JP7476726B2 - ゴルフボール - Google Patents

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Description

本発明は、ゴルフボールに関する。詳細には、本発明は、層構造を有するゴルフボールに関する。
ティショット及びパッティングの際、プレーヤーはアドレスしやすく、目標とする方向に正しく打つことができるゴルフボールを望んでいる。
アドレスを容易にするために、プレーヤー自身が、ゴルフボールの表面に所望のライン等を描画する場合がある。また、特開2008-22940号公報(特許文献1)及び特開2009-45498号公報(特許文献2)には、同時に視認されうる複数のマーク群を備えたゴルフボールが開示されている。特許文献1及び2では、複数のマーク群がゴルフボールの表面に印刷されている。
ティショット及びパッティングでは、プレーヤーは、ボール表面のラインやマーク群が意図した方向を向くように、ゴルフボールを置くことができる。打撃時にこれらラインやマーク群を基準にすることで、プレーヤーは、目標方向に的確にアドレスすることが可能になる。
特開2008-22940号公報 特開2009-45498号公報
プレーでは、ゴルフボールは、繰り返し打撃される。ゴルフボール表面に描画又は印刷されたライン及びマーク群は、プレー中、クラブ、地面等との衝突により擦過されることで褪色する。長期使用されたゴルフボールでは、必要なライン等が消失する場合がある。その表面にライン等が描画又は印刷されたゴルフボールでは、繰り返し打撃後の使用において、ティショット及びパッティングでのアドレスでプレーヤーをアシストする機能は充分ではない。
プレーヤーは、また、アプローチショットにおいて、打撃後のボールの回転状態を確認しやすいゴルフボールを望んでいる。ティショット及びパッティングでのアドレスや、打撃後のボールの回転状態の確認等、プレーヤーをアシストする機能が長期間発揮されるゴルフボールは未だ提案されていない。
本発明の目的は、打撃時にアドレスしやすく、また、打撃後の回転状態が確認しやすい等、種々のショットにおいてプレーヤーをアシストする機能を有し、かつ、繰り返し打撃後もそのアシスト機能が失われないゴルフボールの提供である。
本発明に係るゴルフボールは、コアと、このコアの外側に位置するカバーとを備えている。コアとカバーとの間には、n層(nは自然数)の部分的中間層が設けられている。部分的中間層を介さずに、カバーにより積層されている領域のコアの面積は、このコアの中心点からコアの表面までの距離の平均値を半径とする仮想球の表面積の5.0%以上95.0%以下である。このゴルフボールの外表面において、カバーがコアに直接積層している領域Cと、カバーが部分的中間層に積層している領域Mとの、CIELAB表色系によるΔE1は、20.0以上である。
好ましくは、このカバーにより積層されている領域のコアの面積は、このコアの中心点からコアの表面までの距離の平均値を半径とする仮想球の表面積の50.0%以上95.0%以下である。
好ましくは、部分的中間層は、この仮想球の表面に描かれた大円又はこの大円に平行な小円に沿って帯状に形成されている。この部分的中間層をこの仮想球の表面に投影して測定される総長さL1は、この仮想球の表面に描かれた大円の円周に対して、25%以上である。好ましくは、部分的中間層は、この仮想球の表面に描かれた少なくとも2つの大円に沿って、帯状に形成されている。
好ましくは、部分的中間層は、この仮想球の表面に描かれた大円又はこの大円に平行な小円に沿って、コアとカバーとが帯状に接触するように設けられている。このコアとカバーとが接触している領域を、この仮想球の表面に投影して測定される総長さL2は、この仮想球の表面に描かれた大円の円周に対して、25%以上である。好ましくは、部分的中間層は、この仮想球の表面に描かれた少なくとも2つの大円に沿って、コアとカバーとが帯状に接触するように設けられている。
好ましい実施形態は、コアとカバーとの間に、それぞれ色調の異なる第一の部分的中間層と第二の部分的中間層とが設けられている。このゴルフボールの外表面において、カバーが第一の部分的中間層に積層している領域M1と、カバーが第二の部分的中間層に積層している領域M2との、CIELAB表色系による色差ΔE2は、20.0未満である。
