JP2843539B2 - テキスチャ装置およびテキスチャ加工方法 - Google Patents

テキスチャ装置およびテキスチャ加工方法

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JP2843539B2 JP7346784A JP34678495A JP2843539B2 JP 2843539 B2 JP2843539 B2 JP 2843539B2 JP 7346784 A JP7346784 A JP 7346784A JP 34678495 A JP34678495 A JP 34678495A JP 2843539 B2 JP2843539 B2 JP 2843539B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テキスチャ装置お
よびテキスチャ加工方法に関するものであり、詳しく
は、レーザビームを利用した上記の装置および加工方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク装置においては、磁気ディ
スクと磁気ヘッドとの間の微小な空隙を安定に維持する
ため、停止時には磁気ヘッドが磁気ディスク面に接触し
て停止しており、駆動時には磁気ヘッドが磁気ディスク
面を摺動して浮上走行する、所謂コンタクト・スタート
・ストップ(CSS)方式が採用されている。テキスチ
ャ加工は、磁気ディスク基板の表面に微小な突起(条痕
パターン)を形成する加工であり、良好なCSS特性な
どを得るために行われる。
【0003】従来、上記のテキスチャ加工は、バインダ
に分散した砥粒を塗布した研磨テープや砥粒を分散した
スラリーを使用する機械的な研削が主に採用されてい
た。しかしながら、近年、磁気ディスク装置の小型化に
より、使用されるモーターも小型になり、駆動時のトル
クも低下する傾向にある。そのため、従来のテキスチャ
方法では十分な接触面積の低減が図れず、停止時におけ
るヘッドのディスク表面への吸着力がモーターのトルク
を上回り、起動を妨げるスティッキング現象が問題にな
っている。
【0004】加えて、記録密度向上のため、ヘッドの浮
上高は低下する傾向にあり、それにつれてCSSゾーン
に施すテキスチャ加工にも、低く均一な高さの加工が要
求されてきている。しかしながら、従来の機械的研削に
よるテキスチャ加工では均一性も加工高さも制御が困難
であり、昨今の要求には追従できなくなっている。
【0005】そのため、代替え方法として、例えば、米
国特許第5,062,021号明細書には、パルス幅が
短く出力の大きいQスイッチYAGレーザビームを利用
したテキスチャ加工が提案されている。この方法は、溶
融形成された穴部とその周囲が表面張力で盛り上がって
固化した円環状のリム部とから成るクレータ状の凹凸突
起を形成する方法である。
【0006】レーザビームを使用したテキスチャ加工
は、機械的な研磨による加工に比べて絶対的な高さやそ
の均一性の制御が容易であり、今後、有望な加工方法で
あると考えられる。しかしながら、前述の米国特許にお
いては実際に工業的な生産を考慮した加工装置について
は検討がなされていない。
【0007】レーザビーム発生装置は高価であり、レー
ザビーム加工は長時間を要し、また、一般にテキスチャ
加工は数mμ程度のピッチで数mmから数十mmの幅に
亘って加工を行う必要があるため、加工終了までには磁
気ディスク基板を数百回転させる必要があるにも拘ら
ず、上記の米国特許明細書には、生産性を高めた実際装
置としての提案はなされていない。また、提案された方
法で得られるテキスチャ加工基板は、磁気ディスクと磁
気ヘッドとのスティッキング問題に対しては不十分であ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その目的は、レーザビームを
利用し、加工生産性の向上を図ったテキスチャ装置を提
