JPH1193029A - 特殊複合仮撚加工糸およびその製造方法 - Google Patents
特殊複合仮撚加工糸およびその製造方法Info
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- JPH1193029A JPH1193029A JP24671097A JP24671097A JPH1193029A JP H1193029 A JPH1193029 A JP H1193029A JP 24671097 A JP24671097 A JP 24671097A JP 24671097 A JP24671097 A JP 24671097A JP H1193029 A JPH1193029 A JP H1193029A
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Abstract
る特殊複合仮撚加工糸およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 複屈折率0.07〜0.11の未延伸高
配向ポリエステルマルチフィラメントと、それよりも伸
度が50〜200%大きく且つ中空率が20%以上であ
る未延伸低配向中空ポリエステルマルチフィラメントと
を、後者が4〜7割を占めるように合糸し、次いで糸温
度を70〜100℃、延伸倍率を1.1〜1.4、仮撚
数を13000/(総繊度)1/2 〜30000/(総繊
度)1/2 として延伸仮撚加工した後、温度150℃以上
で熱処理して、鞘部フィラメントの中空状態がパルシン
グし、その最大中空率が仮撚加工前の中空率の1.4倍
以下であり、且つその断面偏平度が1.5〜4.5で、
中空率の分布が0〜60%、且つ中空部潰れの割合が5
0%以下である二層構造の複合仮撚加工糸を得る。
Description
チでレーヨン調風合を呈する特殊複合仮撚加工糸および
その製造方法に関するものである。さらに詳しくは、フ
ィラメントの長手方向に沿って中空状態がパルシング
し、かつその断面形状が偏平である中空フィラメント
が、鞘部として芯部糸に巻き付いた二層構造の特殊複合
仮撚加工糸およびその製造方法に関するものである。
メント糸を引き揃えて交絡し、引き続いて仮撚加工する
ことにより、嵩高でウオーム感に優れた二層構造糸を得
る方法が知られている(例えば特公昭60―11130
号公報、特公昭61―19733号公報など)。しかし
ながら、これらの二層構造糸は、嵩高性には優れている
ものの、仮撚による捲縮発現が強く、断面変形による粗
硬感が強く、また特有のヌメリ感を呈するものであるた
め、盛夏用外衣等のシャリ感および清涼感が要求される
用途には十分対応しきれないという問題があった。
118976号公報には、伸度差を有する2種のポリエ
ステルマルチフィラメント糸を交絡した後、低延伸倍率
で低温延伸仮撚加工する2層構造糸の製造方法が開示さ
れている。しかしながら、かかる方法で得られる二層構
造糸は、鞘部を構成するフィラメントがネック延伸を起
こして太細(シックアンドシン)形態になるため、ポリ
エステルのヌメリ感は払拭することができるものの、そ
の表面タッチの粗硬感はまだ強く、またドレープ性も不
十分なものである。
伸度差が300%以上で、高伸度側のフィラメントが中
空率20%以上の中空部を有している2種のフィラメン
トを交絡した後、低延伸倍率で低温延伸仮撚加工する二
層構造の複合仮撚加工糸の製造方法が開示されている。
しかしながら、かかる方法ではソフトな風合を呈し軽量
感にも優れた二層構造糸は得られるものの、高伸度側フ
ィラメントの伸度が大きいため、延伸仮撚加工時にネッ
ク延伸を起こして鞘部フィラメントは太細(シックアン
ドシン)形態となりやすく、また仮撚加工時の中空部エ
アー偏在により、部分的に中空部が大きく拡大しすぎて
中空膜が薄くなる部分が形成され、その結果、製織工
程、染色加工工程、あるいはアルカリ減量加工工程にお
いて中空破れが発生しやすくなり、滑らかな表面タッチ
でレーヨン調の風合が得られないという問題がある。
従来技術の有する問題点を解消し、滑らかな表面タッチ
で且つレーヨン調風合を呈する特殊複合仮撚加工糸およ
びその製造方法を提供することにある。
を達成すべく鋭意検討した結果、伸度差を有する2種の
フィラメント間の伸度差を200%以下にすると共に、
高伸度側のフィラメントに中空フィラメントを用いて特
定条件下で延伸仮撚加工するとき、中空状態および太さ
(繊度)が中空フィラメントの長手方向に沿ってパルシ
ングし、且つ中空部破れの発生し難い、所望の風合を呈
する複合仮撚加工糸が得られることを究明した。
