JPH1199566A - モールディングの成形方法 - Google Patents
モールディングの成形方法Info
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Abstract
形前の賦形用空間の形状と賦形後の形状変化部の形状の
バラツキに影響を受けず、プレス時に余剰樹脂の移動に
よる不均一な応力が発生するのを防ぎ、外観が良好なモ
ールディングを容易に得られるモールディングの成形方
法を提供する。 【解決手段】 押出成形品10の所要部11の裏面11
aを所要量除去して当該裏面11aに賦形用空間15と
該賦形用空間15から連続する余剰樹脂収容凹部20と
を形成し、前記裏面除去部11を加熱軟化させて所要型
面形状を有するプレス成形型40でプレスし、前記賦形
用空間15と対応する意匠面側の樹脂Pを裏面11a側
の賦形用空間15へ押して前記型面形状に賦形するとと
もに余剰樹脂Peを前記余剰樹脂収容凹部20に収容す
る。
Description
けられるモールディングの成形方法に関する。
側面のドア部分には、装飾やドアの保護等のため、車体
の前後方向に沿って、細長い帯状のプラスチック製モー
ルディングM1,M2が取り付けられている。
閉時における端末部同士の干渉防止、あるいは意匠上の
観点から所定の形状とされる。図9の符号Aで示す部分
の断面を示す図10、および後側モールディングM2の
前部端末部M2fの斜視図である図11からよくわかる
ように、後側モールディングM2の前部端末部M2f
は、後側ドアDrの解放時に前側ドアDf、又は前側モ
ールディングM1の後部との干渉を避けるために、該端
末部M2fを端部側薄肉部分Mc1と厚み徐変部分Mc
2とからなる形状変化部Mcを介して一般部Moに至る
いわゆる背切り状に形成されている。
も求められることがあり、また、自動車以外に用いられ
るモールディングにおいても、端末部や他の部分に、意
匠面側が裏面側へ窪んで所要薄肉形状とされた前記背切
り状等からなる形状変化部が必要とされることがある。
従来における成形方法としては、図12ないし図14に
示す熱プレス成形法がある。まず、図12の(12A)
のように押出成形等によって成形された所要寸法の押出
成形品60の端末部61裏面62を、同図の(12B)
および図13に示すように、所望のモールディングに合
わせて、刃物装置70等を用いて所要量除去し、端末部
61裏面62に賦形用空間63を形成する裏面除去工程
を行う。符号64は除去により不要とされた部分であ
る。
前記端末部61をヒータ等の加熱手段80によって加熱
軟化させ、プレス成形型の一方を構成する固定型81の
端末成形部82内に導入する。そして、図14の(14
B)ないし(14D)のように、プレス成形型の他方を
構成する可動型83を型締めして、前記端末部61の意
匠面側の樹脂を裏面の賦形用空間63側へ押して型面形
状に賦形する熱プレス工程を行う。その後、押出成形品
を脱型すれば、図12の(12C)に示すような所望の
形状変化部を端末に有するモールディングM2が得られ
る。
成形品の意匠面側の樹脂を裏面の賦形用空間へ押し込ん
で所要の形状変化部を賦形するため、その賦形を容易か
つ正確に行うには、裏面の賦形用空間が賦形後における
形状変化部に対応した形状に形成されている必要があ
る。
A)に示すように押出成形品60の所要位置の裏面62
に、該裏面62と直角に厚み方向へ刃物装置70で切り
込み63aを入れ、それに対して前記厚み方向の切り込
み63aに至る切り込み63bを押出成形品60の裏面
62に対して平行に入れ、同図の(13B)ないし(1
3D)に示すように、両方向の切り込み63a,63b
で囲まれる裏面部分を切除して賦形用空間63を形成し
ているため、形成される賦形用空間63は、常に押出成
形品60の長手方向に沿う縦断面形状が長方形となり、
賦形後の形状変化部Mcの形状と対応させるのは容易で
