
40は、その上部から分離板8Aを突き抜けて第2の共
通液室45内に到達し第2の液体を供給する第2の液体
供給路44を有している。
【0085】第1の液体は、図12の矢印Cで示すよう
に、第1の液体供給路43を経て、第1の共通液室4
2、次いで第1の液流路6に供給され、第2の液体は、
矢印Dで示すように、第2の液体供給路44を経て、第
2の共通液室45、次いで第2の液流路7に供給される
ようになっている。
【0086】第2の液体供給路44は、第1の液体供給
路43と平行して配されているが、これに限ることはな
く、第2の共通液室45に連通するように形成されれば
溝付き部材40にどのように配されてもよい。また、第
2の液体供給路44の太さ(直径)に関しては、第2の
液体の供給量を考慮して決められる。第2の液体供給路
44の形状は丸形状である必要はなく、矩形状等でもよ
い。
【0087】以上説明したような形態によれば、第2の
液流路7に第2の液体を供給する第2の液体供給路44
と、第1の液流路6に第1の液体を供給する第1の液体
供給路43とが同一の溝付き部材40からなることによ
り部品点数が削減でき、工程の短縮化とコストダウンが
可能となる。
【0088】また、第2の共通液室45への、第2の液
体の供給は、第1の液体と第2の液体を分離する分離板
8Aを突き抜ける方向で第2の液体供給路44によって
行なわれる構造であるため、分離板8Aと溝付き部材4
0と素子基板1との貼り合わせ工程が1度で済み、作り
やすさが向上すると共に、貼り合わせ精度が向上し、良
好に吐出することができる。第2の液体は、分離板8A
を突き抜けて第2の共通液室45へ供給されるため、第
2の液流路7への第2の液体の供給が確実となり、供給
量が十分確保できるため、安定した吐出が可能となる。
【0089】〈液体吐出ヘッドの製造〉次に、図12で
示したような液体吐出ヘッドの製造工程について説明す
る。
【0090】大まかには、素子基板1上に第2の液流路
7の流路壁と、第1の発熱体2を囲む分離壁8Bとを形
成する。その上に、第1の発熱体2と対応する部分に開
口穴を有した分離板8Aを取り付け、さらにその上に第
1の液流路6を構成する溝等が設けられた溝付き部材4
0を取り付ける。もしくは、素子基板1上に第2の液流
路7の流路壁を形成した後、この流路壁の上に、前記分
離壁8Bと前記分離板8Aが一体となった分離部材を取
り付け、溝付き部材40を接合することでヘッドの製造
を行った。
【0091】これらの作製方法について更に詳しく説明
する。図13は、別体で形成した分離板8A、分離壁8
Bを用いた場合の液体吐出ヘッド製造工程を説明するた
めの断面模式図であり、図14は、分離板8A、分離壁
8Bを一体で形成した分離部材を用いたヘッド製造工程
を説明するための断面模式図である。
【0092】図13の(a)に示すように第1の発熱体
2と第2の発熱体3を形成した素子基板1上に、(b)
に示すような、第1の発熱体2を囲む分離壁8Bを形成
する。その後、(c)に示すように第1の発熱体2に対
応する部分に穴を開口した分離板8Aを位置決め後、分
離壁8Bに接合する。最後に第1の吐出口4、第2の吐
出口5と第1の液流路壁(不図示)が形成されている溝
付き部材40を位置決め後、分離板8A及び分離壁8B
からなる分離部材に圧接して完成する。
【0093】このような製造工程に対して図14に示す
ように、分離板8A及び分離壁8Bを一体に形成してな
る分離部材8に変更することによって、分離板8Aと分
離壁8Bの位置合わせとこれらの接合工程とが削減でき
る。これによりヘッド製造における歩留り向上とコスト
の低減が実現する。
【0094】〈液体吐出ヘッドカートリッジ〉次に、上
記実施の形態による液体吐出ヘッドを搭載した液体吐出
ヘッドカートリッジを概略説明する。
【0095】図15は、前述した液体吐出ヘッドを含む
液体吐出ヘッドカートリッジの模式的分解斜視図であ
る。この液体吐出ヘッドカートリッジは、大別して、液
体吐出ヘッド部200と液体容器80とから構成されて
いる。
【0096】液体吐出ヘッド部200は、素子基板1、
分離部材8、溝付部材40、押さえバネ78、液体供給
部材90、支持体70などからなっている。前述のよう
