JP5993306B2 - 磁気記録媒体用ガラス基板およびその利用 - Google Patents
磁気記録媒体用ガラス基板およびその利用 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5993306B2 JP5993306B2 JP2012549842A JP2012549842A JP5993306B2 JP 5993306 B2 JP5993306 B2 JP 5993306B2 JP 2012549842 A JP2012549842 A JP 2012549842A JP 2012549842 A JP2012549842 A JP 2012549842A JP 5993306 B2 JP5993306 B2 JP 5993306B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- magnetic recording
- glass
- glass substrate
- recording medium
- magnetic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G11—INFORMATION STORAGE
- G11B—INFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
- G11B5/00—Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
- G11B5/62—Record carriers characterised by the selection of the material
- G11B5/73—Base layers, i.e. all non-magnetic layers lying under a lowermost magnetic recording layer, e.g. including any non-magnetic layer in between a first magnetic recording layer and either an underlying substrate or a soft magnetic underlayer
- G11B5/739—Magnetic recording media substrates
- G11B5/73911—Inorganic substrates
- G11B5/73921—Glass or ceramic substrates
Description
磁気記録媒体を組み込んだHDD(ハードディスクドライブ)は、中央部分をスピンドルモーターのスピンドル及びクランプで押さえて磁気記録媒体そのものを回転させる構造となっている。そのため、磁気記録媒体基板とスピンドル部分を構成するスピンドル材料の各々の熱膨張係数に大きな差があると、使用時に周囲の温度変化に対してスピンドルの熱膨張・熱収縮と磁気記録媒体基板の熱膨張・熱収縮にずれが生じてしまい、結果として磁気記録媒体が変形してしまう現象が起きる。このような現象が生じると書き込んだ情報をヘッドが読み出せなくなってしまい、記録再生の信頼性を損なう原因となる。したがって磁気記録媒体の信頼性を高めるには、ガラス基板には、スピンドル材料(例えばステンレスなど)と同程度の高い熱膨張係数を有することが求められる。
この背景として、第一に、磁気ヘッドの浮上量(磁気ヘッドと磁気記録媒体表面との間隙)の大幅な低下(低浮上量化)が挙げられる。こうすることで、磁気ヘッドと媒体の磁性層との距離が近づくため、より小さい磁性粒子の信号も拾うことができるようになるため、高記録密度化を達成することができる。近年、従来以上の低浮上量化を実現するために、DFH(Dynamic Flying Height)という機能が磁気ヘッドに搭載されている。これは、磁気ヘッドの記録再生素子部の近傍に極小のヒーター等の加熱部を設けて、素子部周辺のみを媒体表面方向に向けて突き出す機能である。今後、この機能によって、磁気ヘッドの素子部と媒体表面との間隙は、2nm未満と極めて小さくなると見られている。このため、僅かな衝撃によっても、磁気ヘッドが媒体表面に衝突しやすくなる。
第二に、媒体の高速回転化が挙げられる。これにより、まず、磁気ヘッドとの衝突の際の衝撃が大きくなる。なお、外周部においては基板のたわみが大きくなるため、僅かな衝撃によっても磁気ヘッドと衝突しやすくなる。また内周部においては、スピンドル及びクランプによる媒体の締め付け(固定)の影響によって、HDD自体に外的衝撃が加わった場合に基板が割れる可能性が高くなる。
本発明は、以上の知見に基づき完成された。
本発明の磁気記録媒体用ガラス基板は、ガラス転移温度が600℃以上、100〜300℃における平均線膨張係数が70×10−7/℃以上、ヤング率が81GPa以上、比弾性率が30.0MNm/kg以上、かつ破壊靭性値が0.9MPa・m1/2以上であるガラスからなる。
更に本発明は、前記した本発明のガラス基板を提供可能な磁気記録媒体用ガラス基板ブランクにも関する。
本発明によれば、トレードオフの関係にある高耐熱性、高剛性、高熱膨張をバランスさせるとともに、高破壊靭性を有する耐衝撃性の優れたガラスを用いることで、エネルギーアシスト方式の磁気記録媒体に代表される高記録密度対応の磁気記録媒体に好適なガラス基板を提供することができる。
前述のとおり、高Ku磁性材料の導入などによって磁気記録媒体の高記録密度化を図る場合、磁性材料の高温処理などにおいて、磁気記録媒体用ガラス基板は高温下に晒されることになる。その際、基板の極めて高い平坦性が損なわれないようにするため、磁気記録媒体用ガラス基板には優れた耐熱性を有することが求められる。耐熱性の指標としてはガラス転移温度が用いられ、本発明のガラス基板は、600℃以上のガラス転移温度を有することで、高温処理後にも優れた平坦性を維持することができる。したがって、本発明のガラス基板は、高Ku磁性材料を備えた磁気記録媒体の作製に好適である。ガラス転移温度の好ましい範囲は610℃以上、より好ましい範囲は620℃以上、さらに好ましい範囲は630℃以上である。ガラス転移温度の上限は、例えば750℃程度であるがガラス転移温度は高いほど好ましく特に限定されるものではない。
前述のとおり、磁気記録媒体用ガラス基板を構成するガラスとHDDのスピンドル材料(例えば、ステンレスなど)の熱膨張係数の差が大きいと、HDDの動作時における温度変化によって磁気記録媒体が変形し、記録再生トラブルが起こるなど信頼性が低下することになってしまう。特に、高Ku磁性材料からなる磁気記録層を有する磁気記録媒体は、記録密度が極めて高いため、磁気記録媒体の僅かな変形によっても前記トラブルが起こりやすくなる。一般にHDDのスピンドル材料は、100〜300℃の温度範囲において70×10−7/℃以上の平均線膨張係数(熱膨張係数)を有するものであるところ、本発明のガラス基板は、100〜300℃の温度範囲における平均線膨張係数が70×10−7/℃以上であるため、上記信頼性を向上することができ、高Ku磁性材料からなる磁気記録層を有する磁気記録媒体に好適な基板を提供することができる。前記平均線膨張係数の好ましい範囲は71×10−7/℃以上、より好ましい範囲は72×10−7/℃以上、さらに好ましい範囲は73×10−7/℃以上、一層好ましい範囲は74×10−7/℃以上、より一層好ましい範囲は75×10−7/℃以上である。前記平均線膨張係数の上限は、スピンドル材料の熱膨張特性を考慮すると、例えば120×10−7/℃程度であることが好ましく、100×10−7/℃であることがより好ましく、88×10−7/℃であることがさらに好ましい。
磁気記録媒体の変形としては、HDDの温度変化による変形の他、高速回転による変形がある。高速回転時の変形を抑制する上から、上記のように磁気記録媒体基板のヤング率を高めることが求められる。本発明のガラス基板は、81GPa以上のヤング率を有するため、高速回転時の基板変形を抑制し、高Ku磁性材料を備えた高記録密度化された磁気記録媒体においても、データの読み取り、書き込みを正確に行うことができる。ヤング率の好ましい範囲は82GPa以上であり、より好ましくは83GPa以上であり、更に好ましくは84GPa以上であり、一層好ましくは85GPa以上であり、より一層好ましくは86GPa以上である。ヤング率の上限は、特に限定されるものではないが、他の特性を好ましい範囲にする上から、例えば95GPaを上限の目安と考えることができる。
