JPH1194380A - 冷凍サイクル - Google Patents
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Abstract
び成績係数の悪化を防止する。 【解決手段】 圧縮機1の潤滑油として、臨界圧力PC
以下のときのCO2 に対する相溶性が、臨界PC より高
いときの相溶性に比べて低くなるものを使用する。これ
により、蒸発器4側の低圧側では、液相の潤滑油と液相
のCO2 とが分離するので、液相のCO2 が圧縮機1に
吸入されることを防止しつつ、容易に潤滑油のみを圧縮
機1の吸入側に導くことができる。したがって、CO2
サイクルの成績係数の悪化を招くことなく、圧縮機1の
損傷を防止することができる。
Description
とする冷凍サイクルのごとく、放熱器内の圧力が冷媒の
臨界圧力を越える冷凍サイクルに関するものである。
脱フロン対策の1つとして、例えば特公平7−1860
2号公報に記載のように二酸化炭素(CO2 )を使用し
た冷凍サイクル(以下、CO2 サイクルと略す。)が提
案されている。このCO2 サイクルの作動は、原理的に
は、フロンを使用した従来の冷凍サイクル(以下、通常
サイクルと呼ぶ。)の作動と同じである。すなわち、図
5(CO2 モリエル線図)のA−B−C−D−Aで示さ
れるように、圧縮機で気相状態のCO2 を圧縮し(A−
B)、この高温高圧の超臨界状態のCO2 を放熱器(ガ
スクーラ)にて冷却する(B−C)。
D)、気液2相状態となったCO2 を蒸発させて(D−
A)、蒸発潜熱を空気等の外部流体から奪って外部流体
を冷却する。なお、CO2 は、圧力が飽和液圧力(線分
CDと飽和液線SLとの交点の圧力)を下まわるときか
ら、気液2相状態に相変化するので、Cの状態からDの
状態へとゆっくり変化する場合には、CO2 は超臨界状
態から液相状態を経て気液2相状態に変化する。
略同等でありながら、CO2 分子が気相状態のように運
動する状態をいう。しかし、CO2 の臨界温度は約31
℃と従来のフロンの臨界温度(例えば、R12では11
2℃)と比べて低いので、夏場等では放熱器側でのCO
2 温度がCO2 の臨界点温度より高くなってしまう。つ
まり、放熱器出口側においてもCO 2 は凝縮しない(線
分BCが飽和液線と交差しない)。
縮機の吐出圧力と放熱器出口側でのCO2 温度とによっ
て決定され、放熱器出口側でのCO2 温度は、放熱器の
放熱能力と外気温度とによって決定する。そして、外気
温度は制御することができないので、放熱器出口側での
CO2 温度は、実質的に制御することができない。した
がって、放熱器出口側(C点)の状態は、圧縮機の吐出
圧力(放熱器出口側圧力)を制御することによって制御
可能となる。つまり、夏場等の外気温度が高い場合に、
十分な冷却能力(エンタルピ差)を確保するためには、
図5のE−F−G−H−Eで示されるように、放熱器出
口側圧力を高くする必要がある。
ルでは、一般的に圧縮機の潤滑は、冷媒中に潤滑油を混
入することによって行っている。このため、蒸発器や放
熱器(通常サイクルにあっては凝縮器)内に潤滑油が滞
留することを防止すべく、一般的に冷媒に対する潤滑油
の相溶性の高いものを使用している。
圧縮機の損傷を招くとともに、圧縮機の機械(圧縮)仕
事の増加に対して冷凍能力が増大しないので、冷凍サイ
クルの成績係数が悪化する。このため、通常は、アキュ
ームレータ等の気液分離器や、蒸発器出口側の加熱度を
所定値となるように開度を調節する膨張弁等を冷凍サイ
クル内に配設して、圧縮機に液相成分が吸入されること
を防止している。
と言えども、気相冷媒と液相潤滑油とでは、共に液相で
ある場合に比べて相溶性が低いので、圧縮機に十分な量
の潤滑油を供給することができなくなる。そこで、アキ
ュームレータを有する冷凍サイクルでは、アキュームレ
ータの下部に開口部を設け、潤滑油を圧縮機に導くよう
に構成している。
油を使用しているため、潤滑油とともに液相冷媒が圧縮
に吸入されてしまうので、上述したように、圧縮機の損
傷および成績係数の悪化を招いてという問題が発生して
しまう。そして、この問題は、CO2 サイクルのごと
く、作動圧力が高く、かつ、圧縮機の吐出容量(吐出体
積)が小さい冷凍サイクルで顕著に現れる。
が冷媒の臨界圧力を越える冷凍サイクルにおいて、圧縮
機の損傷および成績係数の悪化を防止することを目的と
する。
成するために、以下の技術的手段を用いる。請求項1〜
4に記載の発明では、圧縮機(1)の潤滑油として、所
定圧力(P C )以下のときの冷媒に対する相溶性が、所
