JPH1190200A - 攪拌装置 - Google Patents

攪拌装置

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Publication number
JPH1190200A
JPH1190200A JP25244297A JP25244297A JPH1190200A JP H1190200 A JPH1190200 A JP H1190200A JP 25244297 A JP25244297 A JP 25244297A JP 25244297 A JP25244297 A JP 25244297A JP H1190200 A JPH1190200 A JP H1190200A
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JP
Japan
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stirring
rotation
container
blade
agitating
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP25244297A
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English (en)
Inventor
Takehiko Onishi
武彦 大西
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GEN KK
Gen Co Ltd
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GEN KK
Gen Co Ltd
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Publication date
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  • Manufacturing And Processing Devices For Dough (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 旋回式の攪拌羽根の旋回方向後面に攪拌材料
が付着する事態を回避でき、攪拌材料の攪拌不足及び焼
け焦げを防止できる攪拌装置を提供する。 【解決手段】 旋回式の攪拌羽根31を、旋回円の半径
線に沿った線を中心に回動可能とする。回動中心部を挟
んで、旋回方向前後に羽先部31a,31a’を設け
る。羽先部31a,31a’は、旋回方向前方に位置す
る一方の羽先部31aが容器10の底面に対して所定角
度で後傾するとき、旋回方向後方に位置する他方の羽先
部31a’が容器10の底面上でその底面に沿うよう
に、所定角度で傾斜して組み合わされる。攪拌中に、攪
拌羽根31の旋回方向を切り換えることにより、攪拌羽
根31が回動し、その回動の途中に攪拌羽根31の下方
を攪拌材料が通過することにより、羽先部31a,31
a’の旋回方向後面に付着する攪拌材料が除去される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トナーや食品とい
った各種の攪拌材料を攪拌するために使用される攪拌装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】食品の製造では、食品材料を鍋内で加熱
しながら攪拌する工程を含むことが多い。この攪拌工程
では、鍋内で加熱される複数種類の材料を効率的に均一
混合させること、その材料を鍋底に焦げ付かせないこと
などが要求される。この要求を満たすために、攪拌装置
としては、攪拌部材の自転運動と公転運動を組み合わせ
て、材料の攪拌を行う公転自転型と呼ばれるものが多用
されている。この形式の攪拌装置の従来例を図8及び図
9により説明する。
