JP2006305441A - 撹拌脱泡装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】遠心力に対する対策が十分になされ、力伝達機構も簡素となり安価な撹拌脱泡装置を得る。
【解決手段】
電動機2を駆動すると、公転軸3により回転アーム4が回転する。これにより容器ホルダ7は公転軸3を中心として公転すると共に、容器ホルダ7に嵌合したOリング10とリング部材13のテーパ面13aが接することにより、容器ホルダ7には自転軸5を中心とする回転力が与えられ、容器ホルダ7は公転と共に自転する遊星運動を行う。
容器ホルダ7は公転しながら自転するので、混練容器6の内部の材料には公転による遠心力と自転による遠心力とが作用し、材料の撹拌による混練が促進されると共に、材料に内在する気泡の放出が促進される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、液体状、粉体状、ゲル状等の材料等を撹拌しながら脱泡を行う撹拌脱泡装置に関するものである。
従来の撹拌脱泡装置としては、特許文献1に示されるように公転用と自転用の複数個の電動機を用いて、容器が公転すると共に自転をする遊星運動を行うものが知られている。
また、特許文献2、3では1個の電動機を用いて、歯車等による力を伝達して容器の公転と自転の遊星運動を行っている。
特開平10−43567号公報 特許第3088067号公報 特開昭61−290946号公報
しかし、特許文献1においては公転用の電動機以外に、容器ごとに自転用の電動機を必要とするため、装置が大掛かりとなり、自転用の電動機への給電も難しい。
また特許文献2、3では、1個の電動機を用いて公転及び自転を行っているが、公転軸から自転軸への回転力の伝達は、公転軸の中心から歯車などを用いて行うため、その伝達機構が複雑となり、耐久性に問題がある。
このように、従来の撹拌脱泡装置は構造が複雑であり、重量も大きくなり、更には高速回転するに従って容器に加わる遠心力も大きくなって、この遠心力に対抗するための自転軸廻りの機構が大掛かりとならざるを得ず、また振動が発生し易く装置が不安定になる虞れがある。
本発明の目的は、上述の課題を解決し、遠心力に対する対策が十分になされ、力伝達機構も簡素で安価な撹拌脱泡装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る撹拌脱泡装置の技術的特徴は、電動機により公転軸を中心として回転駆動する回転アームと、該回転アームに前記公転軸に対して傾斜した自転軸を介して回転自在に取り付け、内部に混練用容器を収納する円筒状の容器ホルダと、該容器ホルダの外側に配し該容器ホルダの側面と平行なテーパ面を有する固定の円環状のリング部材とを有し、前記容器ホルダの側面に前記リング部材のテーパ面が接触部材を介して接触し、前記公転軸の回転により前記容器ホルダは前記自転軸を中心に自転をすることにある。
に本発明による撹拌脱泡装置によれば、回転中の容器ホルダは自転力を付与するためのリング部材により囲まれているので、容器ホルダに大きな遠心力が加わっても、リング部材により十分に対抗することができ、装置が大掛かりとなることはない。
また、容器ホルダの接触部材の位置を選択して、自転速度を変更するようにすれば、撹拌、脱泡を効果的に行うことができる。
本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は実施例に係る撹拌脱泡装置の平面図、図2は一部を切欠した側面図を示している。基台1の中央部には電動機2が設置され、電動機2の駆動軸に連結された鉛直方向を向く公転軸3を介して、例えば2本の回転アーム4が水平方向に取り付けられている。回転アーム4の先端には、それぞれ自転軸5により混練容器6を収容する容器ホルダ7が回転自在に取り付けられている。自転軸5は回転アーム4に対しベアリング8を介して回転自在に取り付けられ、自転軸5は公転軸3に対し略45゜内側に傾斜している。
容器ホルダ7には蓋部9が設けられ、容器ホルダ7の側面には高さ方向にゴム製のOリング10を嵌めるための例えば3条の環状溝11a〜11cが形成されている。基台1の両側部には支柱12が立設され、これらの支柱12の上部には円環状のリング部材13が水平方向に構設されている。このリング部材13の内側は、容器ホルダ7の側面とほぼ並行に、略45゜の傾斜を有するテーパ面13aとされ、容器ホルダ7に嵌合したOリング10と接触するようにされている。