供することにあり、他の目的は、良好なCSS特性およ
びスティッキング特性と磁気ヘッドの低浮上化とを同時
に可能とするテキスチャ装置およびテキスチャ加工方法
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第1
の要旨は、磁気ディスク基板の表面に微小突起を形成
るテキスチャ装置であって、基板を保持し回転可能な基
板回転機構、連続発振可能なレーザビーム発振器、当該
発振器からのレーザビームをON/OFF制御する電気
光学変調器(EOM)、当該電気光学変調器からのレー
ザビームを前記基板回転機構にて回転支持された基板表
面に照射する集光機構、当該集光機構が出力するレーザ
ビームと前記基板回転機構とを相対的に移動させる移動
機構を備えて成ることを特徴とするテキスチャ装置に存
する。
【0010】そして、本発明の第2の要旨は、上記のテ
キスチャ装置を使用し、磁気ディスク基板の表面に凸状
の近傍に当該凸部と連なる凹部を備えた形状の微小突起
を1mm2 当たり10〜108 個形成することを特徴と
する磁気ディスク基板のテキスチャ加工方法に存する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づい
て詳細に説明する。先ず、本発明のテキスチャ装置につ
いて説明する。図1は、本発明のテキスチャ装置の一例
の説明図である。また、図2は本発明のテキスチャ装置
の他の一例の説明図である。
【0012】本発明のテキスチャ装置は、磁気ディスク
基板の表面に微小突起を形成する装置であり、好ましい
態様において、微小突起は、CSSゾーンに同一間隔で
形成される。基板としては、サブストレイトと呼ばれて
いる基板、すなわち、Al合金、例えば、Al−Mg合
金などの基板の表面にNi−Pの無電解メッキ下地層を
設け、当該下地層に鏡面加工(ポリッシュ加工)を施し
た基板またはガラス基板、ケイ素基板などが挙げられる
が、銅、チタン等の他の金属基板、カーボン基板、セラ
ミック基板などを使用することも出来る。
【0013】ここで、以下の説明においては説明の便宜
上から単に基板と表現するが、上述した基板はもとよ
り、基板上に下地層、磁性層、保護層、潤滑剤層などを
設けた後の状態であっても、その過程であっても本発明
によるテキスチャ装置は使用可能であり、以下、基板と
は上記の何れかの状態を意味する。
【0014】図1に示すテキスチャ装置は、移動機構が
基板回転機構を移動させるものである。すなわち、基板
回転機構(10)、(10)…、レーザビーム発振器
(1)、当該発振器からのレーザビームをON/OFF
制御する変調器(2)、当該変調器からのレーザビーム
を基板回転機構にて回転支持された基板表面に照射する
集光機構(5)、複数の基板回転機構(10)、(1
0)…を移動させる移動機構(6)から成る。
【0015】なお、基板回転機構(10)は2基例示さ
れているが、その数は任意である。ただし、工業的に
は、複数の基板回転機構を並列で使用することが好まし
い。この場合、移動機構(6)は、複数の基板回転機構
を一つの移動機構にて移動させることが出来る。
【0016】基板回転機構(10)は、通常、スピンド
ルモータにて構成され、基板(11)…は、スピンドル
モータの回転軸に支持され、一定の回転数または線速度
で移動させられる。基板の回転数などは、生産性を考慮
して決定されるが、基板の回転数は、900rpm以上
が好ましく、特に1800rpm以上が好ましく、36
00rpm以上が最も好ましい。スピンドルモータの回
転軸がぶれると、面ぶれが大きくなり、焦点が絞り難く
なり、突起形状がばらつき、場合によっては所望の突起
形状が得られなくなることから、ぶれは±25μm未満
であることが好ましい。
【0017】レーザビーム発振器(1)としては、ガス
レーザが好ましく、中でもCO2 ガスレーザ、Arガス
レーザ、連続発振が可能なYAGレーザが好ましく、中
