JPH1196548A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JPH1196548A
JPH1196548A JP26072197A JP26072197A JPH1196548A JP H1196548 A JPH1196548 A JP H1196548A JP 26072197 A JP26072197 A JP 26072197A JP 26072197 A JP26072197 A JP 26072197A JP H1196548 A JPH1196548 A JP H1196548A
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laser
magnetic recording
recording medium
pulse width
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Withdrawn
Application number
JP26072197A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Osawa
弘 大澤
Hiroyuki Machida
裕之 町田
Kazuyoshi Matsumoto
和芳 松本
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Publication date
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  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 CSS特性、およびグライドハイト特性の両
者が共に優れた磁気記録媒体を製造することができる方
法を提供する。 【解決手段】 パルスレーザ光をガラス基板に照射し、
このガラス基板表面に突起状構造体を形成するテクスチ
ャ加工を行う工程を有する磁気記録媒体の製造方法にお
いて、パルスレーザ光のパルス幅を100〜10000
nsとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク装置
等に用いられる磁気記録媒体の製造方法に関し、さらに
詳しくはCSS特性およびグライドハイト特性の両者が
共に優れた磁気記録媒体を製造することができる方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録の高密度化の進歩はまさに日進
月歩の勢いであり、かつて10年で10倍といわれたハ
ードディスク・ドライブ(HDD)の記録密度向上速度
が最近では10年で100倍という声も聞かれている。
HDDには俗にウィンチェスター様式と呼ばれる、磁気
記録媒体と磁気ヘッド間の接触摺動−ヘッド浮上−接触
摺動を基本動作とするCSS(接触起動停止)方式が主
に採用されている。この方式はHDDの高記録密度化を
一気に加速した画期的なものであるが、一方で深刻なト
ライボロジー上の課題を持ち込む端緒にもなった。HD
Dにおける近年の記録密度の向上は、磁気記録媒体の回
転速度の増加と、磁気ヘッドの浮上高さの減少を伴うも
のであり、HDDにおける摺動耐久性、安定性、および
磁気記録媒体表面の平滑性への要求はますます強まって
いるのが現状である。
【0003】磁気ヘッドと磁気記録媒体の間の摺動耐久
性を向上させる鍵は摩擦係数低下にあり、磁気記録媒体
の側で言えば、従来トップコート技術の検討(ダイヤモ
ンドライクカーボン(DLC)保護膜、各種塗布潤滑剤
等)と並んで磁気記録媒体表面の粗面化によって摩擦係
数を低減させることが検討されてきた。これはテクスチ
ャ処理と呼ばれ、基板表面を粗面化することによって磁
気記録媒体表面に凹凸を形成し、磁気ヘッドと磁気記録
媒体の間の接触面積を低減し摩擦係数を下げ、磁気記録
媒体のCSS耐久性、安定性を高めることを目的として
いる。このテクスチャ処理は磁気記録媒体製造技術の重
要な要素技術となっている。
【0004】上記テクスチャ技術は、基板材質に応じて
使い分けられており、NiP被覆Al基板等にテクスチ
ャ加工を施す場合には、研磨粉等を用いた機械的研磨に
よって凹凸を形成する手法が主に用いられている。ま
