JPH1190073A - ミシンの布押え昇降装置 - Google Patents

ミシンの布押え昇降装置

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JPH1190073A
JPH1190073A JP9272200A JP27220097A JPH1190073A JP H1190073 A JPH1190073 A JP H1190073A JP 9272200 A JP9272200 A JP 9272200A JP 27220097 A JP27220097 A JP 27220097A JP H1190073 A JPH1190073 A JP H1190073A
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JP
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sewing machine
presser
block member
solenoid device
plunger
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JP9272200A
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Shingo Murata
真吾 村田
Yasuhiro Nagayama
靖弘 長山
Naohisa Iso
直久 礒
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SHINGAA NIKKO KK
Original Assignee
SHINGAA NIKKO KK
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    • DTEXTILES; PAPER
    • D05SEWING; EMBROIDERING; TUFTING
    • D05BSEWING
    • D05B29/00Pressers; Presser feet
    • D05B29/02Presser-control devices

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  • Textile Engineering (AREA)
  • Sewing Machines And Sewing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ソレノイド装置がプランジャの没入ストロー
クの最終位置で最大の吸引力を生ずるので、押圧部材の
押し終り位置付近での吸引力が大きくなり過ぎ、必要以
上にエネルギーを消費しているのみならず、ソレノイド
装置が大形化している。 【解決手段】 ソレノイド装置14のプランジャ14a
にくさび状のブロック部材16を連結させ、押圧部材
5,15の上部が従動部(19,15b,20)を介し
てブロック部材16のカム面16aに係合している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、閂止めミシンの布
押え昇降装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】図6は従来の閂止めミシン
の概略を示し、ミシンベッド6上面には布押え装置22
が配置され、布押え装置22をXY軸方向に駆動する布
押え駆動装置30がミシンベッド6内に配置され、ミシ
ンアーム31には、布押え7を昇降駆動する布押え昇降
装置33が配置されている。
【0003】この閂止めミシンにおいて、ソレノイド装
置14のソレノイドに通電してプランジャ14aを没入
作動させれば、復帰ばね51の弾性力に抗して連結リン
ク50が図上で右方に引かれ、く字形をなす上・下リン
ク46,47の上下方向長さが伸長させられる。これに
伴つて、押圧部材5のフランジ部5aによつて係合部材
40の突起部40a、ひいては布押えレバー38のピン
37よりも基端部側が下方に向けて押圧され、布押え圧
力ばね39の弾性力に抗して布押えレバー38がピン3
7の回りに時計回り方向に揺動し、布押え7が上昇す