本発明のガラス基板は、比弾性率が30.0MNm/kg以上であることで、磁気記録媒体を高速回転させたときの変形(基板のたわみ)を抑制することができる。比弾性率は30.0MNm/kg超であることが好ましく、30.5MNm/kg以上であることがより好ましい。その上限は、例えば40.0MNm/kg程度であるが特に限定されるものではない。比弾性率はガラスのヤング率を密度で除したものである。ここで密度とはガラスの比重に、g/cm3という単位を付けた量と考えればよい。ガラスの低比重化によって、比弾性率を大きくすることができることに加え、基板を軽量化することができる。基板の軽量化により、磁気記録媒体の軽量化がなされ、磁気記録媒体の回転に要する電力を減少させ、HDDの消費電力を抑えることができる。本発明のガラス基板の比重の好ましい範囲は2.90以下、より好ましい範囲は2.80以下、さらに好ましい範囲は2.70未満である。
破壊靭性値は、以下の方法で測定される。
AKASHI社製の装置MVK−Eを用い、板状に加工した試料に押し込み荷重P[N]でビッカース圧子を押し込み、試料に圧痕およびクラックを導入する。試料のヤング率をE[GPa]、圧痕対角線長さをd[m]、表面クラックの半長をa[m]とすると破壊靭性値K1c[Pa・m1/2]は下式で表される。
K1c=[0.026(EP/π)1/2(d/2)(a)-2]/[(πa)-1/2]
本発明のガラス基板を構成するガラスの破壊靭性値(荷重P=9.81N(1000gf))は0.9MPa・m1/2以上である。破壊靭性は耐熱性とトレードオフの関係にあり、磁気記録媒体の記録密度を高くするために基板の耐熱性を高めると破壊靭性値が低下し、耐衝撃性が低下してしまう。これに対し本発明によれば、破壊靱性値を高めつつ耐熱性、剛性、熱膨張特性をバランスさせた高記録密度対応の磁気記録媒体に好適なガラス基板を提供することができる。破壊靭性値の好ましい範囲は1.0MPa・m1/2以上、より好ましい範囲は1.1MPa・m1/2以上、更に好ましい範囲は1.2MPa・m1/2以上である。破壊靭性値が0.9MPa・m1/2以上であることにより、耐衝撃性が優れ、信頼性の高い高記録密度対応の磁気記録媒体を提供することができる。なお、特記しない限り、本発明において破壊靭性値とは、荷重Pを9.81N(1000gf)として測定される破壊靭性値を意味する。破壊靱性値の測定は、圧痕対角線長さd、表面クラックの半長aを正確に測定する上から、ガラスの平滑面、例えば研磨された面において行うことが好ましい。また本発明において、化学強化されたガラスからなる基板についての破壊靭性値は化学強化されたガラスの値とする。上記破壊靱性値は、ガラス組成によっても変化し、また化学強化条件によっても変化するため、化学強化されたガラスからなる本発明の磁気記録媒体用ガラス基板を得るためには、組成調整および化学強化処理条件によって、上記破壊靱性値を所望の範囲とすることができる。
磁気記録媒体用ガラス基板を生産する際には、ガラスをディスク形状に加工し、主表面を極めて平坦かつ平滑に加工する。そして、前記加工工程の後、通常、ガラス基板を酸洗浄して表面に付着した汚れである有機物を除去する。ここでガラス基板が耐酸性に劣るものであると、上記酸洗浄時に面荒れを起こし、平坦性、平滑性が損なわれ磁気記録媒体用ガラス基板として使用することが困難となる。特にガラス基板表面の高い平坦性、平滑性が求められる高Ku磁性材料からなる磁気記録層を有する、高記録密度化された磁気記録媒体用ガラス基板は、優れた耐酸性を有することが望ましい。
また、酸洗浄に続いて、アルカリ洗浄して表面に付着した研磨剤などの異物を除去して一層清浄な状態の基板を得ることができる。アルカリ洗浄時にも面荒れによる基板表面の平坦性、平滑性の低下を防ぐ上からガラス基板は耐アルカリ性に優れたものであることが好ましい。優れた耐酸性および耐アルカリ性を有し基板表面の平坦性、平滑性が高いことは、前述の低浮上量化の観点からも有利である。本発明では前記したガラス組成の調整、特に化学的耐久性に有利な組成調整を行うことにより、優れた耐酸性および耐アルカリ性を実現することができる。
ガラスを熔融し、得られた熔融ガラスを成形する際、成形温度が液相温度を下回るとガラスが結晶化し、均質なガラスが生産できない。そのためガラス成形温度は液相温度以上にする必要があるが、成形温度が1300℃を超えると、例えば熔融ガラスをプレス成形する際に用いるプレス成形型が高温のガラスと反応して、ダメージを受けやすくなる。熔融ガラスを鋳型に鋳込んで成形する場合も同様に鋳型がダメージを受けやすくなる。こうした点に配慮し、本発明のガラス基板を構成するガラスの液相温度は1300℃以下であることが好ましい。液相温度のより好ましい範囲は1280℃以下、さらに好ましい範囲は1250℃以下である。本発明では前記したガラス組成調整を行うことにより、上記好ましい範囲の液相温度を実現することができる。下限は特に限定されないが、800℃以上を目安に考えればよい。
磁気記録媒体は、ガラス基板上に磁気記録層を含む多層膜を成膜する工程を経て生産される。現在、主流になっている枚葉式の成膜方式で基板上に多層膜を形成する際、例えばまずガラス基板を成膜装置の基板加熱領域に導入しスパッタリングリングなどによる成膜が可能な温度にまでガラス基板を加熱昇温する。ガラス基板の温度が十分昇温した後、ガラス基板を第1の成膜領域に移送し、ガラス基板上に多層膜の最下層に相当する膜を成膜する。次にガラス基板を第2の成膜領域に移送し、最下層の上に成膜を行う。このようにガラス基板を後段の成膜領域に順次移送して成膜することにより、多層膜を形成する。上記加熱と成膜は真空ポンプにより排気された低圧下で行うため、ガラス基板の加熱は非接触方式を取らざるを得ない。そのため、ガラス基板の加熱には輻射による加熱が適している。この成膜はガラス基板が成膜に好適な温度を下回らないうちに行う必要がある。各層の成膜に要する時間が長すぎると加熱したガラス基板の温度が低下し、後段の成膜領域では十分なガラス基板温度を得ることができないという問題が生じる。ガラス基板を長時間にわたって成膜可能な温度を保つためには、ガラス基板をより高温に加熱することが考えられるが、ガラス基板の加熱速度が小さいと加熱時間をより長くしなければならず、加熱領域にガラス基板が滞在する時間も長くしなければならない。そのため各成膜領域におけるガラス基板の滞在時間も長くなり、後段の成膜領域では十分なガラス基板温度を保てなくなってしまう。さらにスループットを向上することも困難となる。特に高Ku磁性材料からなる磁気記録層を備えた磁気記録媒体を生産する場合、所定時間内にガラス基板を高温に加熱するために、ガラス基板の輻射による加熱効率を一層高めるべきである。
SiO2、Al2O3を含むガラスには、波長2750〜3700nmを含む領域に吸収ピークが存在する。また、後述する赤外線吸収剤を添加するか、ガラス成分として導入することにより、さらに短波長の輻射の吸収を高めることができ、波長700nm〜3700nmの波長領域に吸収を持たせることができる。ガラス基板を輻射、すなわち、赤外線照射により効率よく加熱するには、上記波長域にスペクトルの極大が存在する赤外線を用いることが望まれる。加熱速度を上げるには、赤外線のスペクトル極大波長と基板の吸収ピーク波長をマッチさせるとともに赤外線パワーを増やすことが考えられる。赤外線源として高温状態のカーボンヒータを例にとると、赤外線のパワーを増加するにはカーボンヒータの入力を増加すればよい。しかし、カーボンヒータからの輻射を黒体輻射と考えると、入力増加によってヒータ温度が上昇するため、赤外線のスペクトルの極大波長が短波長側にシフトし、ガラスの上記吸収波長域から外れてしまう。そのため、基板の加熱速度を上げるためにはヒータの消費電力を過大にしなければならず、ヒータの寿命が短くなってしまうなどの問題が発生する。