はなかった。さらに、前記裏面除去工程の際、押出成形
品60がずれないように裏面の一部を押さえ治具(図示
せず)で強く押して受け型(図示せず)に固定しなが
ら、刃物装置70で裏面を除去しているため、その押さ
え治具が邪魔して本来賦形用空間とすべき裏面部分の一
部を除去できないこともあった。例えば、前記押出成形
品裏面をその長手方向と直交する両側部で押さえる場
合、裏面の除去部の両側縁部65は元の状態で残ってい
た。なお、図13の(13C)は(13B)に示す押出
成形品60の裏面62側を示す平面図、(13D)は
(13C)のZ矢視側面図である。
後の形状変化部の形状と対応していなく、また押さえ治
具の使用により非切除部65が残ることから、熱プレス
工程時に意匠面側から裏面側の賦形用空間63内へ押さ
れる樹脂量は、多量となり、賦形用空間63に入りきら
ず余剰になることが多い。その場合、余剰の樹脂は賦形
後の形状変化部の周囲まで移動して、多量のバリ66
(図14の(14D)参照)とならざるを得なかった。
そのため、モールディングの成形後にバリの除去作業が
煩雑となる問題があった。さらに、前記余剰の樹脂が賦
形用空間63内を通って形状変化部の周囲まで移動しな
ければならないため、その樹脂の移動距離が長くなって
移動時に形状変化部内に不均一な応力が発生し易い。そ
して、前記応力が賦形後の形状変化部内に残り、その後
のプレス圧力の解放により前記形状変化部に歪みが発生
し、モールディングの外観が損なわれる問題があった。
に鑑みなされたもので、成形後のバリ除去作業を低減す
るとともに、賦形前の賦形用空間の形状と賦形後の形状
変化部の形状の相違に影響を受けず、プレス時に余剰樹
脂の移動による不均一な応力が発生するのを防ぎ、外観
が良好なモールディングを容易に得られるモールディン
グの成形方法を提供しようとするものである。
明は、押出成形品の所要部の裏面を所要量除去して当該
裏面に賦形用空間と該賦形用空間から連続する余剰樹脂
収容凹部とを形成し、前記裏面除去部を加熱軟化させて
所要型面形状を有するプレス成形型でプレスし、前記賦
形用空間と対応する意匠面側の樹脂を裏面側の賦形用空
間へ押して前記型面形状に賦形するとともに余剰樹脂を
前記余剰樹脂収容凹部に収容することを特徴とするモー
ルディングの成形方法に係る。
て、前記余剰樹脂収容凹部が前記賦形用空間の両側で形
成され、該余剰樹脂収容凹部の一端が賦形用空間と連続
して形成されることを特徴とするモールディングの成形
方法に係る。
明を詳細に説明する。図1はこの発明の一実施例に係る
モールディングの成形方法における裏面除去工程を示す
部分斜視図、図2は同実施例における裏面除去工程完了
後の押出成形品を示す斜視図、図3は図2の3−3切断
面を示す断面図、図4は同実施例における加熱軟化工程
を示す断面図、図5は同実施例におけるプレス成形工程
の初期を示す断面図、図6は同実施例における余剰樹脂
収容凹部に余剰樹脂が収容される際を示す断面図、図7
は同実施例におけるプレス成形工程の完了時を示す断面
図、図8は同実施例におけるバリ除去工程を示す断面図
である。
形方法を、従来技術の項で説明した図10および図11
に示す、端末部M2fに形状変化部Mcを有する自動車
用モールディングM2の成形方法を例として説明する。
等によって連続的に成形された押出成形品10の所要
部、この実施例では端末部11の裏面11aを切削装置
や刃物装置等を用いる適宜手段によって所要量除去し
て、図2およびその3ー3断面を示す図3に示すように
賦形用空間15を形成する。前記押出成形品10の材質
は、塩化ビニル樹脂(PVC)やアクリロニトリル・ス
チレン・アクリレート共重合体(AAS)等、公知の押
出成形可能な樹脂からなり、一層あるいは多層とされ
る。また、前記押出成形品10の横断面形状は、成形さ
れるモールディングM2の一般部Moの形状に合致し
た、意匠面側が膨らむ湾曲形状とされている。
