JP2004220719A - 情報記録媒体用基板、情報記録媒体およびその製造方法、ならびに情報記録装置 - Google Patents

情報記録媒体用基板、情報記録媒体およびその製造方法、ならびに情報記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高記録密度において十分な信頼性を有する情報記録媒体を与える情報記録媒体用基板を提供する。
【解決手段】結晶化ガラスからなる情報記録媒体用基板であって、記録密度が60Gビット/(インチ)以上の情報記録装置に搭載する情報記録媒体に使用され、かつ該結晶化ガラスが、(1)長径と短径の比が3以上の結晶粒子を含むもの、(2)エンスタタイトおよび/またはエンスタタイトの固溶体からなる結晶粒子を含むもの、あるいは(3)SiO、MgOおよびTiOを含む母材ガラスに、(Tg−35℃)〜(Tg+60℃)の範囲の温度(ただし、Tgは前記母材ガラスの転移温度である。)で加熱する分相工程と結晶化工程を施して得られるものである。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報記録媒体用基板、情報記録媒体および情報記録装置に関する。
さらに詳しくは、本発明は、高記録密度において十分な信頼性を有する情報記録媒体を与える情報記録媒体用基板、それを用いた上記性能を有する情報記録媒体および該情報記録媒体を搭載してなる60Gビット/(インチ)以上の高記録密度が可能な情報記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、高記録密度の情報記録媒体を搭載したパーソナルコンピュータ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラをはじめとする様々な電化製品の普及に伴い、種々の情報記録媒体やその媒体に使用される基板の開発が進められている。
このような情報記録媒体用基板の代表的なものとしては、化学強化によって機械強度が高められたガラス製基板やアルミニウム製基板などが知られている。
【0003】
ところで、情報記録媒体がモバイル型機器をはじめとする様々な機器に搭載されるようになると、情報記録装置にはさらに高い記録密度、信頼性とともに小型軽量化が求められるようになる。またモバイル機器では電池を電源とするため、情報記録装置にもより省電力化が求められる。したがって、情報記録媒体の小型軽量化、薄肉化の流れは避けて通れない状況にあると考えられ、それに伴い、薄肉化しても十分な機械強度を維持できる基板材料が求められる。また、小型軽量化、薄肉化とともに、大容量のデータの書込み・読取りを短時間で行うために情報記録媒体の高速回転化の流れも避けて通れない。そのためには、薄くても優れた高速回転安定性を備える基板も必要になる。
【0004】
非晶質性ガラスやアルミニウムに代わる基板材料として、ガラスに熱処理を施して非晶質相中に結晶相を析出させた結晶化ガラスが考えられる。結晶化ガラスは、機械強度やヤング率が高く、基板の薄肉化、高速回転化に十分対応できる材料として有望である。このような結晶化ガラス基板としては、例えば、それを構成する結晶化ガラスが主結晶相として二珪酸リチウムを含み、平均結晶粒子径が0.005〜0.05μmであるものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、上記のような主結晶相として二珪酸リチウムを含む結晶化ガラスからなる基板には、媒体の記録密度が増加すると次のような問題が生じる。
結晶化ガラス基板は、基板表面の凹凸を極めて小さくするため、結晶粒子径が上記のように極めて小さくなるように母材ガラスの組成や熱処理条件に十分な配慮がなされている。しかし、二珪酸リチウムからなる結晶粒子はほぼ球形状をしているため、製造工程中や情報記録媒体として使用しているうちに、基板表面から結晶粒子が離脱するという現象がおきやすい。基板表面の結晶粒子が離脱するとその部分に窪みができたり、離脱した結晶粒子が基板上に成膜された情報記録層などを押し上げて微小な突起を形成したりするなど、好ましくない事態を招来する。
【0006】
このような窪みや微小突起は、従来の記録密度では問題にはならなかった。その理由は、このような欠陥部が発生しても1ビットの情報が記録される面積が欠陥部のサイズに比べて十分広く、欠陥部の機能をその周辺部が補ったり、媒体表面と情報書込み・読取りヘッドの間隔(フライングハイトという。)が欠陥部の高さよりも十分大きかったからである。
しかし、情報記録密度が増大すると1ビットの情報が記録される面積やフライングハイトが減少するため、結晶粒子の離脱は情報記録媒体として致命的な問題になる。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−233941号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、高記録密度において十分な信頼性を有する情報記録媒体を与える情報記録媒体用基板、それを用いた上記性能を有する情報記録媒体および該情報記録媒体を搭載してなる高記録密度が可能な情報記録装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、結晶化ガラスからなり、かつ該結晶化ガラスが、(1)長径と短径の比がある値以上の結晶粒子を含むもの、(2)エンスタタイトおよび/またはエンスタタイトの固溶体からなる結晶粒子を含むもの、あるいは(3)特定の成分を含む母材ガラスを、ある範囲の温度で加熱する分相工程と結晶化工程を施して得られたもの、である情報記録媒体用基板により、その目的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、
(1)長径と短径の比が3以上の結晶粒子を含む結晶化ガラスからなり、かつ記録密度が60Gビット/(インチ)以上の情報記録装置に搭載する情報記録媒体に使用されることを特徴とする情報記録媒体用基板(以下、情報記録媒体用基板Iと称す。)、
(2)エンスタタイトおよび/またはエンスタタイトの固溶体からなる結晶粒子を含む結晶化ガラスからなり、かつ記録密度が60Gビット/(インチ)以上の情報記録装置に搭載する情報記録媒体に使用されることを特徴とする情報記録媒体用基板(以下、情報記録媒体用基板IIと称す。)、
(3)SiO、MgOおよびTiOを含む母材ガラスに、(Tg−35℃)〜(Tg+60℃)の範囲の温度(ただし、Tgは前記母材ガラスの転移温度である。)で加熱する分相工程と結晶化工程を施して得られる結晶化ガラスからなり、かつ記録密度が60Gビット/(インチ)以上の情報記録装置に搭載する情報記録媒体に使用されることを特徴とする情報記録媒体用基板(以下、情報記録媒体用基板IIIと称す。)、
(4)前記情報記録装置がロードアンロード方式であることを特徴とする上記(1)〜(3)いずれか1項に記載の情報記録媒体用基板、
(5)上記(1)〜(4)項のいずれか1項に記載の情報記録媒体用基板と、その上に設けられた情報記録層を有し、かつ記録密度が60Gビット/(インチ)以上の情報記録装置に搭載することを特徴とする情報記録媒体、
(6)上記(5)項に記載の情報記録媒体を搭載してなり、かつ記録密度が60Gビット/(インチ)以上であることを特徴とする情報記録装置、および
(7)情報記録媒体用基板上に情報記録層を形成する情報記録媒体の製造方法において、上記(1)〜(4)いずれか1項に記載の情報記録媒体用基板を超音波洗浄した後、製造工程に供することを特徴とする情報記録媒体の製造方法、を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
まず、情報記録媒体用基板について説明する。