に、素子基板1には発熱抵抗体(発熱体)が複数個、列
状に設けられており、また、この発熱抵抗体を選択的に
駆動するための機能素子が複数設けられている。この素
子基板1と前述の分離部材8との間に第2の液流路が形
成され、第2の液体が流通する。この分離部材8と溝付
部材40との接合によって、第1の液体が流通する第1
の液流路が形成される。押さえバネ78は、溝付部材4
0に素子基板1方向への付勢力を作用させる部材であ
り、この付勢力により素子基板1、分離部材8及び溝付
部材40と、後述する支持体70とを良好に一体化させ
ている。支持体70は、素子基板1等を支持するための
ものであり、この支持体70上には、さらに、素子基板
1に接続し電気信号を供給するための回路基板71や、
装置側と接続することで装置側と電気信号のやりとりを
行うためのコンタクトパッド72が配置されている。
【0097】液体容器90には、それぞれ液体吐出ヘッ
ドに供給される、第1の液体及び第2の液体が、内部に
区分収容されている。液体容器90の外側には、液体吐
出ヘッドと液体容器90との接続を行う接続部材を配置
するための位置決め部94と、この接続部を固定するた
めの固定軸95が設けられている。第1の液体は、液体
容器90の液体供給路92から接続部材の供給路84を
介して液体供給部材80の液体供給路81に供給され、
各部材の吐出液体供給路83,71,21を介して第1
の共通液室に供給される。第2の液体も同様に、液体容
器90の供給路93から接続部材の供給路を介して液体
供給部材80の液体供給路82に供給され、各部材の液
体供給路84,71,22を介して第2の共通液室に供
給される。
【0098】〈液体吐出装置〉図16は、液体吐出ヘッ
ドを搭載した液体吐出装置の概略構成を示している。こ
こでは、特に、第1及び第2の液体としてインクを用い
たインク吐出記録装置IJRAを用いて説明する。
【0099】液体吐出装置(インク吐出記録装置IJR
A)のキャリッジHCは、インクを収容する液体タンク
部90と液体吐出ヘッド部200とから構成された着脱
可能なヘッドカートリッジを搭載しており、被記録媒体
搬送手段で搬送される記録紙等の被記録媒体150の幅
方向に往復移動する。不図示の駆動信号供給手段からキ
ャリッジHC上の液体吐出ヘッド部に駆動信号が供給さ
れると、この信号に応じて液体吐出ヘッドから被記録媒
体に対して記録液体が吐出される。また、この記録装置
は、被記録媒体搬送手段とキャリッジHCを駆動するた
めの駆動源としてのモータ111、駆動源からの動力を
キャリッジに伝えるためのギア112,113、キャリ
ッジ軸115等を有している。この記録装置及びこの記
録装置で行う液体吐出方法を用いて各種の被記録媒体に
対して液体を吐出することによって、良好な画像の記録
物を得ることができた。
【0100】図17は、本発明の液体吐出方法を適用し
てインク吐出記録を行う記録装置全体のブロック図であ
る。
【0101】この記録装置は、ホストコンピュータ30
0より、印字情報を制御信号として受け入れる。印字情
報は、記録装置内部の入力インタフェイス301に一時
保存されると同時に、記録装置内で処理可能なデータに
変換され、ヘッド駆動信号供給手段を兼ねるCPU30
2に入力される。CPU302は、ROM303に保存
されている制御プログラムに基づき、CPU302に入
力されたデータをRAM304等の周辺ユニットを用い
て処理し、印字するデータ(画像データ)に変換する。
またCPU302は、画像データを記録用紙上の適当な
位置に記録するために、画像データに同期して記録用紙
および記録ヘッドを移動する駆動用モータを駆動するた
めのモータ駆動データを作る。画像データおよびモータ
駆動データは、それぞれ、ヘッドドライバ307とモー
タドライバ305を介し、ヘッド200および駆動モー
タ306に伝達され、それぞれ制御されたタイミングで
駆動され、画像を形成する。
【0102】上述のような記録装置に適用でき、インク
等の液体の付与が行われる被記録媒体(対象物)として
は、各種の紙やOHPシート、コンパクトディスクや装
飾板等に用いられるプラスチック材、布帛、アルミニウ
ムや銅等の金属材、牛皮、豚皮、人工皮革等の皮革材、
