JPH1179791A - ガラス基板のレーザテクスチャ処理方法 - Google Patents

ガラス基板のレーザテクスチャ処理方法

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JPH1179791A
JPH1179791A JP9235628A JP23562897A JPH1179791A JP H1179791 A JPH1179791 A JP H1179791A JP 9235628 A JP9235628 A JP 9235628A JP 23562897 A JP23562897 A JP 23562897A JP H1179791 A JPH1179791 A JP H1179791A
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glass substrate
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height
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JP9235628A
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Kenji Kato
賢治 加藤
Masahiro Abe
真博 阿部
Hiroshi Ishikawa
博 石川
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C23/00Other surface treatment of glass not in the form of fibres or filaments
    • C03C23/0005Other surface treatment of glass not in the form of fibres or filaments by irradiation
    • C03C23/0025Other surface treatment of glass not in the form of fibres or filaments by irradiation by a laser beam

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  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Laser Beam Processing (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気ハードディスク基板に形成するテクスチ
ャの高さばらつきを低減して基板と磁気ヘッドとの接触
面積を一定とし、摩擦係数を安定させてCSS特性を向
上させるガラス基板のレーザテクスチャ処理方法を提供
する。 【解決手段】 吸光係数を400cm-1以上としたガラ
ス基板をYAGレーザの第2次高調波を用いてテクスチ
ャ処理を行うか、もしくは、レーザ光の集光角度が1.
5゜以上となる対物レンズを用い、かつ、吸光係数を4
00cm-1以上としたガラス基板を用いることによりテ
クスチャ処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、磁気ハードディ
スク用ガラス基板のレーザテクスチャ処理方法に関し、
さらに詳しくは、レーザのエネルギーの出力安定化を図
り、ガラス基板への照射条件およびガラス基板の吸光特
性を適正化することで、高さばらつきの小さい安定なテ
クスチャ形状を得るためのガラス基板のレーザテクスチ
ャ処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 磁気ハードディスク(以下、ハードデ
ィスクという)は磁性体のコーティングされたディスク
基板を高速で回転させて磁気ヘッドを浮上させ、ディス
ク基板へのデータの書き込み/読み出し等をこの磁気ヘ
ッドにより行うものであり、最近のハードディスク・ド
ライブの設計に当たっては、ディスク基板が静止してい
るときには磁気ヘッドが磁気ディスクの表面に接触す