【0003】図8及び図9に示す攪拌装置は、鍋状の加
熱容器1と、加熱容器1内に上方から傾斜して挿入され
る自転軸2と、自転軸2の下端部に取り付けられた攪拌
部材3とを備えている。自転軸2は、図示しない駆動部
により、その軸心回りに回転駆動され、且つ加熱容器1
の中心線回りに旋回駆動される。この自転軸2の運動に
より、自転軸2の下端部に取り付けられた攪拌部材3
は、加熱容器1の底面に接した状態で、加熱容器1の中
心線回りを公転しつつ自転する。
【0004】ここで攪拌部材3は、自転軸2の軸心から
外周側へ対称的に延出した2つの攪拌羽根5,5を備え
ている。攪拌羽根5,5は、支持部材6,6により自転
軸2の下方に固定され、自転軸2の自転に伴ってその軸
心回りを旋回する。また、この旋回方向に対して、攪拌
羽根5,5は、所定の角度で後方へ傾斜(後傾)してい
る。
【0005】攪拌部材3を加熱容器1の底面に弾性的に
接触させるために、自転軸2は軸心方向に2分割され、
内蔵されたスプリング4によって先端側の部分を先端側
へ付勢する構造になっている。
【0006】攪拌部材3が自転することにより、攪拌羽
根5,5は、あたかもスクレーパのごとく、加熱容器1
の底面に付着する材料を掻き落としながら自転軸2の軸
心回りを旋回し、更に公転運動と組み合わされることに
より、加熱容器1内の材料を効率よく攪拌して混合す
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の公転自転型攪拌装置には、以下に示す問題が
ある。
【0008】図10に示すように、各攪拌羽根5,5
は、攪拌材料7の中に埋もれた状態で旋回運動を行い、
しかも旋回方向に対して後傾した姿勢のため、攪拌中
に、攪拌羽根5の旋回方向後面に攪拌材料7の一部が付
着し易い。
【0009】攪拌羽根5の旋回方向後面に攪拌材料7の
一部が付着すると、この付着物8は、同じ位置に止まる
ため、混合不足を生じる。更に、加熱容器1の底面に接
触した状態を続けるため、焦げも生じる。
【0010】そして、攪拌終了後に攪拌材料7から攪拌
部材3を引き抜くときに、この付着物8が攪拌羽根5,
5から脱落し、攪拌材料7に混入するため、攪拌材料7
の品質を低下させることになる。
【0011】なお、攪拌羽根5,5を逆方向に旋回させ
た場合、即ち、攪拌羽根5,5が旋回方向に対して前傾
する場合は、攪拌羽根5,5の旋回方向後面側に材料が
滞留する不具合は殆どなくなるものの、加熱容器1の底
面に付着する材料を掻き落とす機能が得られなくなる。
加えて、攪拌羽根5,5の旋回方向前面側に多量の材料
が詰まる結果となる。
【0012】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、容器の底面に付着する材料を
掻き落とす傾斜姿勢に攪拌羽根を常時保持するにもかか
わらず、攪拌羽根の旋回方向後面側に材料を滞留させる
おそれのない攪拌装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の攪拌装置は、攪
拌材料を収容する容器と、該容器内に収容された攪拌材
料を攪拌する攪拌部材と、該攪拌部材を公転させつつ自
転させ、且つ自転方向を正逆両方向に切り換えることが
可能な駆動部とを備えた攪拌装置であって、該攪拌部材
には、その自転中心線から外周側に延出し、該攪拌部材
の自転に伴って自転中心線の周囲を旋回すると共に、旋
回円の半径線に沿った線を中心として回動自在に支持さ
れた旋回・回動式の攪拌羽根が設けられており、該攪拌
羽根は、回動中心部を挟んで旋回方向前後に設けられた
2つの羽先部を有し、該2つの羽先部は、旋回方向前方
に位置する羽先部が容器の底面に対して所定角度で後傾
するとき、旋回方向後方に位置する羽先部が容器の底面
の上方で底面に沿うように、所定角度で傾斜するように
構成されており、そのことにより上記目的が達成され
る。
【0014】好ましくは、前記駆動部は、前記攪拌部材
の自転速度及び公転速度が独立に制御可能である構成と