ポリエステルマルチフィラメント(A)を芯部とし、そ
の周りに低配向ポリエステルマルチフィラメント(B)
が鞘部として巻き付いた二層構造の複合仮撚加工糸にお
いて、該鞘部フィラメントは長手方向に沿って中空状態
がパルシングし、その最大中空率が仮撚加工前の中空率
の1.4倍以下である中空フィラメントで構成され、該
複合仮撚加工糸の横断面における該鞘部フィラメントの
断面形状は、偏平度が1.5〜4.5で、その中空率の
分布が0〜60%、且つ中空部の潰れた割合が50%以
下であることを特徴とする特殊複合仮撚加工糸、および
(2) 複屈折率が0.07〜0.11の未延伸高配向
ポリエステルマルチフィラメント(A’)と、該
(A’)よりも切断伸度が50〜200%大きく且つ中
空率が20%以上である未延伸低配向中空ポリエステル
マルチフィラメント(B’)とを合糸し、下記(a)〜
(d)の仮撚加工条件下に延伸同時仮撚加工を行い、次
いで150℃以上の温度で熱処理することを特徴とする
特殊複合仮撚加工糸の製造方法、 (a)0.4≦DB/(DA+DB)≦0.7 但し、DAは未延伸高配向ポリエステルマルチフィラメ
ント(A’)の総繊度、DBは未延伸低配向中空ポリエ
ステルマルチフィラメント(B’)の総繊度を表す (b)延伸倍率(DR):1.1≦DR≦1.4 (c)仮撚数(T):13000/(DA+DB)1/2
≦T≦30000/(DA+DB)1/2 (d)仮撚の熱固定ヒーター出口直後の糸温度(T
E):70℃≦TE≦100℃ が提供される。
詳細に説明する。図1は、本発明の複合仮撚加工糸の一
横断面図例、図2は、従来の複合仮撚加工糸の一横断面
図例である。また、図3は本発明の複合仮撚加工糸を製
造するための製造装置の一例を示す側面図である。
ポリエステルマルチフィラメント(A′)と、クリール
2の、(A′)よりも50〜200%高伸度の未延伸低
配向中空ポリエステルマルチフィラメント(B′)は引
き揃えられて1対の供給ローラー(5)より供給され、
空気交絡ノズル(6)で互いに絡められた後、中間ロー
ラー(7)を経て第1ヒーター(8)と仮撚具(9)に
送られ、加撚、熱セットおよび解撚される。
は、引き続いて、デリベリローラー(10)を経て、第
2ヒーター(11)で熱処理され、引き取りローラ(1
2)により、ワインダー(13)にチーズ(14)とし
て巻き取られる。
フィラメント(A′)としては複屈折率が0.07〜
0.11のものを使用し、該(A′)と未延伸低配向中
空ポリエステルマルチフィラメント(B′)との伸度差
は50〜200%にすることが肝要である。伸度差が5
0%未満の場合には、二層構造の複合仮撚加工糸は得ら
れなくなり、中空状態のパルシングも不十分となる。一
方、200%を越える場合には、鞘部フィラメントの中
空状態のパルシングが大きくなりすぎ、また鞘部フィラ
メントの断面形状の変形も大きくなりすぎるため、染色
斑や筋斑が発生しやすくなり、得られる布帛もシャリ感
が強くなり本発明の目的を達成することができない。
チフィラメント(A′)[以下単にA′と略称すること
がある]は、伸度が50〜130%の中実ポリエステル
マルチフィラメントであることが望ましく、4000m
/分以上の高速度で紡糸する方法、さらにこれを加熱処
理する方法により得られるものを例示することができ、
なかでも5000m/分以上の速度で紡糸されたものが
好ましい。一方、高伸度側の未延伸低配向中空ポリエス
テルマルチフィラメント(B′)[以下、単にB´と略
称することがある]としては、伸度が100〜200%
の範囲のものが好ましく、なかでも紡糸速度2500〜
3500m/分で得られたものが好ましい。
率は20%以上であることが必要であり、該中空率が2
0%未満の場合には、フィラメントの長手方向に沿って
中空状態のパルシングが十分に起こらないので好ましく
ない。ただ、あまりに中空率が大きくなりすぎると、フ
ィブリルが発生しやすくなり、製織性の低下等を招くの
で、高々50%程度に止めることが好ましい。上記未延
伸低配向中空ポリエステルマルチフィラメント(B′)
は、従来公知の方法により製造することができる。
とDBとが下記式を満足していることが必要である。 0.4≦DB/(DA+DB)≦0.7 但し、DAは未延伸高配向ポリエステルマルチフィラメ
ント(A´)の総繊度、DBは未延伸低配向中空ポリエ
ステルマルチフィラメント(B´)の総繊度を表す。
の場合には、A′が支配的になって、得られる複合仮撚
加工糸の鞘部フィラメントの中空状態がパルシングする
効果が低下して、表面タッチの滑らかさが減少するので
好ましくない。一方70%を越える場合には、得られる