る。布押え7の上昇により、布押え7と送り板23の針
板36との間の縫製物の挟持が解除される。48は、上
・下リンク46,47を揺動自在に連結するピンであ
り、70は、上リンク46の上端部をミシンアーム31
に揺動自在に支持するピンであり、71は、下リンク4
7の下端部を押圧部材5に揺動自在に支持するピンであ
る。
【0004】一方、ソレノイド装置14のソレノイドへ
の通電を解除すれば、復帰ばね51の弾性力によつて連
結リンク50及びプランジャ14aが図上で左方に引か
れると共に、上・下リンク46,47がく字状に折り曲
げられて上下方向長さが短くなる。これに伴つて、押圧
部材5が引き上げられて、フランジ部5aがミシンアー
ム31に取付けたガイドブッシュ43の下面に当接し、
フランジ部5aによる係合部材40の突起部40aの押
圧状態が解除される。これにより、布押え圧力ばね39
の弾性力を受ける布押えレバー38がピン37の回りに
反時計回り方向に揺動し、布押え7を下降させるので、
布押え7と針板36との間に縫製物を挟持させることが
できる。
【0005】布押え7と針板36との間に縫製物を挟持
させた状態で、布押え駆動装置30によつて布押え装置
22をミシンベッド6上面のXY軸方向に移動させるこ
とにより、縫針49によつて縫製物に所定の閂止め縫い
を施すことができる。
【0006】しかしながら、このような従来のミシンの
布押え昇降装置にあつては、ミシンアーム31に上下動
自在に支持された押圧部材5を、く字状をなす上・下リ
ンク46,47を介してソレノイド装置14によつて作
動させる構造となつていたため、次のような技術的課題
を有している。
【0007】図7は、く字状をなす上・下リンク46,
47、ソレノイド装置14のプランジャ14a及び押圧
部材5の相互の動きを示す説明図である。同図において
c点(ピン70)が固定されているく字状をなす上・下
リンク46,47のa点(ソレノイド装置14の吸引力
Nが作用するピン48)をソレノイド装置14によつて
吸引力Nで吸引したとき、b点(ピン71)に連結され
た押圧部材5には、布押え圧力ばね39による下方から
の弾性力Pに抗して押し下げ力Wが生じる。この布押え
圧力ばね39による弾性力Pに抗してb点を押し下げる
力Wを生じさせるための吸引力Nは、く字状をなす上・
下リンク46,47の開き角度θがゼロに近づくと急激
に小さくて済むようになる。これはリンクの機構上から
明らかである。なお、図7に示す直線Aはa点の移動軌
跡を示し、ソレノイド装置14によつて引かれたa点が
5 からA1 まで移動する。A0 は、b点とc点とを結
ぶ線と移動軌跡Aとの交点を示す。従つて、A5 は、押
圧部材5の押し始め位置に対応し、A1 は、押圧部材5
の押し終り位置に対応している。
【0008】図7から分かるように、押圧部材5の降下
に伴つて圧縮される布押え圧力ばね39等の弾性力Pの
増加を考慮した押し下げ力Wと、これを生じさせるため
に必要となるソレノイド装置14の吸引力Nとの関係
は、 押し始め位置 A5 のときに N5 =W5 ×tan
θ5 押し終り位置 A1 付近では N1 =W1 ×tan
θ1 となる。 ここで、 W5 :押圧部材5の押し始めに必要とする押
圧力 W1 :押圧部材5の押し終りに必要とする押圧力であ
る。 いま、 W5 :W1 =1:2 θ5 =25° θ1 =5° と仮定すれば、 N5 =0.466 N1 =0.157となる。 但し、押し下げ力Wには、押圧部材5の降下に伴つて圧
縮される布押え圧力ばね39等の弾性力Pの増加を考慮
したため、W5 :W1 =1:2と仮定した。
【0009】これにより、押圧部材5の押し始め位置A
5 において最大の吸引力N5 (0.466)が必要とな
り、押圧部材5の押し終り位置A1 においては押し始め
位置A5 の吸引力N5 の数分の1の吸引力N1 (0.1
57)で足りることが分かる。図8に線T1として、押
圧部材5を押し始め位置A5 から押し終り位置A1 まで
押し下げるのに必要となるソレノイド装置14の吸引力
Nを示す。
【0010】これに対し、ソレノイド装置14の実際の
吸引力Nは、図8に示す曲線S1の特性を有し、プラン
ジャ14aがソレノイド装置14内に引き込まれるに従
つて吸引力Nが増加する。すなわち、プランジャ14a