木、合板等の木材、竹材、タイル等のセラミックス材、
スポンジ等の三次元構造体等が挙げられる。また上述の
記録装置としては、各種の紙やOHPシート等に対して
記録を行うプリンタ装置、コンパクトディスク等のプラ
スチック材に記録を行うプラスチック用記録装置、金属
板に記録を行う金属用記録装置、皮革に記録を行う皮革
用記録装置、木材に記録を行う木材用記録装置、セラミ
ックス材に記録を行うセラミックス用記録装置、スポン
ジ等の三次元網状構造体に対して記録を行う記録装置、
また、布帛に記録を行う捺染装置等が含まれる。これら
の液体吐出装置に用いる吐出用の液体としては、それぞ
れの被記録媒体や記録条件に合わせた液体を用いればよ
い。
【0103】なお、上述した記録装置において、第1及
び第2の吐出口のノズル並びと、キャリッジのスキャン
方向が一致する場合には、スキャンのスピードを考慮し
た上で適切に吐出タイミングを制御することで、着弾位
置のずれをより小さくすることができる。
【0104】〈記録システム〉次に、上述の液体吐出ヘ
ッドを記録ヘッドとして用い、被記録媒体に対して記録
を行う、インクジェット記録システムの一例を説明す
る。図18はこのインクジェット記録システムの構成を
説明するための模式図である。
【0105】このインクジェット記録システムにおける
液体吐出ヘッドは、被記録媒体150の記録可能幅に対
応した長さに360dpi(25.4mm当り360ド
ット)の間隔(密度)で吐出口を複数配したフルライン
型のヘッドである。イエロー(Y),マゼンタ(M),
シアン(C),ブラック(Bk)の4色にそれぞれ対応
した4つの液体吐出ヘッド201a,201b,201
c,201dが、ホルダ202により、X方向に所定の
間隔を持って互いに平行に固定支持されている。これら
の液体吐出ヘッド201a〜201dに対して、駆動信
号供給手段を構成するヘッドドライバ307から信号が
供給され、この信号に基づいて各液体吐出ヘッド201
a〜201dの駆動がなされている。各液体吐出ヘッド
201a〜201dには、第1の液体としてY,M,
C,Bkの4色のインクが、それぞれインク容器204
a〜204dから供給されている。また、第1の液体で
あるインクに対する希釈液(第2の液体)が、希釈液容
器204eに蓄えられ、各液体吐出ヘッド201a〜2
01d供給されるようになっている。また、各液体吐出
ヘッド201a〜201dの下方には、それぞれ、内部
にスポンジ等のインク吸収部材が配されたヘッドキャッ
プ203a〜203dが設けられており、非記録時に各
液体吐出ヘッド201a〜201dの吐出口をこnヘッ
ドキャップ203a〜203dで覆うことで、液体吐出
ヘッド201a〜201dの保守をなすことができる。
【0106】さらにこの記録システムには、先に説明し
たような各種の被記録媒体を搬送するための搬送手段を
構成する搬送ベルト206が設けられており、この搬送
ベルト206は、各種ローラにより所定の経路に引き回
されて、モータドライバ305に接続された駆動用ロー
ラにより駆動される。
【0107】さらにまたこのインクジェット記録システ
ムにおいては、被記録媒体に記録を行う前後に被記録媒
体に対して各種の処理を行う前処理装置251および後
処理装置252が、それぞれ、被記録媒体搬送経路の上
流と下流に設けられている。前処理と後処理は、被記録
媒体の種類やインクの種類に応じて処理内容が異なる
が、例えば、金属、プラスチック、セラミックス等の被
記録媒体に対しては、前処理として、紫外線とオゾンの
照射を行い、その表面を活性化することでインクの付着
性の向上を図ることができる。また、プラスチック等の
静電気を生じやすい被記録媒体では、静電気によってそ
の表面にゴミが付着しやすく、このゴミによって良好な
記録が妨げられる場合がある。このため、前処理として
イオナイザ装置を用い被記録媒体の静電気を除去するこ
とで、被記録媒体からごみの除去を行うとよい。また、
被記録媒体として布帛を用いる場合には、滲み防止、染
着率の向上等の観点から、布帛にアルカリ性物質、水溶
性物質、合成高分子、水溶性金属塩、尿素およびチオ尿
素から選択される物質を付与する処理を前処理として行