する。
【0015】以下、本発明の作用を、本発明の実施形態
を示す図1〜図5に基づいて説明する。図1及び図2に
おいて、攪拌部材30が公転しつつ自転すると、攪拌羽
根31,31は、公転中心線(容器10の中心線)の回
りを周回しながら、自転軸20の軸心回りに旋回する。
【0016】ここで、攪拌羽根31,31は、旋回円の
半径線に沿った線を中心として回動自在に支持されてお
り、且つ、回動中心部を挟んで旋回方向前後に設けられ
た2つの羽先部31a,31a’を有する。そして、羽
先部31a,31a’は旋回方向前方に位置する羽先部
31aが容器10の底面に対して所定角度で後傾すると
き、旋回方向後方に位置する羽先部31a’が容器10
の底面の上方で底面に沿うように、所定角度で傾斜する
ように構成されている。
【0017】このため、図3(a)に示すように、旋回
方向前方に位置する一方の羽先部31aは、容器10内
の攪拌材料70から受ける抵抗により、容器10の底面
に押し付けられる。これにより、この一方の羽先部31
aは、容器10の底面に付着する攪拌材料70を掻き落
とすようにしながら、旋回運動を行う。
【0018】旋回方向後方に位置する他方の羽先部31
a’は、容器10の底面の上方でその底面にほぼ平行な
姿勢になることにより、攪拌材料70から受ける抵抗を
低減する。
【0019】攪拌材料70の攪拌を続けると、旋回方向
前方に位置する一方の羽先部31aの旋回方向後面に、
攪拌材料70の一部が付着する。この付着物71は定位
置に留まって攪拌不足及び焦げ付きの原因になる。
【0020】この状態で、攪拌部材30の自転方向を切
り換えると、攪拌羽根31,31の旋回方向も反転す
る。その結果、図3(b)に示すように、これまで旋回
方向前方にあった一方の羽先部31aは旋回方向後方に
位置し、旋回方向後方にあった他方の羽先部31a’は
旋回方向前方に位置する。
【0021】このとき、他方の羽先部31a’は、容器
10の底面に平行である。このため、他方の羽先部31
a’の下に攪拌材料70の一部が侵入し、これに伴っ
て、攪拌羽根31は、図4(a)に示すように、他方の
羽先部31a’が下がる方向の回転力を、攪拌材料70
から受ける。
【0022】他方の羽先部31a’が下がると、その羽
先部31a’の前面に圧力がかかるので、図4(b)及
び図5(a)、(b)に示すように、攪拌羽根30は回
動を続け、最終的には他方の羽先部31a’が容器10
の底面に当接し、その底面に対して所定の角度で後傾し
た状態となる。
【0023】これにより、攪拌部材30が逆方向に自転
する場合も、攪拌羽根31の他方の羽先部31a’によ
り、容器10の底面に付着する攪拌材料70が掻き落と
される。また、攪拌羽根31が回動する過程では、羽先
部31a,31a’がともに容器10の底面から離れ、
その下を攪拌材料70の一部が通過する。このため、一
方の羽先部31aの後面側に留まっていた付着物71
が、その後面から剥がれ落ちる。
【0024】従って、攪拌中に攪拌部材30の自転方向
を適当なタイミングで切り換えることにより、羽先部3
1a,31a’の旋回方向後面側に攪拌材料70の一部
が留まる事態が回避される。また、いずれの自転方向に
あっても、容器10の底面に付着する攪拌材料70が効
果的に掻き落とされる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づき具体的に説明する。
【0026】図1〜図7は本発明攪拌装置の実施形態を
示す。本実施形態では、本発明攪拌装置を食品の製造に
適用している。
【0027】本実施形態の攪拌装置は、図1に示すよう
に、攪拌材料を収容する容器10と、容器10の中心線
に対して傾斜して容器10上に設けられた自転軸20
と、自転軸20の下端部に取り付けられて容器10内の
攪拌材料を攪拌する攪拌部材30と、攪拌部材30を公
転させつつ自転させるために自転軸20を駆動する駆動
部40と、攪拌工程中の攪拌材料の粘度を検出し、駆動
部40に制御用の信号を与える粘度センサ50とを備え