の没入ストロークの最終位置(A1 )で最大の吸引力N
1を生じている。これは、上記計算結果から必要となる
ソレノイド装置14の吸引力N5 ,N1 と相反してお
り、押し始め位置A5 付近での吸引力N5 を充足させる
ために、押し終り位置A1 付近では必要以上の吸引力N
1を生じている。その結果、エネルギーを浪費している
ことになる。
【0011】本発明は、ソレノイド装置14の吸引力N
が従来よりも小さくて済み、エネルギーの消費を節減可
能なミシンの布押え昇降装置の提供を目的とし、これに
よつてソレノイド装置14の小形化を可能とし、関連す
る経済的な効果を得ることが可能になる。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような従
来の技術的課題に鑑みてなされたものであり、その構成
は次の通りである。請求項1の発明の構成は、ミシンア
ーム31内に水平配置したソレノイド装置14を非励磁
状態とすることにより、ソレノイド装置14のプランジ
ャ14aが突出作動し、該プランジャ14aの突出作動
によつてミシンアーム31に上下動自在に設けた押圧部
材5,15が上昇移動し、該押圧部材5,15の上昇移
動に連動して布押え7が下降して針板36上面に縫製物
を押圧し、該ソレノイド装置14を励磁することによ
り、ソレノイド装置14のプランジャ14aが没入作動
し、該プランジャ14aの没入作動によつて該押圧部材
5,15が下降移動し、該押圧部材5,15の下降移動
に連動して布押え7が上昇して縫製物を針板36上面か
ら解放するミシンの布押え昇降装置において、該ソレノ
イド装置14のプランジャ14aにくさび状のブロック
部材16を連結させ、押圧部材5,15の上部が従動部
(19,15b,20)を介して前記ブロック部材16
のカム面16aに係合していることを特徴とするミシン
の布押え昇降装置である。請求項2の構成は、前記従動
部(19,15b,20)がローラ20を回転自在に備
え、該ローラ20がブロック部材16のカム面16aに
転動自在に係合していることを特徴とする請求項1のミ
シンの布押え昇降装置である。請求項3の構成は、前記
従動部(19,20)が、ピン27によつて押圧部材
5,15に支持した従動リンク19と、従動リンク19
に回転自在に設けたローラ20とを備え、該ローラ20
がブロック部材16のカム面16aに転動自在に係合し
ていると共に、従動リンク19が、ミシンアーム31側
に昇降自在に支持されていることを特徴とする請求項1
のミシンの布押え昇降装置である。請求項4の構成は、
前記従動部(15b,20)が、押圧部材15の上端部
15bに回転自在に支持したローラ20を備え、該ロー
ラ20がブロック部材16のカム面16aに転動自在に
係合していることを特徴とする請求項1のミシンの布押
え昇降装置である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の第1実施の形態について
図1〜図4を参照して説明する。図1は閂止めミシンの
概略を示し、ミシンベッド6上面には布押え装置22が
配置され、布押え装置22をXY軸方向に駆動する布押
え駆動装置30がミシンベッド6内に配置され、ミシン
アーム31には、布押え7を昇降駆動する布押え昇降装
置33が配置されている。
【0014】布押え装置22は、アーチ形の布押えフレ
ーム10と、布押えフレーム10の先端部に昇降自在に
支持した布押え7と、布押えフレーム10の基端部に固
着され、ミシンベッド6上面に沿つて延びる送り板キャ
リヤ部材35と、送り板キャリヤ部材35の先端部に固
着され、布押え7との間で縫製物を挟持する針板36と
を有し、針板36には縫針49が通過するための針落ち
溝(図示せず)が貫通させて形成されている。この送り
板キャリヤ部材35及び針板36とで、送り板23を構
成している。
【0015】また、布押えフレーム10には、中間部が
ピン37によつて揺動自在に支持された布押えレバー3
8が設けられ、布押えレバー38の先端部が布押え7に
取り付けられ、布押えレバー38の基端部と布押えフレ
ーム10の基端部との間に布押え圧力ばね39が圧縮状
態で介装され、布押え7が針板36上に密着するように
付勢されている。40は、布押えレバー38の基端部側
に取付けた係合部材であり、係合部材40の突起部40