このような点に鑑み、上記波長領域(波長700〜3700nm)におけるガラスの吸収をより大きくすることにより、赤外線のスペクトル極大波長と基板の吸収ピーク波長を近づけた状態で赤外線の照射を行い、ヒータ入力を過剰にしないことが望ましい。そこで赤外線照射過熱効率を高めるため、ガラス基板としては、700〜3700nmの波長域に、厚さ2mmに換算した分光透過率が50%以下となる領域が存在するか、または、前記波長域にわたり、厚さ2mmに換算した分光透過率が70%以下となる透過率特性を備えるものが好ましい。例えば、鉄、銅、コバルト、イッテルビウム、マンガン、ネオジム、プラセオジム、ニオブ、セリウム、バナジウム、クロム、ニッケル、モリブデン、ホルミウムおよびエルビウムの中から選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物は、赤外線吸収剤として作用し得る。また、水分または水分に含まれるOH基は、3μm帯に強い吸収を有するため、水分も赤外線吸収剤として作用し得る。ガラス組成に上記赤外線吸収剤として作用し得る成分を適量導入することにより、ガラス基板に上記好ましい吸収特性を付与することができる。上記赤外線吸収剤として作用し得る酸化物の添加量は、酸化物として質量基準で500ppm〜5%であることが好ましく、2000ppm〜5%であることがより好ましく、2000ppm〜2%であることがさらに好ましく、4000ppm〜2%の範囲がより一層好ましい。また、水分については、H2O換算の重量基準で200ppm超含まれることが好ましく、220ppm以上含まれることがより好ましい。
なお、Yb2O3、Nb2O5をガラス成分として導入する場合や清澄剤としてCe酸化物を添加する場合は、これら成分による赤外線吸収を基板加熱効率の向上に利用することができる。
SiO2を56〜75モル%、
Al2O3を1〜20モル%、
Li2O、Na2OおよびK2Oからなる群から選ばれるアルカリ金属酸化物を合計で6〜15モル%、
MgO、CaOおよびSrOからなる群から選ばれるアルカリ土類金属酸化物を合計で10〜30モル%、
ZrO2、TiO2、Y2O3、La2O3、Gd2O3、Nb2O5およびTa2O5からなる群から選ばれる酸化物を合計で0モル%超かつ10モル%以下、
含むものであって、ガラス転移温度が600℃以上、100〜300℃における平均線膨張係数が70×10−7/℃以上、ヤング率が81GPa以上、比弾性率が30MNm/kg以上、破壊靭性値が0.9MPa・m1/2以上になるように組成調整されたガラスが望ましい。組成調整については、例えば前記ガラスにおけるK2O含有量の好ましい範囲は上記のとおりである。またアルカリ土類金属酸化物の一種であるBaOは破壊靭性を低下させる働きがあるため、その含有量の上限を破壊靭性値が0.9MPa・m1/2以上となるように制限することが望ましい。破壊靭性値の好ましい範囲は前述のとおりである。荷重4.9N(500gf)で測定して得られる破壊靭性値を用いる場合は、破壊靭性値(荷重4.9N(500gf))が0.9MPa・m1/2超となるようにBaO含有量の上限を制限すればよい。破壊靭性値(荷重4.9N(500gf))の好ましい範囲は前述のとおりである。前記したように、BaOは含有させなくてもよい。なお本発明のガラス基板が化学強化ガラス基板である場合には、当該基板において上記のアルカリ金属酸化物を構成するアルカリ金属原子の少なくとも一部がイオン交換されている。本発明において、特記しない限り、化学強化されたガラス基板に関するガラス組成については同様とする。
SiO2を56〜75%、
Al2O3を1〜20%、
Li2Oを0%超かつ4%以下、
Na2Oを1%以上かつ15%未満、
K2Oを0%以上3%未満、
含み、かつBaOを実質的に含まず、
Li2O、Na2OおよびK2Oからなる群から選ばれるアルカリ金属酸化物の合計含有量が6〜15%の範囲であり、
Na2O含有量に対するLi2O含有量のモル比(Li2O/Na2O)が0.50未満であり、
上記アルカリ金属酸化物の合計含有量に対するK2O含有量のモル比{K2O/(Li2O+Na2O+K2O)}が0.13以下であり、
MgO、CaOおよびSrOからなる群から選ばれるアルカリ土類金属酸化物の合計含有量が10〜30%の範囲であり、
MgOおよびCaOの合計含有量が10〜30%の範囲であり、
上記アルカリ土類金属酸化物の合計含有量に対するMgOおよびCaOの合計含有量のモル比{(MgO+CaO)/(MgO+CaO+SrO)}が0.86以上であり、
上記アルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物の合計含有量が20〜40%の範囲であり、
上記アルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物の合計含有量に対するMgO、CaOおよびLi2Oの合計含有量のモル比{(MgO+CaO+Li2O)/(Li2O+Na2O+K2O+MgO+CaO+SrO)が0.50以上であり、
ZrO2、TiO2、Y2O3、La2O3、Gd2O3、Nb2O5およびTa2O5からなる群から選ばれる酸化物の合計含有量が0%超かつ10%以下であり、
Al2O3含有量に対する上記酸化物の合計含有量のモル比{(ZrO2+TiO2+Y2O3+La2O3+Gd2O3+Nb2O5+Ta2O5)/Al2O3}が0.40以上のガラス(以下、ガラスAという)を例示することができる。
記録密度を高めるためには磁気ヘッドと磁気記録媒体表面との距離を近づけ、書き込み・読み込み分解能を挙げる必要がある。そのため近年、ヘッドの低浮上量化(磁気ヘッドと磁気記録媒体表面との間のスペーシングの低減)が進められており、これに伴い磁気記録媒体表面にはわずかな突起の存在も許容されなくなってきている。低浮上量化された記録再生システムでは、微小突起であってもヘッドと衝突しヘッド素子の損傷等の原因となるからである。一方、BaOは大気中の炭酸ガスとの反応によりガラス基板表面の付着物となるBaCO3を生成する。したがって付着物低減の観点からBaOを含有させない。加えてBaOはガラス表面の変質(ヤケと呼ばれる)の発生原因となり、基板表面に微小突起を形成するおそれのある成分であるため、ガラス表面のヤケの防止のためにもBaOを排除する。なお、Baフリー化は環境への負担を軽減するうえからも好ましい。
記録密度を高めるほどビットサイズは小さくなり、例えば1テラバイト/inch2を超える高密度記録を実現するためのビットサイズの目標値は数十nm径とされている。このような微小ビットサイズで記録する場合、熱アシスト記録では加熱領域をビットサイズと同程度に小さくする必要がある。また、微小ビットサイズで高速記録するためには、1つのビットの記録に費やすことのできる時間は極短時間となるため、熱アシストによる加熱と冷却を瞬間的に完了する必要がある。即ち、熱アシスト記録用磁気記録媒体では、加熱と冷却は可能な限り速やかに、かつ局所的に行われることが求められる。
そこで熱アシスト記録用磁気記録媒体の基板と磁気記録層との間に、高い熱伝導率を有する材料からなるヒートシンク層(例えばCu膜)を設けることが提案されている(例えば特開2008−52869号公報参照)。ヒートシンク層は、面内方向への熱の広がりを抑え、かつ垂直方向(深さ方向)への熱の流れを加速することで、記録層に与えられた熱を面内方向ではなく垂直方向(厚さ方向)に逃がす役割を果たす層である。ヒートシンク層を厚くするほど、加熱と冷却を短時間かつ局所的に行うことができるが、ヒートシンク層を厚くするためには、成膜時間を長くする必要があるため、生産性が低下してしまう。また、ヒートシンク層の厚みが増すことにより、層成膜時の熱の蓄積も多くなることから、結果的にその上層に形成される磁性層の結晶性や結晶配向性が乱れ、記録密度の改善が困難になる場合がある。更に、ヒートシンク層が厚くなるほど、ヒートシンク層にコロージョンが発生し、膜全体が隆起して凸欠陥が発生する可能性が高くなり、低浮上量化の妨げとなる。特にヒートシンク層に鉄材料が用いられている場合、上記現象を発生する可能性が高い。
以上説明したように、厚膜のヒートシンク層を設けることは、加熱と冷却を短時間かつ局所的に行ううえでは有利であるが、生産性、記録密度の改善、低浮上量化の観点からは望ましくない。この対策として、ヒートシンク層が担う役割を補うべくガラス基板の熱伝導率を高めることが考えられる。
ここでガラスAは、SiO2、Al2O3、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物などを構成成分とする。この中で、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物は修飾成分としてガラスの熔融性を改善したり、熱膨張係数を増加させる働きを有する。したがって、一定量をガラスに導入する必要があるが、この中で最も原子番号が大きいBaはガラスの熱伝導率を低下させる働きが大きい。ここではBaOを含まないためBaOによる熱伝導率低下がなく、したがってヒートシンク層の薄膜化を進めたとしても、加熱と冷却を短時間かつ局所的に行うことを可能とするものである。