ている。
【0028】ここで攪拌部材30は、その自転中心線か
ら外周側の2方向に対称的に延出した攪拌羽根31,3
1を有している。攪拌羽根31,31は、攪拌部材30
の自転に伴って自転中心線の周囲を旋回する旋回式であ
り、且つ、その旋回円の半径線に沿った線を中心として
回動自在に支持された回動式である。そして、各攪拌羽
根31は、図2に示すように、その回動中心部を挟んで
旋回方向前後に設けられた2つの羽先部31a,31
a’を有している。
【0029】以下に、攪拌装置の各構成部材を詳細に説
明する。
【0030】容器10は外鍋11と、外鍋11内に収容
された内鍋12からなる。外鍋11はジャケット構造に
なっていて、その内部に供給される蒸気により内鍋12
を加熱し、内鍋12内の攪拌材料を加熱する。
【0031】自転軸20は、容器10の上方に設けられ
たフレーム60に、駆動部40の一部を利用することに
より、上端部が容器10の中心線と交差する状態で吊り
下げられている。
【0032】攪拌部材30に設けられた旋回・回動式の
攪拌羽根31,31は、自転軸20の下端部にねじ止め
された支持部材33によって、自転軸20の下方に支持
されている。支持部材33は、自転軸20の軸心線から
外周側の2方向に対称的に張り出したステーであり、そ
の下辺部33a,33aは、容器10の内面に沿うよう
に対称的に傾斜して、攪拌羽根31,31を回動自在に
支持するための支持軸33aを形成している。
【0033】各攪拌羽根31は、約120°の頂角をも
つ断面が山形のアングルからなる支持部31bを有して
いる。支持部31bは、その頂部を前記支持軸33aが
貫通することにより、旋回羽根31の旋回円の半径線に
沿った線を中心として回動自在に支持されている。
【0034】各攪拌部材31に設けられた2つの羽先部
31a,31a’は、支持部31bの頂部を挟む2つの
傾斜部の表面にそれぞれねじ止めされている。攪拌部材
31が一方向に旋回するとき、一方の羽先部31aは旋
回方向前方に位置し、他方の羽先部31aは旋回方向後
方に位置する。旋回方向前方に位置する一方の羽先部3
1aは、自転軸20の長さ調整等により、約30°の角
度で後傾して容器10の底面に接する。これにより、旋
回方向後方に位置する他方の羽先部31a’は、容器1
0の底面の上方でその底面にほぼ平行な姿勢になる。
【0035】駆動部40は、フレーム60に垂直に取り
付けられたスリーブ状の公転駆動軸41と、公転駆動軸
41の内側に挿通された自転駆動軸42と、公転駆動軸
41を駆動するための公転用モータ43と、自転駆動軸
42を駆動するための自転用モータ44とを備えてい
る。
【0036】公転駆動軸41は、容器10の中心線と同
心位置に、軸受45によって回転自在に支持されてい
る。公転用モータ43は回転方向が切り換え可能で、且
つ、回転速度が調整可能なモータであって、フレーム6
0の下面に取り付けられている。そして、このモータ4
3の回転が、フレーム60内に張設されたチェーン46
によって公転駆動軸41に伝達されることにより、公転
駆動軸41は正逆両方向に任意の速度で回転する。
【0037】自転駆動軸42は、上下の軸受45’,4
5’によって、公転駆動軸41内に回転自在に支持され
ている。公転用モータ44は回転方向が切り換え可能
で、且つ、回転速度が調整可能なモータであって、フレ
ーム60の上面に取り付けられている。そして、このモ
ータ44の回転が、フレーム60内に張設されたチェー
ン46’によって自転駆動軸42に伝達されることによ
り、自転駆動軸42は正逆両方向に任意の速度で回転す
る。
【0038】ここで自転軸20は、自転駆動軸42の下
端部にユニバーサルジョイント47を介して接続され、
且つ、公転駆動軸41の下端部に所定の角度で傾斜して
連結されたガイドスリーブ48により、所定の傾斜角度
に保持されている。
【0039】従って、自転用モータ43によって自転駆
動軸42が駆動されることより、自転軸20はその軸心