る、いわゆる接触起動停止(CSS)方式と呼ばれる駆
動システムが採用されている。
【0003】 ハードディスクの耐久性と信頼性の向上
のためには、CSS方式における摺動耐久性/安定性の
向上およびディスク基板表面の平滑性の高精度化が必要
不可欠であるが、この磁気ヘッドとディスク基板間の摺
動耐久性を向上させるための方策の1つとして、テクス
チャ処理と呼ばれる方法がある。このテクスチャ処理と
は、ディスク基板表面の粗面化によりディスク基板と磁
気ヘッドとの接触面積を減少させることで摩擦係数を低
減させるものであり、ディスク基板製造上の重要な要素
技術となっている。
【0004】 このテクスチャ処理方法としては、ディ
スク基板としてNi−P被膜を施した金属アルミニウム
基板を用いた場合には、研磨粉等を用いて機械的に凹凸
の加工痕を形成する方法が採られている。また、アルミ
ニウム基板に代わって、硬度と表面の平滑性に優れるガ
ラス基板が使用されるようになってきているが、この場
合には、弗酸で基板表面をエッチングして凹凸を形成す
る方法や、微小粒子を基板表面に塗布する方法が採用さ
れている。さらに、近年、強く要望されているハードデ
ィスクのさらなる小型高容量化、および記録密度の高密
度化を実現するために、記録部と磁気ヘッド停止部の表
面状態を変えるゾーンテクスチャという構成が採られる
ようになってきている。
【0005】 しかしながら、上述の機械的なテクスチ
ャ処理による加工痕あるいは化学的な処理痕は、その形
状が一定せず、情報の読み出し等の際にエラーを起こす
確率が高くなる。また、このような処理方法ではゾーン
テクスチャで重要になるテクスチャ領域の精密制御、例
えば、記録部と磁気ヘッド停止部の高低差や領域境界の
不明瞭さ、が問題となる。さらに、ハードディスクの高
性能化は、必然的に、ハードディスクの製造が高いクリ
ーン度の環境下で行われることを要求するものであるか
ら、テクスチャ処理は、媒体を用いない乾式方法により
行われることが好ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】 こうした従来のテク
スチャ処理方法の問題点を解決するため、近年、レーザ
を用いたいわゆるレーザテクスチャ処理方法が検討され
ている。レーザテクスチャ処理方法は、レーザ光を基板
表面に当てた際に、ガラス基板の光が照射された部分が
溶融/再凝固もしくは膨張/凍結することで盛り上がる
特性を利用したものである。そのため、基板材料として
ガラス基板を用いた場合には、レーザ光の少なくとも一
部がガラス基板に吸収される必要がある。
【0007】 例えば、特開平7−182655号公報
には、ガラスに対してCO2レーザを用いてテクスチャ
処理を行う手法が開示されている。これは、シリカ系ガ
ラスが、CO2レーザの波長(10.6μm)付近にS
i−Oの伸縮振動に基づく吸収帯を有しているため、C
2レーザ光をよく吸収するという特性を利用したもの
である。しかしながら、レーザ光のスポット径はレーザ
の波長に比例することから、CO2レーザを用いた場合
には、テクスチャの径は約10μm程度となり、CSS
特性から要求される5μm以下というテクスチャを形成
することは不可能である。
【0008】 また、特開平8−287457号公報に
は、波長514nmのArレーザを用い、通常はこの波
長域に吸収を示さないガラス基板あるいは樹脂基板にそ
れぞれNi等の遷移金属あるいは顔料を添加して吸収帯
を設けて、テクスチャ処理する方法が開示されている。
ここで、厚さ約0.5mmの基板に対してArレーザ光
の吸収率は30%以上と記載されており、この吸収率を
吸光係数に換算すると約24cm-1となる。しかしなが
ら、ガラス基板の吸光係数がこのように小さい場合に
は、レーザ光の吸収が基板深さ方向へ広がるため、テク
スチャの形成効率が悪くなり、しかも基板内部に歪応力
を発生させる原因となる。また、本公報には、テクスチ
ャの高さを記録部から磁気ヘッド停止部(テクスチャ
部)に向かって高くする方法が記載されているが、各部
のテクスチャの高さばらつきの制御を考慮した記述は見
当たらない。
【0009】 さらに、特開平9−7167号公報に