好ましい他の実施形態は、コアとカバーとの間に、それぞれ色調の異なる第一の部分的中間層と第二の部分的中間層とが設けられている。このゴルフボールの外表面において、カバーが第一の部分的中間層に積層している領域M1と、カバーが第二の部分的中間層に積層している領域M2との、CIELAB表色系による色差ΔE2は、20.0以上である。
好ましくは、このコアは球体である。好ましくは、部分的中間層は、このコアの球面上に配置されている。
好ましくは、部分的中間層は、カバーと等しい硬度を有している。
好ましくは、このゴルフボールでは、カバーを通して部分的中間層を視認することができる。
本発明に係るゴルフボールの外表面には、コアとカバーの間に設けられた部分的中間層によって、色調の異なる領域が形成される。プレーヤーは、この色調の相違を視認することができる。この色調の異なる領域を基準とすることにより、プレーヤーは、打撃時に的確にアドレスすることができる。また、プレーヤーは、打撃後のボールの回転状態を容易に確認することできる。さらに、この色調の異なる領域は、カバー内部の部分的中間層により形成されている。そのため、ボールが繰り返し打撃された後も褪色することなく、プレーヤーが視認可能な色調を維持している。このゴルフボールでは、各ショットにおいてプレーヤーをアシストする機能が、長期間発揮されうる。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフボールの外観が示された模式図である。 図2は、図1のゴルフボールのII-II線に沿った部分断面図である。 図3は、図1のゴルフボールのIII-III線に沿った部分断面図である。 図4は、図1のゴルフボールのIV-IV線に沿った部分断面図である。 図5は、本発明の他の実施形態に係るゴルフボールの外観が示された模式図である。 図6は、図5のゴルフボールのVI-VI線に沿った部分断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
本発明に係るゴルフボールの特徴は、コアと、このコアの外側に位置するカバーとの間に、n層の部分的中間層が設けられていることにある。nは自然数である。本願明細書において、「部分的中間層」は、コア上に積層し、かつカバーにより積層される層であって、コアを部分的に被覆する層として定義される。本願における「部分的中間層」は、コア全体を被覆する所謂「中間層」と本質的に異なるものである。この部分的中間層が設けられたゴルフボールでは、カバーの一部が、部分的中間層を介さず、コアに直接積層する。なお、コアに部分的中間層が形成された後、カバーに被覆される前の状態を「中間体」と称する場合がある。
このゴルフボールにおいて、カバーにより直接積層されている領域のコアの面積の、このコアの中心点からこのコアの表面までの距離の平均値を半径とする仮想球の表面積に対する比率(以下、「面積%」と称する場合がある。)は、5.0%以上95.0%以下である。カバーがコアに直接積層した領域では、ゴルフボールの表面に、コア及びカバーの色が反映される。一方、カバーが部分的中間層に積層した領域では、ゴルフボールの表面に、部分的中間層及びカバーの色が反映される。特に、カバーが淡色又は透明な場合には、ボール表面に、コアの色が反映された領域と、部分的中間層の色が反映された領域とが形成される。換言すれば、この面積%は、ボール表面においてコアの色が反映された領域の面積の、仮想球の表面積に対する比率である。
カバーにより直接積層されている領域のコアの面積が、このコアの中心点からこのコアの表面までの距離の平均値を半径とする仮想球の表面積に対して、前述の数値範囲を満たす場合、プレーヤーは、ゴルフボール表面上に形成された色調の異なる領域を、容易且つ明確に視認することができる。また、プレーヤーは、この色調の異なる領域をガイドとして、パッティング時に的確にアドレスすることができ、アプローチショットにおいて、打撃後のボールの回転状態を容易に確認することできる。さらに、このゴルフボールでは、ボール表面の色調の異なる領域が、カバー内部の部分的中間層により形成されている。そのため、ボールが繰り返し打撃された後も褪色することなく、プレーヤーが視認可能な色調を維持することができる。このゴルフボールでは、プレーヤーをアシストする機能が長期間発揮されうる。