線回りを回転し、その下端部に連結された攪拌部材30
を自転させる。また、公転用モータ44によって公転駆
動軸41が駆動されることより、自転軸20は、公転駆
動軸41の軸心回り、即ち容器10の中心線回りを回転
し、その下端部に連結された攪拌部材30を公転させ
る。
【0040】よって、攪拌部材30は容器10内を公転
しつつ自転し、その自転により、攪拌羽根31,31は
自転中心線回りに旋回する。また、公転用モータ43及
び自転用モータ44の回転方向が切り換え可能で、且
つ、回転速度が調整可能であることにより、攪拌部材3
0の自転方向及び公転方向が任意に切り換えられ、且
つ、それぞれの回転方向において運動速度が任意に調整
される。
【0041】粘度センサ50は、その下端のセンサ部が
容器10内の攪拌材料に挿入されており、センサ部は、
駆動部40から垂下したアーム51の下端部に取り付け
られている。
【0042】次に、本実施形態の攪拌装置の動作につい
て説明する。
【0043】容器10内に所定量の攪拌材料を収容し、
これを加熱しながら、駆動部40の公転用モータ43及
び自転用モータ44を動作させる。これにより、攪拌部
材30は公転しつつ自転する。また、攪拌羽根31,3
1は、攪拌部材30の容器10の中心線回りに公転しな
がら、自転軸20の軸心回りに旋回する。これにより、
容器10内の攪拌材料が攪拌される。
【0044】このとき、旋回羽根31は、図3(a)に
示すように、攪拌材料70中にあり、攪拌材料70から
受ける抵抗により、旋回方向前方に位置する一方の羽先
部31aは、容器10の底面に押し付けられる。これに
より、この一方の羽先部31aは、容器10の底面に対
して約30°の角度で後傾した姿勢に保持され、その底
面に付着する攪拌材料70を掻き落とすようにしなが
ら、旋回運動を行う。
【0045】旋回方向後方に位置する他方の羽先部31
a’は、容器10の底面の上方でその底面にほぼ平行な
姿勢になることにより、攪拌材料70から受ける抵抗を
低減する。
【0046】攪拌材料70の攪拌を続けると、旋回方向
前方に位置する一方の羽先部31aの旋回方向後面に、
攪拌材料70の一部が付着する。この付着物71は定位
置に留まって攪拌不足及び焦げ付きの原因になる。
【0047】この状態で、自転用モータ44の回転方向
を切り換えると、攪拌部材30は逆方向に自転を始め、
攪拌羽根31,31の旋回方向も反転する。その結果、
図3(b)に示すように、これまで旋回方向前方にあっ
た一方の羽先部31aは旋回方向後方に位置し、旋回方
向後方にあった他方の羽先部31a’は旋回方向前方に
位置する。
【0048】このとき、他方の羽先部31a’は、容器
10の底面に平行である。このため、他方の羽先部31
a’の下に攪拌材料70の一部が侵入し、これに伴っ
て、攪拌羽根31は、図4(a)に示すように、他方の
羽先部31a’が下がる方向の回転力を、攪拌材料70
から受ける。
【0049】他方の羽先部31a’が下がると、その羽
先部31a’の前面に圧力がかかるので、図4(b)及
び図5(a)(b)に示すように、攪拌羽根30は回動
を続け、最終的には他方の羽先部31a’が容器10の
底面に当接し、その底面に対して約30°の角度で後傾
した状態となる。
【0050】これにより、攪拌部材30が逆方向に自転
する場合も、攪拌羽根31の他方の羽先部31a’によ
り、容器10の底面に付着する攪拌材料70が掻き落と
される。また、攪拌羽根31が回動する過程では、羽先
部31a,31a’がともに容器10の底面から離れ、
その下を攪拌材料70の一部が通過する。このため、一
方の羽先部31aの後面側に留まっていた付着物71
が、その後面から剥がれ落ちる。
【0051】従って、攪拌中に攪拌部材30の自転方向
を適当なタイミングで切り換えることにより、羽先部3
1a,31a’の旋回方向後面側に攪拌材料70の一部
が留まる事態が回避される。
【0052】また、いずれの自転方向にあっても、容器
10の底面に付着する攪拌材料70が効果的に掻き落と