は、YAGレーザの第4高調波あるいはエキシマレーザ
等の紫外線レーザを用いたガラス基板のレーザテクスチ
ャ処理方法が開示されている。ハードディスク用のガラ
ス基板は、SiO2を基本組成とするが、加工が行いや
すいように融点を下げる目的からアルカリ金属等を成分
として含有しているため、このアルカリ金属等による紫
外線の吸収により、一般的に紫外線レーザの波長域にお
ける光の透過率は0〜35%程度、すなわち、吸光率は
約65〜100%という非常に高い値となる。しかしな
がら、YAGレーザの第4高調波等といった波長変換に
よる紫外線レーザは、波長変換デバイス(非線形光学結
晶)等の安定性等の問題、あるいは、エキシマレーザに
おいては、レーザ発振動体となるKrF等の媒体の流れ
の安定性等の問題から、レーザの出力ばらつきが±3%
程度あり、このばらつきがテクスチャの高さのばらつき
につながるという欠点がある。
【0010】 このように、従来のレーザテクスチャ処
理方法においては、形成されるテクスチャの高さのばら
つきについて考慮されていない。しかしながら、ハード
ディスクの記録密度を上げるためには、ヘッドを低浮上
化させる必要があり、このとき、テクスチャの高さのば
らつきがあると突出した高いテクスチャと磁気ヘッドが
衝突することによりヘッドが損傷を受ける可能性があ
る。また、CSS特性を向上させるためには、ヘッドと
テクスチャの摩擦を一定に保つ必要がある、すなわち、
テクスチャの高さのばらつきが大きいと、この摩擦が一
定とならないこととなる。
【0011】 そこで、発明者らは、このような従来の
レーザテクスチャ処理方法の問題点に鑑み、安定なレー
ザ光源を用い、また、使用するレーザ光の波長と加工処
理するガラス基板の特性とのマッチングを図り、レーザ
光の集光条件を適正化することで、形状ばらつきの小さ
いレーザテクスチャ処理方法を開発するに至った。
【0012】
【課題を解決するための手段】 すなわち、本発明によ
れば、吸光係数を400cm-1以上としたガラス基板
を、YAGレーザの第2次高調波を用いてテクスチャ処
理することを特徴とするガラス基板のレーザテクスチャ
処理方法、が提供される。また、本発明によれば、レー
ザ光の集光角度が1.5°以上となる対物レンズを用
い、かつ、吸光係数を400cm-1以上としたガラス基
板を用いることを特徴とするガラス基板のレーザテクス
チャ処理方法、が提供される。
【0013】 ここで、本発明のガラス基板のレーザテ
クスチャ処理方法においては、ガラス基板に形成された
凸形状のテクスチャの高さのばらつきを、設定されたテ
クスチャ高さの±25%以内とすることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】 上述の通り、本発明のガラス基
板のレーザテクスチャ処理方法によれば、使用するレー
ザ光の波長に対して適切な吸光係数を有するガラス基板
を用いるために、レーザ光のエネルギー損失が少なく、
効率的にテクスチャ処理を行うことができ、また、レー
ザ光の出力が安定しているので形成されるテクスチャの
高さばらつきが少ないといった利点がある。そして、こ
れによりCSS特性の向上を図ることができる。以下、
本発明のガラス基板のレーザテクスチャ処理方法の実施
形態について説明する。
【0015】 本発明のレーザテクスチャ処理方法に使
用するレーザは、連続発振するもの、パルス発振するも
ののいずれもが使用でき、前者を使用した場合には山脈
状のテクスチャが形成され、後者を使用した場合にはス
ポット状の凸部が一定間隔をおいたテクスチャが形成さ
れる。このうち、磁気ヘッドとの接触面積を小さくする
には、パルス発振レーザが適している。
【0016】 上記いずれの発振形態のレーザを用いた
場合であっても、レーザテクスチャ処理により、ガラス
基板表面上に盛り上がって形成されるテクスチャの高さ
は、図1に示すように、ガラス基板10内で光を吸収す
る体積(以下、吸収体積という)11のうち、ガラスに
状態変化を起こすレベルまで温度が上昇する体積(以
下、反応体積という)12に比例すると考えられる。し
たがって、この反応体積12の形状および反応体積12
内での温度分布を一定とすることが、高さばらつきの小