えばよい。前処理としては、これらに限らず、被記録媒
体の温度を記録に適切な温度にする処理等であってもよ
い。一方、後処理は、インクが付与された被記録媒体に
対して熱処理、紫外線照射等を施すことによるインクの
定着を促進する定着処理や、前処理で付与し未反応で残
った処理剤を洗浄する処理等を行うものである。
【0108】ここでは、液体吐出ヘッドとしてフルライ
ンヘッドを用いた場合を説明したが、これに限らず、前
述したような小型の液体吐出ヘッドを被記録媒体の幅方
向に搬送して記録を行う形態のものであってもよい。
【0109】〈ヘッドキット〉以下に、上述の液体吐出
ヘッドを有するヘッドキットを説明する。図19は、こ
のようなヘッドキットを示した模式図である。
【0110】このヘッドキットは、インクを吐出するイ
ンク吐出部511を有する液体吐出ヘッド510と、こ
の液体吐出ヘッド510と不可分もしくは分離可能な液
体容器であるインク容器520と、このインク容器52
0にインクを充填するためのインクを保持したインク充
填手段530とを、キット容器501内に収納したもの
である。インクを消費し終わった場合には、インク容器
520の大気連通口521やヘッドとの接続部や、もし
くはインク容器520の壁に開けた穴などに、インク充
填手段530の挿入部(注射針等)531の一部を挿入
し、この挿入部531を介してインク充填手段530内
のインクをインク容器内に充填すればよい。
【0111】このように、液体吐出ヘッドと、インク容
器やインク充填手段等を一つのキット容器内に納めてキ
ットにすることで、インクが消費されてしまっても、前
述のようにすぐに、また容易にインクをインク容器内に
充填することができ、記録の開始を迅速に行うことがで
きる。
【0112】なお、ここでは、ヘッドキット内にインク
充填手段が含まれるものとして説明を行ったが、ヘッド
キットとしては、インク充填手段を持たず、インクが充
填された分離可能タイプのインク容器と液体吐出ヘッド
とがキット容器510内に納められている形態のもので
あってもよい。
【0113】以上、本発明について、吐出口面と対象物
とが平行であり、かつ、第1の吐出口の中心軸と、第2
の吐出口の中心軸とが同一平面状にある場合について中
心に説明したが、本発明はこれに限られるものではな
い。例えば、吐出口面と対象物とが平行でない場合や、
第1の吐出口の中心軸と、第2の吐出口の中心軸とがね
じれの位置にあるような場合であってもよい。このよう
な場合においても、適切名パラメータを用いることで、
それぞれの条件を表現することができる。
【0114】また、吐出ヘッドの構造としては、気泡発
生領域に対して側方の位置に吐出口を有するエッジシュ
ータータイプの液体吐出ヘッドの場合を中心に説明した
が、本発明が、気泡発生領域あるいは発熱部に対向する
位置に吐出口を有するサイドシュータータイプの液体吐
出ヘッドなどにも適用可能であることは、いうまでもな
い。
【0115】また、上述の説明では、同一の溶媒に同一
の色材(インク)を溶解させ、色材濃度だけが異なる2
種類の液体を、第1の吐出口4及び第2の吐出口5から
それぞれ吐出し、着弾前に両方の液滴を衝突、混合させ
る例を説明したが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。第1の吐出口4及び第2の吐出口5から吐出させ
る液体の組み合わせとしては、例えば、顔料と染料など
の異なる種類の色材を同一の溶媒に溶かした2種類の液
体からなる組み合わせ、異なる色材を異なる溶媒に溶か
した2種類の液体からなる組み合わせ、顔料と2価金属
などの相互に反応する2種類の液体からなる組み合わ
せ、アニオン系界面活性剤とカチオン系界面活性剤など
の相互に反応する2種類の物質をそれぞれ1種ずつ溶か
した2種類の液体からなる組み合わせ、色材を溶かした
液体とこの色材に対する安定剤などを溶かした液体との
組み合わせ、色材を溶かした液体と溶媒のみからなる液
体との組み合わせなど、各種の組み合わせを用いること
ができる。
【0116】特に反応性を有する組み合わせの時には、
上述の液体吐出方法を用いることにより、上述した各条
件の範囲内で反応時間を満たすように適宜吐出速度及び