本発明の情報記録媒体用基板は、情報記録密度が60Gビット/(インチ)以上(60×10ビット/(インチ)以上)の情報記録装置に搭載する情報記録媒体に使用する基板である。上記範囲の記録密度では、1ビットを記録する部分のサイズはおおよそ35nm×350nm以下となる。もし、この領域に結晶粒子の離脱が生じるとこの部分に記録されていた情報は完全に失われることになる。したがって、情報記録媒体の信頼性を維持するためには、基板からの結晶粒子の離脱を防止しなければならない。従来の二珪酸リチウムからなる結晶粒子はほぼ球形状をしており、基板表面の結晶粒子に何らかの力がかかると、基板から離脱しやすい。基板表面を平坦・平滑化するために研磨加工を施すが、この研磨加工によって表面付近の結晶粒子とそのまわりの非晶質相が同時に研磨される。1個の結晶粒子に注目した場合、結晶粒子の半分が研磨されたとする。このような結晶粒子は単に半球状の粒子が非晶質相に埋めこまれた状態に過ぎないから、表面から極めて離脱しやすい状態にある。半分以上が研磨された結晶粒子の場合も同様に離脱しやすい。基板表面に露出する結晶粒子の数は膨大であり、その中で半分近くあるいは半分以上が研磨された結晶粒子もかなりの割合にのぼるため、球形状の結晶粒子を含む材料では、結晶粒子の離脱がおきるたびに記録された情報が失われていくことになる。二珪酸リチウムの結晶粒径は、通常小さくとも5〜50nmの範囲をとる。したがって、1個の結晶粒子が離脱すると、上記1ビットを記録する領域が欠損してしまうことになる。
【0012】
そこで、本発明はこのような問題を解決するために、以下に示す情報記録媒体用基板I、IIおよびIIIの3つの態様の基板を提供する。
【0013】
第1の情報記録媒体用基板Iは、上記情報記録装置に搭載される情報記録媒体に使用され、かつ長径と短径の比(長径/短径)が3以上、好ましくは3.5以上、より好ましくは4以上、さらに好ましくは4.5以上、特に好ましくは5以上の結晶粒子を含む結晶化ガラスからなる基板である。ここで、上記比が極めて大きいものについては、結晶粒子というよりも結晶繊維と呼ぶほうが相応しいかも知れない。また、前記結晶繊維状結晶相がつながって2次元的な広がりをもつ結晶相を構成することもある。本発明ではこのような形状のものも一括して結晶粒子と呼ぶことにする。
なお、結晶粒子の長径と短径の比の上限に特に制限はないが、20以下を目安にすることができる。
【0014】
第2の情報記録媒体用基板IIは、上記情報記録装置に搭載される情報記録媒体に使用され、かつエンスタタイトおよび/またはエンスタタイトの固溶体からなる結晶粒子を含む結晶化ガラスからなる基板である。
【0015】
第3の情報記録媒体用基板IIIは、上記情報記録装置に搭載される情報記録媒体に使用され、かつSiO、MgOおよびTiOを含む母材ガラスに、(Tg−35℃)〜(Tg+60℃)の範囲の温度(ただし、Tgは前記母材ガラスの転移温度である。)で加熱する分相工程と結晶化工程を施して得られる結晶化ガラスからなる基板である。
【0016】
上記情報記録媒体用基板I、II、IIIは、結晶化ガラスからなる基板であり、ここで、結晶化ガラスとは、熱処理によってガラス中に結晶相を析出させたものを指す。熱処理が施される前のガラスを母材ガラスと呼ぶ。例えば、非晶質性ガラスを母材ガラスとして使用し、母材ガラスに熱処理を施して結晶化ガラスを得る。
【0017】
上記3つの態様において、使用対象となる情報記録装置の情報記録密度は、60Gビット/(インチ)以上であるが、より好ましい情報記録密度は、80Gビット/(インチ)以上、さらに好ましい情報記録密度は、100Gビット/(インチ)以上である。情報記録密度の上限に特に制限はないが、500Gビット/(インチ)程度を目安にすればよい。なお、80〜100Gビット/(インチ)の情報記録密度に対して、1ビットを記録する部分のサイズは20〜30nm×200〜300nm程度となる。
【0018】
上記3つの態様において、基板を構成する結晶化ガラスのヤング率は140GPa以上であることが好ましく、160GPa以上であることがより好ましい。
ヤング率を高めることにより、情報記録媒体の高速回転安定性、特に基板を薄板化した場合でも良好な高速回転安定性を得ることができる。なお、上記ヤング率は、二珪酸リチウムなどのLiO−SiO系結晶化ガラスの2倍程度の大きさである。また、比弾性率(ヤング率をその密度で除した値)が37MN・m/kg以上であることが好ましい。
【0019】
また、情報記録媒体を情報記録装置に組込む際、前記媒体を固定するクランプがステンレス鋼などの金属であることから、金属材料の熱膨張係数に近い特性を有する基板が望まれる。さらに、上記基板として要求される諸性質を考慮すると、上記基板の100〜300℃における平均線膨張係数は50×10 /℃以上であることが好ましく、50×10 〜120×10 /℃であることがより好ましく、55×10 〜110×10 /℃であることがさらに好ましく、60×10 〜100×10 /℃であることが特に好ましい。
【0020】
結晶化ガラスの結晶粒子の大きさ、数密度、結晶化度は、基板の諸性質に影響を与える。そして、これらの値は透過率を用いて間接的に評価することができる。透過率を用いて上記評価を行う場合、1mmの厚みに換算して、波長600nmの光に対する透過率が10%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましく、50%以上であることがさらに好ましい。
【0021】
結晶化ガラス中の結晶の割合(結晶化度)は、20〜70体積%であることが好ましい。さらに結晶化度が50体積%以上であることが、高いヤング率を有する基板とする上で好ましい。但し、結晶化後の後工程(基板の研削や研磨)の容易さを考慮すると、結晶化度は、20〜50体積%、さらには20〜30体積%とすることもできる。また、結晶化後の後工程の容易さよりもヤング率の高さを重視する場合には、結晶化度は50〜70体積%とするとよい。さらに、結晶化ガラスに含まれる結晶粒子のサイズは、100nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましい。なお、特に好ましい結晶粒子のサイズは1〜50nm、さらに望ましくは1〜40nmを目安にすることができる。なお、結晶粒子のサイズは次のようにして測定する。結晶化ガラスを透過型電子顕微鏡で拡大観察する。拡大画像には、結晶化ガラス中の結晶粒子が二次元的に投影される。この画像中で長径(結晶粒子像の最も長い部分の径)が最も大きな結晶粒子に注目する。この長径をもって結晶粒子のサイズとする。結晶化ガラス中の結晶化ガラスの分布は等方的である。また、透過型電子顕微鏡で観察される領域中は、結晶化ガラス全体を反映した結晶粒子の分布になっている。したがって、結晶化ガラス中の結晶粒子を透過型電子顕微鏡で一方向から観察しても、結晶粒子のサイズを正確に評価することができる。
【0022】
結晶粒子のサイズが100nmを超えると、ガラスの機械強度を低下させるだけでなく、研磨加工時に結晶の欠落を引き起こしてガラスの表面粗度を悪化させるおそれがある。このような結晶粒子のサイズの制御は、主に、含まれる結晶相の種類および後述の熱処理条件によって行うことができる。
【0023】
さらに、上記3つの態様において、結晶粒子に含まれる結晶相のモース硬度が6以下であることが好ましい。結晶相のモース硬度が6を超えると、非晶質相との硬度の差が大きくなり過ぎ、基板表面の研削、研磨時に結晶粒子が基板から離脱しやすい。そのため、平坦かつ平滑な基板表面を得ることが難しくなる。
【0024】
上記3つの態様において、情報記録媒体を高記録密度化する上から、基板の表面平均粗さRa(JIS B0601)が1nm以下である研磨面を有するものが好ましく、0.5nm以下である研磨面を有するものがより好ましい。
【0025】
さらに、上記3つの態様の情報記録媒体用基板を使用した情報記録媒体は、各種情報記録装置に搭載することができるが、好適には、ロードアンロード方式の情報記録装置に使用することができる。ロードアンロード方式では、ロードアンロード時にヘッドが情報記録媒体表面に接触することがあり、その際、媒体には衝撃が加わるが、本発明の情報記録媒体用基板を用いれば結晶粒子が前記衝撃によって離脱しなくなる。
【0026】
次に各基板の上記以外の点について詳細に説明する。
〈情報記録媒体用基板I〉
情報記録媒体用基板Iは、結晶化ガラス中に長径と短径の比(長径/短径)が3以上、好ましくは3.5以上、より好ましくは4以上、さらに好ましくは4.5以上、特に好ましくは5以上の結晶粒子を含む。ここで、上記結晶粒子の長径、短径は次のようにして測定される値である。透過型電子顕微鏡を用いて、基板の情報記録層が形成されることになる表面に垂直な方向から基板内の結晶粒子を拡大観察する。先に説明したように、この拡大像から細長い結晶粒子の最も長い部分の長さを測定して結晶粒子の長径とし、長径に対して直交する方向の長さを測定して結晶粒子の短径とする。
