JPH1189970A - ゴルフボール - Google Patents
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Abstract
を有するゴルフボールにおいて、高い反発性を維持しつ
つ大きい打出し角を得ることができ、しかもフルショッ
ト時に芯を感じる打感が得られるようにする。 【解決手段】 外層カバー6の内面に突部12、内層カ
バー4の外面に突部12に相応する凹部14が形成さ
れ、突部12が凹部14に入り込んだ状態で内層カバー
4と外層カバー6とが接合されているゴルフボール2と
する。また、突部の法線方向の長さを内層カバーの凹部
非形成箇所の厚みの60%以上とし、内層カバー及び全
突部の合計体積に対する全突部の合計体積の比率を10
〜70%とし、突部と内層カバーとの硬度差をショアD
硬度で5〜40以上とする。
Description
カバーより低硬度の内層カバーとを有するゴルフボール
に関し、さらに詳述すると、高い反発性を維持しつつ高
弾道を得ることができ、しかも打感が良好なゴルフボー
ルに関する。
ールが柔らかいほど大きくなる。したがって、打出し角
の大きい高弾道特性のゴルフボールを得る場合、従来、
ボールを構成する層の1つ以上を柔軟な材料で形成する
手法、例えばコアを比較的柔軟なゴムで作製する手法
や、内層カバー又は外層カバー(中間層又はカバーとい
ってもよい)を比較的柔軟な樹脂で形成する手法等が採
られている。
ゴムで作製する手法では、コアをあまり柔らかくしすぎ
るとボールが柔らかくなりすぎ、高弾道は得られても、
ボールの反発性が低下して飛距離が小さくなるととも
に、フルショット(強打)を行ったときに芯がないボー
ルであるという印象をプレーヤーに与えてしまう。ま
た、パターでの打撃時に打音が低くなり、多くのプレー
ヤーに好ましくない印象を与える。
形成する手法では、柔軟な樹脂層を形成する樹脂が柔ら
かすぎたり、柔軟な樹脂層が厚すぎたりすると、ボール
が柔らかくなりすぎ、高弾道は得られても、ボールの反
発性が低下して飛距離が小さくなるとともに、フルショ
ット(強打)を行ったときに芯がないボールであるとい
う印象をプレーヤーに与えてしまう。
で、高い反発性を維持しつつ大きい打出し角を得ること
ができ、しかもフルショット時に芯を感じる打感が得ら
れるゴルフボールを提供することを目的とする。
成するため、外層カバーと外層カバーより低硬度の内層
カバーとを有し、外層カバーの内面に突部が形成されて
いるとともに、内層カバーの外面に前記突部に相応する
凹部が形成され、前記突部が前記凹部に入り込んだ状態
で内層カバーと外層カバーとが接合されているゴルフボ
ールであって、突部の法線方向の長さが内層カバーの凹
部非形成箇所の厚みの60%以上であり、内層カバー及
び全突部の合計体積に対する全突部の合計体積の比率が
10〜70%であり、外層カバーの突部と内層カバーと
の硬度差がショアD硬度で5〜40であることを特徴と
するゴルフボールを提供する。
カバーに形成した突部が低硬度の内層カバー内に入り込
んでおり、いわば低硬度の内層カバーに高硬度部分(突
部)が多数埋設された状態となっている(以下、内層カ
バーと内層カバーに埋設された突部とからなる層を中間
層ということもある)。この中間層は、上記構成によ
り、柔軟な層としての機能と、高硬度層としての機能と
を併有している。
例えばドライバーやロングアイアンによってボールに極
めて強い外力が加わるフルショット(強打)を行った場
合、中間層の柔軟な層としての機能によって大きい打出
し角が得られるとともに、突部が反力によりボールに加
わった外力を強く受け止め、中間層の高硬度層としての
機能が強く働くため、十分な反発性と、芯を感じる打感
が得られる。
ばミドルアイアンによってボールに加わる外力がフルシ
ョットに較べてやや弱い通常のショットを行った場合、
突部に生じる反力がフルショットの場合に較べて小さく
なり、ソフトな打感が得られるが、中間層の高硬度層と
