JP3030246B2 - テキスチャ装置およびテキスチャ加工方法 - Google Patents

テキスチャ装置およびテキスチャ加工方法

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JP3030246B2 JP7346782A JP34678295A JP3030246B2 JP 3030246 B2 JP3030246 B2 JP 3030246B2 JP 7346782 A JP7346782 A JP 7346782A JP 34678295 A JP34678295 A JP 34678295A JP 3030246 B2 JP3030246 B2 JP 3030246B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テキスチャ装置お
よびテキスチャ加工方法に関するものであり、詳しく
は、レーザビームを利用した上記の装置および加工方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク装置においては、磁気ディ
スクと磁気ヘッドとの間の微小な空隙を安定に維持する
ため、停止時には磁気ヘッドが磁気ディスク面に接触し
て停止しており、駆動時には磁気ヘッドが磁気ディスク
面を摺動して浮上走行する、所謂コンタクト・スタート
・ストップ(CSS)方式が採用されている。テキスチ
ャ加工は、磁気ディスク基板の表面に微小な突起(条痕
パターン)を形成する加工であり、良好なCSS特性な
どを得るために行われる。
【0003】従来、上記のテキスチャ加工は、バインダ
に分散した砥粒を塗布した研磨テープや砥粒を分散した
スラリーを使用する機械的な研削が主に採用されてい
た。しかしながら、近年、磁気ディスク装置の小型化に
より、使用されるモーターも小型になり、駆動時のトル
クも低下する傾向にある。そのため、従来のテキスチャ
方法では十分な接触面積の低減が図れず、停止時におけ
るヘッドのディスク表面への吸着力がモーターのトルク
を上回り、起動を妨げるスティッキング現象が問題にな
っている。
【0004】加えて、記録密度向上のため、ヘッドの浮
上高は低下する傾向にあり、それにつれてCSSゾーン
に施すテキスチャ加工にも、低く均一な高さの加工が要
求されてきている。しかしながら、従来の機械的研削に
よるテキスチャ加工では均一性も加工高さも制御が困難
であり、昨今の要求には追従できなくなっている。
【0005】そのため、代替え方法として、例えば、米
国特許第5,062,021号明細書には、パルス幅が
短く出力の大きいQスイッチYAGレーザビームを利用
したテキスチャ加工が提案されている。この方法は、溶
融形成された穴部とその周囲が表面張力で盛り上がって
固化した円環状のリム部とから成るクレータ状の凹凸突
起を形成する方法である。
【0006】レーザビームを使用したテキスチャ加工
は、機械的な研磨による加工に比べて絶対的な高さやそ
の均一性の制御が容易であり、今後、有望な加工方法で
あると考えられる。しかしながら、前述の米国特許にお
いては実際に工業的な生産を考慮した加工装置について
は検討がなされていない。
【0007】レーザビーム発生装置は高価であり、レー
ザビーム加工は長時間を要し、また、一般にテキスチャ
加工は数mμ程度のピッチで数mmから数十mmの幅に
亘って加工を行う必要があるため、加工終了までには磁
気ディスク基板を数百回転させる必要があるにも拘ら
ず、上記の米国特許明細書には、生産性を高めた実際装
置としての提案はなされていない。また、提案された方
法で得られるテキスチャ加工基板は、磁気ディスクと磁
気ヘッドとのスティッキング問題に対しては不十分であ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その目的は、レーザビームを
利用し、加工生産性の向上を図ったテキスチャ装置を提
供することにあり、他の目的は、更に、良好なCSS特
性およびスティッキング特性と磁気ヘッドの低浮上化と
を同時に可能とするテキスチャ装置およびテキスチャ加
工方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第1
の要旨は、磁気ディスク基板の表面に微小突起を形成
るテキスチャ装置であって、複数の基板回転機構、連続
発振可能なレーザビーム発振器、当該発振器からのレー
ザビームをON/OFF制御する電気光学変調器(EO
M)、当該電気光学変調器からのレーザビームを分割す
る複数のレーザビーム分割器、当該レーザビーム分割器
にて分割された各レーザビームを前記複数の基板回転機