た、ガラス基板を用いる場合には、リソグラフィー、或
いはそれと印刷技法を組み合わせたエッチング技術等が
テクスチャ技術として提案され、一部では実用化されて
いる。
【0005】テクスチャ技術では、精密な凹凸制御と並
んで生産効率を高めることも重要であるが、両者はしば
しば拮抗する関係にあり、特に前述のようにHDDの高
記録密度化が驚くべき速さで進行している現今の状勢下
では、上記テクスチャ技術はその要求を満足しきれない
だけではなく、もはや工夫や改良の蓄積ではカバーし得
ない様々な問題点を露呈しつつある。
【0006】例えば、機械研磨法はすでに微細加工制御
の限界付近にあり、凹凸の高低差のみならず、ゾーンテ
クスチャリング等で重要になるテクスチャ領域の精密制
御でも根本的な困難に遭遇している。具体的には、一定
の割合で発生する所定範囲外の高低差を示す凹凸(過研
磨、バリ等)の発生や、テクスチャ境界のぼやけ等によ
るCSS特性の低下が問題となることがある。また、リ
ソグラフィ的手法は、凹凸高低差制御の点では問題ない
ものの、工程の複雑さが避けられず、これが生産効率の
低下を招くことがある。
【0007】また、HDDの高記録容量化、高品質化を
達成するには、磁気記録媒体製造環境の高い清浄性が不
可欠であり、塵埃等の不純物を高いレベルで排除するこ
とは製造工程における至上課題となっている。この観点
から見て、製造工程は不純物混入が起こりにくい方式で
ある乾式であることが望ましい。
【0008】レーザ光を物質加工や測定に応用する試み
はレーザの発明当初から始まったと言えるが、昨今のレ
ーザ光源の発達、開発は基本特性やハンドリング性の目
覚ましい向上をもたらし、高エネルギー加工から超微細
加工、精密測定まで利用技術の広い裾野を形成してい
る。レーザ光によって物質を成膜し、或いは物質表面を
加工するレーザアブレーション(爆蝕)ないしレーザエ
ッチングは80年代から盛んに検討されている技術であ
り、これによって基板表面にテクスチャ加工を施す、所
謂レーザテクスチャ技術は近年、大きな関心を集めてい
る。
【0009】レーザテクスチャ技術は、レーザ光を基板
表面に照射することにより照射位置に突起状構造物(以
下、突起と略称する。)を形成するもので、突起の高
さ、突起同士の間隔、形成位置等の設定を精度よく行う
ことができるばかりでなく、基本的に乾式過程であるた
め磁気記録媒体への不純物混入を防ぐことが可能となる
という利点がある。
【0010】レーザを用いてテクスチャ加工を行う方法
としては、例えばUSP5062021、特開昭62−
209788号公報、特開平3−272018号公報、
特開平7−182655号公報、特開平8−12974
9号公報、特開平7−182655号公報に記載された
ものが知られており、その中のいくつかの技法は量産段
階での実用化にも成功している。例えば、特開平3−2
72018号公報には、Qスイッチパルス発振のNd−
YAGレーザ(波長1064nm、発振周波数12KH
z)を用い、直径2.5〜100μmのクレータ状突起
を間隔12.7〜25.4μmでNiPメッキAl基板
に形成する方法が記載されている。
【0011】また、ガラス、セラミック等の基板に対す
るテクスチャ加工については、特開平7−182655
号公報、特願平7−156723号に、レーザアブレー
ションが発生するエネルギー以下の出力のレーザ光を照
射することにより基板表面に突起を形成する方法につい
ての記載がある。これらの方法においてはパルスレーザ
光のピークエネルギーを利用してテクスチャ加工を行っ
ている。
【0012】レーザ光を基板に照射することにより形成
される突起の高さは、照射されるレーザ出力により変化
する。レーザテクスチャ法を用いて形成される突起の高
さは、通常10〜50nmであり、突起形成のために基
板に照射されるレーザエネルギーは、NiPメッキAl
基板を例にとれば、1つの突起あたり1〜10μJであ
ることが報告されている。(IEEE、TRANSACTIONS ON MAGN
ETICS、VOL.31、No.6、p.2946)。
【0013】このように、レーザテクスチャ加工に必要
とされるレーザエネルギーは、一般にレーザ加工で用い
られるレーザエネルギーと比較して極めて微弱である。
このため、レーザ出力のわずかな変動によって突起高さ