定圧力(PC )より高いときの相溶性に比べて低くなる
ものを使用したことを特徴とする。
は、液相の潤滑油と液相の冷媒とが分離するので、液相
冷媒が圧縮機(1)に吸入されることを防止しつつ、容
易に潤滑油のみを圧縮機(1)の吸入側に導くことがで
きる。したがって、冷凍サイクルの成績係数の悪化を招
くことなく、圧縮機(1)の損傷を防止することができ
る。
油の相溶性が高くなり、潤滑油は冷媒と共に放熱器
(2)内を流通するので、潤滑油が放熱器(2)内で滞
留することを防止できる。したがって、放熱器(2)の
熱交換能が低下することを防止できるので、冷凍サイク
ルの冷凍能力を向上させるこができる。なお、潤滑油
は、請求項3または4に記載のごとく、ポリアルキル基
グリコール(PGK)系オイルまたはポリビニールエー
テル(PVE)系オイルとすることが望ましい。
る放熱器(2)内の圧力が、冷媒の臨界圧力を越える冷
凍サイクルに適用される冷凍サイクル用潤滑油におい
て、所定圧力(PC )以下のときには、冷媒に対する相
溶性が、所定圧力(PC )より高いときの相溶性に比べ
て低いことを特徴とする。これにより、請求項1〜4に
記載の発明と同様な効果を得ることができる。
する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すもの
である。
調装置に適用したものであり、1は気相状態のCO
2 (冷媒)を圧縮する圧縮機である。2は圧縮機1で圧
縮されたCO2 を外気等との間で熱交換して冷却する放
熱器(ガスクーラ)であり、3は放熱器2出口側でのC
O2 温度に応じて放熱器2出口側圧力を制御する圧力制
御弁である。
のCO2 温度と放熱器2出口側圧力との関係が、図5に
示す太い実線ηmax となるように、その開度を調節して
放熱器2出口側圧力を制御するとともに、放熱器2から
流出したCO2 を減圧する減圧器を兼ねている。因み
に、太い実線ηmax は、放熱器2出口側でのCO2 温度
に対して、CO2 サイクルの成績係数が最大となる放熱
器2出口側圧力を連ねた線である。
(吸熱器)で、気液2相状態のCO 2 は蒸発器4内で気
化(蒸発)する際に、車室内空気から蒸発潜熱を奪って
車室内空気を冷却する。5は、気相状態のCO2 と液相
状態のCO2 とを分離するとともに、液相状態のCO2
を一時的に蓄えるアキュームレータ(気液分離器)であ
る。なお、詳細構造は後述する。
3、蒸発器4およびアキュームレータ5は、それぞれ配
管6によって接続されて閉回路を形成している。なお、
圧縮機1は、図示されていない駆動源(エンジン、モー
タ等)から駆動力を得て駆動し、放熱器2は、放熱器2
内CO2 と外気との温度差をできるだけ大きくするため
に車両前方に配置されている。
図2を用いて述べる。51は蒸発器4から流出するCO
2 、CO2 サイクル内を循環しない余剰の液相CO2 お
よび圧縮機1を潤滑する潤滑油が貯えられるタンク部で
あり、このタンク部51の上方部位には、蒸発器4に接
続される流入口52が開口している。また、タンク部5
1内には、一端側がタンク部51内のうち気相成分領域
(タンク部51の最上方側領域)Aで開口する第1開口
部53aを有し、他端側が圧縮機1の吸入側に接続され
るU字パイプ53が配設されている。このU字パイプ5
3の折り返し部分は、タンク部51内のうち潤滑油の液
相成分領域(タンク部51の最下方側領域)に位置する
とともに、その折り返し部分には、液相の潤滑油をU字
パイプ53内に導入する第2開口部53bが開口してい
る。
に、タンク部51内にて液相の潤滑油と液相のCO2 と
が分離するように、CO2 の臨界圧力PC 以下のときの
CO 2 に対する潤滑油の相溶性が、臨界圧力PC より高
いときの相溶性に比べて低くなり、かつ、液密度がCO
2 の液密度に比べて大きくなる潤滑油を使用している。
具体的には、本実施形態では、ポリアルキル基グリコー
ル(PGK)系オイルまたはポリビニールエーテル(P
VE)系オイルである。
に混和する性質であって、互いに分離をする限界量をい
う。次に、本実施形態の特徴を述べる。本実施形態で
は、前述のごとく、CO2 の臨界圧力PC 以下のときの
相溶性が、臨界圧力PC より高いときの相溶性に比べて
低く、かつ、液密度がCO2 の液密度に比べて大きい潤
滑油を使用しているので、蒸発器4およびアキュームレ
ータ5等の臨界圧力PC 以下の低圧側では、液相の潤滑
油が液相のCO2 より下方側に集合するように、潤滑油
とCO2 とが分離する。
されることを防止しつつ、容易に潤滑油のみを圧縮機1