構にて回転支持された各基板表面に照射する複数の集光
機構、当該集光機構と前記複数の基板回転機構とを相対
移動させる移動機構を備えて成ることを特徴とするテキ
スチャ装置に存する。
【0010】そして、本発明の第2の要旨は、上記のテ
キスチャ装置を使用し、磁気ディスク基板の表面に凸状
の近傍に当該凸部と連なる凹部を備えた形状の微小突起
を1mm 当たり10〜10 個形成することを特徴と
する磁気ディスタ基板のテキスチャ加工方法に存する。
【0011】以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に
説明する。先ず、本発明のテキスチャ装置について説明
する。図1は、本発明のテキスチャ装置の一例の説明図
である。
【0012】本発明のテキスチャ装置は、磁気ディスク
基板の表面に微小突起を形成する装置であり、好ましい
態様において、微小突起は、CSSゾーンに同一間隔で
形成される。基板としては、サブストレイトと呼ばれて
いる基板、すなわち、Al合金、例えば、Al−Mg合
金などの基板の表面にNi−Pの無電解メッキ下地層を
設け、当該下地層に鏡面加工(ポリッシュ加工)を施し
た基板またはガラス基板、ケイ素基板などが挙げられる
が、銅、チタン等の他の金属基板、カーボン基板、セラ
ミック基板、樹脂基板などを使用することも出来る。
【0013】ここで、以下の説明においては説明の便宜
上から単に基板と表現するが、上述した基板はもとよ
り、基板上に下地層、磁性層、保護層、潤滑剤層などを
設けた後の状態であっても、その過程であっても本発明
によるテキスチャ装置は使用可能であり、以下基板とは
上記の何れかの状態を意味する。
【0014】本発明のテキスチャ装置は、複数の基板回
転機構(10)、(10)…、レーザビーム発振器
(1)、当該発振器からのレーザビームをON/OFF
制御する変調器(2)、当該変調器からのレーザビーム
を分割する複数のレーザビーム分割器(4)、(4)
…、当該レーザビーム分割器にて分割された各レーザビ
ームを複数の基板回転機構にて回転支持された各基板表
面に照射する複数の集光機構(5)、(5)…、当該集
光機構と複数の基板回転機構(10)、(10)…、と
を相対移動させる移動機構(6)を備えて成る。なお、
基板回転機構(10)は3基例示されているが、その数
は任意である。
【0015】基板回転機構(10)は、通常、スピンド
ルモータにて構成され、基板(11)は、スピンドルモ
ータの回転軸に支持され、一定の回数転または線速度で
回転させられる。基板の回転数などは、生産性を考慮し
て決定されるが、基板の回転数は、900rpm以上が
好ましく、特に1800rpm以上が好ましく、360
0rpm以上が最も好ましい。スピンドルモータの回転
軸がぶれると、面ぶれが大きくなり、焦点が絞り難くな
り、突起形状がばらつき、場合によっては所望の突起形
状が得られなくなることから、ぶれは±25μm未満で
あることが好ましい。
【0016】レーザビーム発振器(1)としては、ガス
レーザが好ましく、中でもCO2 ガスレーザ、Arガス
レーザ、連続発振可能なYAGレーザ等が好ましく、中
でもArガスレーザが好適に使用される。ガスレーザ
は、QスイッチYAGレーザやエキシマレーザ等に比
し、位相が揃っており且つビームスポットの絞り込みが
容易であるため、鋭い突起形状を形成し得る点で有利で
ある。
【0017】レーザの波長としては、通常、可視領域の
方が高出力が得られ易い。Arガスレーザビームは、代
表的には、488nm又は514.5nmの波長を有す
る。なお、ガラス基板に直接照射する場合には、比較的
小出力の紫外領域のもの、例えば、350nmのアルゴ
ン、FHG(fourth harmonic gen
erator)を通した266nmのYAGレーザが挙
げられる。
【0018】レーザビーム発振器(1)から基板(1
1)の表面に照射されるレーザビームは、凸状の近傍に
当該凸部と連なる凹部を備えた形状の微小突起を形成し
得るエネルギーに制御されるのが好ましい。
【0019】変調器(2)としては、高速変調が可能で
あることが好ましい。また、立ち上がり時間が50ns
以下で、立ち上がり時間および立ち下がり時間を含めた
パルス幅が50ns〜2μsであることが好ましい。パ
ルス幅が50ns未満では突起が生成しなかったり、所
望の形状の突起ができ難く、2μsを超えると突起先端
の面積が大きくなり、CSS特性が低下する傾向があ
る。
【0020】加えて、変調器には立ち上がりよくON/
OFF可能であることが好ましい。変調器の立ち上がり
時間は突起の鋭さに影響するため、立ち上がり時間の長