にばらつきが生じたり、突起が形成されないことが発生
することが起こり得る。特にガラス基板にテクスチャ加
工を行う場合には、NiPメッキAl基板にテクスチャ
加工を行う場合に比べレーザ出力の変動に対する突起高
さの変動が極めて大きいことが知られている。
【0014】表面突起高さの変動が大きい磁気記録媒体
では、突起高さのばらつき具合に応じて記録再生時のヘ
ッドと磁気記録媒体との間の距離(フライングハイト、
以下F.H.という)を大きく設定する必要があるため、
記録密度を高めることが難しい。記録密度を高めるには
表面突起の高さを全体に低くし、F.H.を小さくするこ
とが有効であるが、表面突起の高さを低くし過ぎるとC
SS時にヘッドと媒体表面との間で吸着が起きやすくな
り、媒体のCSS特性が悪化してしまう。このため、C
SS特性を悪化させない範囲で突起高さを小さくしグラ
イドハイト特性を高めるには、突起高さの均一化が可能
な製造方法が必要となる。
【0015】上記突起高さの変動という問題に対して
は、従来、レーザ出力を安定化させることによりこの問
題の解決が図られてきた。レーザ出力の安定化技術とし
ては、励起方法を変えるなどの技術が知られており、例
えばYAGレーザの場合、励起方法をアークランプ励起
から半導体レーザ励起に変えることにより、レーザ出力
の大幅な安定化が達成されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特にガ
ラス基板に対するレーザテクスチャ加工においては、上
記レーザ出力安定化技術を応用しても、未だ十分な突起
高さの均一性は得られておらず、十分なCSS特性およ
びグライドハイト特性を有する磁気記録媒体を得ること
ができないのが現状である。本発明は、上記事情に鑑み
てなされたもので、CSS特性およびグライドハイト特
性の両者が共に優れた磁気記録媒体を製造することがで
きる方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討の
結果、パルス幅を特定の範囲に設定したパルスレーザ光
を用いてテクスチャ加工を行うことにより、レーザ出力
の変動に対する突起高さの変動を小さくすることが可能
となることを見いだした。本発明は、この知見に基づい
て提案されたもので、パルス幅100〜10000ns
のパルスレーザ光を用いることを特徴とするものであ
る。前記パルスレーザ光は、連続発振されたレーザ光を
外部変調器を用いてパルス化することにより得たものと
してもよいし、Qスイッチパルスレーザを用いて得たも
のとしてもよい。また、この際、レーザ光照射によって
基板表面に形成される突起状構造体を直径0.1〜10
μm、高さ1〜30nmのものとし、突起状構造体の占
有面積の基板表面積に対する割合を0.1〜99.9%
とするのが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明においては、レーザ光を、
後述するパルス化技術によりパルス幅が100〜100
00nsとなるようにパルス化した上で基板表面に照射
し、このガラス基板表面のレーザ光照射位置に突起を形
成し、これによりテクスチャ加工を施した基板を得る。
上記ガラス基板としては、石英ガラス、ソーダライムガ
ラス、結晶化ガラスなどの汎用のものを用いてよい。レ
ーザ光源としては、CO2レーザ、COレーザ、YAG
レーザ等を用いてよい。
【0019】上記パルスレーザ光のパルス幅は100n
s未満であるとレーザ出力の変動に対する突起高さの変
動幅が大きくなり、ガラス基板表面に形成される突起高
さに大きなばらつきを生じてしまう。また、パルス幅が
10000nsを越えると、繰り返し周波数を低く設定
せざるを得ず、基板上の目的とする範囲に突起を形成す
るのに長時間を要するようになるため、生産効率の面で
問題がある。
【0020】上記パルス幅が100ns未満であると突
起高さのばらつきが大きくなる理由は明らかでないが、
その理由としては、次に示すものを考えることができ
る。レーザ光照射による突起形成は、次の過程を経て進
行するものと考えられる。レーザ光が基板に照射される
と、レーザ光照射位置の基板表面付近のごく浅い領域に
大きなエネルギーが与えられ、ごく短時間のうちにこの
部分は温度が上昇し低粘度化すると共に熱膨張によりそ