でもArガスレーザが好適に使用される。ガスレーザ
は、QスイッチYAGレーザやエキシマレーザ等に比
し、位相が揃っており且つビームスポットの絞り込みが
容易であるため、鋭い突起形状を形成し得る点で有利で
ある。
【0018】レーザの波長としては、通常可視領域の方
が高出力が得られ易い。Arガスレーザビームは、代表
的には、488nm又は514.5nmの波長を有す
る。なお、ガラス基板に直接照射する場合には、比較的
小出力の紫外領域のもの、例えば、350nmのアルゴ
ン、FHG(fourth harmonic gen
erator)を通した266nmのYAGレーザが挙
げられる。
【0019】レーザビーム発振器(1)から基板(1
1)の表面に照射されるレーザビームは、凸状の近傍に
当該凸部と連なる凹部を備えた形状の微小突起を形成し
得るエネルギーに制御されるのが好ましい。具体的なエ
ネルギー(出力)は、基板表面の材質、基板表面への照
射時間などによって異なるが、通常は50〜700mw
の範囲とされる。
【0020】変調器(2)としては、高速変調が可能で
あることが好ましい。また、立ち上がり時間が50ns
以下で、立ち上がり時間および立ち下がり時間を含めた
パルス幅が50ns〜2μsであることが好ましい。パ
ルス幅が50ns未満では突起が生成しなかったり、所
望の形状の突起ができ難く、2μsを超えると突起先端
の面積が大きくなり、CSS特性が低下する傾向があ
る。
【0021】加えて、変調器には立ち上がりよくON/
OFF可能であることが好ましい。変調器の立ち上がり
時間は突起の鋭さに影響するため、立ち上がり時間の長
い変調器を使用するとヘッドとの接触面積の大きな突起
が形成される。そこで、本発明においては、変調器に使
用する変調素子として電気光学変調素子(EOM)が使
用される。電気光学変調素子は、数100Mbpsまで
の高速変調(ON/OFF)が可能である。また、ON
時にアナログ変調を行うことも出来る。
【0022】変調周波数としては、0.5〜10MHz
が好ましく、特に0.5〜5MHzが好ましい。変調周
波数が0.5MHz未満では突起とヘッドの接触面積が
大きくなる。また、10MHzを超えると隣り合った突
起が干渉し、独立した突起の作成が困難となる。また、
パルス幅(1つの突起を形成するのに必要な照射時間)
は40nsec〜100μsecが好ましく、50ns
ec〜2μsecが特に好ましい。パルス幅が大きくな
ると突起が連続し、ヘッドとの接触面積が大きくなる。
【0023】集光機構(5)は、少なくとも全反射ミラ
ーと対物レンズとの組合せとして構成される。また、対
物レンズの手前にビームエキスパンダを設けて対物レン
ズの有効径に等しい程度までをビーム径を広げることが
鮮明なスポットを形成させるために好ましい。通常、レ
ンズの有効径はレンズ径の50〜80%程度である。
【0024】本発明のテキスチャ装置の特徴は微小な突
起を均一に設けることであるため、基板に照射されるレ
ーザービームのスポット径の絶対値、均一性およびシャ
ープネスは重要なファクターである。スポット径として
は0.2〜4μm、中でも0.2〜2μmが好ましい。
なお、ここで、スポット径は、光中央部の最高強度の
「eの2乗分の1」に強度が低下する円の直径を表す。
加えて、対物レンズの開口率をNA、レーザービームの
波長をλとしたとき、NAが0.3〜0.8、かつλ/
NAが0.16〜3.3を満たすことが好ましい。
【0025】更に、スポットのシャープさの点から、対
物レンズの焦点距離としては20mm以下、特に5mm
以下であることが好ましい。なお、この様な場合、基板
と対物レンズとは、極めて近接した配置をとるため、基
板の安定的な着脱および回転ならび高速回転を可能に
し、かつ対物レンズの移動運動を妨げないだけの十分な
形状を有することが必要となる。
【0026】すなわち、基板上面とスピンドルの回転軸