吐出タイミングを定める(例えば反応時間の長いものは
2つの液滴の合体位置をヘッドよりにするとともに吐出
速度を遅くする)ことで、確実に液滴同士を合体させ、
反応させることができるので、より効果的である。
【0117】また、階調記録を実現する組み合わせの時
には、予め設定した吐出速度の2つの吐出口の組み合わ
せにおいて、吐出速度が揺らいでも両吐出口からの液滴
を対象物への着弾前に確実に衝突させることができ、ま
た、着弾位置のずれを最小にすることができるので、色
材濃度だけが異なる2種類の液体の場合に限ることな
く、階調性の高い高画質の画像を出力することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の液体吐出方法が適用さ
れる液体吐出ヘッドを示す図であって、(a)は流路方
向に沿った側面断面図であり、(b)は上面からの透視
断面図である。
【図2】(a)は図1に示す液体吐出ヘッドのオリフィ
ス面の一領域を示す正面図であり、(b)は素子基板の
発熱体周辺領域の上面図である。
【図3】発熱体への駆動パルスを発生する回路の一例を
示す回路図である。
【図4】発熱体の駆動タイミングの一例を示すタイミン
グチャートである。
【図5】本発明の液体吐出方法を説明するための説明図
である。
【図6】(a)〜(d)は、図5に示す説明図におい
て、2つの液滴が合体する時の様子を時系列的に示した
説明図である。
【図7】本発明の液体吐出方法を説明するための説明図
である。
【図8】インク滴の相対距離とオーバーラップ時間の関
係を示したグラフである。
【図9】インク滴の相対距離とオーバーラップ時間の関
係を示したグラフである。
【図10】インク滴の相対距離とオーバーラップ時間の
関係を示したグラフである。
【図11】インク滴の相対距離とオーバーラップ時間の
関係を示したグラフである。
【図12】液体吐出ヘッドの全体構造を示す縦断面図で
ある。
【図13】液体吐出ヘッドの製造工程の一例を示す模式
断面図である。
【図14】液体吐出ヘッドの製造工程の別の例を示す模
式断面図である。
【図15】液体吐出ヘッドカートリッジの分解斜視図で
ある。
【図16】液体吐出装置の構成を示す概略斜視図であ
る。
【図17】図16の装置の回路構成を示すブロック図で
ある。
【図18】インクジェット記録システムの構成を示す図
である。
【図19】ヘッドキットの模式図である。
【符号の説明】 1 素子基板 2 第1の発熱体 3 第2の発熱体 4 第1の吐出口 5 第2の吐出口 6 第1の液流路 7 第2の液流路 8 分離部材 8A 分離板 8B 分離壁 10A,10B,11A,11B 配線 21 補正抵抗 40 溝付き部材 41 オリフィスプレート 42 第1の共通液室 43 第1の液体供給路 44 第2の液体供給路 45 第2の共通液室 70 支持体 80 供給部材 90 インクタンク 200 液体吐出ヘッド部
フロントページの続き (72)発明者 樫野 俊雄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 金田 智之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の吐出口と、前記第1の吐出口ごと
    に設けられ前記第1の吐出口に連通する第1の液流路
    と、前記第1の吐出口から液滴を発生するためのエネル
    ギーを発生する第1のエネルギー発生素子と、第2の吐
    出口と、前記第2の吐出口ごとに設けられ前記第2の吐
    出口に連通する第2の液流路と、前記第2の吐出口から
    液滴を発生するためのエネルギーを発生する第2のエネ
    ルギー発生素子とを有する液体吐出ヘッドにおける液体
    吐出方法において、 前記第1の吐出口から第1の吐出速度v1で第1の液滴
    を吐出するのに先立って、前記第2の吐出口から前記第
    1の吐出速度よりも小さな第2の吐出速度v2で第2の
    液滴を吐出し、対象物に前記各液滴が着弾する前に、前
    記第1の液滴と前記第2の液滴とを衝突させて合体させ
    ることを特徴とする液体吐出方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の液体吐出方法におい