【0027】
二珪酸リチウムからなる結晶粒子の長径と短径の比(長径/短径)はほぼ1であり、上記基板表面から離脱しやすい。長径と短径の比(長径/短径)が3以上になると、公称3.5インチの情報記録媒体に使用する直径95.0mmの基板表面から結晶粒子が離脱し難くなる。情報記録媒体用基板としては直径95.0mm以下のものが主流であるから、直径95.0mm以下の基板表面からの離脱も生じないと考えられる。実際、上記基板を使用した場合、結晶粒子の離脱による欠陥は観測されない。上記基板では長径と短径の比(長径/短径)が3以上であるので、表面に一部が露出した結晶粒子も基板から離脱することがない。したがって、このような基板を使用すれば結晶粒子の離脱によって上記情報記録媒体に記録された情報が失われることはない。
【0028】
なお、透過型電子顕微鏡を用いた結晶粒子の長径、短径の測定では、結晶化ガラス中の結晶粒子を一方向から観察することになる。そのため、結晶粒子の長手方向が観察方向と同じ場合は、長径/短径の値は小さくなり、長手方向と観察方向が直交する結晶粒子の場合、長径/短径の値は大きくなる。しかし、本発明の基板を構成する結晶化ガラスでは、結晶粒子の長手方向はランダムに分布しているので、透過型電子顕微鏡の拡大画像中で長手方向がすべて観察方向を向いている確率、長手方向がすべて観察方向に対して直交している確率はともに実質的にゼロと考えて差し支えない。したがって、拡大画像中で長径/短径の値の大きな結晶粒子を選び出し、この結晶粒子について長径/短径の値が3以上のものを本発明の基板を構成する結晶化ガラスと考えてよい。なお、上記拡大画像中に存在する長径/短径の値が3以上の結晶粒子の割合(結晶粒子の個数の割合)が10%以上であることが好ましく、15%以上であることがより好ましく、20%以上であることがさらに好ましい。
【0029】
また、長径/短径の値が3.5以上の結晶粒子の割合(結晶粒子の個数の割合)が5%以上であることが望ましく、4以上の結晶粒子の割合(結晶粒子の個数の割合)が5%以上であることがより望ましく、4.5以上の結晶粒子の割合(結晶粒子の個数の割合)が5%以上であることがさらに望ましく、5以上の結晶粒子の割合(結晶粒子の個数の割合)が5%以上であることが特に望ましい。
〈情報記録媒体用基板II〉
情報記録媒体用基板IIを構成する結晶化ガラスには、エンスタタイトおよび/またはエンスタタイトの固溶体からなる結晶粒子が含まれる。
【0030】
まず、前記結晶種がエンスタタイト、エンスタタイト固溶体、エンスタタイトとエンスタタイト固溶体である場合について説明する。上記エンスタタイト系の結晶種は、Si、Mg、Oによって形成されるが、結晶の構造は、SiとOが繰り返しつながる鎖状構造をしている。そして複数のSi−Oの鎖状構造同士がMgやOを介してつながり、鎖状構造が面状に広がった構造をとるが、MgやOによる鎖状構造間の結合は弱く切れやすい。一方、Si−Oの鎖状構造が伸びる方向の強度は高いため、上記結晶種では鎖状の結晶粒子が織り成されたような構造になっている。そのため、一部が表面に露出してもエンスタタイト系結晶粒子であれば非晶質相と結晶相によって強固に基板に束縛されているので、上記離脱を防止することができる。なお、図1にエンスタタイトの結晶構造を、図2にエンスタタイト固溶体の結晶構造をそれぞれ模式的に示す。
【0031】
エンスタタイトは、硬度が低いため(モース硬度5.5)、エンスタタイトあるいはその固溶体を含む結晶化ガラス、特に、結晶相の中でエンスタタイトまたはエンスタタイト固溶体からなる結晶相が体積割合で最も多い結晶化ガラス(主結晶がエンスタタイトまたはエンスタタイト固溶体)、あるいはエンスタタイトからなる結晶相とエンスタタイト固溶体からなる結晶相の体積割合が最も多い結晶化ガラス(主結晶がエンスタタイトおよびエンスタタイト固溶体)は非常に研磨しやすく、比較的短い時間で所望の表面粗さを得ることができるという特徴がある。さらに、エンスタタイトは、その鎖状構造が面状に連なった結晶の形状から、結晶粒子が非晶質相にくい込み、粒子サイズが小さくても高いヤング率が得られると考えられる。なお、このエンスタタイトには、クリノエンスタタイト、プロトエンスタタイトも含まれる。
【0032】
さらに他の結晶種が含まれていても、上記エンスタタイト系結晶粒子の構造によって他の結晶粒子も基板に強固に束縛されるので、基板表面からの離脱が防止される。
ただし、結晶相としてスピネルを含有しないことが好ましい。スピネル結晶相は硬度(モース硬度8)が高く、基板表面を研磨加工する際に結晶相と非晶質相の研磨スピードが異なるため、スピネル結晶相を含む基板では、結晶粒子による表面突起や結晶粒子の離脱が生じやすい。
【0033】
なお、エンスタタイト系結晶粒子による結晶粒子離脱防止効果の高い結晶種としては、石英固溶体、チタン酸塩を例示できる。したがって、エンスタタイトおよび/またはエンスタタイトの固溶体からなる結晶粒子に加え、石英固溶体からなる結晶粒子を含む結晶化ガラス、エンスタタイトおよび/またはエンスタタイトの固溶体からなる結晶粒子に加え、チタン酸塩からなる結晶粒子を含む結晶化ガラス、エンスタタイトおよび/またはエンスタタイトの固溶体からなる結晶粒子に加え、石英固溶体からなる結晶粒子およびチタン酸塩からなる結晶粒子を含む結晶化ガラスが好ましい基板材料である。
【0034】
また、情報記録媒体用基板に要求される諸性質を満たすと共に、上記結晶粒子の離脱防止効果を得るため、エンスタタイト系以外の結晶相を含む場合には、体積%で結晶化ガラス中に最も多く含まれる結晶種(以下、主結晶という。)が、エンスタタイトおよび/またはエンスタタイトの固溶体であることが望ましい。
特に、結晶化ガラス中のエンスタタイトおよび/またはその固溶体の合計含有量が70〜90体積%、チタン酸塩が10〜30体積%、そして、エンスタタイトおよび/またはその固溶体とチタン酸塩の合計含有量が90体積%以上であることがより好ましい。なお、結晶相に石英固溶体を含む結晶化ガラスと石英固溶体を含まない結晶化ガラスが存在する。
〈情報記録媒体用基板III〉
情報記録媒体用基板IIIを構成する結晶化ガラスは、SiO、MgO、TiOを含む母材ガラスに、(Tg−35℃)〜(Tg+60℃)の範囲の温度(ただし、Tgは前記母材ガラスのガラス転移温度である。)で加熱する分相工程と結晶化工程を施して得られるものである。上記母材ガラスにこのような分相工程と結晶化工程を施すことによって、上記情報記録媒体用基板IIを構成する結晶化ガラスに含まれる結晶粒子と同様の結晶粒子構造や結晶粒子の形状が得られることになり、結晶粒子が強固に基板中に束縛されることになる。
したがって、情報記録媒体用基板I、IIと同様に結晶粒子の離脱による問題を防止することができる。
【0035】
上記母材ガラスとしては、ZnO、LiOを含まないガラスが好ましく、SiO、MgO、TiOに加え、Al、ZrO、KO、Yを含み、SiO、MgO、TiO、Al、ZrO、KO、Yの合計含有量が99モル%以上のものが好ましく、100モル%のものがより好ましい。
さらに、SiO、MgO、TiO、Al、Yの合計含有量が99モル%以上のものが好ましく、100モル%のものがより好ましい。
但し、上記各組成には、脱泡清澄剤としてSbも含むことができるものとする。
〈結晶化ガラスの母材ガラス〉
前記情報記録媒体用基板I、II、IIIはいずれも結晶化ガラスからなり、母材ガラスを熱処理することにより作製される。そこで、上記母材ガラスとして好適なガラスについて説明する。以下、母材ガラス中の各成分の含有量はモル%にて表示するものとする。
【0036】
母材ガラスとして好適なものは、SiOを35〜65%、Alを5%超かつ20%以下、MgOを10〜40%、TiOを5〜15%を含有し、上記組成の合計が92%以上のものである。
さらにAlとMgOのモル比(Alの含有量/MgOの含有量)が0.2以上0.5未満のものが好ましく、SiOを40〜60%、Alを7〜20%、MgOを12〜39%、TiOを5.5〜14%含有するものがより好ましく、TiOを8〜14%含有するものがさらに好ましい。
【0037】