この撹拌脱泡装置を使用する際には、撹拌脱泡すべき原材料を入れた混練容器6を密封し、容器ホルダ7内にセットし蓋部9を閉止する。この場合に、混練容器6は容器ホルダ7内で移動しないような寸法とすることが好ましい。
ここで電動機2を駆動すると、公転軸3により回転アーム4が回転する。これにより容器ホルダ7は公転軸3を中心として公転すると共に、容器ホルダ7に嵌合したOリング10とリング部材13のテーパ面13aが接することにより、容器ホルダ7には自転軸5を中心とする回転力が与えられ、容器ホルダ7は公転と共に自転する遊星運動を行うことになる。
容器ホルダ7は公転しながら自転するので、混練容器6の内部の材料には公転による遠心力と自転による遠心力とが作用し、材料の撹拌による混練が促進されると共に、材料に内在する気泡の放出が促進される。
本実施例においては、電動機2の回転速度を変えることにより、公転、自転の回転速度を変更可能ではあるが、Oリング10を嵌合する環状溝11a〜11cを選択することによって、公転速度は一定でありながら自転の回転速度を変更することができる。
例えば、Oリング10を環状溝11aに嵌めると、Oリング10が接するリング部材13のテーパ面13a上の円周距離が短くなるため、容器ホルダ7の自転速度は上昇する。逆に、Oリング10を環状溝11cに嵌めると、Oリング10が接するテーパ面13a上の円周距離が長くなるため、容器ホルダ7の自転速度は低下する。この公転速度に対する自転速度の割合の変更を、材料の比重、粘度等によって適宜調整すると、撹拌、脱泡を効果的に行うことができる。
なお、この自転速度の変更は、容器ホルダ7ごとにOリング10の位置を変えることにより変更することもできる。容器ホルダ7の数は実施例のように2個と限ることはないが、容器ホルダ7は回転バランスを考慮して配置する必要はある。また、容器ホルダ7の自転軸5の傾斜も45゜に限られるものではない。
更に、容器ホルダ7とリング部材13を接触させる部材はOリング10に限ることはなく、例えば肉厚のゴムバンドとすれば、容器ホルダ7に環状溝11a〜11cを設けることなく、ゴムバンド位置を変更して自転速度を変更することができる。
また、容器ホルダ7とリング部材13を接触させる部材を、容器ホルダ7の所定位置に配置し、容器ホルダ7自体の自転軸方向の位置を可変するようにしても、自転速度の変更が可能となる。
撹拌脱泡装置の平面図である。 一部を切欠した側面図である。
符号の説明
1 基台
2 電動機
3 公転軸
4 回転アーム
5 自転軸
6 混練容器
7 容器ホルダ
8 ベアリング
10 Oリング
11a〜11c 環状溝
12 支柱
13 リング部材

Claims (5)

  1. 電動機により公転軸を中心として回転駆動する回転アームと、該回転アームに前記公転軸に対して傾斜した自転軸を介して回転自在に取り付け、内部に混練用容器を収納する円筒状の容器ホルダと、該容器ホルダの外側に配し該容器ホルダの側面と平行なテーパ面を有する固定の円環状のリング部材とを有し、前記容器ホルダの側面に前記リング部材のテーパ面が接触部材を介して接触し、前記公転軸の回転により前記容器ホルダは前記自転軸を中心に自転をすることを特徴とする撹拌脱泡装置。
  2. 前記接触部材は前記容器ホルダに周設したOリングとした請求項1に記載の撹拌脱泡装置。
  3. 前記容器ホルダの側面には、前記容器ホルダの高さ方向に複数条の環状溝を形成し、前記環状溝を選択して前記Oリングを嵌合し、前記容器ホルダの自転速度を変更することを特徴とする請求項2に記載の撹拌脱泡装置。
  4. 前記容器ホルダは前記自転軸方向にその位置を変更できるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の撹拌脱泡装置。
  5. 前記自転軸は前記公転軸に対して内方に略45゜傾斜させたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1つの請求項に記載の撹拌脱泡装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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