の体積が増大し、表面から大きく突出する。続いて、突
出した変形部分は流動により比較的長い時間をかけてそ
の体積を減じ、突出高さが徐々に小さくなっていく。こ
の際、時間当たりの突出部分の体積減少率は、徐々に小
さくなる。レーザ光照射が終了すると、上記突出部分の
温度が低下し、この部分はその形状のまま硬化し、突起
となる。
【0021】この際、上記パルスレーザ光のパルス幅が
小さすぎると、熱膨張により突出部分が形成されてから
それほど時間が経過していない段階、すなわち突出部分
の体積が減少していく過程における時間当たりの体積減
少率が大きい段階でレーザ光照射が終了する。このた
め、レーザ光出力などのレーザ光照射条件のわずかな変
動により突出部分の大きさが変動しやすく、形成される
突起高さが不均一となりやすい。これに対し、上記パル
ス幅が適切な範囲内にあると、上記突出部分の体積が減
少していく過程における時間当たりの体積減少率が小さ
い段階でレーザ光照射が終了し、レーザ光照射条件に多
少の変動があっても突起高さが均一となりやすい。以上
のような理由で、パルス幅が100ns未満である場合
には突起高さのばらつきが大きくなると推測することが
できる。
【0022】レーザ光をパルス化し、パルスレーザ光を
得る方法としては、例えば以下に示す2種類の方法を用
いることができる。 (1)連続発振されたレーザ光を外部変調器を用いてパ
ルス化することによりパルスレーザ光を得る方法 (2)Qスイッチパルスレーザを用いてパルスレーザ光
を得る方法
【0023】(1)の方法は、連続発振レーザにより得
られたレーザ光をEOM、AOMなどの外部変調器に通
すことによりパルス化するものである。この方法では、
繰り返し性に優れたパルスを得ることができ、しかもパ
ルス幅を任意に設定することができる点で好ましい。
【0024】上記EOMとは電気光学効果変調器(El
ectric−Optic−Modulator)のこ
とであり、光学結晶に電圧を印加して結晶の屈折率が変
化する電気光学効果を利用して入射した連続発振レーザ
光の光路を変更させることによりレーザ出力を連続的に
変化させるものである。また、AOMとは音響光学変調
器(Acoustic−Optic−Modulato
r)のことであり、光学結晶に外部より超音波を導入
し、結晶の光学弾性効果を利用して入射した連続発振レ
ーザ光の回折角度を変化させることにより直進透過する
レーザ出力を連続的に変化させるものである。
【0025】(2)の方法は、レーザ共振器を備えたQ
スイッチパルスレーザを用い、レーザ共振器のQ値の切
り替えにより大出力のパルスを得る方法である。レーザ
共振器は、EOMやAOMなどの変調器を内蔵したもの
で、この変調器の動作を外部電気信号により制御するこ
とによりレーザ光をパルス化するものである。Qスイッ
チパルスレーザを用いた方法は、ピークエネルギーの高
いパルスを得ることができ、かつ発振効率が高い点で優
れている。
【0026】上記レーザ光としては、波長が200〜6
00nm、あるいは5000〜12000nmのものを
用いるのが好適である。200nm未満の波長のレーザ
光は、ガラスに対する吸収率は良好であるものの、波長
200nm未満のレーザ光を発するレーザにはエキシマ
レーザなどの繰り返し性、安定性に劣るものが多く、形
成される突起高さが不均一となり易く、得られる磁気記
録媒体のCSS特性が低下してしまう。600nmを越
え、5000nm未満の波長のレーザ光は、ガラスに対
する吸収率が低く、突起大きさを十分なものとすること
ができないため好ましくない。
【0027】また12000nmを越える波長のレーザ
光は、ガラスに対する吸収率は良好であるものの、12
000nmを越える波長のレーザ光を発するレーザに
は、極低温(15〜90K)でしか動作しない鉛化合物
系半導体レーザなどの繰り返し性、安定性に劣るものが
多く、形成される突起高さが不均一となり易く、得られ
る磁気記録媒体のCSS特性が低下してしまう。また、
波長300〜600nmのレーザ光を用いる場合には、
テクスチャ処理を施すべきガラス基板にCr、Co、M
n等を含む顔料を添加することによりこのガラス基板を
着色し、そのレーザ光吸収率を高めておくことが好まし
い。
【0028】上記操作によって基板表面に突起を形成す
る際には、レーザ光の出力、ビーム径等の照射条件を適