上記母材ガラス全般にわたり、Yを含むものが好ましい。Yを導入する場合、その導入量は10%以下とすることが好ましく、0.1〜10%とするのがより好ましい。
また、上記母材ガラス全般にわたり、ZrOを含むものが好ましい。ZrOを導入する場合、その量は10%以下とすることが好ましく、1〜10%とするのがより好ましく、1〜5%とするのがさらに好ましい。
さらに、上記母材ガラス全般にわたり、アルカリ金属酸化物の含有量は0〜5%とするのが好ましい。ただし、LiOは球状結晶粒子である二珪酸リチウムを発生させる要因となるので、導入しないことが望ましい。アルカリ金属酸化物として好ましいものは、NaOおよびKOであり、NaOとKOの合計含有量を0%を超え、5%以下とすることがより好ましい。中でもアルカリ金属酸化物として、KOのみ導入することが一層好ましい。
【0038】
MgO以外のアルカリ土類金属酸化物を導入する場合は、CaOとSrOとBaOの合計含有量を0〜5%とするのが望ましく、0〜1%とするのがより望ましく、0%とするのがさらに望ましい。
さらに、情報記録媒体用基板では内部に微少でも気泡が存在すると不良品の発生につながる。その理由は、基板表面の研磨によって気泡が表面に現れるとその部分が窪みになり、基板表面の平滑性を損なうからである。そのため、母材ガラスの脱泡を十分行う必要がある。十分な脱泡を行うために有効な清澄剤としてSbとAsを挙げることができる。SbとAsを使用する場合、その合計含有量で2%以下の導入が好ましい。さらにAsは毒性を有しており、環境影響への配慮からはAsを導入しないことが好ましい。したがって、清澄剤としてはSbを0〜2%導入することが好ましく、0%を超え、2%以下導入することがより好ましい。
また、エンスタタイト系結晶粒子を析出させる上から、母材ガラスがZnOを含まないことが好ましい。
【0039】
次に上記母材ガラスの各成分について説明する。
SiOは母材ガラスの網目構造の形成物であり、主な析出結晶であるMgO・SiOの組成を有するエンスタタイトおよび(Mg・Al)SiOの組成を有するエンスタタイト固溶体の構成成分でもある。SiOの含有量が35%未満では、溶解したガラスが非常に不安定なので、高温成形ができなくなるおそれがある上、上記のような結晶も析出し難しくなる。また、SiOの含有量が35%より少なくなると、残存ガラスマトリックス相(結晶化ガラスにおける非晶質相)の化学耐久性が悪化したり、耐熱性も悪化する傾向がある。一方、SiOの含有量が65%を超えると、主結晶としてエンスタタイトが析出しにくくなり、結晶化ガラスのヤング率が急激に小さくなる傾向がある。そのため、SiOの含有量は、析出結晶種およびその析出量、化学耐久性、耐熱性および成形・生産性などを考慮すると、35〜65%の範囲がよい。より好ましい物性を有する結晶化ガラスが得られるという観点から、SiOの含有量は、40〜60%の範囲が好ましい。尚、後述するように、ほかの成分との組合せで、表面平滑性は多少劣るが、160GPa以上の高いヤング率を有する結晶化ガラスが得られることから、SiOの含有量が35〜55%であることが好ましい場合がある。
【0040】
Alはガラスの中間酸化物であり、ガラス表面硬度の向上に寄与する。
しかし、Alの含有量が5%以下ではガラスマトリックス相の化学耐久性も低下し、基板材料に要求される強度が得られにくくなる傾向がある。一方、Alの含有量が20%を超えると、主結晶としてのエンスタタイトの析出がしにくくなるとともに、溶融温度が高くなってガラスが溶けにくくなる上、失透しやすくなって容易に成形しにくくなる傾向がある。したがって、ガラスの溶解性、高温度成形性、析出結晶種などを考慮して、Alの含有量は5%超〜20%の範囲がよく、7〜20%の範囲がより好ましい。尚、後述するように、ほかの成分との組合せで、表面平滑性は多少劣るが、160GPa以上の高いヤング率を有する結晶化ガラスが得られることから、Alの含有量が9〜20%であることが好ましい場合がある。
【0041】
MgOはガラスの修飾成分であり、MgO・SiOの組成を有するエンスタタイトおよび(Mg・Al)SiOの組成を有するエンスタタイト固溶体の結晶の主成分でもある。MgOの含有量が10%未満では上記のような結晶が析出しにくく、ガラスの失透傾向および溶融温度が高く、かつガラス成形の作業温度幅が狭くなる傾向がある。一方、MgOの含有量が40%を超えると、ガラスの高温粘性が急激に低くなって熱的に不安定となり、生産性も悪化し、ヤング率や耐久性も低下する傾向がある。そこで、MgOの含有量は、ガラスの生産性、化学耐久性、高温粘性および強度などを考慮すると、10〜40%の範囲であることが好ましく、12〜39%の範囲であることがより好ましい。尚、後述するように、ほかの成分との組合せで、表面平滑性は多少劣るが、160GPa以上の高いヤング率を有する結晶化ガラスが得られることから、MgOの含有量が20〜39%であることが好ましい場合がある。
【0042】
但し、モル比(Al/MgO)は0.5未満となるように、MgOおよびAlの含有量は調整する。モル比(Al/MgO)が、0.5以上になると、結晶化ガラスのヤング率が急激に低下する傾向があるからである。
Al/MgO<0.5とすることで、150GPa以上の高ヤング率を有する結晶化ガラスを得ることもできる。好ましくはAl/MgO<0.45である。但し、Al/MgOのモル比を小さくし過ぎると、ガラスの高温粘性が低下する傾向および結晶粒子が大きくなる恐れがあるのでAl/MgO比は0.2以上、好ましくは0.25以上であることが適当である。
【0043】
TiOはMgO・SiOの組成を有するエンスタタイトおよび(Mg・Al)SiOの組成を有するエンスタタイト固溶体の結晶相析出の核生成剤でる。さらに、TiOは、SiOの含有量が少ない場合に、ガラスの失透を抑える効果も有する。但し、TiOの含有量が5%未満の場合、主結晶の核生成剤としての効果が充分に得られず、ガラスが表面結晶化してしまい、均質な結晶化ガラスの作製が難しくなる傾向がある。一方、TiOの含有量が15%を超えると、ガラスの高温粘性が低くなりすぎて分相したり、失透したりするので、ガラスの生産性が極端に悪化する傾向がある。そのため、ガラスの生産性、化学耐久性、高温粘性、結晶核生成などを考慮すると、TiOの含有量は5〜15%の範囲が好ましく、5.5〜14%の範囲がより好ましい。さらに好ましくは、8〜14%の範囲である。尚、後述するように、ほかの成分との組合せで、表面平滑性よりもヤング率を重視した場合、160GPa以上の高いヤング率を有する結晶化ガラスが得られることから、TiOの含有量が8.5〜14%であることが好ましい場合がある。
【0044】
上記母材ガラスにおいて、Yを含むことができる。Yの導入によって結晶化ガラスのヤング率を10GPa程度増大でき、かつ液相温度を50〜100℃程度低減することができる。すなわち、少量のYの導入によってガラスの特性や生産性を格段に向上させることができる。Yの含有量が0.1%以上であれば、上記Yの効果が得られる。Yの含有量は好ましくは0.3%以上、さらに好ましくは0.5%以上である。但し、Yは前述のガラスに含まれる主結晶の成長を抑える力をもつ。そのため、Yの含有量が多過ぎると、ガラスを結晶化させる目的で行われる熱処理において、表面結晶化が起り易く、目的とする結晶化ガラスが作れなくなる傾向がある。このような観点からYの含有量は、10%以下とするのがよい。特に、Yの含有量は、より好ましくは8%以下、さらに好ましくは3%以下である。
【0045】
さらに、上記母材ガラスは、10%以下のZrOを含有することができる。
ZrOはガラスの安定性を高め、特にMgOを多く含むガラスの安定性の向上に大きな役割を果たすことができる。また、核生成剤としても作用し、TiOの補佐役として予備処理中のガラス分相を促進して結晶粒子の微細化に役立つ。
しかし、ZrOの含有量が10%を超えると、ガラスの高温溶解性や均質性が悪化するおそれがあるので、その導入量は1〜10%であることが適当である。
さらに、ガラスの高温溶解性や結晶粒子の均質性などを考慮すると、ZrOの導入量は好ましくは0〜6%、さらに好ましくは1〜5%である。
【0046】
上記母材ガラスは、高ヤング率などの特性および均質な結晶性を保つという観点からSiO、Al、MgO、およびTiOの合計含有量を92%以上とするのがよい。SiO、Al、MgO、およびTiOの合計含有量は、好ましくは93%以上、より好ましくは95%以上である。