aが布押え昇降装置33の後記する押圧部材5の下面と
対向している。
【0016】布押え昇降装置33は、ミシンアーム31
内に水平状態で固設したソレノイド装置14と、ミシン
アーム31に固設したガイドブッシュ43によつて上下
動自在に案内される押圧部材5と、ソレノイド装置14
の作動によつて押圧部材5を昇降駆動する昇降機構45
とを有する。ソレノイド装置14は、ソレノイドを励磁
することによつてプランジャ14aが没入作動するタイ
プになつている。昇降機構45は、左右方向の移動のみ
が可能としてミシンアーム31に装備されてくさび状の
直動カムを構成するブロック部材16と、上端部がブロ
ック部材16の下面に形成したカム面16aに接触し、
下端部が押圧部材5に連結される従動リンク19とを備
える。
【0017】ブロック部材16は、図上で右端部がヒン
ジピン17によつてソレノイド装置14のプランジャ1
4aに揺動自在に結合され、ミシンアーム31との間に
張設した復帰ばね18の弾性力によつて常時、左方に引
かれ、プランジャ14aを突出方向に付勢している。ま
た、ブロック部材16は、その平坦な上面16bが、図
2に示すようにミシンアーム31に固設したブラケット
61にピン60によつて回転自在に支持したガイドロー
ラ25に当接支持されている。従動リンク19は、下端
部がピン27によつて押圧部材5の上端部に取付けら
れ、上端部に支軸21によつてローラ20が回転自在に
支持されている。更に、従動リンク19は、ミシンアー
ム31との間に張設した引張ばね28の弾性力によつて
常時、上方に付勢されている。これにより、ローラ20
がブロック部材16のカム面16aに転動自在に係合し
ている。ブロック部材16は、引張ばね28によつて上
方に引かれる従動リンク19のローラ20がブロック部
材16のカム面16aに押圧され、ブロック部材16の
上面16bがガイドローラ25に当接支持されることに
より、上述したように左右方向の移動のみが可能として
ミシンアーム31に装備されている。
【0018】また、支軸21のローラ20から突出する
一端部が、図2に示すようにブラケット61の上下方向
に延びる溝部61aに係合案内されることにより、従動
リンク19及びローラ20が昇降移動するようになつて
いる。従つて、押圧部材5及び従動リンク19の昇降移
動に際し、押圧部材5がガイドブッシュ43によつて案
内され、従動リンク19が溝部61aによつて案内され
る。
【0019】更に、図2に示すように従動リンク19の
上端部のY字状をなす二股部19aがブロック部材16
の前後両面を挟むことにより、カム面16aとローラ2
0との係合状態が維持されている。ブロック部材16の
カム面16aは、本例では、図1上で左方に向けて次第
に下り傾斜する傾斜平面によつて形成され、ソレノイド
装置14が励磁されてプランジャ14aが没入作動し、
ブロック部材16が矢印F方向に作動することにより、
ローラ20、従動リンク19及び押圧部材5が次第に下
降する。このローラ20及び従動リンク19が、押圧部
材5の上部に設けられ、ブロック部材16に係合する従
動部を構成している。
【0020】しかして、ソレノイド装置14のソレノイ
ドへの通電を解除して非励磁状態とした常態にて、復帰
ばね18の弾性力により、ブロック部材16を介してプ
ランジャ14aが突出させられる。このとき、ブロック
部材16のカム面16aの最小突出位置(上端部)にロ
ーラ20が係合しているので、従動リンク19が引張ば
ね28によつて上方に引かれ、押圧部材5が引き上げら
れてフランジ部5aがガイドブッシュ43の下面にほぼ
当接し、フランジ部5aによる係合部材40の突起部4
0aの押圧状態が解除される。これに伴つて、布押え圧
力ばね39の弾性力を受ける布押えレバー38がピン3
7の回りに反時計回り方向に揺動し、布押え7を下降さ
せるので、布押え7と針板36との間に縫製物を挟持さ
せることができる。この状態で、フランジ部5aの下面
と係合部材40の突起部40aとの間には図1に示すよ
うに所定の間隙が形成されている。
【0021】布押え7と針板36との間に縫製物を挟持
させた状態で、布押え駆動装置30によつて布押え装置
22をミシンベッド6上面のXY軸方向に移動させなが
ら、縫針49によつて縫製物に所定の閂止め縫いを施す
ことができる。