複合仮撚加工糸の芯部の割合が少なくなり、反撥性が低
下するだけでなく、仮撚加工時のB′への撚負荷が大き
くなりすぎ、鞘部フィラメントの偏平度および中空部潰
れのバランスが崩れて本発明の目的を達成することがで
きなくなる。
ーター出口の糸温度を70〜100℃にすることが必要
である。出口の糸温度が70℃未満の場合には、加撚張
力が高くなりすぎて、染色斑やイラツキ発生の原因とな
る。一方、該糸温度が100℃を越える場合には、捲縮
率が高くなりすぎて、得られる織物がふかついた風合を
呈するようになる。
〜100℃とするには、延伸仮撚ヒーター温度を80〜
120℃とし、0.2〜0.4秒間加熱を行えばよい。
1〜1.4の範囲とする必要がある。この延伸倍率が
1.4を越える場合には、毛羽が多発して製織・染色等
の後加工工程での加工性が低下する上、得られる織物の
品位も低下するため好ましくない。一方1.1未満の場
合には、仮撚加工時の糸揺れに起因して、得られる複合
加工糸は染斑が発生しやすくなるので好ましくない。
は、下記式を満足するように設定する必要がある。 13000/(DA+DB)1/2 ≦T≦30000/
(DA+DB)1/2 仮撚数がこの範囲内にあると、加撚糸条の振動や、バル
ーニングに起因する撚数のバラツキを抑制することがで
き、糸の長手方向での中空潰れの割合を50%以下に保
ちながら、中空状態を安定にパルシングさせることが可
能となり、これにより滑らかな表面タッチでレーヨン調
の風合を呈する複合仮撚加工糸を安定して得ることがで
きる。
は、得られる複合仮撚加工糸の沸水収縮率が3〜7%と
なるような条件で実施すればよく、上記条件で仮撚する
場合には150℃以上の温度が必要である。しかし、あ
まりに温度が高くなりすぎると、フィラメント間の融着
等が発生する場合があるので、高々220℃程度に止め
ることが好ましい。
レフタル酸を主たる酸成分とし、少なくとも1種のグリ
コール、好ましくはエチレングリコール、トリメチレン
グリコール、テトラメチレングリコールなどから選ばれ
た少なくとも1種のアルキレングリコールを主たるグリ
コール成分とするポリエステルを対象とするが、該ポリ
エステルには、スルホン酸金属塩を含有するイソフタル
酸成分、例えば5―ナトリウムスルホイソフタル酸また
は5―テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸な
どを公知の方法で共重合したものでもよく、また、本発
明の目的を損なわない範囲で安定剤、酸化防止剤、難燃
剤、帯電防止剤、蛍光増色剤、触媒、着色剤、無機微粒
子などを添加したものでもよい。
仮撚加工糸は、高配向ポリエステルマルチフィラメント
(A)を芯部(以下、芯糸と称することがある)とし、
その周りに低配向中空ポリエステルマルチフィラメント
(B)が鞘部(以下、鞘糸と称することがある)として
巻き付いた二層構造を形成し、しかも、鞘糸を構成する
各中空フィラメントの中空状態が互いに位相を異ならせ
ながらパルシングしているため、その任意の断面におい
て、図1に示すように、潰れた状態から、仮撚加工前よ
りも中空率が拡大した状態までの中空フィラメントが混
在したものが得られる。
向の中空フィラメント(B´)は伸びやすく、他方、高
配向のフィラメント(A´)は伸び難いので、高配向フ
ィラメント(A´)の外周部に低配向中空フィラメント
(B´)が巻き付けられ、巻き付けに要する長さだけ中
空フィラメント(B´)は引き伸ばされる。
じられながら引き伸ばされるので、中空部分に存在する
空気がフィラメントの長手方向に押し出され、中空部分
は、中空率がフィラメント間で互いに位相を異ならせな
がら変動を繰り返すパルシング状態となるのである。
は、仮撚加工前の中空率の1.4倍以下、好ましくは
1.1〜1.3倍の範囲内であることが肝要である。最
大中空率が1.4倍を越える場合には、得られる加工糸
の軽量感は増大するものの、部分的に中空部が大きく拡
大するためにパルシング斑が発生しやすく、太さ斑や、
中空率が大きい部分でのフィブリル化が起こりやすくな
る。このために、製織性の低下、染色時の染色斑等を引
き起こしやすく、さらにはアルカリ減量処理する場合に
中空破れが発生して表面タッチの滑らかさが得られなく
なる等、本発明の目的を達成することができなくなる。
一方、最大中空率の仮撚加工前の中空率に対する拡大割
合の下限は、特に限定されるものではないが、あまりに
小さすぎる場合には中空状態のパルシングが不十分とな
って、滑らかな表面タッチでレーヨン調の風合を呈する
複合仮撚加工糸が得られなくなる場合がある。
ィラメントの外周横断面形状は偏平度が1.5〜4.