    て、前記第1の液滴と前記第2の液滴との吐出時間の差
    δTが、次の条件を満たすように制御することを特徴と
    する液体吐出方法。 【数1】 ここで、L1は第1の吐出口の中心と第2の吐出口の中
    心との距離、r1,r2はそれぞれ第1及び第2の吐出口
    から吐出されたインク滴の半径、θ1,θ2(0°≦θ1
    <θ2<90°)はそれぞれ吐出口面に対する垂線と第
    1及び第2の吐出口の中心軸とがなす角であり、max
    (a,b)はaとbの最大値を与える関数である。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の液体吐出方法におい
    て、前記第1の吐出口の中心軸と前記第2の吐出口の中
    心軸とが、前記液体吐出ヘッドと前記対象物との間の1
    点で交差するとともに、該交点において前記第1の液滴
    と第2の液滴の中心が一致するように前記第1の吐出速
    度及び第2の吐出速度に基づいて前記第1の液滴及び前
    記第2の液滴の吐出タイミングを制御することを特徴と
    する液体吐出方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の液体吐出方法におい
    て、合体後の液滴の前記対象物への着弾位置が、第1の
    液滴単独での該対象物への着弾位置と、第2の液滴単独
    での該対象物への着弾位置との間に位置することを特徴
    とする液体吐出方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の液体吐出方法におい
    て、前記対象物上への画像記録に用いられ、合体後の液
    滴の前記対象物への着弾位置と、第1の液滴単独での該
    対象物への着弾位置と、第2の液滴単独での該対象物へ
    の着弾位置と、のうちの任意の2つの着弾位置の差が、
    出力する画像での画素密度のドットピッチ以下であるこ
    とを特徴とする液体吐出方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の液体吐出方法におい
    て、前記任意の2つの着弾位置の差が、出力する画像で
    の画素密度のドットピッチの半分以下であることを特徴
    とする液体吐出方法。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載の液体吐出方法におい
    て、前記任意の2つの着弾位置の差が、出力する画像で
    の画素密度のドットピッチの1/3以下であることを特
    徴とする液体吐出方法。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の液体吐出方法におい
    て、前記第1の液滴の質量が前記第2の液滴の質量より
    大きいことを特徴とする液体吐出方法。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の液体吐出方法におい
    て、前記第1の吐出速度v1と前記第2の吐出速度v2
    とが、v1/v2>1.10を満たすことを特徴とする
    液体吐出方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の液体吐出方法におい
    て、前記第1の吐出速度v1と前記第2の吐出速度v2
    とが、5m/秒<v2<v1<22m/秒、かつ、v1
    /v2>1.56を満たすことを特徴とする液体吐出方
    法。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載の液体吐出方法におい
    て、前記第1の吐出速度v1と前記第2の吐出速度v2
    とが、v1/v2>1.22を満たすことを特徴とする
    液体吐出方法。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載の液体吐出方法にお
    いて、前記第1の吐出速度v1と前記第2の吐出速度v