の先端の距離が、基板上面と対物レンズとの距離(ワー
キングディスタンス)に対して、0.8以下、好ましく
は0.6以下の割合で基板面から張り出していることが
好ましい。ワーキングディスタンスとしては、通常10
mm以下となる。加えて、スピンドルの回転軸の基板裏
面近傍に切り欠き部を設け、対物レンズの安定的な移動
運動を補償することが好ましい。
【0027】また、対物レンズとして、非球面レンズを
使用することにより、レンズの重量を軽減し、かつ、光
透過率をアップし、ワーキングディスタンスを広げるこ
とが出来るので好ましい。基板のうねりやスピンドルの
軸ぶれなどにより対物レンズと基板との距離が変動する
ので、スポット径を一定に保つために集光機構は更にオ
ートフォーカス(AF)機構を有することが好ましい。
特に、オートフォーカス機構の応答周波数は90Hz以
上であることが好ましい。
【0028】応答周波数が遅くなると、ビームスポット
の大きさがばらつき、突起の大きさや高さが不均一とな
る。また、AF機構として、面ぶれ学習機能、すなわ
ち、レーザ照射を行った部分でのAF制御の実績を例え
ばフィードフォワード的にディスクの回転に同期させて
AF制御に活かし、制御効率を高めることが好ましい。
【0029】移動機構(6)としては、例えば、リニア
スライダーが好適に使用される。図1においては、集光
機構(5)と基板回転機構(10)との相対移動の方法
として、基板回転機構(10)側を移動する構成が例示
してある。すなわち、複数の基板回転機構(10)、
(10)…が1基のリニアスライダー(6)に搭載され
ている。
【0030】そして、複数の基板回転機構(10)、
(10)…は、集光機構(5)の下部を一定速度で往復
移動する。集光機構と基板の相対移動速度は遅すぎると
CSS特性の向上が困難となり、速いすぎると突起とヘ
ッドとの接触面積が大きくなるため、CSS特性の良好
な範囲に定める。通常は、ビームの照射面上での相対走
査速度として、2m/s以上、中でも2〜50m/sと
する。
【0031】一方、基板回転機構(10)と集光機構
(5)とを相対移動させる他の構成として、図2に図示
する様に集光機構(5)を移動する構成とすることも出
来るし、または、それらを組み合わせてもよい。
【0032】図1に戻って、移動機構(6)は、複数の
基板(11)、(11)のそれぞれにテキスチャ加工を
行う全行程に亘って必要な低速度で移動させることも可
能であるが、通常は、生産性を考慮し、一つの基板(1
1)から他の基板(11)に移動させる際には速められ
た速度で移動させられる。そして、斯かる速度制御は、
移動機構(6)に他の移動機構を搭載して、その一方に
よって基板の間の移動を行わせ、他の一方によってテキ
スチャ加工のための移動を行うことも出来る。
【0033】なお、一つの基板(11)から他の基板
(11)に移動させる際にのみ移動機構(6)を利用す
る場合は、集光機構(5)を搭載する他の移動機構(6
a)を使用し、その移動によって一つの基板(11)の
テキスチャ加工を行う必要がある。他の移動機構(6
a)としても前述のリニアスライダーが好適に使用され
る。
【0034】図2に示すテキスチャ装置は、移動機構が
集光機構を基板回転機項上に移動させるものである。す
なわち、基板回転機構(10)、(10)…、レーザビ
ーム発振器(1)、当該発振器からのレーザビームをO
N/OFF制御する変調器(2)、当該変調器からのレ
ーザビームを基板回転機構にて回転支持された基板表面
に照射する集光機構(5)、当該集光機構を複数の基板
回転機構(10)、(10)…上に移動させる移動機構
(6)から成る。
【0035】なお、基板回転機構(10)は2基例示さ
れているが、その数は任意である。基板回転機構、レー
ザビーム発振器、変調器については、図1について前記
したのと同様に行える。
【0036】集光機構についても図1におけるのと同様
に、全反射ミラーと対物レンズとの組合せとして構成さ