視認性及びアシスト機能強化の観点から、この仮想球の表面積に対する、カバーにより積層されている領域のコアの面積の比率は、93.0%以下が好ましく、90.0%以下がより好ましい。同様の観点から、この面積%は、7.0%以上が好ましく、10.0%以上がより好ましい。
このゴルフボールにおいて、コアとカバーとの間に部分的中間層を設ける場合、コアを金型に設置した後、コアと金型との間に、部分的中間層の材料を挿入する必要がある。詳細には、部分的にコアと金型とを密着させ、両者が密着していない領域にのみ、部分的中間層の材料を挿入する必要がある。ここで、コアと金型とが密着している領域が狭い場合、コアを金型で安定して保持することができず、製造不良が生じる可能性がある。このコアと金型とが密着している領域には、部分的中間層が形成されず、カバーが直接コア上に形成される。即ち、コアと金型とが密着している領域の面積が、コアにカバーが直接積層している領域の面積に対応する。従って、製造不良の発生を回避する観点から、カバーにより積層されている領域のコアの面積(即ち、コアと金型とが密着している領域の面積)の、このコアの中心点からこのコアの表面までの距離の平均値を半径とする仮想球の表面積に対する比率は、50.0%以上が好ましく、52.0%以上がより好ましく、55.0%以上がさらに好ましい。
また、このゴルフボールでは、このゴルフボールの外表面において、カバーがコアに直接積層している領域Cと、カバーが部分的中間層に積層している領域Mとの、CIELAB表色系による色差ΔE1が、20.0以上である。色差ΔE1が20.0以上のゴルフボールでは、領域Cと領域Mとの境界が明確である。このゴルフボールによれば、プレーヤーは、領域M又は領域Cをアドレス時のガイドとして用いることができる。さらに、このゴルフボールの外観は、プレーヤーに好ましい印象を与えうる。この観点から、領域Cと領域Mとの色差ΔEは、22.5以上が好ましく、25.0以上がより好ましい。
本願明細書において、色差ΔE1は、CIELAB表示系における指数L値、a値及びb値を用いて、下記数式により算出される。
ΔE1=[(ΔL)+(Δa)+(Δb)1/2
式中、Lは、明度の指数であり、a及びbは、色相及び彩度と相関する指数である。指数L、a及びbは、ミノルタ社の色彩色差計「CM-3500d」を用いて、ゴルフボールの外表面を測定することにより得られる。光源には、「標準の光D65」が採用される。この光源の色温度は、6504kである。分光感度としては、「2°視野」が採用される。なお、CIELAB表示系は、国際照明委員会(CIE)によって1976年に決定された規格である。日本では、「JIS Z 8729」において、CIELAB表示系が採用されている。
ゴルフボールの外表面を測定して得られる色差ΔE1は、コア、部分的中間層及びカバーの色調をそれぞれ変更することで調整されうる。色差ΔE1が前述の数値範囲を満たす範囲内で、コア、部分的中間層及びカバーの色は、均一であってもよく、不均一であってもよい。また、色差ΔE1が前述の数値範囲を満たす範囲内で、このゴルフボールが、コアとカバーとの間に、色調の異なる複数の部分的中間層を形成してもよい。
例えば、コアとカバーとの間に、それぞれ色調の異なる第一の部分的中間層と第二の部分的中間層とが設けられたゴルフボールでは、その外表面において、カバーが第一の部分的中間層に積層している領域M1と、カバーが第二の部分的中間層に積層している領域M2との、CIELAB表色系による色差ΔE2が、20.0未満であってよい。色差E2が20.0未満であるゴルフボールの表面には、それぞれ領域Cとは色調の異なる領域M1と領域M2とが、同系色にて配色される。
また、コアとカバーとの間に、それぞれ色調の異なる第一の部分的中間層と第二の部分的中間層とが設けられたゴルフボールでは、前述の色差ΔE2が、20.0以上であってもよい。色差ΔE2が20.0以上であるゴルフボールの表面には、それぞれ領域Cとは色調の異なる領域M1と領域M2とが、別系統の色で配色される。
このように、コアとカバーとの間に、それぞれ色調の異なる第一の部分的中間層と第二の部分的中間層とが設けられたゴルフボールは、デザイン性に優れ、プレーヤーに好ましい印象を与えうる。