5、好ましくは1.8〜4.0で、その断面内における
中空率の分布は0〜60%、好ましくは0〜40%で、
且つ中空部の潰れた割合が50%以下、好ましくは30
〜50%である必要がある。偏平度が1.5未満である
場合には、人工的なギラギラ光沢(イラツキ)が発生す
るため、本発明の目的とするレーヨン調の風合が得られ
なくなり、一方4.5を越える場合には、断面形状に鋭
角部が存在するようになってガサツキ感を呈するように
なるので好ましくない。
囲外である場合には、中空状態のパルシングの割合が大
きくなりすぎるだけでなく、鞘糸の断面形状の変形が大
きくなりすぎて、やはり滑らかな表面タッチでレーヨン
調の風合を得ることができなくなるので好ましくない。
さらに、中空部が潰れた状態の鞘糸割合が50%を越え
る場合には、中空状態のパルシングのバランスが崩れ、
中空状態の異なる単糸のランダム配置、ミックス効果が
低下して、表面タッチが悪化するため本発明の目的を達
成することができなくなる。
メントの横断面における最長軸径をLAとし、これに直
交する方向における最大幅を短軸径LBとした時、次式
で定義される。 偏平度=LA/LB また断面内における中空率の分布とは、複合仮撚加工糸
の任意の断面における鞘糸(中空フィラメント)の、夫
々のフィラメント中空率を測定してその範囲で表したも
のである。
合仮撚加工糸の各鞘糸が、中空状態が互いに位相を異に
してパルシングしており、その任意の断面においては図
1に示すような下記〜の断面を有するフィラメント
の少なくとも3種が混在しているため、下記式により定
義するものである。 仮撚加工前の断面形状と、中空率とが実質的に維持さ
れた断面、 仮撚加工前の断面形状が維持され、他方中空率は増大
した断面、 仮撚加工により偏平化され、且つ中空率は仮撚加工前
よりも減少した断面、 仮撚加工により偏平化され、且つ中空率はまったくつ
ぶれてしまった断面、 中空部の潰れた割合(%)=(/(+++
))×100
中空フィラメントは中空状態が長手方向に沿ってパルシ
ングしており、しかもそのパルシング状態が従来のもの
とは異なって、中空部の潰れた割合は50%以下で、し
かも最大中空率が仮撚加工前の中空率の1.4倍以下に
抑制されているため、製織工程、染色工程、アルカリ減
量加工工程等での中空破れが発生し難く、また断面の偏
平度および中空率も特定範囲内に制御されているため、
粗硬感がなく滑らかな表面タッチでレーヨン調の風合を
呈する布帛が得られるのである。
糸の鞘糸となるマルチフィラメント(B´)は、芯糸に
なるマルチフィラメント(A´)との伸度差が50〜2
00%であり、しかも中空率20%以上の中空部を有す
るため、低倍率・低温の延伸仮撚加工することにより、
該鞘糸は一部中空部を保持した状態で且つ長手方向にパ
ルシングした状態で偏平断面形状に変形すると共に、長
手方向に該中空偏平断面がランダムにねじれた状態で、
各単糸間で位相を異にして配置される。しかも、鞘糸に
なるフィラメント(B´)としてはA´との伸度差があ
まり大きくないものを使用しているので、仮撚加工での
捩じり負荷に対する抵抗が大きくなって、中空状態のパ
ルシングの変動率が低下している。これらの効果が相俟
って、滑らかな表面タッチを維持しながら、染色斑(イ
ラツキ)がなく、また清涼感にも優れた複合仮撚加工糸
が得られるのである。
に説明する。なお、実施例中の各物性は、以下の方法に