宜設定することによって、突起の直径を1〜10μm、
高さを1〜30nm、基板表面積に対する突起の占有面
積の割合を0.1〜99.9%とするのが好ましい。
【0029】突起の直径、高さ、および基板表面積に対
する突起の占有面積の割合を上記範囲に設定したのは、
次に示す理由による。突起の直径が1μm未満である場
合には突起がCSS時に削れ易くなりCSS特性が低下
し、直径が10μmを越える場合にはCSS時にヘッド
が突起に接触した際にヘッドに加えられる衝撃が大きく
なりグライドノイズが増大してしまう。また突起の高さ
が1nm未満であると媒体に対するヘッドの吸着が起き
やすくなり、30nmを越えるとCSS時にヘッドが突
起に衝突し、ヘッドクラッシュが起こりやすくなるため
好ましくない。また、基板表面に対する突起の占有面積
の割合が0.1%未満である場合または99.9%を越
える場合には、CSS時にヘッドが基板表面に吸着しや
すくなる。
【0030】次いで、上記のようにしてテクスチャ処理
を施した基板上に、Cr、Cr/Ti合金などからなる
非磁性下地層、Co/Cr合金、Co/Cr/Ta合金
などからなる磁性層、カーボンなどからなる保護層をス
パッタリング、真空蒸着、イオンプレーティング、メッ
キなどの手法により形成する。また保護層上に、パーフ
ルオロポリエーテル(PFPE)などからなる潤滑層を
設けてもよい。このようにして得られた磁気記録媒体
は、基板にテクスチャ処理が施されたものであるため、
表面突起を有するものとなる。
【0031】上記製造方法にあっては、パルスレーザ光
のパルス幅を100〜10000nsとするので、均一
な高さの突起が効率よく形成される。従って、グライド
ハイト特性およびCSS特性の両者が共に優れた磁気記
録媒体を効率よく製造することが可能となる。
【0032】
【実施例】
(実施例1)レーザ光源として、Qスイッチパルスレー
ザ(半導体励起YAG第二高調波レーザ)を用い、波長
532nm、繰り返し周波数40kHz、パルス幅18
0ns、パルスエネルギー7μJ、入射ビーム径5mm
のパルスレーザ光をNA=0.13のレンズを通してガ
ラス基板表面に照射しテクスチャ加工を行った。このガ
ラス基板としては、K2Cr27、MnO2、CoOを合
計5wt%添加し着色したリチウムシリケイト製の直径
65mmのものを用いた。
【0033】上記操作の際には、ガラス基板を周速4m
/sで等周速回転させつつ、パルス化したレーザ光を基
板に照射し、照射位置を基板径方向にずらせながら基板
の半径12〜16mmの領域にレーザ光照射を行った。
上記操作により得た基板に、引き続き、基板温度200
℃にてCrからなる厚さ100nmの下地層、CoCr
Ta合金からなる厚さ20nmの磁性層、カーボンから
なる厚さ20nmの保護層を順次スパッタ成膜し、さら
にPFPE(パーフルオロポリエーテル)系潤滑剤を塗
布成膜して、磁気記録媒体を得た。
【0034】(実施例2)出力10Wの半導体励起YA
G第二高調波連続発振レーザを用い、波長532nmの
レーザ光を外部変調器EOMにより繰り返し周波数20
0kHz、パルス幅300ns、パルスエネルギー3μ
J、入射ビーム径7mmのパルスレーザ光とし、これを
NA=0.13のレンズを通して実施例1で用いたもの
と同様の着色ガラス基板表面に照射しテクスチャ加工を
行った。この基板上に、実施例1と同様にして下地層、
磁性層、保護層、および潤滑層を設け、磁気記録媒体を
得た。
【0035】(実施例3)出力10Wの半導体励起YA
G第二高調波連続発振レーザを用い、波長532nmの
レーザ光を外部変調器AOMにより繰り返し周波数20
0kHz、パルス幅500ns、パルスエネルギー3μ
J、入射ビーム径7mmのパルスレーザ光とし、これを
NA=0.13のレンズを通して実施例1で用いたもの
と同様の着色ガラス基板表面に照射しテクスチャ加工を
行った。この基板上に、実施例1と同様にして下地層、
磁性層、保護層、および潤滑層を設け、磁気記録媒体を
得た。
【0036】(実施例4)出力50WのRF励起CO2
レーザを用い、波長10.6μmのレーザ光を外部変調
器AOMにより繰り返し周波数50kHz、パルス幅2
000nm、パルスエネルギー40μJ、入射ビーム径
12mmのパルスレーザ光とし、これを焦点深度63.