される。
【0053】攪拌部材30の自転方向を切り換えるタイ
ミングは、ここでは粘度センサ50により測定された攪
拌材料70の粘度の変化に基づいて決定されるが、予め
設定された時間間隔で切り換えを行うことも可能であ
り、更には目視判断に基づいてその切り換えを行うこと
も可能である。
【0054】これに加えて、本実施形態の攪拌装置で
は、公転用モータ43の回転方向も切り換え可能である
ので、その切り換えにより、攪拌部材30の公転方向を
反転させ、これによる攪拌羽根31,31の運動軌跡の
変化によっても、羽先部31a,31a’の旋回方向後
面に付着する攪拌材料70を除去することができる。
【0055】また、本実施形態の攪拌装置では、公転用
モータ43及び自転用モータ44の回転速度が独立に調
整可能であるので、その速度調整により、攪拌部材30
の公転速度及び自転速度を独立に変化させ、これによる
攪拌羽根31,31の運動軌跡の変化によっても、羽先
部31a,31a’の旋回方向後面に付着する攪拌材料
70を除去することができる。
【0056】以下、攪拌部材30の公転速度及び自転速
度を独立に変化させたときの、攪拌羽根31,31の運
動軌跡の変化について説明する。
【0057】攪拌部材30が公転しつつ自転する運動
は、遊星運動である。遊星運動を行う従来一般の攪拌装
置は、遊星歯車の歯数にて決まる装置に固有な自転係数
を持つ。即ち、攪拌部材の公転速度を変えることにより
自転速度も変わるが、両者の比率は一定であり、この比
率が自転係数である。
【0058】これに対し、本実施形態の攪拌装置では、
公転用モータ43及び自転用モータ44の回転速度が独
立に調整可能であることにより、自転係数が任意に選択
可能である。ここにおける自転係数は次式で表される。
【0059】自転係数=K(1+公転速度/自転速度) ここでKは歯車の歯数にて決まる自転係数である。
【0060】このような自転係数可変型の攪拌装置で
は、攪拌部材30は自転しながら公転中心の周囲を周回
する。今、この運動における攪拌部材30の自転中心か
ら離れた特定点の軌跡を考えると、その特定点は、図6
及び図7に示すように、公転中心Oに対して接近・離反
を繰り返しながら、公転中心Oの回りを周回する。
【0061】そして自転係数が正のときは、図6に示す
ように、特定点は公転中心Oに近い位置から外側に向け
て増速運動し、公転中心Oから最も離れた位置で最大速
度となり、その後、公転中心Oに向かって減速運動し、
公転中心Oに最も近い位置で最小速度となり、再び増速
しながら外側に向かう。このときの外側に向かって増速
する運動はアルファベットのQを書くときの状況に似て
いるので、以後、自転係数が正のときの運動をQ運動と
称する。
【0062】一方、自転係数が負のときは、図7に示す
ように、自転係数が正のときとは逆に、特定点は公転中
心Oに近い位置から外側に向けて減速運動し、公転中心
Oから最も離れた位置で最小速度となり、その後、公転
中心Oに向かって増速運動し、公転中心Oに最も近い位
置で最大速度となり、再び減速しながら外側に向かう。
このときの外側に向かって増速する運動はギリシャ文字
のγを書くときの状況に似ているので、以後、自転係数
が負のときの運動をr運動と称する。
【0063】そして、Q運動は、外側で運動速度が大き
いので、容器内の攪拌材料の混合に適しており、一方r
運動は、内側に向かって増速するので、容器内の攪拌材
料に変形のための大きなエネルギーを与えるのに好都合
である。遊星運動における自転係数は有理数であり、一
般には少数が分数であって、次式により表される。
【0064】自転係数=a+1/b+1/c+1/d・
・・ 但し、a,b,c,dは整数で、b<c<d・・・であ
る。
【0065】ここで、自転係数の少数点以下を捨て去っ
た整数aは、攪拌材料70の攪拌では、容器10内の攪
拌材料70に対する攪拌部材30の作用角度を表す。即
ち、攪拌部材30の自転中心から最も離れた部分の軌跡
と、攪拌部材30の自転中心が描く公転円との公転で