より測定した。
工糸の断面顕微鏡写真(倍率500倍)を、任意に20
ケ所撮影し、各断面におけるすべての鞘部フィラメント
(中空フィラメント)の中空率を測定し、20ケ所の測
定値を範囲表示した。なお、この中空率の中で最大の値
を最大中空率とした。
フィラメントの横断面における最長軸径をLAとし、こ
れに直交する方向における最大幅を短軸径LBとした
時、次式で定義される。 偏平度=LA/LB
ールの張力を掛けてカセ枠に巻き取り、約3,000デ
ニールのカセを作る。カセ作成後、カセの一端に2mg
/デニール+200mg/デニールの荷重を負荷し、1
分間経過後の長さL0 (cm)を測定する。次いで、2
00mg/デニールの荷重を除去した状態で、100℃
の沸水中にて20分間処理する。沸水処理後2mg/デ
ニールの荷重を除去し、24時間自由な状態で自然乾燥
する。自然乾燥した試料に、再び2mg/デニール+2
00mg/デニールの荷重を負荷し、1分間経過後の長
さL1 (cm)を測定する。次いで、200mg/デニ
ールの荷重を除去し、1分間経過後の長さL2 を測定
し、次の算式で捲縮率を算出した。 TC(%)=[(L1 −L2 )/L0 )×100 測定は10回実施し、その平均値で表した。
仮撚加工糸のカセを作り、これに0.1g/デニールの
荷重をかけて原長l0 (cm)を測定し、次にカセの荷
重を2mg/デニールに変え、これを沸水水中で30分
間熱処理し、室温で乾燥させた後、荷重を0.1g/デ
ニールに変えてその長さl1 (cm)を測定して、次の
算式で沸水収縮率を算出した。 沸水収縮率BWS(%)=(l0 −l1 )/l0 ×10
0 測定は10回実施し、その平均値で表した。
撚加工糸を筒編機にて編立て、常法にしたがって精練、
染色、ファイナルセットした後の編地の風合(ソフト
感)、表面タッチを、熟練者5人により官能判定した。
判定は1(不良)〜5(極めて良好)の5段階で表し
た。なお4以上を合格レベルとした。
ポリマーを中空繊維紡糸用口金から溶融吐出した後、紡
糸速度3000m/分で紡糸して、中空率が29%、伸
度130%、150デニール/48フィラメントの中空
ポリエステルフィラメント糸(B′)を得た。次に、ポ
リエチレンテレフタレートポリマーを常法により溶融吐
出した後、紡糸速度4600m/分で紡糸して、複屈折
率が0.085、伸度70%、75デニール/12フィ
ラメントの高配向未延伸(低伸度)中実ポリエステルフ
ィラメント糸(A′)を得た。
す仮撚加工装置に供給し、オーバーフィード率2%、圧
空圧2.5kg/cm2 の条件で交絡処理を施した。引
き続いて、両フィラメントを95℃に設定した第1ヒー
ターで0.3秒間熱セットし、ヒーター出口の糸温度を
85℃として、630m/分の表面速度で回転している
三軸式摩擦仮撚装置に導き、延伸倍率1.25倍、加工
速度400m/分の条件で、延伸仮撚加工した。この際
の仮撚数T(回/m)は1500であった。
フィード率0%で、200℃の第2ヒーターに導き熱処
理を施した後、ワインダーに巻き取り、185デニール
/60フィラメント、伸度40%、捲縮率1.3%、沸
水収縮率4.5%の複合仮撚加工糸を得た。
周りに中空の鞘糸が巻きついた二層構造を呈しており、
さらに任意の断面における中空フィラメントの断面形状
を観察したところ、図1に示すように偏平度は平均2.