    2とが、5m/秒<v2<v1<22m/秒、かつ、v
    1/v2>1.91を満たすことを特徴とする液体吐出
    方法。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載の液体吐出方法におい
    て、前記第1の液流路に供給される液体と前記第2の液
    流路に供給される液体が同じ液体であることを特徴とす
    る液体吐出方法。
  14. 【請求項14】 請求項1に記載の液体吐出方法におい
    て、前記第1の液流路に供給される液体と前記第2の液
    流路に供給される液体が相互に異なることを特徴とする
    液体吐出方法。
  15. 【請求項15】 請求項1に記載の液体吐出方法におい
    て、前記第1の液流路に供給される液体と前記第2の液
    流路に供給される液体が相互に色材濃度が異なるインク
    であることを特徴とする液体吐出方法。
  16. 【請求項16】 請求項1に記載の液体吐出方法におい
    て、前記第1の液流路に供給される液体と前記第2の液
    流路に供給される液体が相互に色材の種類が異なるイン
    クであることを特徴とする液体吐出方法。
  17. 【請求項17】 請求項1に記載の液体吐出方法におい
    て、前記液体吐出ヘッドが、複数の第1の吐出口と、前
    記各第1の吐出口にそれぞれ対応した複数の第2の吐出
    口を有することを特徴とする液体吐出方法。
  18. 【請求項18】 請求項1に記載の液体吐出方法におい
    て、前記エネルギー発生素子が、液体に気泡を発生さ
    せ、前記気泡の作用力で液滴を吐出させる気泡発生素子
    であることを特徴とする液体吐出方法。
  19. 【請求項19】 請求項18に記載の液体吐出方法にお
    いて、前記気泡発生素子が、液体に熱を加えて気泡を発
    生させる発熱体であることを特徴とする液体吐出方法。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載の液体吐出方法にお
    いて、前記発熱体が電気熱変換体であることを特徴とす
    る液体吐出方法。
  21. 【請求項21】 第1の吐出口と、前記第1の吐出口ご
    とに設けられ前記第1の吐出口に連通する第1の液流路
    と、前記第1の吐出口から液滴を発生するためのエネル
    ギーを発生する第1のエネルギー発生素子と、第2の吐
    出口と、前記第2の吐出口ごとに設けられ前記第2の吐
    出口に連通する第2の液流路と、前記第2の吐出口から
    液滴を発生するためのエネルギーを発生する第2のエネ
    ルギー発生素子を有する液体吐出ヘッドと、 前記第1のエネルギー発生素子及び前記第2のエネルギ
    ー発生素子を駆動する駆動回路と、を有し、 前記第1の吐出口から第1の吐出速度で第1の液滴を吐
    出するのに先立って、前記第2の吐出口から前記第1の
    吐出速度よりも小さな第2の吐出速度で第2の液滴を吐
    出し、対象物に前記各液滴が着弾する前に、前記第1の
    液滴と前記第2の液滴とが衝突して合体することを特徴
    とする液体吐出装置。
  22. 【請求項22】 請求項21に記載の液体吐出装置にお
    いて、前記第1の液滴の軌跡領域と、前記第2の軌跡領
    域とが、前記液体吐出ヘッドと前記対象物との間で交差
    領域を有することを特徴とする液体吐出装置。
  23. 【請求項23】 請求項21に記載の液体吐出装置にお
    いて、前記第1の吐出口の中心軸上の投影面と、前記第
    2の吐出口の中心軸上の投影面とが、前記液体吐出ヘッ
    ドと前記対象物との間で交差領域を有することを特徴と
    する液体吐出装置。
  24. 【請求項24】 請求項23に記載の液体吐出装置にお
    いて、前記第1の吐出口の中心軸と前記第2の吐出口の
    中心軸とが、前記液体吐出ヘッドと前記対象物との間の
    1点で交差することを特徴とする液体吐出装置。
  25. 【請求項25】 請求項21に記載の液体吐出装置にお
    いて、前記液体吐出ヘッドと前記対象物との間隔が0.