また、アルカリ金属酸化物の中ではK2Oが原子番号が大きく熱伝導率を低下させる働きが大きいこと、化学強化性能の点では不利であることから、K2Oの含有量はアルカリ金属酸化物の総量に対して制限される。アルカリ金属酸化物の合計含有量に対するK2O含有量のモル比{K2O/(Li2O+Na2O+K2O)}を0.13以下とする。化学強化性能および熱伝導率の観点から、上記モル比は好ましくは0.10以下、より好ましくは0.08以下、更に好ましくは0.06以下、より一層好ましくは0.05以下、なお一層好ましくは0.03、更に一層好ましくは0.02以下、特に好ましくは0.01以下、最も好ましくは実質的にゼロ、即ちK2Oを導入しないことが最も好ましい。
MgOはヤング率向上と低比重化、更にはこれによる比弾性率向上の観点から、好ましい含有量は0〜14%、より好ましくは0〜10%、更に好ましくは0〜8%、より一層好ましくは0〜6%、更に一層好ましくは1〜6%の範囲である。なお比弾性率については後述する。
CaOは熱膨張特性およびヤング率の向上、ならびに低比重化の観点から、好ましい導入量は3〜20%、より好ましくは4〜20%、更に好ましくは10〜20%の範囲である。
SrOは熱膨張特性を向上する成分であるがMgO、CaOと比べて比重を高める成分であるため、その導入量は4%以下とすることが好ましく、3%以下とすることが好ましく、2.5%以下とすることがより好ましく、2%以下とすることが好ましく、1%以下とすることがより好ましく、実質的に導入しなくてもよい。
また、高いガラス転移温度を得るために、混合アルカリ土類効果の観点からアルカリ土類金属酸化物は、複数種添加するのではなく、アルカリ土類酸化物のうち単一成分のみを添加することが好ましく、複数種添加する場合には、最も多いアルカリ土類酸化物の割合がアルカリ土類金属酸化物全量の70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上となるように選択することができる。
更に本発明は、磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法に関する。本発明の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法は、破壊靭性値K1cが1.3 MPa・m1/2より小さいガラス素材を研磨する工程と、前記研磨工程後に化学強化する工程を有し、上記磁気記録媒体用ガラス基板を作製する。
研磨などの機械加工では、破壊靭性が小さいガラスのほうが加工は容易である。そこで、本発明の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法では、破壊靭性値K1cが1.3 MPa・m1/2より小さいガラス素材を機械加工した後、化学強化して破壊靭性を高めることにより、前述のように破壊靭性値が高く耐衝撃性の優れたガラス基板を製造することができる。破壊靭性値は、主に化学強化条件によって所望の値に制御することができる。例えば化学強化条件を強化する(例えば処理時間を延ばす)ほど、破壊靭性値を高めることができる。
本発明の更なる態様は、本発明のガラス基板上に磁気記録層を有する磁気記録媒体に関する。
以下、本発明の磁気記録媒体について、更に詳細に説明する。
例えばガラス基板を真空引きを行った成膜装置内に導入し、DCマグネトロンスパッタリング法にてAr雰囲気中で、ガラス基板主表面上に付着層から磁性層まで順次成膜する。付着層としては例えばCrTi、下地層としては例えばCrRuを用いることができる。上記成膜後、例えばCVD法によりC2H4を用いて保護層を成膜し、同一チャンバ内で、表面に窒素を導入する窒化処理を行うことにより、磁気記録媒体を形成することができる。その後、例えばPFPE(ポリフルオロポリエーテル)をディップコート法により保護層上に塗布することにより、潤滑層を形成することができる。
また、下地層と磁性層との間には、軟磁性層、シード層、中間層などを、スパッタ法(DCマグネトロンスパッタ法、RFマグネトロンスパッタ法などを含む)、真空蒸着法などの公知の成膜方法を用いて形成してもよい。
上記各層の詳細については、例えば特開2009−110626号公報段落[0027]〜[0032]を参照できる。また、ガラス基板と軟磁性層との間には、熱伝導性の高い材料からなるヒートシンク層を形成することもできるが、その詳細は後述する。
まず、所定のガラス組成が得られるように酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、水酸化物などのガラス原料を秤量、調合し、十分混合して、熔融容器内で、例えば1400〜1600℃の範囲で加熱、熔融し、清澄、攪拌して十分泡切れがなされた均質化した熔融ガラスを作製する。なお、必要に応じてガラス原料に清澄剤を外割で添加してもよい。清澄剤としては、Sn酸化物およびCe酸化物を使用することが好ましい。これは以下の理由による。
Sn酸化物は、ガラス熔融時、高温で酸素ガスを放出し、ガラス中に含まれる微小な泡を取り込んで大きな泡にすることで浮上しやすくすることにより清澄を促す働きに優れている。一方、Ce酸化物は、低温でガラス中にガスとして存在する酸素をガラス成分として取り込むことにより泡を消す働きに優れている。泡の大きさ(固化したガラス中に残留する泡(空洞)の大きさ)が0.3mm以下の範囲で、Sn酸化物は比較的大きな泡も極小の泡も除く働きが強い。Sn酸化物とともにCe酸化物を添加すると、50μm〜0.3mm程度の大きな泡の密度が数十分の一程度にまで激減する。このように、Sn酸化物とCe酸化物を共存させることにより、高温域から低温域にわたり広い温度範囲でガラスの清澄効果を高めることができるため、Sn酸化物およびCe酸化物を添加することが好ましい。
Sn酸化物およびCe酸化物の外割り添加量の合計が0.02質量%以上であれば、十分な清澄効果を期待することができる。微小かつ少量であっても未熔解物を含むガラスを用いて基板を作製すると、研磨によってガラス基板表面に未熔解物が現れると、ガラス基板表面に突起が生じたり、未熔解物が欠落した部分が窪みとなって、ガラス基板表面の平滑性が損なわれ、磁気記録媒体用の基板としては使用できなくなる。これに対しSn酸化物およびCe酸化物の外割り添加量の合計が3.5質量%以下であれば、ガラス中に十分に熔解し得るため未熔解物の混入を防ぐことができる。
また、SnやCeは結晶化ガラスを作る場合には結晶核を生成する働きをする。本発明のガラス基板は非晶質性ガラスからなるので、加熱によって結晶を析出しないことが望ましい。Sn、Ceの量が過剰になると、こうした結晶の析出がおこりやすくなる。そのため、Sn酸化物、Ce酸化物とも過剰の添加は避けるべきである。
以上の観点から、Sn酸化物およびCe酸化物の外割り添加量の合計を0.02〜3.5質量%とすることが好ましい。Sn酸化物とCe酸化物の外割り添加量の合計の好ましい範囲は0.1〜2.5質量%、より好ましい範囲は0.1〜1.5質量%、さらに好ましい範囲は0.5〜1.5質量%である。
Sn酸化物としては、SnO2を用いることがガラス熔融中、高温で酸素ガスを効果的に放出する上から好ましい。
ダウンドロー法では、樋状の成形体を用いて熔融ガラスを導き、成形体の両側へと熔融ガラスをオーバーフローさせ、成形体の下方で成形体に沿って流下する2つの熔融ガラス流を合流させてから、下方に引っ張ってシート状に成形する。この方法はフュージョン法とも呼ばれ、成形体表面に接触したガラスの面を互いに張り合わせことにより、接触痕のないシートガラスを得ることができる。その後、得られたシート材から薄肉円盤状の基板ブランクがくり抜かれる。
フロート法では、溶融錫などを蓄えたフロートバス上に熔融ガラスを流し出し、引っ張りながらシート状ガラスに成形する。その後、得られたシート材から薄肉円盤状の基板ブランクがくり抜かれる。
このようにして得た基板ブランクに中心孔を設けたり、内外周加工、両主表面にラッピング、ポリッシングを施す。次いで、酸洗浄およびアルカリ洗浄を含む洗浄工程を経てディスク状の基板を得ることができる。