【0047】
上記範囲内であれば、上記以外の成分として、結晶化ガラスの所望の特性を損なわない範囲で、アルカリ金属酸化物RO(例えば、LiO、NaO、KO等)および/またはアルカリ土類金属酸化物RO(例えば、CaO、SrO、BaO等)等の成分を含んでもよい。アルカリ金属酸化物および/またはアルカリ土類金属酸化物は、ガラス原料として硝酸塩を使用できる。アルカリ金属酸化物を含む場合、アルカリ金属酸化物はヤング率を低下させる傾向があることから、その含有量は5%以下とすることが適当である。一方、アルカリ金属酸化物はガラスの溶解温度を下げる効果や、白金溶解炉からの白金の混入物をイオン化して溶解させる効果がある。この場合も、0.1%以上の添加が効果的である。
特に、KOは、ガラスの溶解温度を下げる効果、および白金溶解炉からの白金の混入物をイオン化して溶解させる効果とともにヤング率を低下させにくい効果を有するため好ましい。KOを含有させる場合、その含有量は、5%以下とすることが適当であり、好ましくは0.1〜2%、より好ましくは0.1〜1%とする。
【0048】
また、MgO以外のアルカリ土類金属酸化物を含む場合、アルカリ土類金属酸化物は、結晶粒子を大きくする傾向があることから、その含有量は5%以下であることが適当であり、0〜1%の範囲がより好ましい。アルカリ金属酸化物を含む場合、その量は、0.1〜5%が好ましく、0.1〜2%がより好ましく、0.1〜1%がさらに好ましい。アルカリ金属酸化物としてはKOのみを導入することが好ましい。したがって、この場合、上記アルカリ金属酸化物の量は、KOの量に等しくなる。
【0049】
また、上記母材ガラスは、ZnOおよびNiOを実質的に含まないことが好ましい。ZnOは、硬い結晶であるスピネルを形成し易くさせるためである。またNiOは、スピネルを形成し易くさせるという観点からも環境に影響する成分であるという観点からも含有させないことが望ましい。
【0050】
なお、母材ガラスは、公知の方法を用いて製造することができる。例えば、高温溶融法、すなわち所定の割合のガラス原料を空気中または不活性ガス雰囲気で溶解し、バブリングや脱泡剤の添加や攪拌などによってガラスの均質化を行い、気泡や未溶解物、異物を含まない、均質な母材ガラスを得る。溶解温度は1400〜1650℃とすることができるが、1500〜1650℃、さらには1550〜1600℃で溶解してもよい。溶解温度を下げる場合、KOを導入することが好ましい。
【0051】
各成分の含有量の好ましい範囲を任意に組合せて、より好ましい組成範囲を設定することができるが、その中でも好ましい組合せを具体的に示しておく。
SiOが35〜55%、Alが9〜20%、MgOが12〜39%、TiOが8〜14%、Yが0〜10%、ZrOが1〜10%、KOが0.1〜2%、MgO以外のアルカリ土類金属酸化物の合計量が0〜5%、SiO、Al、MgO、TiOの合計量が93%以上の母材ガラス。
SiOが35〜55%、Alが9〜20%、MgOが12〜39%、TiOが8〜14%、Yが0.1〜10%、ZrOが1〜10%、KOが0.1〜2%、MgO以外のアルカリ土類金属酸化物の合計量が0〜5%、SiO、Al、MgO、TiOの合計量が93%以上の母材ガラス。
SiOが35〜55%、Alが9〜20%、MgOが12〜39%、TiOが8〜14%、Yが0.1〜8%、ZrOが1〜5%、KOが0.1〜1%、MgO以外のアルカリ土類金属酸化物の合計量が0〜1%、SiO、Al、MgO、TiOの合計量が93%以上の母材ガラス。
SiOが35〜55%、Alが9〜20%、MgOが20〜39%、TiOが8〜14%、Yが0.1〜3%、ZrOが1〜5%、KOが0.1〜2%、MgO以外のアルカリ土類金属酸化物の合計量が0〜1%、SiO、Al、MgO、TiOの合計量が95%以上の母材ガラス。
SiOが35〜55%、Alが9〜20%、MgOが20〜39%、TiOが8〜14%、Yが0.1〜3%、ZrOが1〜5%、KOが0.1〜1%、MgO以外のアルカリ土類金属酸化物の合計量が0〜1%、SiO、Al、MgO、TiOの合計量が95%以上の母材ガラス。
【0052】
さらに、いずれの場合においてもLiO、ZnO、NiO、As、PbO、Fを含まないものが好ましい。
より一層好ましい組成は、上記いずれの組成範囲においても、SiO、Al、MgO、KO、ZrO、Y、TiOの合計量が99%以上、特に好ましくは100%のものである。
【0053】
なお、上記一層好ましい組成に脱泡清澄剤としてSbのみを加えたものもより一層好ましい組成である。
〈母材ガラスの結晶化および情報記録媒体用基板の製造方法〉
次に、上記母材ガラスを結晶化する方法並びに情報記録媒体用基板IIIを得る方法について詳細に説明する。
【0054】
まず、母材ガラスが得られる溶融ガラスを、周知のプレス成形法やダウンロード成形法、フロート成形法などの方法により板状ガラスに成形し、その後、研削、研磨などの加工を施こすことで、所望のサイズ、形状のガラス成形品を得る。
なお、母材ガラスから気泡を完全に排除する上から脱泡清澄剤としてSbやAsを添加した場合は、フロート成形法は避けるべきである。その理由は、フロート成形に使用する溶融金属とSbやAsが反応し、溶融金属に接触した面のガラスが変質してしまうからである。
このような問題もなく、成形時の粘性範囲が広くとれるプレス成形法が母材ガラスの成形には最も適している。
【0055】
得られたガラス成形品は、結晶化のための熱処理を施される。熱処理の方法には特に制限はなく、結晶化促進剤の含有量やガラスの転移温度、結晶化ピーク温度などに応じて適宜選択することができる。但し、初期の段階で比較的低温度、例えば、(母材ガラスの転移温度(Tg)−30℃)〜(Tg+60℃)、特にTg〜(Tg+60℃)で熱処理して多数の結晶核を生じさせる。これらの温度は、具体的には700〜850℃の範囲である。その後、温度を850〜1150℃に上げて結晶を成長させることが、結晶を微細化するという観点からは好ましい。この際、ガラスが500〜850℃になった後は、微細な結晶粒子の析出、および板ガラスの外形変形防止の観点から、昇温速度は0.1〜10℃/分とすることがより好ましい。但し、ガラスが500〜850℃になるまでは特に昇温速度には制限はないが、5〜50℃/分とすることができる。また、上記方法において、同じヤング率や同じ結晶粒子の大きさまたは同じ結晶化均質性を有する結晶化ガラスを作製するための結晶核生成熱処理および結晶成長熱処理の許容温度範囲は30℃以上の温度幅をもつので、結晶化の製造工程を容易に制御することができる。
【0056】
さらに、上記結晶化工程において、熱処理によりMgO・SiOの組成を有するエンスタタイトおよび(Mg・Al)SiOの組成を有するエンスタタイト固溶体が主結晶として析出する熱処理条件とすることが望ましい。そのような条件としては、結晶化のための熱処理として850〜1150℃、好ましい。875〜1050℃で加熱することが好ましい。加熱温度が850℃未満ではエンスタタイトやその固溶体が析出しにくい。また、1150℃を超えるとエンスタタイトやその固溶体以外の結晶が析出し易くなる。また、875〜1000℃にすることにより、エンスタタイトおよび/またはその固溶体の平均粒径を比較的小さく、例えば、100nm以下、好ましくは50nm以下にすることができる。結晶化のための熱処理時間は、熱処理温度との関係で、結晶化度、結晶粒子の大きさに作用するため、所望の結晶化度、結晶粒子の大きさによって、適宜選択できるが、850〜1150℃の熱処理の場合、1〜4時間とすることが好ましい。また、結晶化のための熱処理の前に行う核生成処理温度を母材ガラスの転移温度(Tg)より30℃低い温度から60℃高い温度、好ましくはTgより0〜60℃高い温度、より好ましくはTgより10〜50℃高い温度に設定することが、小さい結晶粒子を析出させるという観点から適当である。
【0057】