れ、通常、オートフォーカス(AF)システムを組み合
わせて使用される。移動機構(6)としては、例えば、
リニアスライダーが好適に使用される。ただし、図2に
おいては、集光機構(5)は、移動機構(6)に搭載さ
れ、複数の基板回転機構(10)、(10)…に一定速
度で往復移動させられる。
【0037】移動機構(6)は、複数の基板(11)、
(11)のそれぞれにテキスチャ加工を行う全行程に亘
って必要な低速度で移動させることも可能であるが、通
常は、生産性を考慮し、一つの基板(11)から他の基
板(11)に移動させる際には速められた速度で移動さ
せられる。そして、斯かる速度制御は、移動機構(6)
に他の移動機構を搭載して、その一方によって基板の間
の移動を行わせ、他の一方によってテキスチャ加工のた
めの移動を行うことも出来る。
【0038】本発明のテキスチャ装置には、例えば、図
1または図2において示す様に、基板の表面に同一また
は異なった間隔の一定パターンで微小突起を形成する手
段として、レーザビームの変調タイミングを制御するタ
イミング制御部(3)が備えられる。
【0039】すなわち、例えば通常採用される同一間隔
で微小突起を形成する際、移動機構(6)及び基板回転
機構(10)の定速運転により、一定回転数一定速度で
基板(11)を移動させた場合、基板表面に形成される
微小突起の間隔は外周に向かうに従って広くなる。そこ
で、タイミング制御部(3)により、基板の位置を確認
し、その信号によってレーザビームの変調タイミング
(照射時間)を制御し、基板表面に形成される微小突起
の間隔を一定にする。
【0040】タイミング制御部(3)は、コンピュー
タ、位置検出機構、必要なインターフェイス等によって
構成される。位置検出機構としては、例えば、レーザ変
位計、エンコーダ等を利用することが出来る。なお、レ
ーザビームの変調タイミングを制御せずに、移動機構
(6)及び基板回転機構(10)の速度制御を行っても
よい。
【0041】なお、突起形状を均一にするに当たって、
集光機構と基板回転機構の相対移動に基づくレーザスポ
ットの掃引距離は、円盤状基板の内周と外周、すなわ
ち、半径方向の位置が変化しても一定となる様にするこ
とが好ましく、その場合、パルス幅、または、基板の回
転数を照射位置に応じて変化させることが好ましい。具
体的な装置の構成としては例えば、次の様な構成を有す
る。
【0042】スピンドル回転数が一定の装置にあって
は、半径方向の位置を計測する手段、当該計測手段によ
って計測された半径方向のそれぞれの位置に対してレー
ザスポットの掃引距離を一定とするパルス幅を演算する
手段、当該演算結果に基づいてレーザビームを変調する
手段によって構成される。
【0043】また、パルス幅が一定の装置にあっては、
半径方向の位置を計測する手段、当該計測手段によって
計測された半径方向のそれぞれの位置に対してレーザス
ポットの掃引距離を一定とするピンドル回転数を演算す
る手段、当該演算結果に基づいてレーザビームを変調す
る手段によって構成される。
【0044】次に、上記のテキスチャ装置を使用した本
発明のテキスチャ加工方法について説明する。本発明の
テキスチャ加工方法においては、上記のテキスチャ装置
を使用し、磁気ディスク基板の表面に凸状の近傍に当該
凸部と連なる凹部を備えた形状の微小突起を1mm2
たり10〜108 個形成する。
【0045】例えば、図1に示す装置においては、先
ず、複数の基板回転機構(10)、(10)…に各基板
(11)、(11)…をセットし、一定速度で基板(1
1)を回転させる。次いで、レーザビーム発振器(1)
からのレーザビームを変調器(2)によってパルスレー
ザに変換し、集光機構(5)を通し、移動機構(6)に
よって一定速度で移動している複数の基板回転機構(1
0)、(10)…上の各基板(11)、(11)表面に
照射する。すなわち、連続的に各基板(11)、(1