さいテクスチャの形成に必要とされる。このため、テク
スチャ処理においては、レーザ光源の安定性が、形成さ
れるテクスチャの形状とばらつきに大きな影響を与える
こととなる。
【0017】 つまり、ガラス基板10に照射するレー
ザ光のエネルギーを制御し、出力の安定したレーザ光を
用いることが、高さのばらつきの小さいテクスチャを形
成するために必要不可欠である。このため、本発明にお
ける一つのテクスチャ処理方法においては、YAGレー
ザの第2次高調波が用いられ、その波長におけるガラス
基板の吸光係数が400cm-1以上に設定される。
【0018】 ここで、YAGレーザの第2次高調波と
は、非線形光学結晶を用いてYAGレーザの波長を1/
2に短くすることで得られるレーザ光である。非線形光
学結晶の波長変換効率は必ずしもよいものではないの
で、通常、第2次高調波のレーザ発振状態は波長変換前
のレーザ光に比べて不安定になるが、近年、YAGレー
ザの第2次高調波レーザ加工機においては、エネルギー
ばらつきは±1%に抑えることができるようになってき
ており、テクスチャ処理に適している。
【0019】 また、こうして選定されたレーザの波長
に対して、エネルギーの利用効率が高く、安定したテク
スチャの形成が可能なように、被加工体であるガラス基
板の吸光特性、および加工条件をマッチングする必要が
ある。YAGレーザの第2次高調波の波長は532nm
であるが、ハードディスク用に用いられている一般的な
シリカ系ガラスは、この波長付近に吸収体を有しない。
したがって、この波長532nm付近での吸光係数を大
きくし、400cm-1以上とするためには、前述した特
開平8−287457号公報に開示されているように、
ガラス中に遷移金属等の酸化物を含有させる等する必要
がある。
【0020】 このような遷移金属元素としては、F
e、Cr、Cu、Ni、Co、Mn等が挙げられ、特に
Coは単体の添加では少ない添加量で吸光係数が大きく
なる特性を有するが、Cr、Mn、Coを同時に含有さ
せることによって、より少ない添加量で吸光係数を大き
くすることが可能であり、添加物を多くすることによる
ガラス基板の機械的強度の低下といった特性の劣化を防
ぐことができる。
【0021】 さて、一般に、入力光の強度I0と透過
光の強度Iとの比である透過率は、吸光係数をα、透過
厚みをtとして、下式(1)で表される。 I/I0=exp(−α・t) ・・・・・(1) ここで式(1)において、α=400、透過率I/I0
が1%とすると、厚みtは115μmとなる。すなわ
ち、吸光係数が400cm-1以上となると、レーザ光の
99%は、ガラス基板の表面から115μm以浅の極表
面近傍で吸収されることとなる。これに対し、例えば、
吸光係数が100cm-1と小さい場合には、99%の光
を吸収するためには、460μmの厚みが必要となる。
【0022】 このように、一定のエネルギーを吸収す
る場合に、吸収体積が大きくなると、ガラスの温度上昇
が抑制されて相変化が起こりにくくなるためにテクスチ
ャが形成されにくくなる問題が生ずる。
【0023】 したがって、ガラス基板の吸光係数を大
きくして吸収体積を小さくすると反応体積が小さくな
り、絶対的な反応体積の大きさのばらつきが吸収体積が
大きい場合よりも小さくなる。しかも、レーザ光のエネ
ルギーを有効に利用することができ、反応体積における
温度勾配を急峻として温度分布のばらつきを低減するこ
とができるため、ガラス基板におけるテクスチャの形成
を安定に行うことができ、高さばらつきを抑えることが
可能となる。また、ガラス基板内部にレーザ光がほとん
ど到達しないことから、ガラス基板内部におけるガラス
の相変化がなく、ガラス基板内部に不必要な応力が発生
することがない。
【0024】 さらに、本発明の別のテクスチャ処理方
法においては、吸光係数が400cm-1以上のガラス基
板に対して、レーザの集光角度が1.5°以上に設定さ
れる。ここで、集光角度とは、図3に示すように、レー
ザ光の進行方向Aと、レーザ光が対物レンズ20を通過
して屈折して進行し、基板21に照射される際の最も外
側の光の進行方向とのなす角θをいう。なお、現存する
対物レンズの集光角度は最大でも10°以下であり、本