しての機能はかなりの程度働くため、十分な反発性が得
られる。
えばショートアイアンでボールに加わる外力が弱いコン
トロールショットを行った場合、突部に生じる反力が小
さく、中間層の高硬度層としての機能は強く働かないた
め、ソフトな打感と、高スピン特性が得られるものであ
る。
る。本発明のゴルフボールにおいて、コアの材質に限定
はなく、例えばポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴ
ム、天然ゴム、シリコーンゴム等を主成分とする加硫ゴ
ムを用いることができるが、ポリブタジエンゴムを主成
分とする加硫ゴムを用いることが特に好ましい。なお、
コアは一種の材料からなる単層構造としてもよく、異種
の材料からなる層を積層した2層以上の多層構造として
もよい。
はなく、例えばアイオノマー樹脂、ウレタン系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂とポリエステル
系樹脂との混合物等から選ばれるものを用いることがで
きる。なお、内層カバー及び外層カバーはそれぞれ一種
の材料からなる単層構造としてもよく、異種の材料から
なる層を積層した2層以上の多層構造としてもよい。
内面に突部、内層カバーの外面に突部に相応する凹部が
形成され、突部が凹部に入り込んだ状態で内層カバーと
外層カバーとが接合されている。この場合、突部の形状
は任意の形状とすることができるが、略円柱状、略多角
柱状、略円筒状、略円錐状又は略多角錐状に形成するこ
とが適当である。突部の外径は通常1.2〜3.5mm
程度とするが、これに限定されるものではない。
向の長さを内層カバーの凹部非形成箇所の厚みの60%
以上とする。この比率が60%未満であると、中間層の
高硬度層としての機能が不十分となり、フルショット時
や通常のショット時に十分な反発性が得られなかった
り、フルショット時に芯を感じる打感が得られなくなっ
たりする場合が生じる。該比率のより好ましい値は、8
0%以上、特に100%である。
バー及び全突部の合計体積に対する全突部の合計体積の
比率、すなわち下記式で求められる比率Aを10〜70
%とする。 A(%)=[C/(B+C)]×100 B:内層カバーの体積 C:全突部の合計体積 上記比率Aが20%未満であると、中間層の高硬度層と
しての機能が不十分となり、フルショット時や通常のシ
ョット時に十分な反発性が得られなかったり、フルショ
ット時に芯を感じる打感が得られなくなったりする場合
が生じる。また、上記比率Aが70%を超えると、中間
層の柔軟な層としての機能が不十分となり、フルショッ
ト時に大きい打出し角を得られなくなることがある。比
率Aのより好ましい範囲は、20〜50%、特に25〜
40%である。
カバーの突部と内層カバーとの硬度差をショアD硬度で
5〜40とする。この硬度差が上記の範囲外であると、
内層カバーが硬すぎたり、外層カバーが柔らかすぎた
り、あるいは内層カバーが柔らかすぎたり、外層カバー
が硬すぎたりすることになり、いずれの場合も中間層が
柔軟な層としての機能と高硬度層としての機能とを併有
しなくなり、本発明の目的を達成できない。上記硬度差
のより好ましい範囲は、ショアD硬度で10〜30、特
に15〜25である。なお、外層カバーの突部の硬度と
突部以外の部分の硬度は通常は等しい。
上、好ましくは55以上70以下の材質により形成し、
内層カバーはショアD硬度が55未満、好ましくは55
未満20以上の材質で形成することが高弾道特性、良好
な打感を得る点で適当である。さらに、外層カバーの突
部非形成箇所の厚みは0.5〜4.0mm、特に1.0
〜2.0mmとし、内層カバーの凹部非形成箇所の厚み
は0.5〜4.0mm、特に1.0〜2.0mmとする
ことが適当であるが、これに限定されるものではない。
線方向にほぼ沿って形成することが、ゴルフボールに加
わる外力に対して突部の反力が適切に働く点や、ボール
のシンメトリー性の点などで好ましい。この場合、法線