5で、かつ中空部の潰れた割合は33%であり、下記
〜の断面を有する中空フィラメント糸が混在してお
り、しかも中空状態はフィラメント間で位相差を有しな
がら糸の長手方向に沿ってパルシングしているものであ
った。なお、中空フィラメントの断面内における中空率
の分布は、0〜38%の範囲に分布していた。
質的に維持された断面、 仮撚加工前の断面形状が維持され、他方中空率は増大
した断面、 仮撚加工により偏平化され、且つ中空率は仮撚加工前
よりも減少した断面、 仮撚加工により偏平化され、且つ中空率はまったくつ
ぶれてしまった断面、
て、常法にしたがって染色、仕上げした編地は、優れた
ドレープ感とサラットした風合を呈するものであった。
また複合仮撚加工糸に1800T/mの撚糸を施し、経
密度が176本/3.79cm、緯密度が106本/
3.79cmで綾組織に織成し、常法にしたがって、リ
ラックス(温度120℃、20分間)、プレセット(温
度180℃、45秒)、アルカリ減量処理(減量率;1
7%)、染色加工(温度130℃、45分間)、および
ファイナルセット(温度160℃、45秒間)の工程を
とおして織物を得た。得られた該織物は、滑らかな表面
タッチと優れたドレープ性を呈し、しかも清涼感に優れ
た織物であった。
ポリマーを紡糸速度1300m/分で紡糸した、伸度が
360%、複屈折率0.015、150デニール/48
フィラメントの中実ポリエステルフィラメント糸を得
た。次に、ポリエチレンテレフタレートポリマーを常法
にしたがって、紡糸速度4600m/分で紡糸して、複
屈折率が0.085、伸度70%、75デニール/12
フィラメントの高配向未延伸中実ポリエステルフィラメ
ントを得た。
工を行った。得られた複合仮撚加工糸は、実体顕微鏡を
使用して2層構造糸を目視観察したところ、鞘糸にシッ
ク・アンド・シン部が混在するものであった。
行ったところ、得られた織物は、シャリ感には優れてい
るものの、表面タッチはザラザラとしていて、ドレープ
性にも劣った織物であった。
において、原糸特性および仮撚加工条件を表1、2に示
すように変更した以外は、実施例1と同様に実施した。
得られた複合仮撚加工糸及び編地の物性を表1、2に示
す。
ば、二層構造の複合仮撚加工糸の鞘糸は、中空状態がパ
ルシング(中空率が特定範囲で分散すると共に断面形状
も種々のものが混在)し、しかも断面偏平化によってリ
ボン状の自然撚が一部形成される。これらの構造が相俟
って、本発明の複合仮撚加工糸は、表面タッチが滑らか
でサラリとし、高ドレープ性でレーヨン調の風合を呈
し、しかも、清涼感にも優れた織物が得られる。したが
って、盛夏用織物用途に好適に使用することができ、そ
の工業的価値には極めて大なるものがある。
ある。
装置の一例を示す側面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 高配向ポリエステルマルチフィラメント
(A)を芯部とし、その周りに低配向ポリエステルマル
チフィラメント(B)が鞘部として巻き付いた二層構造
の複合仮撚加工糸において、該鞘部フィラメントは長手
方向に沿って中空状態がパルシングし、その最大中空率
が仮撚加工前の中空率の1.4倍以下である中空フィラ
メントで構成され、該複合仮撚加工糸の横断面における
該鞘部フィラメントの断面形状は、偏平度が1.5〜
4.5で、その中空率の分布が0〜60%、且つ中空部
の潰れた割合が50%以下であることを特徴とする特殊
複合仮撚加工糸。 - 【請求項2】 複屈折率が0.07〜0.11の未延伸
高配向ポリエステルマルチフィラメント(A’)と、該
(A’)よりも切断伸度が50〜200%大きく且つ中
空率が20%以上である未延伸低配向中空ポリエステル
マルチフィラメント(B’)とを合糸し、下記(a)〜
(d)の仮撚加工条件下に延伸同時仮撚加工を施し、次
いで150℃以上の温度で熱処理することを特徴とする
特殊複合仮撚加工糸の製造方法。 (a)0.4≦DB/(DA+DB)≦0.7 但し、DAは未延伸高配向ポリエステルマルチフィラメ
ント(A’)の総繊度、DBは未延伸低配向中空ポリエ
ステルマルチフィラメント(B’)の総繊度を表す。 (b)延伸倍率(DR):1.1≦DR≦1.4 (c)仮撚数(T):13000/(DA+DB)1/2
≦T≦30000/(DA+DB)1/2 (d)仮撚の熱固定ヒーター出口直後の糸温度(T
E):70℃≦TE≦100℃
Priority Applications (1)
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