い変調器を使用するとヘッドとの接触面積の大きな突起
が形成される。そこで、本発明においては、変調器に使
用する変調素子として電気光学変調素子(EOM)が使
用される。電気光学変調素子は、数100Mbpsまで
の高速変調(ON/OFF)が可能である。また、ON
時にアナログ変調を行うことも出来る。
【0021】変調周波数としては、0.5〜10MHz
が好ましく、特に0.5〜5MHzが好ましい。変調周
波数が0.5MHz未満では突起とヘッドの接触面積が
大きくなる。また、10MHzを超えると隣り合った突
起が干渉し、独立した突起の作成が困難となる。また、
パルス幅(1つの突起を形成するのに必要な照射時間)
は40nsec〜100μsecが好ましく、50ns
ec〜2μsecが特に好ましい。パルス幅が大きくな
ると突起が連続し、ヘッドとの接触面積が大きくなる。
【0022】レーザビーム分割器(4)としては、通
常、2個の直角プリズムを使用し、斜辺の一方に半透膜
をコートして斜辺同士を接合した所謂ビームスプリッタ
キューブが使用される。そして、分割比の異なる複数の
レーザビーム分割器を使用することにより、各基板に照
射されるレーザビーム量を一定に調整することが出来
る。
【0023】集光機構(5)としては、対物レンズが使
用され、通常、後述するオートフォーカス(AF)シス
テムを組み合わせて使用される。最後の集光機構(5)
は、全反射ミラーと対物レンズとの組合せとして構成さ
れ、それ以前の集光機構(5)は、前述のレーザビーム
分割器(4)と対物レンズの組合せとして構成される。
また、対物レンズの手前にビームエキスパンダを設けて
対物レンズの有効径に等しい程度までビーム径を広げる
ことが鮮明なスポットを形成させるために好ましい。通
常、レンズの有効径は、レンズ径の50〜80%程度で
ある。
【0024】本発明のテキスチャ装置の特徴は微小な突
起を均一に設けることであるため、基板に照射されるレ
ーザービームのスポット径の絶対値、均一性およびシャ
ープネスは重要なファクターである。スポット径として
は0.2〜4μm、中でも0.2〜2μmが好ましい。
なお、ここで、スポット径は、光中央部の最高強度の
「eの2乗分の1」に強度が低下する円の直径を表す。
加えて、対物レンズの開口率をNA、レーザービームの
波長をλとしたとき、NAが0.3〜0.8、かつλ/
NAが0.16〜3.3を満たすことが好ましい。
【0025】更に、スポットのシャープさの点から、対
物レンズの焦点距離としては20mm以下、特に5mm
以下であることが好ましい。なお、この様な場合、基板
と対物レンズとは、極めて近接した配置をとるため、基
板の安定的な着脱および回転ならびに高速回転を可能に
し、かつ対物レンズの移動運動を妨げないだけの十分な
形状を有することが必要となる。
【0026】すなわち、基板上面とスピンドルの回転軸
の先端の距離が、基板上面と対物レンズとの距離(ワー
キングディスタンス)に対して、0.8以下、好ましく
は0.6以下の割合で基板面から張り出していることが
好ましい。ワーキングディスタンスとしては、通常10
mm以下となる。加えて、スピンドルの回転軸の基板裏
面近傍に切り欠き部を設け、対物レンズの安定的な移動
運動を補償することが好ましい。
【0027】また、対物レンズとして、非球面レンズを
使用することにより、レンズの重量を軽減し、かつ、光
透過率をアップし、ワーキングディスタンスを広げるこ
とが出来るので好ましい。基板のうねりやスピンドルの
軸ぶれなどにより対物レンズと基板との距離が変動する
ので、スポット径を一定に保つために集光機構は更にオ
ートフォーカス(AF)機構を有することが好ましい。
特に、オートフォーカス機構の応答周波数は90Hz以
上であることが好ましい。
【0028】応答周波数が遅くなると、ビームスポット
の大きさがばらつき、突起の大きさや高さが不均一とな
る。また、AF機構として、面ぶれ学習機能、すなわ
ち、レーザ照射を行った部分でのAF制御の実績を例え
ばフィードフォワード的にディスクの回転に同期させて
AF制御に活かし、制御効率を高めることが好ましい。
【0029】移動機構(6)としては、例えば、リニア
スライダーが好適に使用される。図1においては、集光
機構(5)と基板回転機構(10)との相対移動の方法
として、集光機構(5)側を移動する構成が例示してあ
る。すなわち、複数の集光機構(5)、(5)…が、1
基のリニアスライダー(6)に搭載されている。
【0030】そして、複数の基板回転機構(5)、
(5)…は、同時に一定速度で移動させられる。集光機
構と基板の相対移動速度は遅すぎるとCSS特性の向上