1)を移動させ、複数の基板のテキスチャ加工を連続的
に行う。
【0046】また、図2に示す装置においても同様に、
先ず、複数の基板回転機構(10)、(10)…に各基
板(11)、(11)…をセットし、一定速度で基板
(11)を回転させる。次いで、レーザビーム発振器
(1)からのレーザビームを変調器(2)によってパル
スレーザに変換し、移動機構(6)によって一定速度で
移動している集光機構(5)を通し、各基板(11)、
(11)表面に照射する。すなわち、連続的に集光機構
(5)を移動させ、複数の基板のテキスチャ加工を連続
的に行う。
【0047】凸状の近傍に当該凸部と連なる凹部を備え
た形状の微小突起を形成する条件としては、レーザビー
ムの出力が重要である。そして、具体的なレーザビーム
の出力は、基板の表面材質などによって異なるが、照射
面において、通常50〜2000mW、好ましくは50
〜1000mw、更に好ましくは50〜400mWの範
囲の光源を使用する。50mW未満では突起の形成が困
難であり、また2000mWを超えるとCSS特性の優
れたテキスチャ加工が困難となる。また、連続出力が可
能なレーザを使用することが好ましい。
【0048】典型的なNi−P層の場合は、通常50〜
700mw、好ましくは50〜700mwの範囲から選
択され、また、平均照射時間は0.04〜100μse
cの範囲から選択される。ここで、平均照射時間とは、
1個の突起を形成させるのに必要な照射時間を指す。
【0049】特に、レーザビームの出力が上記の範囲を
超える場合は、米国特許第5,062,021号明細書
に記載されたクレータ状の凹凸突起が形成され、磁気デ
ィスクと磁気ヘッドとのスティッキング問題に対しては
不十分である。なお、Ni−P層の厚さは、50〜2
0,000nm、好ましくは100〜15,00nmの
範囲とするのがよい。
【0050】また、レーザビームのスポット径は、0.
2〜4μmの範囲が好ましく、0.2〜1.5μmの範
囲が特に好ましい。基板の回転数などは、生産性を考慮
して決定されるが、通常、基板の回転数は、900〜7
200rpm、基板の移動速度は、移動機構(リニアス
ライダー)の移動速度として0.03〜60mm/se
cの範囲から選択するのがよい。
【0051】本発明のテキスチャ加工方法によれば、上
記の条件を採用することにより、磁気ディスク基板の表
面に凸部(突起)の高さが1〜100nmであり且つ凸
状の近傍に当該凸部と連なる凹部を備えた形状の微小突
起を1mm2 当たり10〜108 個形成することが出来
る。中でも、各突起の頂点から1nm下の高さにおける
等高線で囲まれた図形の面積の平均値が、1μm2 以下
の比較的急峻なものが得られる。その結果、良好なCS
S特性およびスティッキング特性と磁気ヘッドの低浮上
化とを同時に可能とする磁気ディスク基板が得られる。
【0052】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
【0053】実施例1 直径95mmのディスク状Al合金基板表面に膜厚15
μmのNi−P無電解メッキを施した後、表面粗さ(R
a)が1nm以下となる様に表面研磨を行ってディスク
基板を得、その片面のテキスチャ加工を行った。使用し
たテキスチャ装置の構成は次の通りである。すなわち、
図1のテキスチャ装置において、レーザービーム光源に
はArガスレーザビームチューブ(波長488nm、最
大出力2W)、変調器には電気光学変調素子(応答周波
数:2MHz、立ち上がり時間:15ns)を使用し、
その他の条件は次の通りとした。なお、スピンドル回転
軸のぶれは、±5μmであった。
【0054】
【表1】 レーザービーム出力:400mw パルス幅:0.156μsec ビームスポット径:1μm オートフォーカス応答周波数:180Hz 基板回転数:3600rpm リニアスライダーの移動速度(相対速度):0.9mm
/sec ビームの照射面上の相対走査速度:7.2m/s