次に、代表的な二つの実施形態を例示して本発明を説明するが、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲内で種々の変更が可能である。複数の実施形態についてそれぞれ開示された技術的手段を、適宜組み合わせて得られる他の実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態に係るゴルフボールでは、部分的中間層が、コアの中心点からコアの表面までの距離の平均値を半径とする仮想球の表面に描かれた大円又はこの大円に平行な小円に沿って帯状に形成されている。このゴルフボールによれば、部分的中間層の色調が反映された領域Mが、プレーヤーには、平面投影視として直線と認知される。ゴルフボールの表面にみえる直線的なラインは、打撃時のガイドとして有効である。より好ましくは、部分的中間層が、この仮想球の表面に描かれた少なくとも2つの大円に沿って、帯状に形成されている。
この第一実施形態のゴルフボールでは、部分的中間層をこの仮想球の表面に投影して測定される総長さL1の、この仮想球の表面に描かれた大円の円周に対する比率(以下、「直線%」と称する場合がある)が、25%以上であることが好ましい。この直線%が25%以上であるゴルフボールでは、その外表面において、直線と認知できるラインが充分に長い。プレーヤーは、打撃時又は打撃後に、このラインを容易に視認できる。このゴルフボールは、打撃時にアドレスしやすく、かつ、打撃後のボールの回転状態を確認しやすい。この観点から、この直線%は、50%以上がより好ましく、75%以上が特に好ましい。
図1は、この第一実施形態に係るゴルフボール2を説明するための模式図である。図1には、このゴルフボール2の外観が示されている。ゴルフボール2の内部の構成部材が、破線で示されている。このゴルフボール2は、コア4と、このコア4の外側に位置するカバー6と、を備えている。このコア4とカバー6との間には、部分的中間層8が設けられている。
図示されないが、カバー6の表面には、多数のディンプルが形成されている。ゴルフボール2の表面のうちディンプル以外の部分は、ランドと称される。このゴルフボール2は、カバー6の外側にペイント層及びマーク層を備えているが、これらの層の図示も省略されている。
図示される通り、このコア4は、球体である。このゴルフボール2では、球体であるコア4の表面に、部分的中間層8が帯状に形成されており、この部分的中間層8にカバー6が積層している。部分的中間層8が形成されていない領域では、カバー6がコア4に直接積層している。このゴルフボール2において、カバー6により積層されている領域のコア4の面積は、このコア4の中心点から表面までの距離の平均値を半径とする仮想球の表面積の5.0%以上95.0%以下である。球体であるコア4の場合、カバー6により積層されている領域のコア4の面積は、このコア4の表面積の5.0%以上95.0%以下である。
このゴルフボール2では、帯状の部分的中間層8が、前述の仮想球の表面に描かれる大円に沿って形成されている。詳細には、この部分的中間層8は、仮想球の表面に描かれ、相互に直交する3つの大円に沿って帯状に形成されている。球体であるコア4において、この仮想球の表面とは、コア4の表面である。このゴルフボール2において、部分的中間層8を仮想球の表面(即ち、コア4の表面)に投影して測定される総長さL1の、この仮想球の表面に描かれた大円の円周に対する比率(直線%)は300%である。
図1中、記号P、X及びYは一の大円上の点であり、記号Pはこの一の大円と他の大円との交点である。図2は、図1のゴルフボール2のII-II線に沿った部分断面図である。図2中、両矢印Tmは、部分的中間層8の厚み(mm)であり、両矢印Tcは、カバー6の平均厚み(mm)である。このカバー6の平均厚みTcは、コア4の中心点からカバー6の外表面までの距離Rb(mm)と、このコア4の中心点からこのコア4の表面までの距離の平均値Rc(mm)との差(Rb-Rc)である。球体であるコア4において、コア4の中心点からコア4の表面までの距離の平均値Rc(mm)とは、換言すれば、このコア4の半径である。