が困難となり、速すぎると突起とヘッドとの接触面積が
大きくなるため、CSS特性の良好な範囲に定める。通
常は、ビームの照射面上での相対走査速度として、通常
2m/s以上、中でも2〜50m/sとする。
【0031】一方、基板回転機構(10)と集光機構
(5)とを相対移動させる他の構成として、基板回転機
構(10)を移動する構成とすることも出来るし、また
は、それらを組み合わせてもよい。
【0032】図1に戻って、移動機構(6)は、複数の
基板(11)、(11)のそれぞれにテキスチャ加工を
行う全行程に亘って必要な低速度で移動させることも可
能であるが、通常は、生産性を考慮し、一つの基板(1
1)から他の基板(11)に移動させる際には速められ
た速度で移動させられる。そして、斯かる速度制御は、
移動機構(6)に他の移動機構を搭載して、その一方に
よって基板の間の移動を行わせ、他の一方によってテキ
スチャ加工のための移動を行うことも出来る。
【0033】なお、一つの基板(11)から他の基板
(11)に移動させる際にのみ移動機構(6)を利用す
る場合は、集光機構(5)を搭載する他の移動機構(6
a)を使用し、その移動によって一つの基板(11)の
テキスチャ加工を行う必要がある。他の移動機構(6
a)としても前述のリニアスライダーが好適に使用され
る。
【0034】本発明においては、磁気ディスク基板の表
面のみならず裏面にも同時に微小突起を形成することが
出来る。斯かる態様は、例えば、図示した様に、最初の
集光機構(5)の前に、レーザビーム分割器(7)と、
全反射ミラー(8)と、全反射ミラーと対物レンズとの
組合せとして構成される集光機構(9)とを配置し、レ
ーザビーム発振器(1)から出射されたレーザビームを
分割し、分割されたレーザビームを基板回転機構にて回
転支持された基板の裏面に照射することによって実現す
ることが出来る。
【0035】図示した例においては、最初の基板(1
1)の裏面にのみレーザビームの照射が行われている
が、前記と同様の構造の複数の集光機構を基板の裏面に
対応させて配置することにより、複数の基板の両面につ
いて同時に微小突起を形成することが出来る。
【0036】本発明のテキスチャ装置には、基板の表面
に同一又は異なった間隔の一定パターンで微小突起を形
成する手段として、レーザビームの変調タイミングを制
御するタイミング制御部(3)が備えられる。
【0037】すなわち、例えば通常採用される同一間隔
で微小突起を形成する際、移動機構(6)及び基板回転
機構(10)の定速運転により、一定回転数一定速度で
基板(11)を移動させた場合、基板表面に形成される
微小突起の間隔は外周に向かうに従って広くなる。そこ
で、タイミング制御部(3)により、基板の位置を確認
し、その信号によってレーザビームの変調タイミング
(照射時間)を制御し、基板表面に形成される微小突起
の間隔を一定にする。
【0038】タイミング制御部(3)は、コンピュー
タ、位置検出機構、必要なインターフェイス等によって
構成される。位置検出機構としては、例えば、レーザ変
位計、エンコーダ等を利用することが出来る。なお、レ
ーザビームの変調タイミングを制御せずに、移動機構
(6)及び基板回転機構(10)の速度制御を行っても
よい。
【0039】なお、突起形状を均一にするに当たって、
集光機構と基板回転機構の相対移動に基づくレーザスポ
ットの掃引距離は、円盤状基板の内周と外周、すなわ
ち、半径方向の位置が変化しても一定となる様にするこ
とが好ましく、その場合、パルス幅、または、基板の回
転数を照射位置に応じて変化させることが好ましい。
【0040】スピンドル回転数が一定の装置にあって
は、半径方向の位置を計測する手段、当該計測手段によ
って計測された半径方向のそれぞれの位置に対してレー
ザスポットの掃引距離を一定とするパルス幅を演算する
手段、当該演算結果に基づき、レーザビームを変調する
手段によって構成される。
【0041】また、パルス幅が一定の装置にあっては、
半径方向の位置を計測する手段、当該計測手段によって
計測された半径方向のそれぞれの位置に対してレーザス
ポットの掃引距離を一定とするスピンドル回転数を演算
する手段、当該演算結果に基づいてレーザビームを変調
する手段によって構成される。
【0042】次に、上記のテキスチャ装置を使用した本
発明のテキスチャ加工方法について説明する。本発明の
テキスチャ加工方法においては、上記のテキスチャ装置
を使用し、磁気ディスク基板の表面に凸状の近傍に当該
凸部と連なる凹部を備えた形状の微小突起を1mm2
たり10〜108 個形成する。
【0043】先ず、複数の基板回転機構(10)、(1