【0055】レーザ干渉による表面形状測定装置(米国
ザイゴ社製「ZYGO」)により、テキスチャ加工後の
基板の表面形状を観察した結果、凸状の近傍に当該凸部
と連なる凹部を備えた形状の微小突起が形成されている
のが確認された。また、平均突起密度は9260個/m
2 、 平均突起高さは33nm、頂点から1nm下の高
さに於ける等高線で囲まれた図形の面積の平均値(以下
「A面積」という)は、0.12μm2 であった。
【0056】スパッタ法により、上記の基板表面に順次
Cr中間層(厚さ100nm)、Co−Cr−Ta合金
磁性層(厚さ50nm)、カーボン保護層(厚さ20n
m)を形成し、カーボン保護層の表面に厚さ2nmのフ
ッ素系液体潤滑剤(モンテエジソン社製「DOL−20
00」)を浸漬塗布して磁気ディスクを得た。
【0057】上記の磁気ディスクについて、CSSテス
ト前の静止摩擦係数(初期スティクション)及びCSS
2万回後の摩擦力を測定した。CSSテストは、ロード
グラム6gfの薄膜ヘッド(スライダ材質:Al2 3
TiC)を使用し、ヘッド浮上量2μインチの条件で行
った。また、グライドテスターを使用し、データゾーン
とCSSゾーンの間のシーク時におけるヘッドの浮上安
定高さを評価した。初期スティクションは0.18、C
SS2万回後の摩擦力は3gf、ヘッドの浮上安定高さ
は1.5μインチであった。
【0058】実施例2 図2のテキスチャ装置において、以下の条件とした以外
は実施例1と同様にしてテキスチャ加工を行った。
【0059】
【表2】 レーザービーム出力:200mw パルス幅:0.312μsec ビームスポット径:1μm オートフォーカス応答周波数:180Hz 基板回転数:1800rpm リニアスライダーの移動速度:0.3mm/sec ビームの相対走査速度:3.6m/s
【0060】レーザ干渉による表面形状測定装置(米国
ザイゴ社製「ZYGO」)により、テキスチャ加工後の
基板の表面形状を観察した結果、凸状の近傍に当該凸部
と連なる凹部を備えた形状の微小突起が形成されている
のが確認された。また、平均突起密度は9260個/m
2 、 平均突起高さは29nm、A面積は0.2μm2
であった。
【0061】実施例1と同様に磁気ディスクを製造し、
CSSテスト前の静止摩擦係数(初期スティクション)
及びCSS2万回後の摩擦力を測定した。CSSテスト
は、ロードグラム6gfの薄膜ヘッド(スライダ材質:
Al2 3 TiC)を使用し、ヘッド浮上量2μインチ
の条件で行った。また、グライドテスターを使用し、デ
ータゾーンとCSSゾーンの間のシーク時におけるヘッ
ドの浮上安定高さを評価した。初期スティクションは
0.17、CSS2万回後の摩擦力は4gf、ヘッドの
浮上安定高さは1.5μインチであった。
【0062】実施例3 実施例1において、以下の条件とした以外は実施例1と
同様にしてテキスチャ加工を行った。
【0063】
【表3】 レーザービーム出力:300mw パルス幅:0.1μsec
【0064】レーザ干渉による表面形状測定装置(米国
ザイゴ社製「ZYGO」)により、テキスチャ加工後の
基板の表面形状を観察した結果、凸状の近傍に当該凸部
と連なる凹部を備えた形状の微小突起が形成されている
のが確認された。また、平均突起密度は10000個/
mm2 、 平均突起高さは31nm、A面積0.12μm
2 であった。
【0065】得られた基板を使用して実施例1と同様に
磁気ディスクを得た。この磁気ディスクについて、CS
Sテスト前の静止摩擦係数(初期スティクション)及び
CSS2万回後の摩擦力を測定した。CSSテストは、
ロードグラム6gfの薄膜ヘッド(スライダ材質:Al
2 3 TiC)を使用し、ヘッド浮上量2μインチの条
件で行った。また、グライドテスターを使用し、データ
ゾーンとCSSゾーンの間のシーク時におけるヘッドの
浮上安定高さを評価した。初期スティクションは0.