図示される通り、点Pを含む領域には、部分的中間層8が形成されている。この部分的中間層8は2層(n=2)であり、一の大円に沿って形成された部分的中間層8aと、他の大円に沿って形成された部分的中間層8bから構成されている。このゴルフボール2の外表面において、点Pを含む領域M1には、上層である部分的中間層8bの色が反映される。部分的中間層8a及び8bが設けられておらず、カバーがコアに直接積層している他の領域Cには、コア4の色が反映される。このゴルフボール2において、領域M1と領域CとのCIELAB表色系による色差ΔE1は20.0以上である。
図3は、図1のゴルフボール2のIII-III線に沿った部分断面図である。図示される通り、このゴルフボール2では、図1の点P及びXを含む大円に沿って、部分的中間層8aが形成されている。この点Pを含む領域には、前述した通り、2層(n=2)の部分的中間層8が形成されている。点Pを含む領域以外に形成された部分的中間層8aは、1層(n=1)である。このゴルフボール2の外表面において、点Xを含む領域M2には、部分的中間層8aの色が反映される。このゴルフボール2において、この領域M2と領域CとのCIELAB表色系による色差ΔE1は20.0以上である。この領域M2と領域M1とのCIELAB表色系による色差ΔE2は20.0以上であってもよく、20.0未満であってもよい。
図4は、図1のゴルフボール2のIV-IV線に沿った部分断面図である。図示される通り、このゴルフボール2では、図1の点P及びY含む大円に沿って、部分的中間層8bが形成されている。この点Pを含む領域には、前述した2層(n=2)の部分的中間層8が形成されている。このゴルフボール2の外表面において、点Yを含む領域M1には、部分的中間層8bの色が反映される。領域M1と領域Cとの色差ΔE1及び領域M1と領域M2との色差ΔE2については、前述した通りである。
以下、コア2、カバー6及び部分的中間層8の好ましい構成及び材料について順次説明するが、本発明の目的が達成される範囲内で、これらの層が他の材料から形成されてもよく、ゴルフボール2が他の層をさらに備えてもよい。
このゴルフボール2において、コア4は、樹脂組成物から形成されてもよく、ゴム組成物から形成されてもよい。好ましくは、コア4は、ゴム組成物が架橋されることで形成される。ゴム組成物の基材ゴムとしては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン-ブタジエン共重合体、エチレン-プロピレン-ジエン共重合体及び天然ゴムが例示される。反発性能の観点から、ポリブタジエンが好ましい。好ましくは、架橋には共架橋剤が用いられる。好ましくは、ゴム組成物は、共架橋剤と共に、有機過酸化物を含む。
コア4が、着色剤を含む組成物から形成されてもよい。着色剤の配合により、コア4の外表面の色が調整される。例えば、カバー6が透明又は淡色に形成されたゴルフボール2では、着色剤を含んで形成されたコア4の色が、このコア4にカバーが直接積層した領域に反映される。この着色剤として、染料及び顔料が挙げられる。コア4が白色に着色される場合、代表的な白色着色剤は、二酸化チタンである。コア4に配合される着色剤の種類及び量は、前述した色差ΔE1が得られるように適宜選択される。
本発明の効果が阻害されない範囲で、コア4が、さらに、充填剤、硫黄、加硫促進剤、硫黄化合物、老化防止剤、可塑剤、分散剤等の添加剤を含む組成物から形成されてもよい。コア4をなす組成物に、合成樹脂粉末又は架橋されたゴム粉末が配合されてもよい。
面積%及び色差ΔE1が前述した数値範囲を満たす限り、コア4は球体に限定されず、その表面に凹凸が形成されたものであってもよい。コア4の表面に形成された凹凸は、部分的中間層及びカバーとの嵌め合いによる設計自由度の向上に寄与しうる。成形容易性の観点から好ましいコア4は、球体である。このコア4が2以上の層を有してもよい。多層コアの場合、各層の材料が同じであってもよく、異なっていてもよい。最外層のコア4の色が、このコア4にカバーが直接積層した領域に反映される。
本発明の効果が得られる限り、コア4のサイズは特に限定されない。コア4が球体である場合、反発性能等のボール性能及び成形容易性の観点から、その直径は35.0mm以上42.0mm以下が好ましい。コア4がその表面に凹凸を有する場合、このコア4の中心点からこのコア4の表面までの距離の平均値Rcが、35.0mm以上42.0mm以下であることが好ましい。