とは、ゴルフボール表面のある点をPとした場合に、点
Pを通り、点Pにおける接平面に垂直な直線をいうもの
で、この法線は点Pとゴルフボールの中心とを結ぶ線
(径線)に該当する。したがって、ほぼ法線方向に沿っ
た突部とは、軸線が実質的にゴルフボールの径線に沿っ
た突部である。
重量はゴルフ規則に従うものであり、直径42.67m
m以上、重さ45.93g以下に形成することができ
る。
の一実施形態例を示す断面図である。図1に示すゴルフ
ボール2は、コア3と、コア3の周囲に形成されたショ
アD硬度55未満の樹脂からなる低硬度の内層カバー4
と、内層カバー4の周囲に形成されたショアD硬度55
以上の樹脂からなる高硬度の外層カバー6とを相互に接
合してなる3層構造のマルチピースソリッドゴルフボー
ルである。
沿った多数の突部12が外層カバー6の内面に形成され
ているとともに、突部12に相応する形状の多数の凹部
14が内層カバー4の外面に形成され、突部12が凹部
14に入り込んだ状態で内層カバー4と外層カバー6と
が接合されている。突部12の法線方向の長さは内層カ
バー4の凹部非形成箇所の厚みの60%以上であり、内
層カバー4及び全突部12の合計体積に対する全突部1
2の合計体積の比率は10〜70%であり、突部12と
内層カバー4との硬度差はショアD硬度で5〜40であ
る。
で製造することができるが、これに限定されるものでは
ない。 (1)加硫ゴムからなるコア3を圧縮成形によって作製し
た後、コア3の周面上に、多数の凹部14を有する内層
カバー4を成形する。内層カバー4の成形は、例えば、
キャビティ面に多数の凹部形成用突起を有する金型を用
いてコア3の周囲に内層カバー4を射出成形する方法、
外面に多数の凹部14を有する半球カップ体を射出成形
又は圧縮成形によって作製した後、この半球カップ体2
個を用いてコア3の周囲に内層カバー4を圧縮成形する
方法等によって行うことができる。 (2)内層カバー4の周囲に外層カバー6を射出成形し、
同時にディンプルを形成する。この場合、必要に応じ、
凹部14内に外層カバー6の樹脂がよく流れ込むよう
に、金型内を真空ポンプで吸引して負圧にする。
用効果を模式的に示す断面図である。図2では、突部1
2等の状態がわかり易くなるように、内層カバー4、外
層カバー6の厚みや突部12の長さ等を強調している。
本例のゴルフボール2は、図2に示すように、ドライバ
ー20等によってボール2に対して極めて強い外力が加
わるフルショット(強打)を行った場合、中間層30の
柔軟な層としての機能によって大きい打出し角が得られ
るとともに、突部12が反力によりボール2に加わった
外力を強く受け止め、中間層30の高硬度層としての機
能が強く働くため、十分な反発性と、芯を感じる打感が
得られるものである。なお、図示しないが、ミドルアイ
アン等によってボールに加わる外力がフルショットに較
べてやや弱い通常のショットを行った場合、ショートア
イアン等でボールに加わる外力が弱いコントロールショ
ットを行った場合の作用効果は前述したとおりである。
のゴルフボールを製造した。表1中の基材ゴムとしては
日本合成ゴム社製のポリブタジエンゴムJSR BR0
1と同BR11とを重量比50:50で配合したもの、
加硫剤としてはジクミルパーオキサイド(日本油脂社製
パークミルD)、硬化剤としてはアクリル酸亜鉛を用い
た。また、表1中の内層カバー配合のポリエステルとし
ては東レ・デュポン社製ハイトレルH4047を単独で
用い、アイオノマーBとしてはデュポン社製サーリン8
120と三井・デュポンポリケミカル社製ハイミラン1
855とを重量比65:35でブレンドしたもの、アイ
オノマーCとしてはサーリン8120とハイミラン18
55とを重量比50:50でブレンドしたものを用い
た。外層カバー配合のアイオノマーAは、ハイミラン1
605と同1706とを重量比50:50でブレンドし
たものである。なお、表1中のボール硬度は100kg
荷重時のボールのたわみ量である。
及び打感試験を下記のようにして実施した。