発明においてもこのような集光角度の制約を受ける。
【0025】 この場合において、基板21上でのスポ
ット径がφ10μm以下となるようにレーザ光を絞り込
むためには、通常、対物レンズ20の焦点距離は10m
m以下となるが、このような条件に設定することによ
り、図2に示すように、ガラス基板30表面でのレーザ
光の照射面積全体からほぼ均等な深さで内部方向へレー
ザ光の吸収が起こるように、吸収体積31および反応体
積32が形成される。こうして反応体積32の温度勾配
を急峻にすることができるため、テクスチャを安定に形
成することが可能となる。
【0026】 なお、このようなテクスチャ処理条件を
満たす場合には、使用するレーザ光は上述のYAGレー
ザの第2次高調波に限定されず、YAGレーザの第4次
高調波を用いることも可能である。
【0027】 YAGレーザの第4次高調波は、YAG
レーザの波長変換によって得られた第2次高調波をさら
に非線形光学結晶を用いて波長を1/2倍、すなわち、
YAGレーザの1/4波長にまで波長を短くするもので
ある。そのため、2回の波長変換を必要とする点で、そ
のレーザ発振状態は、第2次高調波よりも不安定とな
る。しかしながら、上述の通り、ガラス基板の吸光係数
とレーザ光の集光条件を適切なものとすることにより、
高さばらつきの小さいテクスチャの形成に使用すること
ができるようになる。
【0028】 上述したレーザテクスチャ処理方法を採
用することにより、テクスチャの高さのばらつきは、予
め設定された高さの±25%以内に収めることが可能と
なり、これにより、磁気ヘッドとガラス基板との接触面
積が一定に保たれ、摩擦係数が安定するため、CSS特
性を向上させることが可能となる。以下、本発明を実施
例によりさらに詳細に説明するが、本実施例は本発明を
限定するものではない。
【0029】
【実施例】 (テクスチャ処理試験) 本テクスチャ処理試験においては、YAGレーザ加工機
の第2次高調波(波長532nm)および第4次高調波
(波長266nm)を用い、そのエネルギー密度を7.
96J/cm2、ビーム径を10μm、ピッチを20μ
m、パルス幅を2500nsに設定し、適宜、対物レン
ズの集光角度やレーザを照射する基板の特性を変えるこ
とでテクスチャ処理を行った。まず、表1に示すよう
に、Cr・Mn・Coの含有量を変えることにより吸光
係数を変えたシリカ系ガラス基板を作製し、対物レンズ
の集光角度を1°としてテクスチャ処理を行った。この
ときのテクスチャの設定高さは20nmであり、形成さ
れたテクスチャの形状を原子間力顕微鏡(AFM)によ
り観察し、テクスチャの設定高さに対して形成された高
さのばらつきを計算した。その結果を表1に併記する。
【0030】
【表1】
【0031】 実施例1〜3の結果に示されるように、
ガラス基板の吸光係数を400cm-1以上として第2次
高調波を用いた場合には、テクスチャの高さばらつきは
設定高さの±25%以内に納めることが可能であった。
また、ガラス基板の吸光係数が大きくなるにしたがって
形成されるテクスチャの高さのばらつきが小さくなって
いることがわかる。
【0032】 これに対し、比較例3の結果に示される
ように、第2次高調波を用いても、ガラス基板の吸光係
数が200cm-1と400cm-1よりも小さい場合に
は、テクスチャの高さばらつきは±35%と大きくなっ
ていることがわかる。また、比較例2に示されるよう
に、ガラス基板の吸光係数が1000cm-1と大きい場
合であっても、第2次高調波よりも出力の不安定な第4
次高調波を用いた場合にはテクスチャの高さばらつきは
±35%となり、さらに、比較例1に示されるように、
ガラス基板の吸光係数が300cm-1と小さく、しかも
第4次高調波を用いた場合には、テクスチャの高さばら
つきは±50%とたいへん大きなものとなることがわか
る。
【0033】 次に、表2に示すように、Cr・Mn・
Coの含有量を変えることにより吸光係数を波長266
nmにおいて500cm-1、および波長532nmにお
いて600cm-1としたシリカ系ガラス基板を作製し、
対物レンズの集光角度を1°〜2°として前述と同様の
テクスチャ処理を行った。その結果を表2に併記する。