【0022】一方、ソレノイド装置14のソレノイドを
励磁状態としてプランジャ14aを没入作動させれば、
復帰ばね18の弾性力に抗してブロック部材16が図上
で右方(矢印F方向)に引かれ、カム面16a形状に沿
つてローラ20、従動リンク19及び押圧部材5が押し
下げられる。押圧部材5の下降により、フランジ部5a
によつて係合部材40の突起部40a、ひいては布押え
レバー38のピン37よりも基端部側が布押え圧力ばね
39の弾性力に抗して下方に向けて押圧され、布押えレ
バー38をピン37の回りに時計回り方向に揺動させ、
布押え7を上昇させる。これにより、布押え7と針板3
6との間の縫製物の挟持が解除される。ブロック部材1
6及びプランジャ14aが十分に没入作動した状態で、
ローラ20は、ブロック部材16のカム面16aの最大
突出位置(下端部)に係合する。ソレノイド装置14の
吸引力は、ソレノイドが励磁されてプランジャ14aが
大きく没入作動したときの最大吸引力付近で、従動リン
ク19のローラ20に下方から作用する押え圧力ばね3
9の弾性力、復帰ばね18の弾性力等に起因してブロッ
ク部材16が図上で左方向に押される力よりも若干大き
くなるように設定されている。
【0023】次に、作用について説明する。このような
ミシンの布押え昇降装置において、図示しない制御装置
によりソレノイド装置14を励磁すれば、プランジャ1
4aが復帰ばね18の弾性力に抗して没入駆動され、プ
ランジャ14aに連結されたブロック部材16が、上面
16bが回転するガイドローラ25に支持されながらプ
ランジャ14aと同方向(図示の矢印F方向)に移動す
る。これにより、従動リンク19のローラ20が、カム
面16aを転動しながらカム面16aに沿つて下降す
る。
【0024】ローラ20がカム面16aに沿つて下降す
ることにより、従動リンク19が引張ばね28の弾性力
に抗して押し下げられる。この従動リンク19の下降動
は、ブラケット61に設けられた垂直な溝部61aに支
軸21が係合し、かつ、下端部がピン27によつて押圧
部材5の上端部に取付けられ、押圧部材5がミシンアー
ム31に固設したガイドブッシュ43によつて案内され
るので、垂直になされる。
【0025】これにより、従動リンク19に連結してい
る押圧部材5のフランジ部5aの平坦な下面が布押えレ
バー38と一体の突起部40aに接触し、引き続き、布
押え装置10の布押え圧力ばね39の弾性力に抗して布
押えレバー38を押圧することになり、上述したように
ミシンベッド6に圧接している布押え7を上方に引き上
げて縫製物を解放する。従つて、縫針49が上下してな
される縫製の終了に際し、図外の制御装置によつてソレ
ノイド装置14を励磁することにより、布押え7が上昇
して縫製物が針板36上面から開放される。
【0026】一方、ソレノイド装置14のソレノイドを
非励磁状態とすれは、上述したように復帰ばね18の弾
性力によつてブロック部材16を介してプランジャ14
aが突出させられると共に、従動リンク19が引張ばね
28によつて上方に引かれ、押圧部材5が引き上げられ
てフランジ部5aがガイドブッシュ43の下面にほぼ当
接し、フランジ部5aによる係合部材40の突起部40
aの押圧状態が解除される。その際、ブロック部材16
は、上面16bが回転するガイドローラ25に支持され
ながらプランジャ14aと同方向(図示の反矢印F方
向)に移動する。従動リンク19のローラ20は、カム
面16aを転動しながらカム面16aに沿つて上昇す
る。
【0027】これに伴つて、布押え圧力ばね39の弾性
力を受ける布押えレバー38がピン37の回りに反時計
回り方向に揺動し、布押え7を下降させるので、布押え
7と針板36との間に縫製物を挟持させることができ
る。従つて、縫針49が上下する縫製の開始に際し、図
外の制御装置によつてソレノイド装置14を励磁して布
押え7を上昇させて縫製物を針板36上面に配置した
後、非励磁状態とすることにより布押え7が下降して針
板36上面に縫製物が押圧される。
【0028】図3及び図4を参照して、直線Aで示すブ
ロック部材16の移動軌跡の各位置A5 〜A1 に対し、
押圧部材5を押し下げるのに必要となるソレノイド装置
14の吸引力Nについて説明する。図3は、ブロック部
材16の移動軌跡Aとソレノイド装置14の吸引力Nと