11を次の工程で熱プレス成形する際に、賦形の妨げと
なるのを防止するために行われ、この実施例では、前記
賦形用空間15は、押出成形品10がずれないように、
その両側端12,12を押さえ治具(図示せず)で押さ
えて受け型(図示せず)に固定しながら、先端にボール
エンドミル,フラットエンドミル等のエンドミルCeが
取り付けられた回転式切削装置Cによって端末部11の
裏面11aを削ることによって形成されている。なお、
従来技術の項で説明したように、前記刃物装置70で端
末部の裏面と直角に厚み方向へ切り込みを入れ、それに
対して前記厚み方向の切り込みに至る切り込みを押出成
形品の裏面に対して平行に入れ、両方向の切り込みで囲
まれる裏面部分を切除して賦形用空間を形成してもよい
(図13参照)。また、この実施例における賦形用空間
15の形状は、成形されるモールディングM2の形状変
化部Mcの薄肉部分Mc1および厚み徐変部分Mc2に
それぞれ対応する深い第1空間16および徐々に浅くな
った第2空間17が連続した形状とされている。ここ
で、当該賦形用空間15の形状は、後述する余剰樹脂収
容凹部20の形成により、厳格に賦形後の形状変化部M
cに対応させる必要はない。すなわち、賦形用空間15
の形状と賦形後の形状変化部Mcの形状に多少の違いが
あっても構わない。
その後、図2および、その3−3断面を示す図3のよう
に当該賦形用空間15から連続する余剰樹脂収容凹部2
0を形成する。この余剰樹脂収容凹部20の形成は、後
述の熱プレス工程時に前記賦形用空間15に入りきらな
い余剰樹脂を収容する(逃す)ために行われ、この実施
例では、前記賦形用空間15を形成する際に、前記回転
式切削装置Cによって形成されている。当該余剰樹脂収
容凹部20は、熱プレス工程時に余剰樹脂の移動距離、
より正確にいうと、賦形される部分11の一般部13側
で生じる余剰樹脂の移動距離を短くするために、該余剰
樹脂収容凹部20の一端21が前記賦形用空間15から
連続して一般部13側へ向けて形成されている。また、
余剰樹脂収容凹部20の形成位置は、熱プレス工程時に
余剰樹脂の量が大となる部分、すなわち前記賦形用空間
15の形成の際に前記押さえ治具Bの使用により除去さ
れない非切除部、つまり、前記両側端12,12の近傍
とするのが好ましく、この実施例では、余剰樹脂収容凹
部20,20は、図示するように前記賦形用空間15の
第1空間16の両側端16a,16aから連続して、所
要長さ,深さ,幅を有する余剰樹脂収容凹部20,20
がそれぞれ一般部13側へ向かって形成されている。な
お、前記余剰樹脂収容凹部20の長さ,深さ,幅は、前
記賦形用空間15の形状と賦形後の形状変化部Mcの形
状が大きく異なる(対応していない)場合、あるいは前
記非切除部12,12が大である場合には長く,深く,
大きくする等、前記賦形用空間15の形状および賦形後
の形状変化部Mcの形状を考慮して適宜設定される。
0の前記賦形用空間15および余剰樹脂収容凹部20が
形成された裏面除去部11(裏面側のみならず意匠面側
までも含む)をヒータ等の適宜加熱手段30により加熱
軟化させて、プレス成形型40の固定型41内に、裏面
除去部11を上向きにして導入する。このときの加熱温
度は、前記押出成形品10の材質や加熱時間等により異
なる。前記押出成形品10が塩化ビニル樹脂からなる場
合には、前記加熱手段30の温度は、加熱源により異な
るが熱風の場合、通常300℃程度に設定される。ま
た、前記固定型41の型面42は、加工されるモールデ
ィングM2の形状変化部Mcの意匠面形状に応じた形状
になっている。なお、前記加熱は、プレス成形型40の
外でなされる場合とプレス成形型40の固定型41上で
なされる場合がある。
の裏面除去部11を、図5ないし図7に示すように、プ
レス成形型40の固定型41に対して可動型45を型締
めすることによって、前記裏面除去部11の賦形用空間
15と対応する意匠面側の樹脂Pを裏面側の賦形用空間