コア4における、表面のショアC硬度Hsと中心点のショアC硬度Hcとの差Hs-Hcは、特に限定されないが、反発性能等のボール性能の観点から、この差Hs-Hcは、5以上が好ましく、10以上がより好ましく、20以上がさらに好ましい。製造容易性の観点から、この差は40以下が好ましい。
硬度Hs及び硬度Hcは、自動硬度計(H.バーレイス社の商品名「デジテストII」)に取り付けられたショアC型硬度計によって測定される。この硬度計が、ゴルフボール2が切断されて得られる半球の断面中心に押しつけられることにより、硬度Hcが測定される。この硬度計が、コア4の表面に押しつけられることにより、硬度Hsが測定される。測定は、いずれも23℃の環境下でなされる。
コア4の製造方法は、特に制限されない。例えば、前述したゴム組成物を、既知の混練機(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー及びロール等)で混練した後、得られた混練物をコア用金型に投入して、射出成形又はコンプレッション成形する方法が用いられうる。コア4の架橋温度は、140以上180℃以下が好ましい。コア4の架橋時間は10分以上60分以下が好ましい。このようにして得られるコア4の質量は、10g以上42g以下が好ましい。
部分的中間層8は、コア4の外側に位置している。この部分的中間層8は、コア4の外表面を部分的に被覆する。このゴルフボール2において、部分的中間層8は、樹脂組成物から形成されてもよく、ゴム組成物から形成されてもよい。製造容易性の観点から、樹脂組成物からなる部分的中間層8が好ましい。
熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂が、基材樹脂として部分的中間層8に用いられうる。典型的な樹脂は、アイオノマー樹脂及びポリウレタンである。アイオノマー樹脂がより好ましい。
アイオノマー樹脂の具体例として、三井デュポンポリケミカル社の商品名「ハイミラン#1555」、「ハイミラン#1557」、「ハイミラン#1605」、「ハイミラン#1706」、「ハイミラン#1707」、「ハイミラン#1856」、「ハイミラン#1855」、「ハイミランAM7337」、「ハイミランAM7311」、「ハイミランAM7315」、「ハイミランAM7317」、「ハイミランAM7318」、「ハイミランAM7329」、「ハイミランMK7320」及び「ハイミランMK7329」;デュポン社の商品名「サーリン#6120」、「サーリン#6910」、「サーリン#7930」、「サーリン#7940」、「サーリン#8140」、「サーリン#8150」、「サーリン#8940」、「サーリン#8945」、「サーリン#9120」、「サーリン#9150」、「サーリン#9910」、「サーリン#9945」、「サーリンAD8546」、「HPF1000」及び「HPF2000」;並びにエクソンモービル化学社の商品名「IOTEK7010」、「IOTEK7030」、「IOTEK7510」、「IOTEK7520」、「IOTEK8000」及び「IOTEK8030」が挙げられる。2種以上のアイオノマー樹脂が併用されてもよい。
好ましくは、部分的中間層8の樹脂組成物は、スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーをさらに含む。スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーには、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン-イソプレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SIBS)、SBSの水添物、SISの水添物及びSIBSの水添物が含まれる。さらに、スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーには、SBS、SIS及びSIBS並びにこれらの水添物からなる群から選択された1種又は2種以上と、オレフィンとのポリマーアロイが含まれる。