なお、本発明において「主表面」とは、基板の磁気記録層が設けられる面または設けられている面である。こうした面は、磁気記録媒体基板の表面のうち、最も面積の広い面であることから、主表面と呼ばれ、ディスク状の磁気記録媒体の場合、ディスクの円形状の表面(中心穴がある場合は中心穴を除く。)に相当する。
本発明の基板を構成するガラスが前述のようにLi2Oを必須成分として含むものである場合、イオン交換は、Liよりもイオン半径の大きなNa、K、RbおよびCsからなる群から選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属イオンによるイオン交換に付すことが好ましい。
磁気記録層が形成される主表面は、下記(1)〜(3)の表面性を有することが好ましい。
(1)原子間力顕微鏡を用いて1μm×1μmの範囲で512×256ピクセルの解像度で測定される表面粗さの算術平均Raが0.15nm以下;
(2)5μm×5μmの範囲で測定される表面粗さの算術平均Raが0.12nm以下;
(3)波長100μm〜950μmにおける表面うねりの算術平均Waが0.5nm以下。
基板上に成膜する磁気記録層のグレインサイズは、例えば垂直記録方式では、10nm未満となっている。高記録密度化のため、ビットサイズが微細化されても、基板表面の表面粗さが大きいと、磁気特性の向上は見込めない。これに対し上記(1)、(2)の2種の表面粗さの算術平均Raが上記範囲の基板であれば、高記録密度化のためにビットサイズが微細化されても磁気特性の改善が可能である。また、上記(3)の表面うねりの算術平均Waを上記範囲にすることにより、HDDにおける磁気ヘッドの浮上安定性を向上させることができる。上記(1)〜(3)の表面性を兼ね備えた基板を実現する上で、ガラスの耐酸性、耐アルカリ性を高めることは有効である。
表1に示す組成のガラスが得られるように酸化物、炭酸塩、硝酸塩、水酸化物などの原料を秤量し、混合して調合原料とした。この原料を熔融容器に投入して1400〜1600℃の範囲で3〜6時間、加熱、熔融し、清澄、攪拌して泡、未熔解物を含まない均質な熔融ガラスを作製した。得られたガラス中には泡や未熔解物、結晶の析出、熔融容器を構成する耐火物の混入物は認められなかった。
次に、下記方法AまたはBにより、円盤状の基板ブランクを作製した。
(方法A)
清澄、均質化した上記熔融ガラスをパイプから一定流量で流出するとともにプレス成形用の下型で受け、下型上に所定量の熔融ガラス塊が得られるよう流出した熔融ガラスを切断刃で切断した。そして熔融ガラス塊を載せた下型をパイプ下方から直ちに搬出し、下型と対向する上型および胴型を用いて、直径66mm、厚さ2mmの薄肉円盤状にプレス成形した。プレス成形品を変形しない温度にまで冷却した後、型から取り出してアニールし、基板ブランクを得た。なお、上記成形では複数の下型を用いて流出する熔融ガラスを次々に円盤形状の基板ブランクに成形した。
(方法B)
清澄、均質化した上記熔融ガラスを円筒状の貫通孔が設けられた耐熱性鋳型の貫通孔に上部から連続的に鋳込み、円柱状に成形して貫通孔の下側から取り出した。取り出したガラスをアニールした後、マルチワイヤーソーを用いて円柱軸に垂直な方向に一定間隔でガラスをスライス加工し、円盤状の基板ブランクを作製した。
なお、本実施例では上記方法A、Bを採用したが、円盤状の基板ブランクの製造方法としては、下記方法C、Dも好適である。
(方法C)
上記熔融ガラスをフロートバス上に流し出し、シート状のガラスに成形(フロート法による成形)し、次いでアニールした後にシートガラスから円盤状のガラスをくり貫いて基板ブランクを得ることもできる。
(方法D)
上記熔融ガラスをオーバーフローダウンドロー法(フュージョン法)によりシート状のガラスに成形、アニールし、次いでシートガラスから円盤状のガラスをくり貫いて基板ブランクを得ることもできる。
上記各方法で得られた基板ブランクの中心に貫通孔をあけて、外周、内周の研削加工を行い、円盤の主表面をラッピング、ポリッシング(鏡面研磨加工)して直径65mm、厚さ0.8mmの磁気ディスク用ガラス基板に仕上げた。得られたガラス基板は、1.7質量%の珪弗酸(H2SiF)水溶液次いで、1質量%の水酸化カリウム水溶液を用いて洗浄し、次いで純水ですすいだ後に乾燥させた。実施例のガラスから作製した基板の表面を拡大観察したところ、表面荒れなどは認められず、平滑な表面であった。
下記(4)では、上記の方法で作製したディスク状のガラス基板をそのまま磁気ディスクの作製に使用した。これとは別に、上記と同様の方法で作製したディスク状のガラス基板を硝酸ナトリウムと硝酸カリウムの混合溶融塩に浸漬し、イオン交換(化学強化)によって表面にイオン交換層を有するガラス基板を得た。化学強化条件を表2に示す。このようにイオン交換処理(化学強化処理)を施すことは、ガラス基板の耐衝撃性を高めるために有効である。イオン交換処理を施した複数枚のガラス基板から、サンプリングしたガラス基板の断面(イオン交換層を切る面)をバビネ法により観察し、イオン交換層が形成されていることを確認した。
以上の例では、硝酸ナトリウムと硝酸カリウムの混合溶融塩にガラス基板を浸漬してイオン交換層を有するガラス基板を作製したが、硝酸ナトリウムと硝酸カリウムの混合溶融塩に代えて、
(A)カリウム化合物とルビジウム化合物の混合溶融塩、
(B)カリウム化合物とセシウム化合物の混合溶融塩、
(C)ルビジウム化合物とセシウム化合物の混合溶融塩、
(D)カリウム化合物、ルビジウム化合物およびセシウム化合物の混合熔融塩、
(E)ルビジウム化合物の溶融塩、
(F)セシウム化合物の溶融塩、
等のいずれかにガラス基板を浸漬してイオン交換処理を行いイオン交換層を形成することもできる。上記溶融塩としては、例えば硝酸塩を用いることができる。また、イオン交換層はガラス基板表面の全域に形成してもよいし、外周面のみに形成してもよいし、外周面と内周面のみに形成してもよい。
以下の方法により、実施例のガラスから得られたガラス基板の主表面上に、付着層、下地層、磁性層、保護層、潤滑層をこの順に形成し、磁気ディスクを得た。
以上の製造工程により、磁気ディスクを得た。
(1)ガラス転移温度Tg、熱膨張係数
板状に加工し表2に記載の条件で化学強化処理を施した試料のガラス転移温度Tgおよび100〜300℃における平均線膨張係数αを、リガク社製の熱機械分析装置(Thermo plus TMA8310)を用いて測定した。
(2)ヤング率
板状に加工し表2に記載の条件で化学強化処理を施した試料のヤング率を超音波法にて測定した。
(3)比重
板状に加工し表2に記載の条件で化学強化処理を施した試料の比重をアルキメデス法にて測定した。
(4)比弾性率
上記(2)で得られたヤング率および(3)で得られた比重から、比弾性率を算出した。
(5)破壊靭性
AKASHI社製の装置MVK−Eを用い、板状に加工し表2に記載の条件で化学強化処理を施した試料に押し込み荷重9.81Nでビッカース圧子を押し込み、試料に圧痕およびクラックを導入した。
また押し込み荷重4.9Nでビッカース圧子を押し込み、試料に圧痕およびクラックを導入した。
試料のヤング率をE[GPa]、圧痕対角線長さ、表面クラックの半長を測定し、荷重、試料のヤング率から破壊靭性K1cを算出した。
化学強化処理前後の各基板の主表面(磁気記録層等を積層する面)の5μm×5μmの矩形領域を256×256ピクセルの解像度で原子間力顕微鏡(AFM)により観察し、1μm×1μmの範囲で512×256ピクセルの解像度で測定される表面粗さの算術平均Ra、5μm×5μmの範囲で測定される表面粗さの算術平均Ra、波長100μm〜950μmにおける表面うねりの算術平均Waを測定した。
1μm×1μmの範囲で測定される表面粗さの算術平均Raが0.05〜0.15nmの範囲、5μm×5μmの範囲で測定される表面粗さの算術平均Raが0.03〜0.12nmの範囲、波長100μm〜950μmにおける表面うねりの算術平均Waが0.2〜0.5nmであり、高記録密度の磁気記録媒体に用いられる基板として問題のない範囲であった。
なお表2に示すガラス基板の化学強化前の破壊靭性値K1c(前)は荷重9.81N(1000gf)で0.7MPa・m1/2であり研磨等の機械加工を容易に行うことができ、表2に記載のNo.5の条件で化学強化を行うと破壊靭性値K1c(後)は1.2MPa・m1/2となり、優れた耐衝撃性が付与される。このとき破壊靭性値の比K1c(後)/K1c(前)は1.5以上(1.7)となる。また、表3〜表5に示す実施例No.10〜50においても1.5以上のK1c(後)/K1c(前)が実現され、中でも表3に示す実施例No.10〜13、15、16、表4に示す実施例No.17、21、24〜27、32、34〜42、45〜48においても、K1c(後)/K1c(前)は1.7以上であった。
