JPH1190589A - 連続鋳造のオートスタート方法 - Google Patents

連続鋳造のオートスタート方法

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JPH1190589A
JPH1190589A JP27060697A JP27060697A JPH1190589A JP H1190589 A JPH1190589 A JP H1190589A JP 27060697 A JP27060697 A JP 27060697A JP 27060697 A JP27060697 A JP 27060697A JP H1190589 A JPH1190589 A JP H1190589A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 連続鋳造初期における湯面レベルあるいは上
昇速度を正確に把握して、湯面レベルを目標に沿って調
整することで、鋳型からの溶鋼溢れを防ぎ、鋳型内の溶
鋼の凝固時間を十分に確保してブレークアウトや鋳片の
欠陥等を防止する連続鋳造のオートスタート方法を提供
することを目的とする。 【解決手段】 鋳型13内の湯面レベル20を熱電対1
9a〜19gにより測温して、湯面レベル20の上昇値
からノズル開度を調整する連続鋳造のオートスタート方
法において、鋳型13の上下方向に熱電対19a〜19
gを複数個埋設し、熱電対19a〜19gの先端を鋳型
13の銅板表面に露出させて、銅板表面の温度から湯面
レベル20を判定することを特徴とする連続鋳造のオー
トスタート方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳型を用いた溶鋼
の連続鋳造において、鋳型内の湯面レベル位置あるいは
その上昇速度を正確に把握して、溶鋼溢れによる事故や
スタート鋳造時のブレークアウト等を防止する連続鋳造
のオートスタート方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋳型を用いた溶鋼の連続鋳造は、鋳型の
下端部にダミーバーを挿入した状態で上方から浸漬ノズ
ルを用いて定常の湯面レベルまで溶鋼を鋳型内に最初に
注湯するスタート鋳造と、この湯面レベルが定常のレベ
ルとなり鋳片の引き抜きが開始される定常鋳造とにより
行われる。この溶鋼を鋳型内に最初に注湯するスタート
鋳造では、注湯の開始以降の湯面レベルと、その上昇速
度を正確に把握することが重要である。しかし、鋳型内
の湯面レベルや湯面レベルの上昇速度は、スライディン
グノズルあるいはノズル等に発生する詰まり及び溶鋼ヘ
ッド差等から、常に変動するために、鋳型から溶鋼が溢
れて鋳造が中断したり、引き抜き開始時の鋳型内の溶鋼
保持時間(溶鋼の凝固時間)の不足によるブレークアウ
ト等の事態を招くことがあり、特に鋳造の自動運転(オ
ートスタート)を困難とする要因となっている。この溶
鋼溢れやブレークアウト等の鋳造事故を防止する方法と
して、特開平9−1304号公報では、図4に示すよう
に、鋳型40の上部に渦流センサー41と鋳型40の下
部に上下方向に複数の熱電対42、43、44を設け
て、この値を演算装置51に入力し、予め定められた湯
面の上昇速度と実際の湯面の上昇速度との偏差を求め
て、この偏差が小さくなるようにスライディングノズル
の開度調整を行っている。この場合のスタート鋳造は、
ダミーバー45を鋳型40の下端に挿入固定してスライ
ディングノズルを開いて浸漬ノズル46から溶鋼を注湯
する。この注湯により上昇する湯面レベルは、(イ)か
ら順次(ハ)の定常レベルまで上昇し、その上昇速度も
熱電対42、43、44をもとに検出する。湯面レベル
が定常レベル(ハ)となった時点で、鋳片支持装置47
内で図中矢印の方向に引き抜きを開始すると同時に渦流
センサー41による湯面レベル制御の切り換えを行って
定常鋳造に移行する。また、特開平8−206805号
公報では、鋳型下部に上下方向に複数の熱電対を設けて
下方の湯面レベルを検出し、この値から鋳型上部に設け
た湯面レベル検出装置の補正を行って、スライディング
ノズルの開度の調整、及び鋳片の引き抜きの開始を自動
で行う方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、渦流セ