の関係を示している。図4は、直線Aで示すブロック部
材16の移動軌跡の各位置A5 〜A1 に対し、ローラ2
0、従動リンク19及び押圧部材5が押し下げられる作
用を示している。
【0029】図4において、ブロック部材16のカム面
16aの傾斜角度をθとすれば、 押し始め位置 A5 のときに N5 =W5 ×tan
θ 押し終り位置 A1 付近では N1 =W1 ×tan
θとなる。 ここで、 W5 :押し始めに必要とする押圧力 W1 :押し終りに必要とする押圧力である。 いま、 W5 :W1 =1:2 θ=15°(一定) と仮定すれば、 N5 =0.268 N1 =0.536となる。
【0030】これにより、押圧部材5の押し始め位置A
5 において最小の吸引力N5 が必要になり、押圧部材5
の押し終り位置A1 においては押し始め位置A5 の吸引
力N5 の約2倍が必要になることが分かる。すなわち、
ブロック部材16を使用すれば、押圧部材5の降下に伴
つて圧縮される布押え圧力ばね39の弾性力P等の増加
を考慮して、押し終り位置A1 で必要となるソレノイド
装置14の吸引力N1を、押し始め位置A5 で必要とな
る吸引力N5 に比べて増加させることができる。図3に
線T2として、押圧部材5を押し始め位置A5 から押し
終り位置A1 まで押し下げるのに必要となるソレノイド
装置14の吸引力Nを示す。従つて、くさび状のブロッ
ク部材16のカム面16aの傾斜に適切な角度を選択し
て与えることにより、押圧部材5によつて布押えレバー
38を押すために必要となる押圧力Wの変化を、ソレノ
イド装置14の吸引力Nの特性カーブにほぼ合致させる
ことが可能になることが分かる。ちなみに、ソレノイド
装置14の吸引力Nは、プランジャ14aがソレノイド
装置14内に引き込まれるほど吸引力Nが増加する特性
を有している。
【0031】すなわち、ミシンの布押え昇降装置にブロ
ック部材16を使用すれば、従来のく字形の上・下リン
ク46,47に使用されているS1特性のソレノイド装
置14に代えて、吸引力の弱いS2特性のソレノイド装
置14を使用することが可能になる。これにより、ソレ
ノイド装置14の消費エネルギーを図3に示す斜線部E
の範囲で節減することができる。
【0032】なお、上記1実施の形態にあつてはブロッ
ク部材16のカム面16aを傾斜面によつて形成した
が、ブロック部材16のカム面16aの押し始め位置A
5 に対応するほぼ最小突出位置から押し終り位置A1
対応するほぼ最大突出位置に至る形状は、ソレノイド装
置14の吸引力NのS2特性に合わせた任意形状にする
ことが可能である。例えば、カム面16aを、任意な角
度で接続する傾斜面の組合せ、曲線等で形成することが
可能である。
【0033】図5には、押圧部材15の他の構造例を示
す。この押圧部材15は、上記フランジ部5aを有する
押圧部材5及び従動リンク19を一体化させた構造を有
し、ミシンアーム31に固設したガイドブッシュ43に
よつて上下動自在に案内される。そして、押圧部材15
の上端部15bに支軸21によつて回転自在に支持した
ローラ20が、ブロック部材16のカム面16aに転動
自在に接触している。このローラ20及び押圧部材15
の上端部15bが、押圧部材15の上部に設けられ、ブ
ロック部材16に係合する従動部を構成している。
【0034】しかして、この構造例によれば、押圧部材
15の上下動がガイドブッシュ43によつて案内される
ので、上記1実施の形態のようにブラケット61の溝部
61aに支軸21を係合案内させる必要がなく、溝部6
1aを省略することができる。なお、布押えレバー38
の突起部40aは、押圧部材15のフランジ部15aに
よつて押圧される。
【0035】ところで、上記1実施の形態の昇降機構4
5は、左右方向の移動のみが可能としてミシンアーム3
1に装備され、くさび状の直動カムを形成するブロック
部材16、上端部がブロック部材16のカム面16aに
ローラ20を介して係合する押圧部材5,15、引張ば
ね28等を備えた。しかしながら、ブロック部材16を
確動カムに置き換え、ローラ20がブロック部材16の
カム形状に沿つて確実に移動するように構成すれば、引
張ばね28を省略することができる。
【0036】
【発明の効果】以上の説明によつて理解されるように、