の、両者のなす角度を攪拌部材30の作用角度とすれ
ば、この容器内の攪拌材料70に対する攪拌部材30の
作用角度は、自転係数の整数aが大きくなるほど大とな
る。そしてこの作用角度は、例えば容器内の攪拌材料7
0を混合する場合は小さいほど良いが、容器10内の攪
拌材料70に大きな力を加える場合は、大きいほうが好
都合となる。
【0066】図6は自転係数が2.5の場合のQ運動を
示し、図7は自転係数が−4の場合のr運動を示す。Q
運動とr運動の違いはあるが、自転係数の整数aが小さ
い図6の場合には、容器10内の攪拌材料70に対する
攪拌部材30の作用角度が小さいことにより、攪拌材料
70の効率的な混合が行われ、自転係数の整数aが大き
い図7の場合には、容器10内の攪拌材料70に対する
攪拌部材30の作用角度が大きいことにより、攪拌材料
70に強い力を加えることができる。
【0067】また、遊星運動では、特定点の軌跡は、自
転係数に従って特定の運動を行った後に必ずその運動の
開始位置に戻るものとなる。この開始位置に戻るまでの
公転数を軌跡周期の公転数と定義すると、軌跡周期の公
転数が大きい場合は、開始位置に戻るまでの間に特定点
が繰り返し最遠隔円Sと接するので、この場合の自転係
数は、軌跡と最遠隔円Sの交点位置数が多いことを意味
する。逆に、軌跡周期の公転数が小さい場合の自転係数
は、軌跡と最遠隔円Sの交点位置数が少ないことを意味
する。
【0068】攪拌材料70の攪拌を行う場合、軌跡周期
の公転数が大きいことは、容器10の内周面近くを攪拌
部材30がくまなく操作することを意味し、通常は大き
い場合を良しとするが、場合によっては、この軌跡周期
の公転数を犠牲にして、他の条件を優先させた方がよい
こともある。
【0069】攪拌材料70の攪拌で攪拌部材30が、軌
跡周期の公転数だけ遊星運動を行ったときの、運動軌跡
と最遠隔円Sの交点位置数を容器内壁最接近回数と定義
すると、これは次式で表される。
【0070】容器内壁最接近回数=abcd+cd+b
d+bc 但し、a,b,c,dのみの場合である。
【0071】このように、遊星運動を行う攪拌装置の自
転係数は、3つの機能を1つの有理数が表すものとなっ
ている。1つは、自転係数が正負にまたがって変化する
ことによるQ運動とr運動の区別であり、いま1つは、
小数点以下を捨て去った整数aに支配される容器内の攪
拌材料に対する攪拌部材の作用角度である。そして最後
の1つは、小数点以下を表すb,c,d・・・に支配さ
れる容器内壁最接近回数である。
【0072】本実施形態の攪拌装置では、公転用モータ
43及び自転用モータ44の回転速度が独立に調整可能
であることにより、自転係数が任意に選択可能であるの
で、この自転係数の選択による攪拌羽根31,31の運
動軌跡の大きな変化により、羽先部31a,31a’の
旋回方向後面に付着する攪拌材料70を除去することが
できる。
【0073】また、一連の攪拌工程における各工程で、
各工程での攪拌操作に適した攪拌部材30の動作速度及
び自転係数を選択することにより、全工程で効率的な攪
拌操作が行われ、その結果として工程所要時間が短縮さ
れ、攪拌後の材料品質の向上も期待できる。
【0074】なお、上記実施形態の攪拌装置は、自転軸
20が容器10の中心線、即ち公転中心線に対して傾斜
したいわゆる斜軸型であるが、1本の自転軸が公転中心
線の周囲に平行に設けられたいわゆる単軸型や、複数の
自転軸が公転中心線の周囲に平行に配置された複軸型で
あってもよい。
【0075】また、攪拌部材30は、攪拌羽根31,3
1をストッパーによって所定の傾斜角度に固定する構成
でもよい。その攪拌羽根31は、自転軸20の回りに少
なくとも1つ設けられていればよいが、攪拌効率の点か
らは、自転軸20の回りに2以上の攪拌羽根31を対称
的に設けるのが好ましい。
【0076】なお、本発明の攪拌装置の適用対象は、食
品材料の攪拌に限定されるものではなく、加熱しつつ攪
拌される攪拌材料全般に広く適用することができる。