以上の結果から、本発明によれば、磁気記録媒体基板に求められる特性を兼ね備えたガラスが得られることが確認された。
次に、ガラス転移温度が615℃、100〜300℃における平均線膨張係数が83×10−7/℃、ヤング率が86GPa、比重が2.77、比弾性率が31.0MNm/kgのガラスを加工、化学強化し、上記実施例と同様の磁気ディスクを作製した。化学強化条件は、表2のNo.7の条件と同じとした。化学強化後に破壊靭性値を測定したところ、破壊靭性値(荷重P=9.81N(1000gf))は0.8MPa・m1/2、破壊靭性値(荷重P=4.9N(500gf))は0.8MPa・m1/2であった。
(1)平坦性
一般に、平坦度が5μm以下であれば信頼性の高い記録再生を行うことができる。上記方法で実施例のガラス基板を用いて形成した各磁気ディスク表面の平坦度(ディスク表面の最も高い部分と、最も低い部分との上下方向(表面に垂直な方向)の距離(高低差))を、平坦度測定装置で測定したところ、いずれの磁気ディスクも平坦度は5μm以下であった。この結果から、実施例のガラス基板は、FePt層またはCoPt層形成時の高温処理においても大きな変形を起こさなかったことが確認できる。
上記方法で実施例のガラス基板を用いて形成した各磁気ディスクを、回転数10000rpmの高速で回転する2.5インチ型ハードディスクドライブに搭載し、ロードアンロード(Load Unload、以下、LUL)試験を行った。上記ハードディスクドライブにおいて、スピンドルモーターのスピンドルはステンレス製であった。いずれの磁気ディスクもLULの耐久回数は60万回を超えた。また、LUL試験中にスピンドル材料との熱膨張係数の違いによる変形や高速回転によるたわみが生じると試験中にクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害が生じるが、いずれの磁気ディスクも試験中にこれら障害は発生しなかった。
磁気ディスク用ガラス基板(2.5インチサイズ、板厚0.8mm)を作製し、ランスモント社製MODEL−15Dを用いて衝撃試験を行った。この衝撃試験は、磁気ディスク用ガラス基板を、HDDのスピンドル及びクランプ部に似せて作製された専用の衝撃試験用治具に組み付け、1msecで1500Gの正弦半波パルスの衝撃を主表面に対する垂直方向に与え、この磁気ディスク用ガラス基板の破損状況を見ることによって行った。
その結果、実施例のガラス基板においては破損が観察されなかった。一方、比較例のガラス基板については破損が観察された。この破損発生部について詳細に調査した結果、多くがディスク内径部に位置していることがわかった。
これとは別に、作製した磁気ディスクをマイクロ波によりアシストする記録方式(マイクロ波アシスト記録方式)のハードディスクドライブに搭載し、マイクロ波アシスト記録方式の情報記録装置を作製した。このように高Ku磁性材料とエネルギーアシスト記録の組み合わせた情報記録装置によれば、先に説明したように高密度記録を実現することができる。
Claims (16)
- ガラス転移温度が600℃以上、
100〜300℃における平均線膨張係数が70×10−7/℃以上、
ヤング率が81GPa以上、
比弾性率が30MNm/kg以上、
破壊靭性値が0.9MPa・m1/2以上であり、
SiO 2 およびAl 2 O 3 を含み、Li 2 O、Na 2 OおよびK 2 Oからなる群から選ばれるアルカリ金属酸化物の合計含有量が4〜15モル%、かつ
前記アルカリ金属酸化物の合計含有量に対するK 2 O含有量のモル比{K 2 O/(Li 2 O+Na 2 O+K 2 O)}が0.13以下であるガラスからなる磁気記録媒体用ガラス基板。 - 前記ガラスのK 2 O含有量は3モル%未満である請求項1に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
- 前記ガラスは、モル%表示にて、
SiO 2 含有量が56〜75%、
Al 2 O 3 含有量が1〜20%、
B 2 O 3 含有量が0〜3%、
MgO、CaOおよびSrOからなる群から選ばれるアルカリ土類金属酸化物の合計含有量が10〜30%、
ZrO 2 、TiO 2 、Y 2 O 3 、La 2 O 3 、Gd 2 O 3 、Nb 2 O 5 およびTa 2 O 5 からなる群から選ばれる酸化物の合計含有量が0%超かつ10%以下、
である請求項1または2に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。 - 板厚が0.8mm以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
- 回転数が7200rpm以上の磁気記録装置に用いられる磁気記録媒体用のガラス基板である請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
- 前記ガラスは化学強化されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
- DFH(Dynamic Flying Height)ヘッドを搭載した磁気記録装置に用いられる磁気記録媒体用のガラス基板である請求項1〜6のいずれか1項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
- エネルギーアシスト磁気記録用磁気記録媒体に用いられる請求項1〜7のいずれか1項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
- 原子間力顕微鏡を用いて1μm角で512×256ピクセルの解像度で測定した基板の主表面の算術平均粗さ(Ra)が0.15nm以下である請求項1〜8のいずれか1項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
- 磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法であって、
破壊靭性値が1.3MPa・m1/2より小さいガラス素材を研磨する工程と、
前記研磨工程後に化学強化する工程と、
を有し、請求項1〜9のいずれか1項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板を作製する磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法。 - 化学強化工程を有し、かつ前記化学強化工程は、化学強化前のガラス素材の破壊靱性値K1c(前)と、化学強化後のガラス素材の破壊靱性値K1c(後)との比(K1c(後)/K1c(前))を1.5以上にする工程である請求項10に記載の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板上に磁気記録層を有する磁気記録媒体。
- 前記磁気記録層はFe及び/又はCoと、Ptとの合金を主成分とする磁性材料を含む磁気記録層であり、前記磁気記録媒体はエネルギーアシスト磁気記録用磁気記録媒体である請求項12に記載の磁気記録媒体。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板の主表面に、Fe及び/又はCoと、Ptとの合金を主成分とする磁性材料を成膜した後、アニール処理を行うことにより磁気記録層を形成することを含む磁気記録媒体の製造方法。
- 少なくとも磁気記録媒体の主表面を加熱するための熱源と、記録素子部と、再生素子部とを有する熱アシスト磁気記録ヘッド、及び、請求項12または13に記載の磁気記録媒体を有するエネルギーアシスト磁気記録方式の磁気記録装置。
- ガラス転移温度が600℃以上、
100〜300℃における平均線膨張係数が70×10−7/℃以上、
ヤング率が81GPa以上、
比弾性率が30MNm/kg以上、かつ
破壊靭性値が0.9MPa・m1/2以上であり、
SiO 2 およびAl 2 O 3 を含み、Li 2 O、Na 2 OおよびK 2 Oからなる群から選ばれるアルカリ金属酸化物の合計含有量が4〜15モル%、かつ