    2mm以上3mm以下であることを特徴とする液体吐出
    装置。
  26. 【請求項26】 請求項21に記載の液体吐出装置にお
    いて、前記第1の吐出口と前記第2の吐出口との間の距
    離が3mm以下であることを特徴とする液体吐出記録装
    置。
  27. 【請求項27】 請求項21に記載の液体吐出装置にお
    いて、前記駆動回路による前記第1の液滴と第2の液滴
    の吐出時間の差δTが、次の条件を満たすように制御す
    ることを特徴とする液体吐出装置。 【数2】 ここで、L1は第1の吐出口の中心と第2の吐出口の中
    心との距離、r1,r2はそれぞれ第1及び第2の吐出口
    から吐出されたインク滴の半径、θ1,θ2(0°≦θ1
    <θ2<90°)はそれぞれ吐出口面に対する垂線と第
    1及び第2の吐出口の中心軸とがなす角であり、max
    (a,b)はaとbの最大値を与える関数である。
  28. 【請求項28】 請求項21に記載の液体吐出装置にお
    いて、合体後の液滴の前記対象物への着弾位置が、第1
    の液滴単独での該対象物への着弾位置と、第2の液滴単
    独での該対象物への着弾位置との間に位置することを特
    徴とする液体吐出記録装置。
  29. 【請求項29】 請求項21に記載の液体吐出装置にお
    いて、前記対象物上への画像記録に用いられ、合体後の
    液滴の前記対象物への着弾位置と、第1の液滴単独での
    該対象物への着弾位置と、第2の液滴単独での該対象物
    への着弾位置と、のうちの任意の2つの着弾位置の差
    が、出力する画像での画素密度のドットピッチ以下であ
    ることを特徴とする液体吐出記録装置。
  30. 【請求項30】 請求項21に記載の液体吐出装置にお
    いて、前記第1の液滴の質量が前記第2の液滴の質量よ
    り大きいことを特徴とする液体吐出記録装置。
  31. 【請求項31】 請求項21に記載の液体吐出装置にお
    いて、前記第1の吐出速度v1と前記第2の吐出速度v
    2とが、v1/v2>1.10を満たすことを特徴とす
    る液体吐出装置。
  32. 【請求項32】 請求項31に記載の液体吐出装置にお
    いて、前記第1の吐出速度v1と前記第2の吐出速度v
    2とが、v1/v2>1.22を満たすことを特徴とす
    る液体吐出装置。
  33. 【請求項33】 請求項21に記載の液体吐出装置にお
    いて、前記第1の液流路に供給される液体と前記第2の
    液流路に供給される液体が同じ液体であることを特徴と
    する液体吐出装置。
  34. 【請求項34】 請求項21に記載の液体吐出方法にお
    いて、前記第1の液流路に供給される液体と前記第2の
    液流路に供給される液体が相互に異なることを特徴とす
    る液体吐出装置。
  35. 【請求項35】 請求項21に記載の液体吐出方法にお
    いて、前記第1の液流路に供給される液体と前記第2の
    液流路に供給される液体が相互に色材濃度が異なるイン
    クであることを特徴とする液体吐出装置。
  36. 【請求項36】 請求項21に記載の液体吐出方法にお
    いて、前記第1の液流路に供給される液体と前記第2の
    液流路に供給される液体が相互に色材の種類が異なるイ
    ンクであることを特徴とする液体吐出装置。
  37. 【請求項37】 請求項21に記載の液体吐出方法にお
    いて、前記液体吐出ヘッドが、複数の第1の吐出口と、
    前記各第1の吐出口にそれぞれ対応した複数の第2の吐
    出口を有することを特徴とする液体吐出装置。
  38. 【請求項38】 請求項21に記載の液体吐出方法にお
    いて、前記エネルギー発生素子が、液体に気泡を発生さ
    せ、前記気泡の作用力で液滴を吐出させる気泡発生素子
    であることを特徴とする液体吐出装置。
  39. 【請求項39】 請求項38に記載の液体吐出装置にお
    いて、前記気泡発生素子が、液体に熱を加えて気泡を発
    生させる発熱体であることを特徴とする液体吐出装置。
  40. 【請求項40】 請求項39に記載の液体吐出装置にお
    いて、前記発熱体が電気熱変換体であることを特徴とす
    る液体吐出装置。
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