15へ押して、前記固定型41の型面42形状に賦形す
る。なお、この実施例のプレス成形型40には、前記固
定型41と可動型45との組み合わせ面における押出成
形品10の裏面除去部11先端側に該プレス成形時に生
じるバリ50を収容するための空間46(図7参照)が
設けられている。
ように、前記賦形用空間15が賦形後の形状変化部Mc
の形状と対応していないことにより、またその賦形用空
間15の形成時の押さえ治具の使用により非切除部12
が残ることにより、前記賦形用空間15に押される樹脂
Pの量が賦形用空間15の容積より大となり、該賦形用
空間15に入りきらない余剰樹脂Peが、前記賦形用空
間15から連続して形成された余剰樹脂収容凹部20に
収容される。そのため、賦形後の形状変化部Mc周辺に
現れるバリ50の量を少なくすることができる。したが
って、プレス成形後におけるバリの除去作業は、大幅に
低減される。さらに、前記余剰樹脂Peの移動距離、特
には裏面除去部11の一般部13側で生じる余剰樹脂P
eが、裏面除去部11先端側のプレス成形型に形成され
た前記バリ収容空間46まで移動する距離が短くなるた
め、その余剰樹脂Peの移動によって形状変化部Mc内
に不均一な応力が生じるのを防ぐことができる。その結
果、プレス圧力の解放後、形状変化部Mc内に不均一な
応力が残留して、歪みが発生するのを防ぐことができる
ので、モールディングの外観が損なわれることはない。
れた後、前記可動型45を上昇させてプレス成形型40
を開き、プレス圧力を解除して、図8に示すように、成
形品10Aを取り出す。次いで、前記プレス成形時にプ
レス成形型40のバリ収容空間46へはみ出した少量の
バリ50を除去し、所望のモールディングを得る。
化部を有する自動車用モールディングの成形について述
べたが、本発明の成形方法は、端末部以外に形状変化部
を有するモールディングの成形にも適用することがで
き、さらには自動車以外に用いられるモールディングの
成形にも適用することができる。
成形方法によれば、賦形後の形状変化部周辺に現れるバ
リの量を少なくすることができ、プレス成形後のバリ除
去作業を大幅に低減することができる。さらに、賦形時
の余剰樹脂の移動距離が短くなるため、その余剰樹脂の
移動によって形状変化部内に不均一な応力が生じるのを
防ぎ、プレス圧力の解放後、形状変化部内に歪みが発生
するのを防ぐことができる。したがって、外観の良好な
モールディングを得ることができる。
形方法における裏面除去工程を示す斜視図である。
形品を示す斜視図である。
ある。
図である。
が収容される際を示す断面図である。
面図である。
ある。
図である。
る。
を示す斜視図である。
を順に示す断面図である。
図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 押出成形品の所要部の裏面を所要量除去
して当該裏面に賦形用空間と該賦形用空間から連続する
余剰樹脂収容凹部とを形成し、 前記裏面除去部を加熱軟化させて所要型面形状を有する
プレス成形型でプレスし、前記賦形用空間と対応する意
匠面側の樹脂を裏面側の賦形用空間へ押して前記型面形
状に賦形するとともに余剰樹脂を前記余剰樹脂収容凹部
に収容することを特徴とするモールディングの成形方
法。 - 【請求項2】 請求項1において、前記余剰樹脂収容凹
部が前記賦形用空間の両側で形成され、該余剰樹脂収容
凹部の一端が賦形用空間と連続して形成されることを特
徴とするモールディングの成形方法。
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- 1997-09-25 JP JP27977997A patent/JP3865894B2/ja not_active Expired - Fee Related
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