熱処理を終えた結晶化ガラスの成形品は、必要により研磨することができ、研磨方法については特に制限がない。例えば、合成ダイヤモンド、炭化珪素、酸化アルミニウム、炭化ホウ素などの合成砥粒や、天然ダイヤモンド、酸化セリウムなどの天然砥粒を用いて、公知の方法により研磨することができる。成形を終え、結晶化する前の成形品を研磨した後、上記結晶化を行うこともできる。本発明の結晶化ガラスからなる情報記録媒体用基板は、上記方法において、成形品を基板形状とすることで得ることができる。本発明の結晶化ガラスからなる基板は、AFM(原子間力顕微鏡)で測定した平均粗さRa(JIS B0601)で1nm以下の表面平滑性を有することが好ましい。特に本発明の情報記録媒体用基板を磁気記録媒体用基板として用いる場合、表面の平均粗さRa(JIS B0601)は、磁気記録媒体(磁気ディスク)の記録密度に大きく影響する。表面平均粗さが1nmを超えると、高記録密度化を達成しにくくなる。したがって、情報記録媒体の高記録密度化を考慮すると、上記Raを0.7nm以下にすることがより好ましく、0.5nm以下にすることがさらに好ましく、0.3nm以下にすることが一層好ましい。
【0058】
エンスタタイトやその固溶体を主結晶として含む結晶化ガラスからなる基板は、高強度、高硬度、高ヤング率であり、かつ化学的耐久性や耐熱性が優れることから、磁気記録媒体用基板として有用である。さらに、上記結晶化ガラス製基板によれば、無アルカリ、または低アルカリであるため、あるいはアルカリ金属酸化物としてKOのみしか含まないため、磁気記録媒体用基板とした場合でも、磁気記録膜等の膜の侵蝕を大いに低減することができ、磁気記録膜を最善に保つことができる。
上記基板の機械加工は、公知の研削、精密研磨加工、内外径加工によって行うことができる。
【0059】
なお、情報記録媒体用基板には、清浄状態が厳しく求められるので、最終工程、あるいは中間工程において、適宜、基板の洗浄を行う。その際、基板を効率よく洗浄する上から超音波洗浄を行うことが好ましい。超音波洗浄の条件は公知の条件とすることができる。本発明の基板は、基板表面の結晶粒子が離脱しにくいので、超音波洗浄によって汚れとともに基板表面の結晶粒子が基板から離脱してしまうこともない。
【0060】
結晶化ガラス製基板は、非晶質ガラス製基板と異なり、化学強化なしでも十分な機械強度を備えている。そのため、基板の厚みを薄くできるという特徴を有する。基板として好ましい厚みは0.4mm以下、より好ましくは0.3mm以下、さらに好ましくは0.28mm以下、より一層好ましくは0.1〜0.25mmである。なお、化学強化ガラス製基板では、厚みが3mm以下になると強化処理の効果が得難くなる。その理由は、薄すぎるあまり、基板全体でイオン交換が進み、基板表面と基板内部の十分な大きさの応力分布が得られなくなるためである。基板の形状は円板形状が好ましく、中心部分に記録装置に取り付けるための円形の孔を備える。基板の外径は10〜95mmが好ましく、15〜70mmがより好ましい。
【0061】
次に情報記録媒体について説明する。
本発明の情報記録媒体は、上記情報記録媒体用基板I、情報記録媒体用基板II、情報記録媒体用基板IIIのいずれかの基板上に情報記録層が設けられており、記録密度が60Gビット/(インチ)以上、好ましくは80Gビット/(インチ)以上、より好ましくは100Gビット/(インチ)以上の情報記録装置に搭載するものである。
【0062】
以下、本発明の基板の主表面上に、少なくとも情報記録層を形成した情報記録媒体について、磁気記録媒体を例にして説明する。磁気記録媒体(磁気ディスク、ハードディスクなどと呼ばれる。)において、情報記録層は磁気記録層、あるいは磁性層と呼ばれるが、磁性層以外の層としては、機能面から、下地層、保護層、潤滑層などが挙げられ、必要に応じて形成される。これらの各層の形成には各種薄膜形成技術が利用される。磁性層の材料は特に制限されない。磁性層としては、例えば、Co系の他、フェライト系、鉄−希土類系などが挙げられる。磁性層は、水平磁気記録、垂直磁気記録のいずれの磁性層でもよい。磁性層としては、具体的には、Coを主成分とするCoPt系合金、CoCr系合金、CoCrTa系合金、CoPtCr系合金、CoCrPtTa系合金、CoCrPtB系合金、CoCrPtSiO系合金などの磁性薄膜が挙げられる。また、磁性層を非磁性層で分割してノイズ低減を図った多層構成としてもよい。
【0063】
下地層は、磁性層に応じて選択される。下地層としては、例えば、Cr、Mo、Ta、Ti、W、V、B、Alなどの非磁性金属から選ばれる少なくとも1種の材料、またはそれらの金属の酸化物、窒化物、炭化物等からなる下地層等が挙げられる。Coを主成分とする磁性層の場合には、磁気特性向上の観点からCr合金であることが好ましい。例えば、CrW系合金、CrMo系合金、CrV系合金があげられる。下地層は単層とは限らず、同一または異種の層を積層した複数層構造とすることもできる。また、基板と磁性層の間または磁性層の上部に、磁気ヘッドと磁気ディスクが吸着することを防止するための凹凸制御層を設けてもよい。この凹凸制御層を設けることによって、磁気ディスクの表面粗さは適度に調整されるので、磁気ヘッドと磁気ディスクが吸着することがなくなり、信頼性の高い磁気ディスクが得られる。
【0064】
また、ヘッドスティクションを考慮すると、磁気ディスクの表面粗さは、Rmax=2〜30nmであることが好ましい。より好ましい範囲は、Rmax=3〜10nmである。Rmaxが2nm未満の場合、磁気ディスク表面が平坦に近いため、磁気ヘッドや磁気ディスクが傷ついてしまったり、ヘッドクラッシュを起こすので好ましくない。また、Rmaxが30nmを超える場合、グライド高さ(グライドハイト)が大きくなり記録密度の低下を招くので好ましくない。尚、基板表面にテクスチャリング処理を施してもよい。
【0065】
保護層としては、例えば、炭素保護層が挙げられる。潤滑層は多種多様な提案がなされているが、一般的には、液体潤滑剤であるパーフルオロポリエーテルをフレオン系などの溶媒で希釈し、媒体表面にディッピング法、スピンコート法、スプレイ法などによって塗布し、必要に応じて加熱処理を行って形成する。
【0066】
上記磁気ディスクにおいて、1ビットの情報が書き込まれる領域は数十nm×数百nm程度になる。二珪酸リチウムの結晶粒子は略球形であり、その直径は100〜200nm程度であり、上記記録領域の短辺の長さよりも大きい。したがって、もし、二珪酸リチウムからなる結晶粒子が基板表面から離脱したときには、その部分の情報が完全に失われてしまう。しかし、本発明の情報記録媒体では、基板に上記結晶化ガラス基板を使用しているので、表面付近の結晶粒子の離脱が防止され、信頼性の高い情報記録媒体を提供することができる。
なお、上記説明は磁気記録媒体を例に挙げて行ったが、光記録媒体や光磁気記録媒体でも同様に信頼性が高く、記録密度も高い情報記録媒体を提供することができる。
【0067】
次に、情報記録装置について説明する。
本発明の情報記録装置は、上記情報記録媒体を搭載した記録密度が60Gビット/(インチ)以上、好ましくは80Gビット/(インチ)以上、さらに好ましくは100Gビット/(インチ)以上のものである。なお、この情報記録装置は、情報の記録および再生を繰り返し行う、すなわち、上書きを何度も行うことができる。
【0068】
ここでは、磁気記録方式の情報記録装置を例に挙げ、説明する。
磁気ディスク装置内部には、磁気ディスクと、これを所定の速度で回転させるスピンドルモータと、ピボットベアリングを介して磁気ヘッドを位置決めするための揺動型アクチュエータおよびこの駆動手段であるボイスコイルモータが収められている。磁気ディスクは、ディスククランプおよびネジによって安定に固定されている。また磁気ディスクの回転中心位置と磁気ヘッドの揺動回転中心位置の間隔を適切に設定し、スピンドルモータおよびピボットベアリングを介してアクチュエータを磁気ディスク装置のハウジングに固定している。
【0069】
磁気ディスクへのデータの書込み/読出しは、アクチュエータの先端に設けられた磁気ヘッドによって行う。この磁気ヘッドは、例えば、インダクティブ素子で構成されるライトヘッドと、GMR素子で構成されるリードヘッドとを有する。
このような構成によって、60Gビット/(インチ)以上、好ましくは80Gビット/(インチ)以上、より好ましくは100Gビット/(インチ)以上の記録密度が達成される。
【0070】
本発明の情報記録装置は、ロードアンロード方式の情報記録装置に好適に使用され、また、GMR素子を備えた情報記録装置にも好適に使用される。