ンサー41と鋳型40の上下方向に設けた複数の熱電対
42、43、44により、予め定められた湯面の上昇速
度と、実際の湯面の上昇速度との偏差を求め、スライデ
ィングノズルの開度を調整して偏差を小さくする方法で
は、以下の問題がある。まず、上昇する湯面レベルが、
例えば、熱電対42と略同じ(イ)の湯面レベルで検知
される場合と、(ロ)の湯面レベルのように熱電対42
と43の間に位置する場合がある。このいずれの場合に
おいても熱電対42、43、44は、図4のように、メ
ッキ層48が施された銅板49内に浅く、しかも水冷箱
50の側(反鋳造側)に埋め込まれている。従って、
(イ)の湯面レベルの場合であっても、溶鋼の熱が熱電
対42にメッキ層48及び厚い銅板49を介して伝達す
るために、その熱伝達に時間を要し、湯面が急激に上昇
する際には、応答遅れが発生する。また、検知される温
度そのものが低く、この低い値を基準に判断するために
大きな測定誤差を生じる。更に、(ロ)の湯面レベルの
ように熱電対42と43の間に位置する場合は、熱電対
43の測定する温度に変化が表われず、全く湯面レベル
の位置が判らない状態となる。この結果、スタート鋳造
の実際の湯面レベルとその上昇速度が不明確となり、目
標とする湯面の上昇速度に沿ったスライディングノズル
等の開度調整が困難となり、鋳型から溶鋼が溢れて鋳造
が中断したり、引き抜き開始時の鋳型内での溶鋼の凝固
時間が不足して凝固殻が薄くなりブレークアウトや鋳片
の割れ等の欠陥を招く可能性が高くなる。更に、スター
ト鋳造から定常鋳造への移行を含めたオートスタート
(自動鋳造)が困難となり、連続鋳造の自動化そのもの
が不可能となる。また、特開平8−206805号公報
に示す鋳造の初期制御方法においても、前述の湯面レベ
ル及び上昇速度の偏差を小さくする場合と同様に、鋳型
下方に設けた熱電対の応答遅れあるいは測定温度が低い
等の問題がある。その結果、大きい測定誤差が生じ、こ
の測定温度をもとに鋳型上方のレベル計を修正して鋳造
を行っても溶鋼の溢れ、ブレークアウトや鋳片の割れ等
の欠陥を招くと言った問題がある。
【0004】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
で、湯面レベルとその上昇速度を正確に把握して、湯面
レベルを目標値に調整することにより、鋳型からの溶鋼
溢れ、溶鋼の凝固時間の不足によるブレークアウトや鋳
片の割れ等の欠陥を防止できる連続鋳造のオートスター
ト方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1
記載の連続鋳造のオートスタート方法は、鋳型内の湯面
レベルを熱電対により測定して、前記湯面レベルからノ
ズル開度を調整する連続鋳造のオートスタート方法にお
いて、前記鋳型の上下方向に、前記熱電対を複数個埋設
し、該熱電対の先端を前記鋳型の銅板表面に露出させ
て、前記鋳型の銅板表面の温度から、前記湯面レベルを
判定するので、熱電対の応答性が高く、その湯面レベル
の昇上速度を正確に測定できる。
【0006】請求項2記載の連続鋳造のオートスタート
方法は、請求項1記載の連続鋳造のオートスタート方法
において、複数の前記熱電対により測定された温度か
ら、前記湯面レベルの上昇速度を求め、該湯面レベルの
上昇速度から前記ノズル開度を調整するので、注湯の過
不足を早期に補正することができ、上昇する湯面レベル
を目標値に維持できる。
【0007】請求項3記載の連続鋳造のオートスタート
方法は、請求項1又は2記載の連続鋳造のオートスター
ト方法において、前記鋳型に埋設された前記熱電対の温
度が1350〜1510℃に上昇し、その温度が1〜5
秒間継続した時の最高温度を示す位置を、前記湯面レベ
ルとする。この熱電対の温度変化が1350℃より低い
と熱電対に実湯面レベルが到達していないか、あるいは
パウダーや地金等の付着物により、熱電対への熱の伝達
が悪いために、測定値に誤差が発生する。また、熱電対
の温度が1510℃より高いと溶鋼の温度そのものが高
くなり過ぎて、鋳型内での凝固が不十分となり凝固時間
の不足によるブレークアウトが発生する。更に、温度の
継続時間が1秒より短いと、溶鋼の飛散等による温度の
上昇を誤って検出するので実湯面レベルとに誤差が発生
する。一方、温度の継続時間が5秒より長いと実湯面レ