本発明に係るミシンの布押え昇降装置によれば、次の効
果を奏することができる。ブロック部材のカム面に適切
な形状を与えることにより、押圧部材によつて布押えを
作動させるために必要となる押圧力の変化をソレノイド
装置の吸引力の特性カーブにほぼ合致させることが可能
になる。これにより、従来例のソレノイド装置よりも吸
引力が小さく、かつ、小形のソレノイド装置を使用する
ことが可能になる。その結果、消費エネルギーを削減す
ることができると共に、ソレノイド装置の収納スペース
が小さくなり、ミシンの全高を小さくすることも可能に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施の形態に係るミシンの布押え
昇降装置を備える閂止めミシンを示す概略図。
【図2】 図1のII−II線断面図。
【図3】 同じくブロック部材の移動軌跡−ソレノイド
装置の吸引力特性を示す線図。
【図4】 同じく布押え昇降装置の作用説明図。
【図5】 押圧部材の他の構造例を示す概略図。
【図6】 従来のミシンの布押え昇降装置を備える閂止
めミシンを示す概略図。
【図7】 同じく従来の布押え昇降装置の作用説明図。
【図8】 同じくソレノイド装置の吸引力が作用するa
点の移動軌跡−ソレノイド装置の吸引力特性を示す線
図。
【符号の説明】
5:押圧部材、7:布押え、14:ソレノイド装置、1
4a:プランジャ、15:押圧部材、15b:上端部
(従動部)、16:ブロック部材、16a:カム面、1
8:復帰ばね、19:従動リンク(従動部)、20:ロ
ーラ(従動部)、27:ピン、28:引張ばね、31:
ミシンアーム、36:針板。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミシンアーム(31)内に水平配置した
    ソレノイド装置(14)を非励磁状態とすることによ
    り、ソレノイド装置(14)のプランジャ(14a)が
    突出作動し、該プランジャ(14a)の突出作動によつ
    てミシンアーム(31)に上下動自在に設けた押圧部材
    (5,15)が上昇移動し、該押圧部材(5,15)の
    上昇移動に連動して布押え(7)が下降して針板(3
    6)上面に縫製物を押圧し、該ソレノイド装置(14)
    を励磁することにより、ソレノイド装置(14)のプラ
    ンジャ(14a)が没入作動し、該プランジャ(14
    a)の没入作動によつて該押圧部材(5,15)が下降
    移動し、該押圧部材(5,15)の下降移動に連動して
    布押え(7)が上昇して縫製物を針板(36)上面から
    解放するミシンの布押え昇降装置において、該ソレノイ
    ド装置(14)のプランジャ(14a)にくさび状のブ
    ロック部材(16)を連結させ、押圧部材(5,15)
    の上部が従動部(19,15b,20)を介して前記ブ
    ロック部材(16)のカム面(16a)に係合している
    ことを特徴とするミシンの布押え昇降装置。
  2. 【請求項2】 前記従動部(19,15b,20)がロ
    ーラ(20)を回転自在に備え、該ローラ(20)がブ
    ロック部材(16)のカム面(16a)に転動自在に係
    合していることを特徴とする請求項1のミシンの布押え
    昇降装置。
  3. 【請求項3】 前記従動部(19,20)が、ピン(2
    7)によつて押圧部材(5,15)に支持した従動リン
    ク(19)と、従動リンク(19)に回転自在に設けた
    ローラ(20)とを備え、該ローラ(20)がブロック
    部材(16)のカム面(16a)に転動自在に係合して
    いると共に、従動リンク(19)が、ミシンアーム(3
    1)側に昇降自在に支持されていることを特徴とする請
    求項1のミシンの布押え昇降装置。
  4. 【請求項4】 前記従動部(15b,20)が、押圧部
    材(15)の上端部(15b)に回転自在に支持したロ
    ーラ(20)を備え、該ローラ(20)がブロック部材
    (16)のカム面(16a)に転動自在に係合している
    ことを特徴とする請求項1のミシンの布押え昇降装置。
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