本発明の情報記録装置によれば、情報記録媒体の基板に前述の情報記録媒体用基板I、II、IIIのいずれかを使用しているので、高信頼性を備えた高記録密度の情報記録装置を得ることができる。また、ヘッドのクラッシュやサーマルアスペリティ障害も防ぐことができる。
【0071】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
【0072】
実施例1〜10
表1および表2に示す組成の母材ガラスが得られるように、出発原料として、SiO、Al、Al(OH)、MgO、Y、TiO、ZrO、KNO、Sr(NO、Sbなどを用いて250〜300g秤量した。尚、表には示していないが、全てのガラスには外割でSbを0.03モル%を添加した。秤量した原料を十分に混合して調合バッチと成し、これを白金るつぼに入れ、1550℃で撹拌しながら空気中で4〜5時間ガラスの溶解を行った。溶融後、ガラス融液をサイズ180×15×25mmのカーボンの金型に流し、ガラスの転移温度まで放冷してから直ちにアニール炉に入れ、ガラスの転移温度範囲で約1時間アニール処理して炉内で室温まで放冷した。得られた母材ガラスを光学顕微鏡で観察したところ、結晶の析出は認められなかった。
【0073】
180×15×25mmサイズのガラスを100×10×10mm、10×10×20mm、10×1×20mmに研磨した後、熱処理炉に入れ、表1、表2に示した第一次熱処理温度(結晶核形成熱処理温度)まで300℃/時間の昇温速度(第1の昇温速度)で昇温し、当該温度で4時間程度保持して第一次熱処理を行った。第一次熱処理を終えた後、直ちに第一次熱処理温度から表1、表2に示した第二次熱処理温度(結晶化熱処理温度)までに240℃/時間の昇温速度(第2の昇温温度)で昇温し、4時間程度、第二次熱処理温度に保持した後、炉内で室温まで冷却することによって結晶化ガラスを作製した。得られた結晶化ガラスをさらに長さ約95mmに研磨してヤング率、比重の測定サンプルとした。また、以下に示す測定で得られたデータを母材ガラスの組成と共に表1、表2に示した。なお、結晶化ガラスの結晶化度は、20〜70体積%であった。
【0074】
また、結晶化ガラス中の結晶粒子であるエンスタタイトおよびその固溶体のモース硬度は5.5であった。
さらに、実施例1〜10の母材ガラスを結晶化処理した結晶化ガラスの組成を分析した結果、母材ガラスと結晶化ガラスの組成の差は±0.1モル%以内であった。したがって、表1、表2に示す母材ガラス組成は、結晶化ガラスの組成と実質的に同一である。
(1)結晶種の同定
CuのKα線を用いて結晶化後のガラスを粉末にしたものについてX線回折を測定した(装置:マックサイエンス製X線回折装置MXP18A、管電圧:50kV、管電流:300mA、走査角度10〜90°)。得られたX線回折のピークから、析出している結晶の同定を行った。
(2)物性測定方法
[比重(密度)測定]
ガラスサンプル自体を比重測定用サンプルとした。装置は、アルキメデス法を利用した電子比重計(ミラージュ貿易(株)製MD−200S)を用いた。室温での比重の測定精度は±0.001(密度に換算すると±0.001g/cm)である。
[ヤング率測定]
端面積10mm角〜20mm角、長さ約95mmの平行出しされたサンプルを用い、ヤング率測定前に、比重(密度)測定および試料長さをノギスで測定し、それらを測定条件として用いた。装置は、(株)超音波工業製UVM−2を用いた。縦波(Tl1、Tl2)および横波(TS1、TS2)を測定する際、深触子接触媒体として、縦波の場合は「水」を、横波の場合は「ソニコートSHN20若しくはSHN−B25」を深触子とサンプル端面に塗布した。同一サンプルに対して縦波2回以上、横波5回以上の繰り返し測定を行い、平均を算出した。
尚、この操作により、ポアソン比も同時に得られる。ヤング率の測定精度は±1GPaであり、ポアソン比の測定精度は±0.001である。
[熱機械測定(Thermal Mechanical Analysis:略してTMA)]
結晶化後の結晶化ガラスサンプルから試験片を切り出し、φ5mm×20mmの円柱状に研削加工し、TMA測定用サンプルとした。測定装置は(株)リガク製TAS100を用いた。測定条件は、昇温速度4℃/分、最高温度350℃とした。
[原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy:略してAFM)]
結晶化ガラスサンプルから30×25×1mmに加工し、30×15mmの2平面を精密光学研磨したものを原子間力顕微鏡測定用サンプルとした。装置は、Digital Instrument社製NanoScope IIIを用いた。測定条件は、Tapping mode AFMで測定範囲、2×2μmまたは5×5μm、サンプル数256×256、スキャンレート1Hzとし、データ処理条件、Planefit Auto order 3(X,Y)、Flatten Auto order 3とした。Integral gain, Proportion gain, Set point は測定毎に調整した。尚、測定の前処理として、研磨されたサンプルはクリーンルーム内大型洗浄機にて純水、イソプロピルアルコールなどによる洗浄を行た。
[透過率測定]
対向する2平面を平行に精密光学研磨した1mm厚のものを透過率測定用サンプルとした。装置は、HITACHI分光器U−3410を用い、測定波長は600nmとした。
[結晶化度]
結晶化ガラス試料について、X線の全散乱強度を測定し、その結果から、結晶化度x(%)は以下の式により求めることができる。X線回折装置としては、マックサイエンス製X線回折装置MXP18Aを用いた。
x=(1−(Ia/Ia100))×100
x=(Ic/Ic100)×100
Ia:未知物質の非晶質部分の散乱強度
Ic:未知物質の結晶質部分の散乱強度
Ia100:100%非晶質試料の散乱強度
Ic100:100%結晶質試料の散乱強度
100%非晶質試料の散乱強度分布はブロードなスペクトルとなり、100%結晶質試料の散乱強度分布は線幅の狭いスペクトルとなる。結晶化ガラスの散乱強度分布は、上記ブロードなスペクトルに線幅の狭いスペクトルが重畳した形になる。Iaは、スペクトルの裾野の部分を結ぶ水平線をベースラインを基準にしたブロードなスペクトルの最大部分の高さに相当する散乱強度である。いずれの散乱強度もスペクトルの裾野の部分を結ぶ水平線をベースラインとして算出した値である。
[平均線膨張係数測定]
ガラスサンプルを切り出し、φ50mm×20mmの円柱状に研削加工し、TMA測定用サンプルとした。測定装置は(株)リガク製TAS100を用いた。測定条件は、昇温速度4℃/分、最高温度350℃とし、100〜300℃における平均線膨張係数を測定した。
[結晶粒子の長径/短径比測定と結晶粒子のサイズ測定]
透過電子顕微鏡(TEM)を用いて結晶化ガラス中の結晶粒子を拡大撮影し、拡大画像から結晶粒子の最長部分の長さを長径、最短部分の長さを短径とした。
結晶粒子のサイズは前述のように測定した。なお、透過型電子顕微鏡の観察は、良好な拡大画像が得られるように表面に精密研磨加工を施した薄板状試料を用い、研磨面に対し垂直方向から行った。
【0075】
【表1】
Figure 2004220719
【0076】
【表2】
Figure 2004220719
【0077】
[注]
(1)第1の昇温速度は、結晶核形成熱処理温度にまで昇温する際の昇温速度、第2の昇温速度は、結晶核形成熱処理温度から結晶化熱処理温度まで昇温する際の速度を示す。
(2)表中のエンスタタイトは、エンスタタイトおよびエンスタタイトの固溶体を示す。
(3)表中のガラス転移温度は、結晶化ガラスのガラス転移温度を示す。
【0078】
表1、表2に示す結果から明らかなように、実施例1〜10の本発明の結晶化ガラスは、結晶粒子の長径/短径比が3以上であった。また、ヤング率(140GPa以上)や比弾性率(40〜60MN・m/kgの範囲)などの強度特性が大きい。そのため、これらのガラスを磁気記録媒体等の情報記録媒体用基板として使用した場合、このガラス基板が高速回転しても、基板に反りやブレが生じにくく、より基板の薄型化にも対応できることが分かる。また、実施例1、実施例3、および実施例5の熱処理前のガラスについて液相温度を測定したところ、それぞれ1300℃、1290℃、および1270℃であり、ガラスの溶融および成形の面から要求される液相温度(例えば1350℃以下)を満足するものであった。また、全ての実施例の結晶化ガラスについて、表面平均粗さ測定用に光学ガラス研磨を施したサンプルの研磨面について、原子間力顕微鏡(AFM)による表面観察を行った。