ベルが上昇しているにも係わらず、実湯面レベルが停滞
した誤検出が発生する。
【0008】請求項4記載の連続鋳造のオートスタート
方法は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の連続鋳造
のオートスタート方法において、前記鋳型の銅板表面に
被覆層が施されており、前記被覆層を介して温度を測定
するので、鋳造初期のスプラッシュや火炎等による異常
な温度上昇を確実に防止できる。
【0009】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明の一実施の形態に係る連続鋳造のオートスタ
ート方法について説明し、本発明の理解に供する。図1
は、本発明の一実施の形態に係る連続鋳造装置の概念
図、図2は、図1における一本の熱電対の構成を示す
図、図3の(a)は、鋳造初期の鋳型内の熱電対の温度
変化を示す図、(b)は、鋳造スタートからの経過時間
(秒)と鋳型内の実湯面レベル(mm)の推移を示す図
である。図1において、連続鋳造装置10は、溶鋼11
を一旦タンディシュ12に受湯し、ノズルの一例である
スライディングノズル14及び浸漬ノズル15により鋳
型13に注湯する。鋳型13は、厚さ30〜60mmの
銅板16からなり、銅板16の鋳造側となる表面には、
ニッケル、クロム、モリブデン等の単体あるいは二種以
上の組成からなるメッキあるいは溶射等による0.5〜
5mmの厚みの被覆層17が形成してある。銅板16の
反鋳造側には、この銅板16を冷却する水冷箱18が設
けてある。この鋳型13には、直径が3〜10mmの熱
電対19a、19b、19c、19d、19e、19
f、19gが上下方向に100mm間隔で、鋳型13の
左右それぞれに埋設されており、湯面レベル20及び上
昇状態を測定するようにしてある。更に、鋳型13の下
方には、凝固殻を形成した鋳片の冷却と支持案内をする
鋳片支持セグメント21及び引き抜きを行うピンチロー
ル22とを備えてあり、スタート鋳造の初期には、ダミ
ーバー23が鋳型13の下端を閉鎖するようにセットさ
れている。また、熱電対19a〜19gに発生した起電
力は、変換器24により温度に変換されて総合演算制御
装置25に入力され、その温度の記録及び湯面レベル2
0の位置と上昇速度の演算及び経過時間毎の記録が行わ
れる。この総合演算制御装置25は、求められた湯面レ
ベル20の位置と上昇速度とから、ノズル開閉制御装置
26に目標値となるスライディングノズル14の開度を
与える。このスライディングノズル14の開度は、油圧
シリンダー(図示せず)等の一般に用いる進退装置によ
り調整される。一方、鋳型13にセットされたダミーバ
ー23は、熱電対19a、19bのいずれかに湯面レベ
ル20が到達したことが総合演算制御装置25により出
力されると、同時にピンチロール22の駆動が指令され
て引き抜きが開始される。
【0010】また、前述した熱電対19a〜19gの鋳
型13への埋設については、いずれも同一の構成である
ので、代表して熱電対19aについて説明する。熱電対
19aは、図2に示すように、コンスタンタン素線27
と銅素線28をアルミナあるいはジルコニア等の電気的
絶縁の可能な物を用いて、絶縁充填層29及び100μ
mの厚みの絶縁被覆層30を設けてあり、全体の直径を
6mmに形成して、銅板16と水冷箱18を貫通して穿
った直径10mmの孔31内に挿入した。この熱電対1
9aの先端は、コンスタンタン素線27の先端部27a
と銅素線28の先端部28aが露出させてあり、それぞ
れの先端部27aと28aは、銅あるいは銅合金を用い
て、銅板16の表面に電気的導通が可能な短絡部32を
形成してある。この熱電対19aは、前述の孔31と絶
縁被覆層30の隙間に蝋付け層33を設けて、銅板16
に固定してあり、反鋳造側は水冷箱18のフレーム34
にオーリング35及びフランジ36により洩水あるいは
脱落事故がないように取付けてある。更に、37は、銅
板16を冷却するための冷却水の水路であり、鋳型13
の下方から上方へと流れて系外に排出するようにしてあ
る。なお、総合演算制御装置25により出力される各熱
電対19g〜19a毎の湯面レベル20は、鋳型13の
高さ方向に複数の色調に色付けして、モニター(図示せ
ず)に表示して、その上昇状態を含めて監視を行っても
良い。