の吸入側に導くことができるので、成績係数の悪化を招
くことなく、圧縮機1の損傷を防止することができる。
一方、放熱器2等の臨界圧力PC より高い超臨界圧力側
では、潤滑油の相溶性が高くなり、潤滑油はCO2 と共
に放熱器2内を流通するので、潤滑油が放熱器2内で滞
留することを防止できる。したがって、放熱器2の熱交
換能が低下することを防止できるので、CO2 サイクル
の冷凍能力を向上させるこができる。
O2 サイクルにおいて、ポリアルキル基グリコール(P
GK)系オイルまたはポリビニールエーテル(PVE)
系オイルを潤滑油とした場合には、フロンを冷媒とする
通常の冷凍サイクルと同等の潤滑油を圧縮機1(CO2
サイクル内)に循環させることができることを確認して
いる。
を向上させるために、図3に示すように、CO2 が流通
する複数本のチューブ21の一端側に、各チューブ21
にCO2 を分配する第1タンク22を配設し、他端側に
熱交換を終えたCO2 を回収する第2タンク23を配設
した、いわゆるマルチフロー型の熱交換器が一般的であ
る。
両タンク22、23とチューブ21との接合部分で断面
積が大きく変化するので、この接合部分でCO2 の流速
が低下し、密度の大きい潤滑油が滞留し易い。これに対
して、本実施形態によれば、前述のごとく、潤滑油が放
熱器2内で滞留することを防止できるので、特にマルチ
フロー型の放熱器2を有するCO2 サイクルに適用して
有効である。
PC を基準圧力として、臨界圧力P C 以下と超臨界圧力
とによって潤滑油の相溶性が変化するものを使用した
が、本発明は、放熱器2側の圧力で相溶性が高くなり、
蒸発器4(アキュームレータ5)側の圧力で相溶性が低
くなる潤滑油を使用するものであるので、本発明におけ
る基準圧力は臨界圧力PC に限定されるものではなく、
放熱器2側の圧力および蒸発器4(アキュームレータ
5)側の圧力により適宜選定されるものである。したが
って、潤滑油もポリアルキル基グリコール(PGK)系
オイルまたはポリビニールエーテル(PVE)系オイル
に限定されるものではない。
に示されるものに限定されるものではなく、図4に示す
ように、U字パイプ53を廃止し、両開口部53a、5
3bそれぞれ独立にパイプ53c、53dを接続しても
よい。
る。
4…蒸発器、5…アキュームレータ(気液分離手段)。
Claims (5)
- 【請求項1】 冷媒を冷却する放熱器(2)内の圧力
が、冷媒の臨界圧力を越える冷凍サイクルであって、 前記冷媒と共に潤滑油を吸入し、前記放熱器(2)に向
けて吐出する圧縮機(1)と、 前記放熱器(2)から流出する前記冷媒を減圧する減圧
器(3)と、 前記減圧器(3)にて減圧された前記冷媒を蒸発させる
蒸発器(4)と、 前記蒸発器(4)の流出側と前記圧縮機(1)の吸入側
との間に配設され、前記蒸発器(4)から流出する前記
冷媒および前記潤滑油を気相成分と液相成分とに分離す
る気液分離器(5)とを備え、 前記気液分離器(5)には、 前記気液分離器(5)内のうち気相成分領域で開口し、
前記圧縮機(1)の吸入側に連通する第1開口部(53
a)と、 前記気液分離器(5)内のうち前記潤滑油の液相成分領
域で開口し、前記圧縮機(1)の吸入側に連通する第2
開口部(53b)とが形成され、 さらに、前記潤滑油として、所定圧力(PC )以下のと
きの前記冷媒に対する相溶性が、前記所定圧力(PC )
より高いときの相溶性に比べて低くなるものを使用した
ことを特徴とする冷凍サイクル。 - 【請求項2】 前記潤滑油の液密度は、前記冷媒の液密
度より大きく、 さらに、前記第2開口部(53b)は、前記気液分離器
(5)の最下方側部位に形成されていることを特徴とす
る請求項1に記載の冷凍サイクル。 - 【請求項3】 前記冷媒は二酸化炭素であり、 前記潤滑油は、ポリアルキル基グリコール系オイルであ
ることを特徴とする請求項1または2に記載の冷凍サイ
クル用潤滑油。 - 【請求項4】 前記冷媒は二酸化炭素であり、 前記潤滑油は、ポリビニールエーテル系オイルであるこ
とを特徴とする請求項1または2に記載の冷凍サイク
ル。 - 【請求項5】 冷媒を冷却する放熱器(2)内の圧力
が、前記冷媒の臨界圧力を越える冷凍サイクルに適用さ
れる冷凍サイクル用潤滑油であって、 所定圧力(PC )以下のときの前記冷媒に対する相溶性
が、前記所定圧力(P C )より高いときの相溶性に比べ
て低いことを特徴とする冷凍サイクル用潤滑油。
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