0)…に各基板(11)、(11)…をセットし、移動
機構(6)及び基板回転機構(10)の定速運転によ
り、一定回転数一定速度で基板(11)を移動させる。
次いで、レーザビーム発振器(1)からのレーザビーム
を変調器(2)によってパルスレーザに変換し、複数の
レーザビーム分割器(4)、(4)…及び複数の集光機
構、(5)、(5)…を通し、各基板(11)、(1
1)表面に照射する。すなわち、複数の基板のテキスチ
ャ加工を同時に行う。
【0044】凸状の近傍に当該凸部と連なる凹部を備え
た形状の微小突起を形成する条件としては、レーザビー
ムの出力が重要である。そして、具体的なレーザビーム
の出力は、基板の表面材質などによって異なるが、照射
面において、通常50〜2000mW、好ましくは50
〜1000mw、特に好ましくは50〜400mWの範
囲の光源を使用する。50mW未満では突起の形成が困
難であり、また2000mWを超えるとCSS特性の優
れたテキスチャ加工が困難となる。また、連続出力が可
能なレーザを使用することが好ましい。
【0045】典型的なNi−P層の場合は、通常50〜
700mw、好ましくは50〜700mwの範囲から選
択され、また、平均照射時間は0.04〜100μse
cの範囲から選択される。ここで、平均照射時間とは、
1個の突起を形成させるのに必要な照射時間を指す。
【0046】特に、レーザビームの出力が上記の範囲を
超える場合は、米国特許第5,062,021号明細書
に記載されたクレータ状の凹凸突起が形成され、磁気デ
ィスクと磁気ヘッドとのスティッキング問題に対しては
不十分である。なお、Ni−P層の厚さは、50〜2
0,000nm、好ましくは100〜15,00nmの
範囲とするのがよい。
【0047】また、レーザビームのスポット径は、0.
2〜4μmの範囲が好ましく、0.2〜1.5μmの範
囲が特に好ましい。基板の回転数などは、生産性を考慮
して決定されるが、通常、基板の回転数は、900〜7
200rpm、基板の移動速度は、移動機構(リニアス
ライダー)の移動速度として0.03〜60mm/se
cの範囲から選択するのがよい。
【0048】本発明のテキスチャ加工方法によれば、上
記の条件を採用することにより、磁気ディスク基板の表
面に凸部(突起)の高さが1〜100nmであり且つ凸
状の近傍に当該凸部と連なる凹部を備えた形状の微小突
起を1mm2 当たり10〜108 個形成することが出来
る。中でも、各突起の頂点から1nm下の高さにおける
等高線で囲まれた図形の面積の平均値が、1μm2 以下
の比較的急峻なものが得られる。その結果、良好なCS
S特性およびスティッキング特性と磁気ヘッドの低浮上
化とを同時に可能とする磁気ディスク基板が得られる。
【0049】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
【0050】直径95mmのディスク状Al合金基板表
面に膜厚15μmのNi−P無電解メッキを施した後、
表面粗さ(Ra)が1nm以下となる様に表面研磨を行
ってディスク基板を得、その片面のテキスチャ加工を行
った。使用したテキスチャ装置の構成は次の通りであ
る。
【0051】すなわち、図1の構成において、ビームス
プリッタ(7)を使用せず、集光機構(5)を2基使用
し、1基目の(光源側の)集光機構は、ビームスプリッ
タキューブとオートフォーカスシステムを組み合わせた
対物レンズとの組み合わせとして構成し、もう一つの集
光機構は全反射ミラーとオートフォーカスシステムを組
み合わせた対物レンズの組み合わせとして構成した。
【0052】ビームスプリッタ(4)としては、ビーム
スプリッタキューブを使用した。そして、レーザービー
ム光源にはArガスレーザビームチューブ(波長488
nm、最大出力2W)、変調器には電気光学変調素子
(応答周波数:2MHz、立ち上がり時間:15ns)
を使用し、その他の条件は次の通りとした。
【0053】
【表1】レーザービーム出力:400mw パルス幅:0.156μsec ビームスポット径:1μm オートフォーカス応答周波数:180Hz 基板回転数:2400rpm リニアスライダーの移動速度(相対速度):0.6mm
/sec ビームの照射面上の相対走査速度:4.8m/s
【0054】レーザ干渉による表面形状測定装置(米国
ザイゴ社製「ZYGO」)により、テキスチャ加工後の
基板の表面形状を観察した結果、凸状の近傍に当該凸部
と連なる凹部を備えた形状の微小突起が形成されている
のが確認された。また、平均突起密度は9260個/m
2 、平均突起高さは33nm、頂点から1nm下の高
さにおける等高線で囲まれた図形の面積の平均値は0.