【0011】次に、連続鋳造装置10を本発明の一実施
の形態に係る連続鋳造のオートスタート方法に用いた場
合の動作について説明する。溶鋼11として、炭素を
0.08重量%、Mnを0.50重量%を主成分とした
低炭素鋼をタンディシュ12に受湯した。この状態で、
幅1800mm、厚み250mm、長さ900mmの鋳
型13の下端をダミーバー23で閉鎖した後、スライデ
ィングノズル14にノズル開閉制御装置26から開指令
を与えて浸漬ノズル15から溶鋼11の注湯を行いオー
トスタート鋳造を開始した。このスライディングノズル
14の開指令は、2〜4回の半開と閉の操作を行ってか
ら半開(50%)で注湯し、順次湯面レベル20を上昇
させた。熱電対19g〜19eの鋳造スタートからの経
過時間(秒)と熱電対の測定温度の関係を図3の(a)
に示した。熱電対19gは、鋳造を開始して最初に湯面
レベル20を測定する位置にあり、その温度は、鋳造ス
タート時は、溶鋼11の熱による雰囲気温度の影響から
緩やかに上昇するが、湯面レベル20の位置が近接する
と共に急激に上昇し、湯面レベル20が熱電対19gの
位置に到達した時点(t1 秒)で最高の1350〜15
10℃の温度となり、その温度が1〜5秒間継続した後
に略610〜1200℃の温度に低下する。また、次に
応答する熱電対19f、19eの測定温度は、同様に湯
面レベル20の上昇と注湯による雰囲気温度の影響から
150〜200℃の範囲で緩やかに上昇し、湯面レベル
20の位置が近接すると共に急激に上昇し、湯面レベル
20が熱電対19f、19eの位置に到達した時点(t
2 秒、t3 秒)で最高の1350〜1510℃の温度と
なり、その温度が1〜5秒間継続した後に略610〜1
200℃の温度に低下する傾向を示す。従って、湯面レ
ベル20の位置は、熱電対19a〜19gで測定した温
度が1350〜1510℃の範囲であり、その温度が1
〜5秒間継続した時点によって示される。ここで、高い
温度の表示が1秒未満しか継続しなかった場合は、湯面
突沸による変動等による誤検出である可能性が高く、5
秒より長い場合は、実湯面が上昇しているのに凝固が進
行していないために実湯面レベルが停滞した誤検出とな
りうる。この理由から温度の継続時間は1〜3秒がより
好ましい。
【0012】更に、湯面レベル20の上昇速度は、熱電
対19gの場合は、鋳造の開始からの経過時間t1 秒と
熱電対19gの鋳型13の上下方向の埋設間隔Lmmと
から、Lmm/t1 秒で求める。熱電対19fの場合
は、熱電対19gと熱電対19fの埋設間隔Lmmか
ら、Lmm/(t2 −t1 )秒とすることで求めること
ができ、19eも同様の手順で求められる。このよう
に、熱電対19g〜19eの最高温度が湯面レベル20
の絶対位置そのものを表す理由は、0.5〜5mmの極
めて薄い被覆層17の直下にある銅板16の表面の温度
を直に測定できるために、到達した溶鋼11の温度が遅
れることなく、略そのまま伝熱されることにある。更
に、例えばスプラッシュ(溶鋼11の飛散)により溶鋼
11が熱電対19g〜19eを覆った被覆層17に瞬間
的に付着した場合においても、一旦温度は上昇するが
0.5〜5mmの被覆層17及び鋳型13の冷却により
1350℃を超えることなく、順次温度が低くなり異常
が識別される。
【0013】次に、前述の熱電対19g〜19eの湯面
レベル20の測定に従って、以下に示す制御を行った。
図3の(b)は、熱電対19g〜19aのオートスター
トからの経過時間(秒)と鋳型内の実湯面レベル(m
m)の推移結果であり、太実線はスライディングノズル
14の開度が半開(50%)の状態で鋳型13内に注湯
した際の目標湯面レベルとその上昇値を示し、細線は熱
電対19g〜19aによる湯面レベル20の測定値を表
してある。点線は後述する従来例である。まず、長さ9
00mmの鋳型13の下端から上方800mmの間に2
00mmの位置を起点として、前述の図(a)と同様に
100mm間隔で熱電対19g〜19aを配置して、鋳
型13内に注湯を行って、各熱電対19g〜19aの起
電力を変換器24により温度に変換すると同時にオート
スタートの開始を総合演算制御装置25に入力した。オ
ートスタートを開始してからt1 秒後に、熱電対19g
の変換器24から最高温度1450℃が検出され、総合
演算制御装置25から湯面レベル20が到達したことが
出力された。この結果は、細線で示すように、太実線の
目標湯面レベルの位置と略合致しており正確な湯面レベ
ル20が測定されている。更に、同様にしてt2 秒後
に、熱電対19fの最高温度1455℃が測定され、総
合演算制御装置25から、鋳型13の下端から300m
mの位置に湯面レベル20が到達したことが出力され
た。この場合も目標湯面レベルの位置と略合致してお
り、総合演算制御装置25により湯面レベル差(即ち熱
電対19gと熱電対19fの間隔)100mmと(t2
−t1 )秒とから湯面レベル20の上昇速度を求めた
が、目標値に近似しており、スライディングノズル14
の開度及び浸漬ノズル15の吐出量が正常であり、この
状態で鋳造を継続した。また、総合演算制御装置25に
より各熱電対19g〜19a毎にその湯面レベル20の
上昇速度と目標上昇速度とを合致させるように、ノズル
開閉制御装置26によるスライディングノズル14の開
度調整を自動で行った。その結果、熱電対19g〜19
aで検出された湯面レベル20は、実湯面レベルとその
上昇速度において、目標湯面レベルと略同一の値が得ら
れ、しかも制御されたスライディングノズル14の開度
も半開(50%)〜40%開度の間で良好な追従制御が
達成された。その後、鋳造スタートからt7 秒後に、熱
電対19aに湯面レベル20が到達したことを検出した
ので、総合演算制御装置25からピンチロール22に引
き抜きの開始指令を出力すると共に、引き抜き量に見合
うスライディングノズル開度に設定して、湯面レベル2
0を10mmの範囲内に制御して定常鋳造に移行した。
【0014】このように、熱電対19g〜19aは、
0.5〜5mmの極めて薄い被覆層17の直下(銅板1
6の表面の温度)を測定できるために、到達した溶鋼1
1の温度が遅れることなく、略そのまま伝熱されて、鋳
型13内面の凝固状態をそのまま把握でき、測定する温
度を高い温度域で測定できるので、湯面レベル20の位
置を正確に表すことができる。逆に、0.5〜5mmの
被覆層17と鋳型13の冷却とにより、スプラッシュ等
の外乱を防止でき、より的確な測定が可能となる。更
に、湯面レベル20の上昇速度についても各熱電対19
g〜19aが迅速に湯面レベル20の位置に応答するの
で、各熱電対19g〜19aの湯面レベル20の到達時
間t1 〜t7 により求めるか、あるいは図3(b)の各
熱電対19g〜19aの湯面レベル上昇線(図中細線)
から二次式等の一般の手段により求めても良く、いずれ
の場合においても目標値とのずれを小さくできる。ま
た、図3(b)の点線は、熱電対19e、19c、19
aと同じ鋳型13の高さ位置で水冷箱18側の銅板16
内に挿入した従来の熱電対(×印)が、湯面レベル20
に対する応答状態を表したものであり、熱電対19eと
同位置で見ると鋳造スタートからt4 秒(本実施例の熱
電対19eはt3 秒)と大幅に応答遅れが発生してい
る。また、レベル高さで見た場合は、鋳型13の同じ高
さ位置で目標湯面レベルが応答遅れにより30〜40m
mの高い位置に外れている。特に、引き抜きを開始する
7 秒以降の定常湯面レベル20では、目標値を大きく
超えており溶鋼溢れ事故の可能性が大きいことが判る。
【0015】なお、本発明の一実施の形態に係る連続鋳
造のオートスタート方法では、熱電対19a〜19gと
し、間隔を100mmとしたが、この他に多数設けて間
隔を100mm未満としても良い。この間隔は、好まし
くは6mmから70mmとすることにより湯面レベル2
0の測定精度が大幅に向上すると共に、銅板16に取付
けた際の抜熱及び強度の低下がない。また、熱電対19
a〜19gを予め銅ブロック内に埋め込んだ熱電対ユニ
ットを形成して、この熱電対ユニットを銅板の表面側に
埋め込むこともできる。更に、熱電対19a〜19gを
構成する熱電対素線としては、コンスタンタンと銅を用
いたが、この他にクロメル、アルメル、白金、白金ロジ
ュウム等一般に使用されているものが適用できる。ま
た、前述の熱電対と渦流センサーとを組み合わせて、定
常時を渦流センサーで制御することも可能である。ま
た、定常時の湯面レベル20の制御に前述の他に熱電対
を湯面レベル20に高密度に傾斜配置して設けて、この
値により行っても良い。以上、本発明の一実施の形態に
係る連続鋳造のオートスタート方法について説明した