【0079】
その結果、各実施例の結晶化ガラスの表面平均粗さ(Ra(JIS B0601))は0.5nm以下であった。これらの結晶化ガラスの表面平均粗さ(Ra(JIS B0601))は、例えば、合成ダイヤモンド、炭化珪素、酸化カルシウム、酸化鉄、酸化セリウムなどの研磨剤を用いる通常の光学ガラスの研磨法で0.5nm以下に研磨することができる。そのため、平坦性に優れた基板を得ることができ、磁気ヘッドの低浮上化を図ることを目的とする磁気記録媒体用ガラス基板として有用である。本発明の結晶化ガラスは、厚さ1mmの場合、波長600nmでの透過率が50%以上であり、ある程度透明性があった。かかる透明性は、所望の結晶種、結晶粒子のサイズが得られているかの指標にもなり得る。本発明の結晶化ガラスの場合、上記透過率は、例えば、60〜90%になり得る。例えば、結晶粒子のサイズが小さいほど、上記透過率が大きくなる。
〈情報記録媒体用基板およびその製造方法〉
実施例1〜10における母材ガラスが得られる脱泡、均質化された溶融ガラスを所定量、プレス成形型の下型上に供給し、下型と対向する上型とによって円盤状の基板ブランクに成形した。この基板ブランクをアニール処理して歪を低減した後、中心部分に情報記録媒体を情報記録装置に取り付ける際に必要となる円形の孔をあけた。次に、実施例1〜10に示した条件で基板ブランクに熱処理を施し、実施例1〜10に示す特性、性質を備える結晶化ガラス製基板ブランクを得た。このブランクの両主表面を表面平均粗さRa(JIS B0601)が0.4nm、Rmaxが4nmとなるように精密研磨加工するとともに、内外径加工を施して結晶化ガラス製の情報記録媒体用基板を得た。
【0080】
なお、適宜、基板を超音波洗浄する工程を加えたが、超音波印加により、基板表面の結晶粒子が基板から離脱するようなことはなかった。本工程で超音波の周波数は、20kHzとした。
これに対し、エンスタタイトおよびその固溶体を含まず、二珪酸リチウム結晶相を含む結晶化ガラス製の基板では、超音波洗浄によって表面の結晶粒子が離脱したと思われる微小な窪みが表面の拡大観察によって認められた。
【0081】
実施例11
実施例10で得られた情報記録媒体用基板上に、順次、下地層、磁性層(情報記録層)、保護層、潤滑層を形成した。各層について具体的に説明すると、下地層は、厚さ25nmのCrVの薄膜で、組成比はCr:80at%、V:20at%である。磁性層は、厚さ約15nmのCoCrPtBの薄膜で、組成比はCo:60at%、Cr:20at%、Pt:14at%、B:6at%である。
保護層は厚さ6nmの水素化カーボン薄膜である。潤滑層は、パーフルオロポリエーテルからなる。
【0082】
次に、情報記録媒体の製造方法について説明する。まず、上記基板を基板ホルダーにセットした後、静止対向型装置の仕込み室に送り込む。続いて、下地層、磁性層、保護層を順次、Ar系ガスを用いてDCマグネトロンスパッタにより成膜した。ここで、保護層の成膜においてはArガスに水素を20%混合したAr+Hガスを用いた。その後、水素化カーボン保護層の表面に、ディッピング法によってパーフルオロポリエーテルを塗布して厚さ1.0nmの潤滑層を形成して磁気記録媒体を得た。
なお、光記録媒体、光磁気記録媒体などの他の情報記録媒体も公知の各記録方法に合わせて適宜、作製することができる。
【0083】
実施例12
磁気記録装置を例にとり、情報記録装置について説明する。
実施例11に記載の磁気記録媒体を用いて、ロードアンロード方式の磁気記録装置を構成した。
磁気ディスクへのデータの書込み/読出しは、アクチュエータの先端に設けられた磁気ヘッドによって行った。このときの磁気ヘッドの浮上量は12nmであった。この磁気ヘッドは、例えば、インダクティブ素子で構成されるライトヘッドと、GMR素子で構成されるリードヘッドとを有する。このような構成の磁気記録装置を動作させることによって、60〜120Gビット/(インチ)の記録密度の情報記録を達成することできた。また、ロードアンロードによるクラッシュ障害やサーマルアスペリティー障害も発生しなかった。
【0084】
さらに、この磁気記録装置を連続1000時間、動作させた後、記録情報が失われていないかどうか調べたところ、このような記録情報の喪失は見られなかった。また、磁気記録媒体を取り出して観察したところ、基板中の結晶粒子の離脱による欠陥の発生は認められなかった。
次に、比較のために、基板をエンスタタイトおよびその固溶体を含まず、二珪酸リチウム結晶相を含む結晶化ガラス製とし、同様の方法で磁気記録媒体を作製した。この媒体を使用して、磁気記録装置を構成し、上記テストと同様の評価を行ったところ、60Gビット/(インチ)の記録密度を達成できたものの、基板表面の結晶粒子の離脱に起因する情報記録層の損傷や、微小ながら磁気記録媒体表面に異常な突起が認められた。また、ロードアンロードによるクラッシュ障害やサーマルアスペリティー障害の発生も認められた。
【0085】
【発明の効果】
本発明によれば、高記録密度において十分な信頼性を有する情報記録媒体を与える情報記録媒体用基板、それを用いた上記性能を有する情報記録媒体および該情報記録媒体を搭載してなる60Gビット/(インチ)以上の高記録密度が可能な情報記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】結晶化ガラスにおけるエンスタタイトの結晶構造の1例を示す模式図である。
【図2】結晶化ガラスにおけるエンスタタイト固溶体の結晶構造の1例を示す模式図である。

Claims (7)

  1. 長径と短径の比が3以上の結晶粒子を含む結晶化ガラスからなり、かつ記録密度が60Gビット/(インチ)以上の情報記録装置に搭載する情報記録媒体に使用されることを特徴とする情報記録媒体用基板。
  2. エンスタタイトおよび/またはエンスタタイトの固溶体からなる結晶粒子を含む結晶化ガラスからなり、かつ記録密度が60Gビット/(インチ)以上の情報記録装置に搭載する情報記録媒体に使用されることを特徴とする情報記録媒体用基板。
  3. SiO、MgOおよびTiOを含む母材ガラスに、(Tg−35℃)〜(Tg+60℃)の範囲の温度(ただし、Tgは前記母材ガラスの転移温度である。)で加熱する分相工程と結晶化工程を施して前記母材ガラスからなり、かつ記録密度が60Gビット/(インチ)以上の情報記録装置に搭載する情報記録媒体に使用されることを特徴とする情報記録媒体用基板。
  4. 前記情報記録装置がロードアンロード方式であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の情報記録媒体用基板。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報記録媒体用基板と、その上に設けられた情報記録層を有し、かつ記録密度が60Gビット/(インチ)以上の情報記録装置に搭載することを特徴とする情報記録媒体。
  6. 請求項5に記載の情報記録媒体を搭載してなり、かつ記録密度が60Gビット/(インチ)以上であることを特徴とする情報記録装置。
  7. 情報記録媒体用基板の上に情報記録層を形成する情報記録媒体の製造方法において、請求項1〜4いずれか1項に記載の情報記録媒体用基板を超音波洗浄した後、製造工程に供することを特徴とする情報記録媒体の製造方法。
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JP2007153735A (ja) * 2005-12-05 2007-06-21 Schott Ag ガラスセラミック
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WO2017022508A1 (ja) * 2015-08-03 2017-02-09 旭硝子株式会社 ガラス板の製造方法、およびガラス板

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