【0077】また、上記の実施形態では、粘土センサの
検出信号により、駆動部が攪拌装置を駆動制御している
が、攪拌材料の粘土変化による自転軸のトルク変化をト
ルクセンサで検出し、その検出信号により攪拌装置を制
御する方式をとることも可能である。或いは、攪拌材料
が収納されている容器全体の重量変化をロードセルによ
り検出し、その検出信号により攪拌装置を制御する方式
をとることも可能である。
【0078】
【発明の効果】以上、本発明の攪拌装置によれば、攪拌
部材の自転方向を切り換えることにより、所定角度で傾
斜して組み合わされた2つの羽先部をもつ旋回・回動式
の攪拌羽根が回動し、その回動の過程で攪拌羽根の下方
を攪拌材料が通過する。このため、旋回方向前方に位置
する羽先部の後面に付着していた攪拌材料が、攪拌羽根
の下方を通過する攪拌材料により機械的に除去される。
従って、攪拌中に攪拌部材の自転方向を適当なタイミン
グで切り換えることにより、羽先部の旋回方向後面側に
攪拌材料の一部が停滞する事態が回避される。従って、
この停滞に起因する攪拌材料の攪拌不足及び焼け焦げが
防止される。また、いずれの自転方向にあっても、旋回
方向前方に位置する羽先部が容器の底面に対して所定角
度で後傾するので、容器の底面に付着する攪拌材料が効
果的に掻き落とされる。
【0079】また、特に請求項2記載の攪拌装置によれ
ば、攪拌部材の自転速度及び公転速度が独立に制御可能
であることにより、その動作速度と共に自転係数が任意
に変更されるので、攪拌材料の種類が変わってもそれぞ
れの攪拌材料が特に効率よく攪拌され、且つその攪拌の
全工程で高効率な操作が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明攪拌装置の縦断面図。
【図2】図1のA−A線矢示図。
【図3】本発明攪拌装置の攪拌部材の自転方向を切り換
えたときの攪拌羽根の動作を示す模式図。
【図4】本発明攪拌装置の攪拌部材の自転方向を切り換
えたときの攪拌羽根の動作を示す模式図。
【図5】本発明攪拌装置の攪拌部材の自転方向を切り換
えたときの攪拌羽根の動作を示す模式図。
【図6】遊星運動での自転係数が2.5の場合の運動軌
跡図。
【図7】遊星運動での自転係数が−4の場合の運動軌跡
図。
【図8】従来の攪拌装置の主要部を示す縦断面図。
【図9】図8のB−B線矢示図。
【図10】従来の攪拌装置の問題点を示す模式図。
【符号の説明】
10 容器 20 自転軸 30 攪拌部材 31 攪拌羽根 31a,31a’ 羽先部 40 駆動部 41 公転駆動軸 42 自転駆動軸 43 公転用モータ 44 自転用モータ 50 粘度センサ 60 フレーム 70 攪拌材料

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 攪拌材料を収容する容器と、該容器内に
    収容された攪拌材料を攪拌する攪拌部材と、該攪拌部材
    を公転させつつ自転させ、且つ自転方向を正逆両方向に
    切り換えることが可能な駆動部とを備えた攪拌装置であ
    って、 該攪拌部材には、その自転中心線から外周側に延出し、
    該攪拌部材の自転に伴って自転中心線の周囲を旋回する
    と共に、旋回円の半径線に沿った線を中心として回動自
    在に支持された旋回・回動式の攪拌羽根が設けられてお
    り、 該攪拌羽根は、回動中心部を挟んで旋回方向前後に設け
    られた2つの羽先部を有し、該2つの羽先部は、旋回方
    向前方に位置する羽先部が容器の底面に対して所定角度
    で後傾するとき、旋回方向後方に位置する羽先部が容器
    の底面の上方で底面に沿うように、所定角度で傾斜する
    ように構成されている攪拌装置。
  2. 【請求項2】 前記駆動部は、前記攪拌部材の自転速度
    及び公転速度が独立に制御可能である請求項1記載の攪
    拌装置。
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