を測定した。 ・1番ウッド(W1)によりヘッドスピード50m/s
(HS50)で打撃を行ったときの初速、打出し角及び
スピン量 ・1番ウッド(W1)によりヘッドスピード45m/s
(HS45)で打撃を行ったときの打出し角及びスピン
量 ・5番アイアン(I5)によりヘッドスピード40m/
s(HS40)で打撃を行ったときの打出し角及びスピ
ン量 ・サンドウエッジ(SW)によりヘッドスピード25m
/s(HS25)で打撃を行ったときの打出し角及びス
ピン量
ボールを試打させ、打感の官能評価を行った。評価基準
は下記の通りである。 ○:通常のショットではソフトな打感、フルショットで
は芯を感じる打感であった。 ×1:通常のショットではソフトな打感であったが、フ
ルショットで芯を感じる打感が得られなかった。 ×2:通常のショット及びフルショットのいずれでもや
や硬い打感であった。
3の本発明ゴルフボールは、柔軟な内層カバーを有する
従来型の高弾道特性のゴルフボールである比較例4のボ
ールとほぼ同等の打出し角、スピン特性が得られ、しか
も比較例4のボールよりも反発性が向上して初速が大き
いともに、フルショット時に芯を感じる打感が得られる
ことがわかる。
カバーの凹部非形成箇所の厚みの60%未満である比較
例1のボールは、内層カバーと内層カバーに埋設された
突部とからなる中間層の硬質層としての機能が不十分と
なり、フルショット時に芯を感じる打感が得られなかっ
た。外層カバーの突部と内層カバーとの硬度差がショア
D硬度で5未満である比較例2のボールは、内層カバー
が硬すぎるために中間層の柔軟な層としての機能が不十
分となり、通常のショット及びフルショットのいずれで
も打感が硬くなるものであった。内層カバー及び全突部
の合計体積に対する全突部の合計体積の比率が10%未
満である比較例3のゴルフボールは、中間層の硬質層と
しての機能が不十分となり、フルショット時に芯を感じ
る打感が得らなかった。
維持しつつ大きい打出し角を得ることができ、しかもフ
ルショット時に芯を感じる打感が得られるものである。
である。
に示す断面図である。
バー及び全突部の合計体積に対する全突部の合計体積の
比率、すなわち下記式で求められる比率Aを10〜70
%とする。 A(%)=[C/(B+C)]×100 B:内層カバーの体積 C:全突部の合計体積 上記比率Aが10%未満であると、中間層の高硬度層と
しての機能が不十分となり、フルショット時や通常のシ
ョット時に十分な反発性が得られなかったり、フルショ
ット時に芯を感じる打感が得られなくなったりする場合
が生じる。また、上記比率Aが70%を超えると、中間
層の柔軟な層としての機能が不十分となり、フルショッ
ト時に大きい打出し角を得られなくなることがある。比
率Aのより好ましい範囲は、20〜50%、特に25〜
40%である。
Claims (4)
- 【請求項1】 外層カバーと外層カバーより低硬度の内
層カバーとを有し、外層カバーの内面に突部が形成され
ているとともに、内層カバーの外面に前記突部に相応す
る凹部が形成され、前記突部が前記凹部に入り込んだ状
態で内層カバーと外層カバーとが接合されているゴルフ
ボールであって、突部の法線方向の長さが内層カバーの
凹部非形成箇所の厚みの60%以上であり、内層カバー
及び全突部の合計体積に対する全突部の合計体積の比率
が10〜70%であり、外層カバーの突部と内層カバー
との硬度差がショアD硬度で5〜40であることを特徴
とするゴルフボール。 - 【請求項2】 外層カバーの突部のショアD硬度が55
以上、内層カバーのショアD硬度が55未満である請求
項1に記載のゴルフボール。 - 【請求項3】 突部がほぼ法線方向に沿って形成されて
いる請求項1又は2に記載のゴルフボール。 - 【請求項4】 突部が略円柱状、略多角柱状、略円筒
状、略円錐状又は略多角錐状に形成されている請求項
1、2又は3に記載のゴルフボール。
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