【0034】
【表2】
【0035】 比較例4と実施例4、5を比較すると明
らかなように、第4次高調波を用いた場合においては、
集光角度が1.0°の場合にはテクスチャの高さばらつ
きが±40%と大きな値となったが、集光角度を1.5
°、さらに2.0°と大きくすることにより、テクスチ
ャの高さばらつきがそれぞれ±25%、±20%と低減
されていることがわかる。
【0036】 さらに、実施例4、5の場合のテクスチ
ャ処理波長を第2次高調波に変更した実施例6、7にお
いては、テクスチャの高さばらつきは、それぞれ±16
%、±11%とさらに小さくなっていることがわかり、
上述の実施例中、最も良好なテクスチャの形成状態が得
られた。
【0037】 (CSS特性の評価)上述した実施例2
の条件にて、磁気ヘッドの停止部、すなわち、磁気ヘッ
ドの接地領域にテクスチャを形成したハードディスク用
ガラス基板上に、厚さ150nmのクロムスパッタリン
グ膜を下地層として形成し、この表面に厚さ60nmの
Co−Ta−Cr磁性膜をスパッタリングにより形成
し、さらにこの表面に厚さ30nmのカーボン膜からな
る保護層をスパッタリングにより形成した後、この表面
に潤滑剤を塗布して潤滑層を形成した。
【0038】 このハードディスクをCSS試験に供す
るに際して、磁気ヘッドスライダーとして50%サイズ
の薄膜磁気ヘッドを使用し、グラムロード3.5g、回
転数4500r.p.mで接地領域において実施した。
その結果、磁気ヘッドとハードディスクとの摩擦係数は
初期値の0.3に対し、2万回のCSS試験後にも0.
3と同じ値を計測し、極めて良好な特性が得られること
が明らかとなった。
【0039】
【発明の効果】 上述の通り、本発明のガラス基板のレ
ーザテクスチャ処理方法によれば、出力の安定したYA
Gレーザの第2次高調波を用いてこのレーザの波長に対
して適切な吸光係数を有するガラス基板を用い、あるい
は、レーザの集光角度と使用するガラス基板の吸光係数
を適合させることにより、レーザ光のエネルギー損失が
少なく、反応体積を一定とすることができるので、高さ
ばらつきの小さいテクスチャを効率的に形成することが
可能となる。このようなテクスチャが形成されたハード
ディスクにおいては、磁気ヘッドのディスク基板との接
触面積が一定し、摩擦係数が安定するためCSS特性が
向上し、ハードディスクの信頼性を高めることができる
という優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 吸光係数の小さいガラス基板におけるレーザ
光の吸収の状態を示す説明図である。
【図2】 吸光係数が大きいガラス基板における集光角
度を大きくしたレーザ光の吸収の状態を示す説明図であ
る。
【図3】 レーザ光の対物レンズにおける集光の様子を
示す説明図である。
【符号の説明】
10…ガラス基板、11…吸収体積、12…反応体積、
20…対物レンズ、21…基板、30…ガラス基板、3
1…吸収体積、32…反応体積、A…レーザ光の進行方
向。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸光係数を400cm-1以上としたガラ
    ス基板を、YAGレーザの第2次高調波を用いてテクス
    チャ処理することを特徴とするガラス基板のレーザテク
    スチャ処理方法。
  2. 【請求項2】 レーザ光の集光角度が1.5°以上とな
    る対物レンズを用い、かつ、吸光係数を400cm-1
    上としたガラス基板を用いることを特徴とするガラス基
    板のレーザテクスチャ処理方法。
  3. 【請求項3】 当該ガラス基板に形成された凸形状のテ
    クスチャの高さのばらつきを、設定されたテクスチャ高
    さの±25%以内とすることを特徴とする請求項1また
    は2記載のガラス基板のレーザテクスチャ処理方法。
JP9235628A 1997-09-01 1997-09-01 ガラス基板のレーザテクスチャ処理方法 Withdrawn JPH1179791A (ja)

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