前記アルカリ金属酸化物の合計含有量に対するK 2 O含有量のモル比{K 2 O/(Li 2 O+Na 2 O+K 2 O)}が0.13以下であるガラスからなる磁気記録媒体用ガラス基板ブランク。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US201061425537P | 2010-12-21 | 2010-12-21 | |
US61/425,537 | 2010-12-21 | ||
PCT/JP2011/079585 WO2012086664A1 (ja) | 2010-12-21 | 2011-12-21 | 磁気記録媒体用ガラス基板およびその利用 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2012086664A1 JPWO2012086664A1 (ja) | 2014-05-22 |
JP5993306B2 true JP5993306B2 (ja) | 2016-09-14 |
Family
ID=46313932
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012549842A Active JP5993306B2 (ja) | 2010-12-21 | 2011-12-21 | 磁気記録媒体用ガラス基板およびその利用 |
Country Status (6)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US8652660B2 (ja) |
JP (1) | JP5993306B2 (ja) |
CN (1) | CN103493133B (ja) |
MY (1) | MY158989A (ja) |
SG (1) | SG191746A1 (ja) |
WO (1) | WO2012086664A1 (ja) |
Families Citing this family (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009116278A1 (ja) * | 2008-03-19 | 2009-09-24 | Hoya株式会社 | 磁気記録媒体基板用ガラス、磁気記録媒体基板、磁気記録媒体およびそれらの製造方法 |
CN104024171A (zh) * | 2011-10-31 | 2014-09-03 | 旭硝子株式会社 | 玻璃基板及其制造方法 |
JP6032468B2 (ja) * | 2012-07-09 | 2016-11-30 | 日本電気硝子株式会社 | 強化ガラス基板の製造方法 |
US9139469B2 (en) | 2012-07-17 | 2015-09-22 | Corning Incorporated | Ion exchangeable Li-containing glass compositions for 3-D forming |
JP5920403B2 (ja) * | 2013-06-21 | 2016-05-18 | 旭硝子株式会社 | 磁気記録媒体の製造方法および磁気記録媒体 |
JP6131154B2 (ja) * | 2013-09-11 | 2017-05-17 | Hoya株式会社 | 磁気記録媒体基板用ガラスおよび磁気記録媒体基板 |
JP6574740B2 (ja) * | 2016-07-08 | 2019-09-11 | 昭和電工株式会社 | 磁気記録媒体用基板およびハードディスクドライブ |
CN109923083B (zh) * | 2016-11-14 | 2022-07-26 | Hoya株式会社 | 磁记录介质基板用玻璃、磁记录介质基板、磁记录介质和磁记录再生装置用玻璃间隔物 |
WO2019191480A1 (en) | 2018-03-29 | 2019-10-03 | Corning Incorporated | Glasses having high fracture toughness |
CN116854364A (zh) | 2018-05-16 | 2023-10-10 | Hoya株式会社 | 磁记录介质基板用玻璃和磁记录再生装置用玻璃间隔物 |
US11584681B2 (en) | 2019-11-26 | 2023-02-21 | Corning Incorporated | Ion exchangeable alkali aluminosilicate glass compositions having improved mechanical durability |
JP7383050B2 (ja) * | 2019-12-13 | 2023-11-17 | Hoya株式会社 | 磁気記録媒体基板用または磁気記録再生装置用ガラススペーサ用のガラス、磁気記録媒体基板、磁気記録媒体、磁気記録再生装置用ガラススペーサおよび磁気記録再生装置 |
US11270724B1 (en) | 2021-03-04 | 2022-03-08 | Western Digital Technologies, Inc. | Glass substrates for heat assisted magnetic recording (HAMR) and methods and apparatus for use with the glass substrates |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004043295A (ja) * | 2002-05-24 | 2004-02-12 | Nippon Sheet Glass Co Ltd | ガラス組成物、化学強化ガラス物品、磁気記録媒体用ガラス基板およびガラス板の製造方法 |
JP2005302289A (ja) * | 2005-05-18 | 2005-10-27 | Hoya Corp | 情報記録媒体用ガラス基板及びそれを用いた磁気情報記録媒体 |
JP2007200467A (ja) * | 2006-01-27 | 2007-08-09 | Toshiba Corp | 磁気ディスク装置および磁気ディスクの制御方法 |
JP2007257747A (ja) * | 2006-03-24 | 2007-10-04 | Fujitsu Ltd | 導体パターン形成方法 |
WO2007142324A1 (ja) * | 2006-06-08 | 2007-12-13 | Hoya Corporation | 情報記録媒体用基板に供するためのガラス、情報記録媒体用基板および情報記録媒体とそれらの製造方法 |
JP2008254984A (ja) * | 2007-04-06 | 2008-10-23 | Ohara Inc | 無機組成物物品 |
WO2010001843A1 (ja) * | 2008-06-30 | 2010-01-07 | Hoya株式会社 | 磁気ディスク用基板及び磁気ディスク |
JP2011253575A (ja) * | 2010-05-31 | 2011-12-15 | Konica Minolta Opto Inc | 熱アシスト記録媒体用ガラス基板 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4450460B2 (ja) | 1999-02-25 | 2010-04-14 | Hoya株式会社 | 結晶化ガラスおよびその製造方法、ならびにそれを用いた情報記録媒体用基板、情報記録媒体および情報記録装置 |
JP2000313634A (ja) | 1999-02-25 | 2000-11-14 | Nippon Sheet Glass Co Ltd | ガラス組成物およびその製造方法、ならびにそれを用いた情報記録媒体用基板、情報記録媒体および情報記録装置 |
JP3995902B2 (ja) * | 2001-05-31 | 2007-10-24 | Hoya株式会社 | 情報記録媒体用ガラス基板及びそれを用いた磁気情報記録媒体 |
US7309671B2 (en) | 2002-05-24 | 2007-12-18 | Nippon Sheet Glass Co., Ltd. | Glass composition, glass article, glass substrate for magnetic recording media, and method for producing the same |