12μm2 であった。
【0055】スパッタ法により、上記の基板表面に順次
Cr中間層(厚さ100nm)、Co−Cr−Ta合金
磁性層(厚さ50nm)、カーボン保護層(厚さ20n
m)を形成し、カーボン保護層の表面に厚さ2nmのフ
ッ素系液体潤滑剤(モンテエジソン社製「DOL−20
00」)を浸漬塗布して磁気ディスクを得た。
【0056】上記の磁気ディスクについて、CSSテス
ト前の静止摩擦係数(初期スティクション)及びCSS
2万回後の摩擦力を測定した。CSSテストは、ロード
グラム6gfの薄膜ヘッド(スライダ材質:Al2 O3
TiC)を使用し、ヘッド浮上量2μインチの条件で行
った。また、グライドテスターを使用し、データゾーン
とCSSゾーンの間のシーク時におけるヘッドの浮上安
定高さを評価した。初期スティクションは0.18、C
SS2万回後の摩擦力は3gf、ヘッドの浮上安定高さ
は1.5μインチであった。
【0057】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、レーザビ
ームを利用し、複数の基板のテキスチャ加工を同時に行
うことにより、加工生産性の向上を図ったテキスチャ装
置が提供され、また、良好なCSS特性およびスティッ
キング特性と磁気ヘッドの低浮上化とを同時に可能とす
るテキスチャ加工方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のテキスチャ装置の一例の説明図であ
る。
【符号の説明】
1:レーザビーム発振器 2:変調器 3:タイミング制御部 4:レーザビーム分割器 5:集光機構 6:移動機構 7:レーザビーム分割器 8:全反射ミラー 9:集光機構 10:基板回転機構 11:基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芳山 龍一 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社 横浜総合研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/84

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気ディスク基板の表面に微小突起を形
    するテキスチャ装置であって、複数の基板回転機構、
    連続発振可能なレーザビーム発振器、当該発振器からの
    レーザビームをON/OFF制御する電気光学変調器
    (EOM)、当該電気光学変調器からのレーザビームを
    分割する複数のレーザビーム分割器、当該レーザビーム
    分割器にて分割された各レーザビームを前記複数の基板
    回転機構にて回転支持された各基板表面に照射する複数
    の集光機構、当該集光機構と前記複数の基板回転機構と
    を相対移動させる移動機構を備えて成ることを特徴とす
    るテキスチャ装置。
  2. 【請求項2】 レーザビーム発振器がガスレーザビーム
    発振器である請求項1に記載のテキスチャ装置。
  3. 【請求項3】 レーザビーム発振器が凸状の近傍に当該
    凸部と連なる凹部を備えた形状の微小突起を形成し得る
    エネルギーに制御されている請求項1又は2に記載のテ
    キスチャ装置。
  4. 【請求項4】 複数の集光機構または複数の基板回転機
    構が単一の移動機構に搭載されている請求項1〜3の何
    れかに記載のテキスチャ装置。
  5. 【請求項5】 レーザビームのON/OFF制御の周波
    数が0.5〜10MHzであり、レーザビームのスポッ
    ト径が0.2〜4μmである請求項1〜4の何れかに記
    載のテキスチャ装置。
  6. 【請求項6】 レーザビーム発振器からのレーザビーム
    が、立ち上がり時間50ns以下、立ち上がり時間およ
    び立ち下がり時間を含めたパルス幅50ns〜2μs、
    繰り返し周波数0.5〜10MHzのパルスレーザビー
    ムであり、レーザビームのスポット径が0.2〜4μm
    である請求項1〜4の何れかに記載のテキスチャ装置。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載のテキスチャ装置を使用
    し、磁気ディスク基板の表面に凸状の近傍に当該凸部と
    連なる凹部を備えた形状の微小突起を1mm 2 当たり1
    0〜10 8 形成することを特徴とする磁気ディスク基
    板のテキスチャ加工方法。
  8. 【請求項8】 凸部の高さが1〜100nmである請求
    項7に記載のテキスチャ加工方法。
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