5mmのレンズを通して実施例1で用いたものと同様の
ガラス基板表面に照射しテクスチャ加工を行った。この
基板上に、実施例1と同様にして下地層、磁性層、保護
層、および潤滑層を設け、磁気記録媒体を得た。
【0037】(比較例1)Qスイッチパルスレーザ(半
導体励起YAG第二高調波レーザ)を用い、波長532
nm、繰り返し周波数40kHz、パルス幅10ns、
パルスエネルギー3μJ、入射ビーム径5mmのパルス
レーザ光をNA=0.13のレンズを通して実施例1で
用いたものと同様の着色ガラス基板表面に照射しテクス
チャ加工を行った。この基板上に、実施例1と同様にし
て下地層、磁性層、保護層、および潤滑層を設け、磁気
記録媒体を得た。
【0038】(比較例2)Qスイッチパルスレーザ(半
導体励起YAG第二高調波レーザ)を用い、波長532
nm、繰り返し周波数40kHz、パルス幅10ns、
パルスエネルギー2.8μJ、入射ビーム径5mmのパ
ルスレーザ光をNA=0.13のレンズを通して実施例
1で用いたものと同様の着色ガラス基板表面に照射しテ
クスチャ加工を行った。この基板上に、実施例1と同様
にして下地層、磁性層、保護層、および潤滑層を設け、
磁気記録媒体を得た。
【0039】(比較例3)出力10Wの半導体励起YA
G第二高調波連続発振レーザを用い、レーザ光を外部変
調器EOMにより波長532nm、繰り返し200kH
z、パルス幅50ns、パルスエネルギー0.5μJ、
入射ビーム径7mmのパルスレーザ光とし、これをNA
=0.26のレンズを通して実施例1で用いたものと同
様の着色ガラス基板表面に照射しテクスチャ加工を行っ
た。この基板上に、実施例1と同様にして下地層、磁性
層、保護層、および潤滑層を設け、磁気記録媒体を得
た。
【0040】(比較例4)出力10Wの半導体励起YA
G第二高調波連続発振レーザを用い、レーザ光を外部変
調器AOMにより波長532nm、繰り返し200kH
z、パルス幅80ns、パルスエネルギー0.5μJ、
入射ビーム径7mmのパルスレーザ光とし、これをNA
=0.26のレンズを通して着色ガラス基板表面に照射
しテクスチャ加工を行った。この基板上に、実施例1と
同様にして下地層、磁性層、保護層、および潤滑層を設
け、磁気記録媒体を得た。
【0041】得られた磁気記録媒体について、突起高さ
(平均値)、直径(平均値)、突起高さのばらつき(標
準偏差σ)をP−12(Tencor社製)を用いて測
定した。また、グライドハイト特性をグライドハイトテ
スター(ソニーテクトロニクス社製、DS−100)を
用いて測定した。また、CSS操作を10000回行っ
た後のフリクション値をCSSテスター(光洋社製、K
T501)を用いて測定した。結果を表1および表2に
示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】表1より、テクスチャ加工の際にレーザ光
のパルス幅を100〜10000nmとし、突起の平均
高さを150Åとした実施例1〜4の磁気記録媒体は、
パルス幅を上記範囲外とし、平均突起高さを上記実施例
と同様に150Åとした比較例1、3、4の磁気記録媒
体に比べ、突起高さのばらつきが小さく、これによりグ
ライドハイトを低くすることが可能であったことが分か
る。また、表2に示す実施例1と比較例2との比較によ
り、同じグライドハイトで比較した場合、実施例1の方
がCSS特性の点で優れていることが分かる。
【0045】本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限りど
のようにでも実施することができる。例えば、基板の上
に成膜する各層、すなわち下地層、磁性層、保護層、潤
滑層等は、その材質や組成、成膜方法等を限定するもの
ではなく、公知の材料、公知の方法を適宜に選定、組み
合わせて使用することができる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にあって
は、レーザテクスチャ加工に用いるパルスレーザ光のパ
ルス幅を100〜10000nsとするので、高さのば
らつきが小さい突起をガラス基板表面に効率よく形成す
ることが可能となる。従って、グライドハイト特性およ
びCSS特性の両者が共に優れた磁気記録媒体を効率よ
く製造することが可能となる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルスレーザ光をガラス基板に照射し、
    このガラス基板表面に突起状構造体を形成するテクスチ
    ャ加工を行う工程を有する磁気記録媒体の製造方法にお
    いて、 前記パルスレーザ光のパルス幅を100〜10000n
    sとすることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の磁気記録媒体の製造方法
    において、前記パルスレーザ光を、連続発振されたレー
    ザ光を外部変調器を用いてパルス化することにより得た
    ものとすることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の磁気記録媒体の製造方法
    において、前記パルスレーザ光を、Qスイッチパルスレ
    ーザを用いて得たものとすることを特徴とする磁気記録
    媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のうちいずれか1項記載の
    磁気記録媒体の製造方法において、レーザ光を、波長が
    200〜600nmあるいは5000〜12000nm
    であるものとすることを特徴とする磁気記録媒体の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のうちいずれか1項記載の
    磁気記録媒体の製造方法において、突起状構造体を直径
    0.1〜10μm、高さ1〜30nmのものとし、突起
    状構造体の占有面積の基板表面積に対する割合を0.1
    〜99.9%とすることを特徴とする磁気記録媒体の製
    造方法。
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