JP2005170720A (ja) * | 2003-12-10 | 2005-06-30 | Asahi Glass Co Ltd | 陰極線管パネルガラス |
WO2007138986A1 (ja) * | 2006-05-25 | 2007-12-06 | Nippon Electric Glass Co., Ltd. | 強化ガラス及びその製造方法 |
CN101622205B (zh) * | 2008-01-28 | 2012-09-26 | 旭硝子株式会社 | 数据存储介质基板用玻璃、数据存储介质用玻璃基板及磁盘 |
JP5699434B2 (ja) * | 2009-04-02 | 2015-04-08 | 旭硝子株式会社 | 情報記録媒体基板用ガラス、情報記録媒体用ガラス基板および磁気ディスク |
-
2011
- 2011-12-20 US US13/331,667 patent/US8652660B2/en active Active
- 2011-12-21 WO PCT/JP2011/079585 patent/WO2012086664A1/ja active Application Filing
- 2011-12-21 SG SG2013047543A patent/SG191746A1/en unknown
- 2011-12-21 JP JP2012549842A patent/JP5993306B2/ja active Active
- 2011-12-21 CN CN201180061379.1A patent/CN103493133B/zh active Active
- 2011-12-21 MY MYPI2013002347A patent/MY158989A/en unknown
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004043295A (ja) * | 2002-05-24 | 2004-02-12 | Nippon Sheet Glass Co Ltd | ガラス組成物、化学強化ガラス物品、磁気記録媒体用ガラス基板およびガラス板の製造方法 |
JP2005302289A (ja) * | 2005-05-18 | 2005-10-27 | Hoya Corp | 情報記録媒体用ガラス基板及びそれを用いた磁気情報記録媒体 |
JP2007200467A (ja) * | 2006-01-27 | 2007-08-09 | Toshiba Corp | 磁気ディスク装置および磁気ディスクの制御方法 |
JP2007257747A (ja) * | 2006-03-24 | 2007-10-04 | Fujitsu Ltd | 導体パターン形成方法 |
WO2007142324A1 (ja) * | 2006-06-08 | 2007-12-13 | Hoya Corporation | 情報記録媒体用基板に供するためのガラス、情報記録媒体用基板および情報記録媒体とそれらの製造方法 |
JP2008254984A (ja) * | 2007-04-06 | 2008-10-23 | Ohara Inc | 無機組成物物品 |
WO2010001843A1 (ja) * | 2008-06-30 | 2010-01-07 | Hoya株式会社 | 磁気ディスク用基板及び磁気ディスク |
JP2011253575A (ja) * | 2010-05-31 | 2011-12-15 | Konica Minolta Opto Inc | 熱アシスト記録媒体用ガラス基板 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
SG191746A1 (en) | 2013-08-30 |
CN103493133B (zh) | 2016-10-12 |
US20120188663A1 (en) | 2012-07-26 |
CN103493133A (zh) | 2014-01-01 |
WO2012086664A1 (ja) | 2012-06-28 |
MY158989A (en) | 2016-11-30 |
US8652660B2 (en) | 2014-02-18 |
JPWO2012086664A1 (ja) | 2014-05-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5542953B2 (ja) | 磁気記録媒体用ガラス基板、磁気記録媒体、および磁気記録媒体用ガラス基板ブランク | |
JP6147735B2 (ja) | 磁気記録媒体基板用ガラスおよびその利用 | |
JP5964921B2 (ja) | 磁気記録媒体基板用ガラス、磁気記録媒体基板およびその製造方法、ならびに磁気記録媒体 | |
JP5993306B2 (ja) | 磁気記録媒体用ガラス基板およびその利用 | |
JP6131154B2 (ja) | 磁気記録媒体基板用ガラスおよび磁気記録媒体基板 | |
JP5662423B2 (ja) | 磁気記録媒体ガラス基板用ガラスブランクの製造方法、磁気記録媒体ガラス基板の製造方法および磁気記録媒体の製造方法 | |
JP7135024B2 (ja) | 磁気記録媒体基板用ガラス、磁気記録媒体基板、磁気記録媒体および磁気記録再生装置用ガラススペーサ | |
JP6042875B2 (ja) | 磁気記録媒体基板用ガラス、磁気記録媒体用ガラス基板およびその利用 | |
JP2023166439A (ja) | 磁気記録媒体基板用または磁気記録再生装置用ガラススペーサ用のガラス、磁気記録媒体基板、磁気記録媒体、磁気記録再生装置用ガラススペーサおよび磁気記録再生装置 | |
JP7165655B2 (ja) | 情報記録媒体基板用ガラス、情報記録媒体基板、情報記録媒体および記録再生装置用ガラススペーサ | |
JP6793119B2 (ja) | 磁気記録媒体基板用ガラス、磁気記録媒体基板および磁気記録媒体 | |
WO2022186393A1 (ja) | 磁気記録媒体基板用または磁気記録再生装置用ガラススペーサ用のガラス、磁気記録媒体基板、磁気記録媒体、磁気記録再生装置用ガラススペーサおよび磁気記録再生装置 | |
US20240158281A1 (en) | Glass for magnetic recording medium substrate or for glass spacer to be used in magnetic recording/reproducing device, magnetic recording medium substrate, magnetic recording medium, glass spacer to be used in magnetic recording/reproducing device, and magnetic recording/reproducing device | |
WO2024053740A1 (ja) | 磁気記録媒体基板用または磁気記録再生装置用ガラススペーサ用のガラス、磁気記録媒体基板、磁気記録媒体、磁気記録再生装置用ガラススペーサおよび磁気記録再生装置 | |
CN116964013A (zh) | 磁记录介质基板用玻璃或磁记录再生装置用玻璃间隔物用的玻璃、磁记录介质基板、磁记录介质、磁记录再生装置用玻璃间隔物和磁记录再生装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140917 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20151222 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160212 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160802 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160819 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5993306 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |