JPH1190317A - 塗膜形成方法及び塗装物 - Google Patents
塗膜形成方法及び塗装物Info
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- JPH1190317A JPH1190317A JP25702697A JP25702697A JPH1190317A JP H1190317 A JPH1190317 A JP H1190317A JP 25702697 A JP25702697 A JP 25702697A JP 25702697 A JP25702697 A JP 25702697A JP H1190317 A JPH1190317 A JP H1190317A
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Abstract
ーベークに対する耐性を有する塗装工程であって、かつ
コストダウンが可能な光輝性塗膜を提供する。 【解決手段】 (a)被塗物11に電着塗装後、焼付け
する工程と、(b)中塗塗料を塗装する工程と、(c)
カラー中塗塗料を塗装する工程と、(d)上記(b),
(c)工程の塗装を焼付けする工程と、(e)光輝性顔
料及び/又は着色顔料含有ベースコートを塗装する工程
と、(f)クリヤー塗料を塗装する工程と、(g)上記
(e),(f)工程の塗膜を焼付けする工程と、上記の
(a)〜(g)の工程を順次経る塗膜形成方法である。
Description
装物、特に塗膜の仕上がり外観が良く、焼付時のオーバ
ーベークに対する耐性を有し、かつコストダウン可能な
塗膜形成方法及びこの塗膜形成方法により塗装された塗
装物に関する。
目的とした下塗り、仕上がり外観向上のための表面調整
を目的とした中塗り、及び外観向上と耐久性付与を目的
とした上塗りが施される。一般に、下塗塗膜として電着
塗膜が形成され、上塗塗膜として光輝性顔料及び/又は
着色顔料含有ベースコート、クリヤー塗膜が形成され
る。また、近年、ベースコート塗装時にアルミフレーク
やマイカ等の光輝性顔料を含む塗料を用いるメタリック
塗装やパール塗装等が注目されている。
7−116595号公報の「塗装方法」には、図2に示
すように、被塗物11上に電着塗装を行い、この電着塗
膜12上に中塗塗膜(ホワイトシーラー層)13を形成
して焼付乾燥させた後に、中塗塗膜13上にカラーベー
ス塗膜(カラー中塗塗膜)14を、そのカラーベース塗
膜14の上にマイカベース塗膜15を、そしてマイカベ
ース塗膜15の上にクリヤー塗膜16をそれぞれウエッ
トオンウエットで塗布して形成し、その後に焼付乾燥を
行う塗装方法が開示されている。ここで、マイカベース
塗膜は、光輝性顔料含有ベースコートの1つである。
「複層塗膜形成法」には、図2に示すカラーベース塗膜
14が、チタン白顔料及びアルミニウムフレークが含有
されマンセルカラーチャートN7〜N9の範囲内に調整
されたカラーベース塗膜であり、またマイカベース塗膜
15として酸化チタンで被覆されたりん片状雲母粉末を
配合してなるホワイトパール調又はシルバーパール調の
ベースコートが形成される複層塗膜形成法が開示されて
いる。この複層塗膜形成方法も、上記公報の塗装方法と
同様に、カラーベース塗膜14、マイカベース塗膜1
5、クリヤー塗膜16は、それぞれウエットオンウエッ
トで塗布形成された後に、焼付乾燥がなされる。
成方法は、カラーベース塗膜14より上方の塗膜が、図
2に示すように、3コート1ベークで形成されている。
以下、このように形成された複層塗膜を、3コート1ベ
ーク複層塗膜という。
たことを表し、破線は、ウエットオンウエットで塗布形
成されたことを示す。以下、図1、図3及び図4につい
ても同様である。
り上方の塗膜が、3コート2ベークで形成された複層塗
膜(以下「3コート2ベーク複層塗膜」という)が示さ
れている。すなわち、被塗物11上に電着塗装を行い、
この電着塗膜12上に中塗塗膜13を形成して焼付乾燥
させた後に、この中塗塗膜13上にカラーベース塗膜1
4を形成して焼付乾燥される。その後、このカラーベー
ス塗膜14の上にマイカベース塗膜15を、そしてマイ
カベース塗膜15の上にクリヤー塗膜16をそれぞれウ
エットオンウエットで塗布して形成し、その後に焼付乾
燥を行い、複層塗膜が形成されている。
塗膜が、4コート1ベークで形成された複層塗膜(以下
「4コート1ベーク複層塗膜」という)が示されてい
る。すなわち、被塗物11上に電着塗装を行い、この電
着塗膜12上に中塗塗膜13を形成し、この中塗塗膜1
3上にカラーベース塗膜14を形成し、更にこのカラー
ベース塗膜14の上にマイカベース塗膜15を、そして
マイカベース塗膜15の上にクリヤー塗膜16をそれぞ
れウエットオンウエットで塗布して形成し、その後に焼
付乾燥を行い、複層塗膜が形成されている。
報に開示された3コート1ベーク複層塗膜は、通常ベー
ク(140℃で20分間焼付)及びオーバーベーク(1
80℃で20分間)後の2次密着性は良好であり、3層
をウエットオンウエットで形成するため低コスト化が図
れるものの、垂直面の被塗物で3層塗膜間でタレが生じ
やすく、仕上がり外観が劣るという問題があった。
40℃で240時間温水浸漬して塗装物を痛めつけた後
の塗膜の密着性をいう。
ーベース塗膜を形成後に焼付乾燥させた後、マイカベー
ス塗膜、クリヤー塗膜がウエットオンウエットで塗布形
成されその後焼付乾燥されているため、塗膜間のタレは
ほとんどなく、仕上がり外観が良好である。しかしなが
ら、3コート2ベークの場合、中塗塗膜は3回焼付けら
れるため、中塗塗膜とカラーベース塗膜とのオーバーベ
ーク時の2次密着性が劣化するという問題があった。ま
た、焼付回数が多いことからコスト高でもあった。
塗膜、カラーベース塗膜、マイカベース塗膜、クリヤー
塗膜がそれぞれウエットオンウエットで形成されている
ため、それぞれの塗膜の通常ベーク及びオーバーベーク
後の2次密着性は極めて良好であり、4層をウエットオ
ンウエットで塗装していくため極めて低コストで複層塗
膜を形成できる。しかしながら、垂直面の被塗物で4層
塗膜間で大幅にタレが生じやすく、仕上がり外観が劣化
するという問題があった。
のであり、その目的は、塗膜の仕上がり外観が良く、焼
付時のオーバーベークに対する耐性のある塗膜を形成す
ると共に、塗装のコストダウンを可能にする塗膜形成方
法及びこの塗膜形成方法によって得られる塗装物を提供
する。
ために、本発明の塗膜形成方法は、(a)被塗物に電着
塗装後、焼付けする工程と、(b)中塗塗料を塗装する
工程と、(c)カラー中塗塗料を塗装する工程と、
(d)上記(b),(c)工程の塗装を焼付けする工程
と、(e)光輝性顔料及び/又は着色顔料含有ベースコ
ートを塗装する工程と、(f)クリヤー塗料を塗装する
工程と、(g)上記(e),(f)工程の塗膜を焼付け
する工程と、上記の(a)〜(g)の工程を順次経るこ
とを特徴とする。
塗膜上にカラー中塗塗料をウエットオンウエットで塗布
し、その後焼付け、更にカラー中塗塗膜(以下「カラー
ベース塗膜」という)の上に光輝性顔料及び/又は着色
顔料含有ベースコート塗装し、ウエットオンウエットで
クリヤー塗料を塗装した後に焼付を行う、4コート2ベ
ーク(2層毎に焼付硬化させる)なので、垂直被塗物で
も層間のタレがなく、またオーバーベーク時にも、中塗
塗膜は2回焼付られるのみであるため、中塗塗膜とカラ
ーベース塗膜との密着性も良好である。
記中塗塗料及びカラー中塗塗料のビヒクルがポリエステ
ル樹脂/メラミン樹脂系であり、中塗塗料のポリエステ
ル樹脂の酸価がカラー中塗塗料のポリエステル樹脂の酸
価より高いことを特徴とする。
の酸価より高くすることにより、中塗塗料の硬化反応
が、カラー中塗塗料の硬化反応より早く開始するため、
中塗塗膜とカラー中塗塗料とを焼付ける際に、例えばタ
レが生じることがなく、またシワが発生することもな
く、安定的に塗膜を形成することができる。
型粘弾性測定機によって測定された塗膜の対数減衰率か
ら求められる塗膜を形成する塗料の硬化反応開始時間に
おいて、前記中塗塗料の硬化反応開始時間は、前記カラ
ー中塗塗料の硬化反応開始時間より短いことを特徴とす
る。
カラー中塗塗料の硬化反応開始時間より短くすることに
よって、中塗塗料の硬化反応が、カラー中塗塗料の硬化
反応より早く開始するため、中塗塗膜とカラー中塗塗膜
とを焼付けする際に、例えばタレが生じることがなく、
またシワが発生することもなく、安定的に塗膜を形成す
ることができる。
記クリヤー塗料のビヒクルが、カルボキシル基含有ポリ
マー及びエポキシ基含有ポリマーを含有することを特徴
とする。
て、耐酸性のクリヤー塗膜を形成することができる。
法によって塗装されたことを特徴とする。
図1を用いて以下に詳説する。
程;本発明の実施に際しては、(めっき)鋼板、アルミ
ニウム板などの被塗物11を、常法に従って脱脂、洗浄
した後、リン酸亜鉛処理などの塗装下地処理を施し、エ
ポキシ系樹脂などの電着塗料を使用して、カチオン型電
着塗装を行い、150〜190℃で10分〜60分間焼
付け硬化させて15〜40μm厚さの下地塗膜を形成す
る(図1の電着塗膜12の形成)。
12の上に、中塗塗料を、好ましくは(静電)霧化式塗
装機、例えばエアスプレー塗装機、エアレススプレー塗
装機、エアー霧化式もしくは回転式回転塗装機などの手
段で塗装する。その後、5〜30℃で30秒〜8分間加
熱放置し、中塗塗膜13中に存在する溶剤を揮発させ
る。以下、焼付温度より低温で塗装後の塗料を一時放置
し、塗料中の溶剤を揮発させることを「フラッシュ・オ
フさせる」という。
塗塗装後、その上に前述の塗装機を用いてウエットオン
ウエット方式又はプレヒート方式でカラー中塗塗料を塗
布する。ウエットオンウエット(W/W)方式とは、塗
布した塗膜をフラッシュオフさせた後、未硬化状態又は
硬化しない状態の内に、次の塗料を塗装する方法をい
う。
付けする工程;中塗塗膜13とカラー中塗塗膜14を同
時に120〜160℃で10分〜60分間焼付け硬化さ
せ、5〜40μm厚さのカラー中塗塗膜(すなわち、カ
ラーベース塗膜14)と、5〜40μm厚さの中塗塗膜
13とを形成する。
ベースコートを塗装する工程;カラー中塗塗装後、前述
の塗装機を用いて光輝性顔料を0.1〜20重量%、好
ましくは0.5〜15重量%含有する光輝性顔料含有ベ
ースコート(メタリック塗料またはマイカ塗料)を塗装
し、5〜30℃で30秒〜8分間フラッシュ・オフさ
せ、ベースコート塗膜を形成させる。なお、本実施形態
では、光輝性顔料としてマイカ類を用いたため、図1に
おいて、ベースコート塗膜をマイカベース塗膜15とし
て表示した。
料を0.5〜20重量%、好ましくは2〜15重量%含
有する着色顔料含有ベースコート(ソリッド系エナメル
塗料)を塗装し、5〜30℃で30秒〜8分間フラッシ
ュ・オフさせ、ベースコート塗膜を形成させてもよい。
また、上記光輝性顔料及び着色顔料を含むベースコート
を用いることができる。
で、上記いずれかのベースコート塗装後、その上に更に
クリヤー塗料をウエットオンウエットで塗装する。
付けする工程;ベースコート塗膜(図1のマイカベース
塗膜15又は着色顔料含有ベースコート塗膜)とクリヤ
ー塗膜16とを同時に120〜160℃で10分〜60
分間焼付け硬化させ、5〜20μm厚さのベースコート
塗膜と、15〜40μm厚さのクリヤー塗膜16とを形
成させる。
最終のクリヤー塗装の後で硬化させればよく、下層のク
リヤー塗膜の形成段階ではウエットオンウエット、プレ
ヒート又は半硬化の状態でよい。
いて説明する。
うに、まず被塗物の表面に電着塗装によって下塗塗膜を
形成する。下塗塗膜は、被塗物に防食機能を付与するこ
とを主目的として形成されるものであり、電着塗料とし
ては、カチオン型電着塗料、アニオン型電着塗料のいず
れも使用することができるが、防食性の点でカチオン型
電着塗料が好ましく、カチオン電着塗料としては、エポ
キシ系の樹脂塗料を適用することが好ましい。
に中塗塗料を塗布する。中塗塗膜は、上塗塗膜を平坦に
し、外観の良好な塗膜とするための下地として機能し、
電着塗膜と上塗塗膜とを密着させ、上塗塗膜を通じて到
達する紫外線や水による塗膜の劣化に対する抵抗性が要
求される。中塗塗料は、上塗塗料との組み合わせで意匠
性を発揮するために、着色顔料を含むカラー中塗塗料を
適用でき、その明度は二酸化チタンやカーボンブラック
で調整する。中塗塗装としては、グレー系の中塗塗料を
塗装した後、カラー中塗塗料を重ねて塗装する。
(以下「ビヒクル」という)として、特にビヒクルが、
ポリエステル樹脂/メラミン樹脂系が好ましく、中塗塗
料のポリエステル樹脂の酸価がカラー中塗塗料のポリエ
ステル樹脂の酸価より高いことが好ましい。更に、中塗
塗料のポリエステル樹脂の酸価が、カラー中塗塗料のポ
リエステル樹脂の酸価より5〜10高いことがより好ま
しい。
ステル樹脂の酸価の差が5未満の場合には、塗膜表面に
シワなどが発生し、平滑な塗膜表面は得られず、一方上
記両ポリエステル樹脂の酸価の差が10を超える場合に
は、塗膜間にタレや流れが発生し、結果として仕上がり
外観が劣化する。
定された塗膜の対数減衰率から求められる塗膜を形成す
る塗料の硬化反応開始時間において、中塗塗料の硬化反
応開始時間が、カラー中塗塗料の硬化反応開始時間より
短いことが好ましい。更に、中塗塗料の硬化反応開始時
間が、カラー中塗塗料の硬化反応開始時間より30秒〜
2分短いことがより好ましい。
中塗塗料の硬化反応開始時間がカラー中塗塗料の硬化反
応開始時間より長い場合には、塗膜表面にシワなどが発
生し、平滑な塗膜表面は得られず、一方両塗料の硬化反
応開始時間が2分を超える場合には、塗膜間にタレや流
れが発生することがあったり、結果として仕上がり外観
が劣化することもある。
弾性測定機(「粘弾性測定機DDV−OPA」オリエン
テック社製)によって測定された塗膜の対数減衰率曲線
の変化し始めた時間をいう。
体質顔料が好ましい。着色顔料としては、二酸化チタ
ン、カーボンブラック、グラファイト、酸化鉄、酸価ク
ロムなどの無機顔料、フタロシアニンブルー、フタロシ
アニングリーン、キナクリドン、インダスロン、イソイ
ンドリノン、ベリレン、アンスラピリミジンなどの有機
顔料が使用され、体質顔料としては、硫酸バリウム、ア
ルミニウムシリケートなどが用いられる。
輝性顔料含有ベースコート(メタリック塗料又はマイカ
塗料)、ソリッド型エナメル塗料におけるビヒクルは、
例えばフェノール樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、
エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂などが挙
げられる。このうち、アクリル樹脂、ポリエステル樹
脂、アルキド樹脂、エポキシ系アルキド樹脂、フッ素樹
脂などが好適に使用される。これらの樹脂塗料は、有機
溶剤型、水系型、粉体型のいずれでもよく、必要に応じ
てメラミン樹脂などのアミノ樹脂や(ブロック)ポリイ
ソシアネート化合物などの架橋剤を用いることができ
る。なお、環境面の観点から有機溶媒の使用が規制され
ているので、水系とするのが好ましく、水系の場合に
は、適量の親水性有機溶媒を含有させても良い。水系型
としては、水溶液型、水分散型等の形態で使用される。
なお、有機溶媒としては、トルエン、キシレン等の炭化
水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、
酢酸エチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブ
等のエステル類、アルコール類等が挙げられる。また、
上記フッ素樹脂としては、フッ素樹脂変性の水酸基含有
アクリル樹脂、フルオロオレフィン変性アクリル樹脂
(特開平2−24506号公報)が好適に用いられる。
ては、リーフィング型アルミニウムフレーク、ノンリー
フィング型アルミニウムフレーク、着色アルミフレー
ク、金属チタンフレーク、ステンレススティールフレー
ク、板状酸化鉄、フタロシアニンフレーク、グラファイ
ト、二酸化チタン被覆マイカ、着色マイカ、金属めっき
マイカ、金属めっきガラスフレーク、二酸化チタン被覆
アルミニウムフレーク、二酸化チタン被覆酸化珪素フレ
ーク等が使用される。なお、ベースコート塗料中に着色
顔料を用いることができる。ベースコート塗料中に含ま
れる着色顔料としては、二酸化チタン、カーボンブラッ
ク、酸化鉄、酸価クロムなどの無機顔料、フタロシアニ
ンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドン、イ
ンダスロン、イソインドリノン、ベリレン、アンスラピ
リミジンなどの有機顔料が使用される。
が、りん片状マイカの表面に二酸化チタンの薄膜をコー
ティングした干渉マイカ顔料に有彩色又は黒色の着色顔
料を担持させた干渉マイカを用いてもよい(特開平7−
16534号公報)。これにより、底色の白ぼけがな
く、シェード部での深み感を与え、かつ幅広い色域が可
能となる。干渉マイカ顔料に着色顔料を担持させるに
は、雲母粒子を母粒子とし、着色顔料を子粒子として母
粒子上に子粒子を正殿的に吸着させ、機械的な衝撃力を
与えながら吸着させた顔料粒子を雲母粒子の表面に固定
化させる方法を採ることが好ましい。着色顔料の担持量
は、干渉マイカ顔料100重量部当たり1〜10重量
部、好ましくは2〜5重量部の範囲である。この担持量
が1重量部未満であると着色効果が減退し、10重量部
を超えると光輝感が減退する上、吸着不良の顔料が脱離
して色安定性が損なわれる。
にドデシルベンゼンスルホン酸等の硬化触媒、ベンゾト
リアゾール系の紫外線吸収剤、タレ止め剤、増粘剤、架
橋性重合体粒子(ミクロゲル)等を適宜添加することが
できる。これらの添加剤を通常ビヒクル100重量部に
対して5重量部以下の割合で配合することにより、塗料
や塗膜の性能を改善することができる。
る全固形分に対する上記光輝性顔料及び/又は着色顔料
の割合(濃度)は、1〜25重量%であることが好まし
い。
は、光輝感が不足したり、隠蔽性が不足するという不具
合があり、一方顔料の含有割合が25重量%を超える場
合には、塗膜の平滑性を損なうという不具合がある。
リヤー塗膜を少なくとも1層形成する。ベースコート塗
料中に光輝性顔料が多い場合に、クリヤー塗料を2層以
上塗装すると、表面の光輝感が向上する。
リル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂及びこれらの
変性樹脂等から選ばれた少なくとも1種の熱硬化性樹脂
と上記架橋剤を混合したもの、又は(ii)カルボシキル
基含有ポリマー及びエポキシ基含有ポリマーからなるビ
ヒクルを用いることができるが、耐酸性雨対策及びベー
スコート塗料との溶解性の差を大きくするという観点か
ら(ii)カルボシキル基含有ポリマー及びエポキシ基含
有ポリマーからなるビヒクルを含有する組成(特公平8
−19315号公報参照)が好ましい。
明樹脂にその透明性を損なわない範囲で、上述の着色顔
料及び/又は体質顔料、又は改質剤、紫外線吸収剤、レ
ベリング剤、分散剤、消泡剤等の添加剤が配合されたも
のが挙げられる。
カルボシキル基含有ポリマーとしては、酸無水物基を含
有するラジカル重合性モノマーと他の共重合性モノマー
との共重合体であって、酸無水物基が開環しハーフエス
テル化されたものが好ましい。酸無水物基を含有するラ
ジカル重合性モノマーとしては、例えば無水マレイン
酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水フタル
酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタ
ル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水ハイミッ
ク酸、無水トリメット酸、無水ピロメリット酸、無水コ
ハク酸等が挙げられ、これらを2種以上組み合わせて用
いることができる。
ン類(スチレン、α−メチルスチレン等)、アクリル酸
エステル類((メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)
アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルへキシル、ア
クリル酸n−オクチル、アクリル酸n−ドデシル等)、
アクリルアミド、メタクリルアミド等が挙げられる。
マーの含有量としては、酸無水物基を含有するラジカル
重合性モノマーを10〜40重量%とし、他の共重合性
モノマーを90〜60重量%とすることが好ましい、よ
り好ましくは、ラジカル重合性モノマーが15〜30重
量%であり、他の共重合性モノマーが85〜70重量%
である。
マーと他の共重合性モノマーとの共重合は、公知の方
法、例えばラジカル重合法等により行うことができる。
カルボキシル基含有ポリマーの数平均分子量は500〜
40,000であり、特に1,000〜20,000で
あることが好ましい。
ハーフエステル化剤は、低分子量のアルコール類(メタ
ノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチ
ルセロソルブ、エチルセロソルブ等)である。ハーフエ
ステル化反応は、室温から120℃の温度で触媒(トリ
エチルアミン、トリブチルアミン等の3級アミン類)の
存在下で行う。
基含有ポリマーとしては、エポキシ基を有するラジカル
重合性モノマー30〜70重量%と、水酸基を有するラ
ジカル重合性モノマー10〜50重量%と、その他のラ
ジカル重合性モノマー残量との共重合体であって、エポ
キシ当量が100〜800、好ましくは200〜600
で、ヒドロキシ当量が200〜1,200、好ましくは
400〜1,000のものが好ましい。エポキシ基含有
ポリマーは、分子中にエポキシ基を2〜10個、好まし
くは3〜8個有し、水酸基を2〜12個、好ましくは4
〜10個有する。
ーとしては、例えば(メタ)アクリル酸グリシジル、
3,4−エポキシシクロヘキサニルメチルメタクリレー
ト等が挙げられる。
しては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸
ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブ
チル、N−メチロールアクリルアミン等のヒドロキシル
基を有するラジカル重合性モノマーが挙げられる。
カルボキシル基含有ポリマーに使用したものと同じもの
を用いることができる。
(B)エポキシ基含有ポリマーの配合比は、(A)10
0重量部に対して(B)を50〜250重量部とするこ
とが好ましい。上記(A)及び(B)各ポリマーは、希
釈剤を用いて必要な粘度にして用いる。
る被塗物としては、主として自動車であって、その素材
は、(めっき)鋼板、アルミニウム、銅又はこれらの合
金等の金属類である。
施しておくことが好ましい。
下に示す。
る工程において、被塗物を、脱脂、洗浄した後、リン酸
亜鉛処理などの塗装下地処理を施し、エポキシ系塗料な
どの電着塗料を使用して、カチオン型電着塗装を行い、
150〜190℃で10分〜60分間焼付け硬化させて
15〜40μm厚さの下地塗膜を形成する。
て、中塗塗装後、5〜30℃で30秒〜8分間フラッシ
ュ・オフし、5〜40μm厚さの中塗塗膜を形成する。
において、中塗塗装後、その上にウエットオンウエット
方式又はプレヒート方式でカラー中塗塗料を塗布しす
る。
を焼付けする工程において、中塗塗膜とカラー中塗塗膜
を同時に120〜160℃で10分〜60分間焼付け硬
化させ、5〜40μm厚さカラー中塗塗膜を形成する。
含有ベースコートを塗装する工程において、カラー中塗
塗装後、その上に光輝性顔料含有ベースコート(メタリ
ック塗料又はマイカ塗料)を塗装し、5〜30℃で30
秒〜8分間フラッシュ・オフさせ、5〜20μm厚さの
ベースコート塗膜を形成させる。
色顔料含有ベースコートを塗装する工程において、光輝
性顔料含有ベースコートは、光輝性顔料を0.5〜20
重量%含有する。
色顔料含有ベースコートを塗装する工程において、光輝
性顔料含有ベースコートは、光輝性顔料を2〜15重量
%含有する。
を焼付けする工程において、ベースコート塗膜とクリヤ
ー塗膜とを同時に120〜160℃で10分〜60分間
焼付け硬化させ、15〜40μm厚さのクリヤー塗膜を
形成させる。
樹脂/メラミン樹脂系であり、中塗塗料のポリエステル
樹脂の酸価が、カラー中塗塗料のポリエステル樹脂の酸
価より5〜10高い。
定された塗膜の対数減衰率から求められる塗膜を形成す
る塗料の硬化反応開始時間において、中塗塗料の硬化反
応開始時間が、カラー中塗塗料の硬化反応開始時間より
30秒〜2分短い。
具体的に説明する。
00mm及び厚さ0.8mm)をリン酸亜鉛処理剤
(「サーフダインSD2000」日本ペイント(株)
製)を使用して常法により化成処理した後、エポキシ・
ウレタン系カチオン電着塗料(「パワートップU−3
0」日本ペイント(株)製)を乾燥膜厚が20μmとな
るように電着塗装した。次いで、160℃で30分間焼
付けた後、ポリエステル・メラミン樹脂系中塗塗料
(「オルガP−2グレー」日本ペイント(株)製)*1)
を乾燥膜厚が35μmとなるようにエアスプレー塗装
し、ウエットオンウエット又は表1に示す焼付条件で、
表1に示したポリエステル・メラミン樹脂系カラー中塗
塗料を乾燥膜厚が35μmとなるようにエアスプレー塗
装し、表1に示す条件で焼き付けた。 註)*1):ポリエステル・メラミン系樹脂中のポリエス
テル樹脂の酸価=15、図5に示すように、塗料の硬化
反応開始時間=7分50秒(粘弾性測定により)。
テル樹脂の酸価=7、塗料の硬化反応開始時間=8分4
0秒。
粘弾性測定機(「粘弾性測定機DDV−OPA」オリエ
ンテック社製)において、重量22g、慣性モーメント
859g・cm2の振子を用いて図5の温度条件で測定
したときに、対数減衰率が下降を始めるまでの時間(硬
化反応開始時間)として求めた。図5に、硬化反応開始
時間の求め方を示した。
に、アクリル樹脂(スチレン/メチルメタアクリレート
/エチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタアクリレ
ート/メタアクリル酸の共重合体、数平均分子量約20
000、水酸基価45、酸価15、固形分50%)80
固形重量部とメラミン樹脂(「ユーバン20SE」三井
東圧化学(株)製、固形分60%)20固形重量部、マ
イカ顔料として「Iriodin 130 W II」(メルク社製)
を、塗膜中、全固形分の10重量%となるように配合
し、更に着色顔料としてフタロシアニンブルー顔料「シ
ャニンブルーG−314」(山陽色素社製)を、塗膜
中、全固形分の3重量%となるように配合し、シンナー
(成分系;酢酸エチル(50重量部)/トルエン(25
重量部)/ソルベッソ−150(25重量部))で希釈
(塗装粘度 秒/No.4フォードカップ;20℃)
し、エアスプレー塗装を行い、光輝性顔料を含むベース
コート塗膜を形成した。このベースコート塗膜表面に表
1に示すクリヤー塗料をウエットオンウエットで塗装
し、乾燥膜厚が35μmとなるように、表1に示す条件
で焼付けた。
あり、比較例2は3コート1ベークの例である。
ために、各試験板を40℃で240時間温水浸漬後、J
IS K 5400 8.5に準拠して、2mm×2m
mのゴバン目密着テストを行い、下記の基準により評価
した。結果を表1に示す。
0 ○ :(残マス目数)/(全マス目数)=99/100
〜30/100 × :(残マス目数)/(全マス目数)=29/100
〜0/100 (ii)塗膜仕上がり外観:目視により評価した。
3に調整した硫酸溶液0.2mlを滴下した。これらを
70℃に30分保持した後、塗膜表面のエッチング深さ
(d)(μm)を測定し、耐酸性雨性を下記の基準によ
り評価した。結果を表1に示す。
(東洋アルミニウム(株)製)。 *2);Ac/ME:アクリル樹脂/メラミン樹脂系ビヒ
クルを含むクリヤー塗料「スーパーラックM−180」
(日本ペイント(株)製)。 C/E:カルボシキル基含有ポリマー及びエポキシ基含
有ポリマーからなるビヒクルを含むクリヤー塗料「マッ
クフロー550」(日本ペイント(株)製)。
常の焼付及びオーバーベーク時でも塗膜の密着性が良
く、また塗膜の仕上がりが良好で、かつ耐酸性雨性も良
好であることが判明した。
法によれば、塗膜の仕上がり外観が良く、焼付時のオー
バーベークに対する塗膜の密着性も良好となり、更にコ
ストダウンが可能な光輝性塗膜を提供することができ
る。
された塗装物は、従来に比べ低コストで、耐性があり、
かつ塗膜表面が平滑で艶のある仕上がり外観を有する。
塗膜の構成の一例を示す図である。
1ベークで形成された複層塗膜の構成図である(比較
例)。
2ベークで形成された複層塗膜の構成図である(比較
例)。
で形成された複層塗膜の構成図である(比較例)。
率の経時変化を示す曲線図で、塗膜の塗料の硬化反応開
始時間を求めるための図である。
カラーベース塗膜、15 マイカベース塗膜、16
クリヤー塗膜。
Claims (5)
- 【請求項1】 (a)被塗物に電着塗装後、焼付けする
工程と、 (b)中塗塗料を塗装する工程と、 (c)カラー中塗塗料を塗装する工程と、 (d)上記(b),(c)工程の塗装を焼付けする工程
と、 (e)光輝性顔料及び/又は着色顔料含有ベースコート
を塗装する工程と、 (f)クリヤー塗料を塗装する工程と、 (g)上記(e),(f)工程の塗膜を焼付けする工程
と、 上記の(a)〜(g)の工程を順次経ることを特徴とす
る塗膜形成方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の塗膜形成方法におい
て、 前記中塗塗料及びカラー中塗塗料のビヒクルがポリエス
テル樹脂/メラミン樹脂系であり、中塗塗料のポリエス
テル樹脂の酸価がカラー中塗塗料のポリエステル樹脂の
酸価より高いことを特徴とする塗膜形成方法。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の塗膜形成方法に
おいて、 剛体振子型粘弾性測定機によって測定された塗膜の対数
減衰率から求められる塗膜を形成する塗料の硬化反応開
始時間において、前記中塗塗料の硬化反応開始時間は、
前記カラー中塗塗料の硬化反応開始時間より短いことを
特徴とする塗膜形成方法。 - 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれかに記載
の塗膜形成方法において、 前記クリヤー塗料のビヒクルが、カルボキシル基含有ポ
リマー及びエポキシ基含有ポリマーを含有することを特
徴とする塗膜形成方法。 - 【請求項5】 請求項1から請求項4に記載の塗膜形成
方法によって塗装されたことを特徴とする塗装物。
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