3、CSS2万回後の摩擦力は8gf、ヘッドの浮上安
定高さは1.5μインチであった。
【0066】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、レーザビ
ームを利用し、複数の基板のテキスチャ加工を連続的に
行うことにより、加工生産性の向上を図ったテキスチャ
装置が提供され、また、良好なCSS特性およびスティ
ッキング特性と磁気ヘッドの低浮上化とを同時に可能と
するテキスチャ加工方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のテキスチャ装置の一例の説明図であ
る。
【図2】本発明のテキスチャ装置の他の一例を示す説明
図である。
【符号の説明】
1:レーザビーム発振器 2:変調器 3:タイミング制御部 5:集光機構 6:移動機構 10:基板回転機構 11:基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芳山 龍一 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社 横浜総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭55−117740(JP,A) 特開 平2−134725(JP,A) 米国特許5595791(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23K 26/00 - 26/18

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気ディスタ基板の表面に微小突起を形
    するテキスチャ装置であって、基板を保持し回転可能
    な基板回転機構、連続発振可能なレーザビーム発振器、
    当該発振器からのレーザビームをON/OFF制御する
    電気光学変調器(EOM)、当該電気光学変調器からの
    レーザビームを前記基板回転機構にて回転支持された基
    板表面に照射する集光機構、当該集光機構が出力するレ
    ーザビームと前記基板回転機構とを相対的に移動させる
    移動機構を備えて成ることを特徴とするテキスチャ装
    置。
  2. 【請求項2】 移動機構がレーザービームと基板回転機
    構とを相対速度0.03〜60mm/secの範囲で移
    動可能である請求項1に記載のテキスチャ装置。
  3. 【請求項3】 基板回転機構が複数である請求項1又は
    2に記載のテキスチャ装置。
  4. 【請求項4】 移動機構が基板回転機構を移動させる請
    求項1〜3の何れかに記載のテキスチャ装置。
  5. 【請求項5】 複数の基板回転機構が単一の移動機構に
    搭載されている請求項1〜4の何れかに記載のテキスチ
    ャ装置。
  6. 【請求項6】 移動機構が集光機構を基板回転機構上に
    移動させる請求項1〜5の何れかに記載のテキスチャ装
    置。
  7. 【請求項7】 レーザビーム発振器がガスレーザビーム
    発振器である請求項1〜6の何れかに記載のテキスチャ
    装置。
  8. 【請求項8】 レーザビーム発振器が凸状の近傍に当該
    凸部と連なる凹部を備えた形状の微小突起を形成し得る
    エネルギーに制御されている請求項1〜7の何れかに記
    載のテキスチャ装置。
  9. 【請求項9】 レーザービームのON/OFF制御の周
    波数が0.5〜10MHzであり、レーザービームのス
    ポット径が0.2〜4μmである請求項1〜8の何れか
    に記載のテキスチャ装置。
  10. 【請求項10】 基板機構が基板を1800rpm以上
    の回転数で回転可能である請求項9に記載のテキスチャ
    装置。
  11. 【請求項11】 レーザビーム発振器からのレーザービ
    ームが、立ち上がり時間50ns以下、立ち上がり時間
    および立ち下がり時間を含めたパルス幅50ns〜2μ
    s、繰り返し周波数0.5〜10MHzのパルスレーザ
    ビームであり、レーザービームのスポット径が0.2〜
    4μmである請求項1〜8の何れかに記載のテキスチャ
    装置。
  12. 【請求項12】 請求項1に記載のテキスチャ装置を使
    用し、磁気ディスク基板の表面に凸状の近傍に当該凸部
    と連なる凹部を備えた形状の微小突起を1mm 当たり
    10〜10 個形成することを特徴とする磁気ディスク
    基板のテキスチャ加工方法。
  13. 【請求項13】 凸部の高さが1〜100nmである請
    求項1に記載のテキスチャ加工方法。
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