が、この他においても本発明の要旨を逸脱しない範囲を
含むものである。
【0016】
【発明の効果】請求項1〜4記載の連続鋳造のオートス
タート方法は、鋳型内の熱電対により測温した湯面レベ
ルからノズル開度を調整する連続鋳造のオートスタート
方法において、先端を鋳型の銅板表面に露出した熱電対
により測定された温度から、湯面レベルを判定するの
で、熱伝達が迅速であり、湯面レベルの位置及び上昇速
度が正確に把握できる。また、温度変化の大きな高い温
度域により湯面レベル等を測定するので誤検出が防止さ
れ、溶鋼溢れ事故やブレークアウト、鋳片の割れ欠陥等
が防止できる。
【0017】特に、請求項2記載の連続鋳造のオートス
タート方法は、熱電対の温度から湯面レベルの上昇速度
を求め、該湯面レベルの上昇速度を基に注湯を調整する
ので、早期に注湯量の過不足を補正し、上昇する湯面レ
ベルを目標値に維持できることから溶鋼溢れ事故や鋳型
内保持時間の不足によるブレークアウトや過冷却による
割れ等の鋳片の欠陥を防止できる。
【0018】請求項3記載の連続鋳造のオートスタート
方法は、鋳型に埋設された熱電対の温度が1350〜1
510℃に上昇し、その温度が1〜5秒間継続した時の
最高温度を示す位置を、湯面レベルとするので、溶鋼の
スプラッシュや雰囲気温度等の影響による誤検出が防止
でき、湯面レベルとその上昇速度が正確に測定できる。
【0019】請求項4記載の連続鋳造のオートスタート
方法は、鋳型の銅板表面に被覆層が施されており、前記
被覆層を介して温度を測定するので、鋳造初期のスプラ
ッシュや火炎等による異常な温度上昇が防止され、しか
も溶鋼による熱電対の損耗を防止でき、長時間の測定が
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る連続鋳造装置の概
念図である。
【図2】図1における一本の熱電対の構成を示す図であ
る。
【図3】(a)は鋳造初期の鋳型内の熱電対の温度変化
を示す図である。(b)は鋳造スタートからの経過時間
(秒)と鋳型内の実湯面レベル(mm)を示す図であ
る。
【図4】従来の熱電対と渦流センサーを用いた鋳造初期
の湯面レベル制御方法を示す図である。
【符号の説明】
10 連続鋳造装置 11 溶鋼 12 タンディッシュ 13 鋳型 14 スライディングノズル 15 浸漬ノズ
ル 16 銅板 17 被覆層 18 水冷箱 19a〜19g
熱電対 20 湯面レベル 21 鋳片支持
セグメント 22 ピンチロール 23 ダミーバ
ー 24 変換器 25 総合演算
制御装置 26 ノズル開閉制御装置 27 コンスタ
ンタン素線 27a 先端部 28 銅素線 28a 先端部 29 絶縁充填
層 30 絶縁被覆層 31 孔 32 短絡部 33 蝋付け層 34 フレーム 35 オーリン
グ 36 フランジ 37 水路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳型内の湯面レベルを熱電対により測定
    して、前記湯面レベルからノズル開度を調整する連続鋳
    造のオートスタート方法において、前記鋳型の上下方向
    に、前記熱電対を複数個埋設し、該熱電対の先端を前記
    鋳型の銅板表面に露出させて、前記鋳型の銅板表面の温
    度から、前記湯面レベルを判定することを特徴とする連
    続鋳造のオートスタート方法。
  2. 【請求項2】 複数の前記熱電対により測定された温度
    から前記湯面レベルの上昇速度を求め、該湯面レベルの
    上昇速度から前記ノズル開度を調整することを特徴とす
    る請求項1記載の連続鋳造のオートスタート方法。
  3. 【請求項3】 前記鋳型に埋設された前記熱電対の温度
    が1350〜1510℃に上昇し、その温度が1〜5秒
    間継続した時の最高温度を示す位置を、前記湯面レベル
    とすることを特徴とする請求項1又は2記載の連続鋳造
    のオートスタート方法。
  4. 【請求項4】 前記鋳型の銅板表面に被覆層が施されて
    おり、前記被覆層を介して温度を測定することを特徴と
    する請求項1〜3のいずれか1項に記載の連続鋳造のオ
    ートスタート方法。
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