ポリマーアロイの具体例として、三菱ケミカル社の商品名「テファブロックT3221C」、「テファブロックT3339C」、「テファブロックSJ4400N」、「テファブロックSJ5400N」、「テファブロックSJ6400N」、「テファブロックSJ7400N」、「テファブロックSJ8400N」、「テファブロックSJ9400N」及び「テファブロックSR04」が挙げられる。スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーの他の具体例として、ダイセル化学工業社の商品名「エポフレンドA1010」及びクラレ社の商品名「セプトンHG-252」が挙げられる。
好ましくは、部分的中間層8の樹脂組成物は、着色剤を含む。例えば、カバー6が透明又は淡色に形成されたゴルフボール2では、着色剤を含む部分的中間層8の色が、ゴルフボール2の外表面に反映される。
本発明の効果が阻害されない限り、部分的中間層8に配合される着色剤の種類は特に限定されない。青色、緑色、紫色、赤色、黄色等種々の着色剤が用いられうる。青色着色剤としては、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC等が例示される。緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ファナルイエローグリーンG等が例示される。紫色着色剤としては、アントラキノンバイオレット、ジオキサンバイオレット、メチルバイオレット、マンガン紫等が例示される。赤色着色剤としては、ベンガラ、鉛丹、モリブレンレッド、カドミウムレッド、ピグメントレッド等が例示される。黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー等が例示される。
蛍光着色剤であってもよく、非蛍光着色剤であってもよい。染料及び顔料が用いられうる。2種以上が併用されてもよい。
部分的中間層8の樹脂組成物が、二酸化チタン等の白色着色剤を含んでもよい。好ましくは、白色着色剤は、前述した着色剤と併用される。白色着色剤と他の着色剤との併用により、所望の色を有する部分的中間層8が得られうる。
部分的中間層8に配合される着色剤の種類及び量は、前述した色差ΔE1が得られるように適宜選択される。本発明の効果が阻害されない限り、部分的中間層8をなす樹脂組成物が、充填剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光剤、蛍光増白剤等を適量含んでもよい。
この第一実施形態において、面積%及び色差ΔE1が前述した数値範囲を満たす限り、部分的中間層8の形状及び数は特に限定されない。1つの部分的中間層8がコア4を部分的に被覆するように形成されてもよく、コア4を部分的に被覆する2以上の部分的中間層8が相互に接することなく形成されてもよい。例えば、ゴルフボール2の表面に描かれた大円と、この大円に平行な複数の円とに沿って、複数の部分的中間層8が帯状に形成されてもよい。また、図1に示されるように、ゴルフボール2の表面に描かれた相互に直交する3つの大円に沿って帯状に形成されてもよく、この3つの大円から無作為に選択された2つの大円に沿って帯状に形成されてもよく、この3つの大円から無作為に選択された1つの大円に沿って帯状に形成されてもよい。製造容易性及び割れ耐久性の観点から、コア4に積層する部分的中間層8が一体に繋がっていることが好ましい。
また、図1に示されるように、このように部分的中間層8が帯状に形成される場合、その帯状の幅は、面積%が前述した数値範囲を満たすように適宜調整される。適正な面積%が得られやすいとの観点から、好ましい幅hは0.5mm以上10.0mm以下である。
コア4上に部分的中間層8を形成する方法は、特に限定されず、射出成形、コンプレッション成形等既知の方法が用いられうる。例えば、その内壁に凸部が形成された略半球状のキャビティを備えた上型及び下型からなる金型を準備し、キャビティ内壁の凸部がコア4の表面に密着するように、コア4を金型に設置する。その後、コア4の周囲に、所定温度で加熱した部分的中間層8の樹脂組成物を射出成形する方法が挙げられる。
本発明の効果が得られる限り、部分的中間層8の厚みTmは、特に限定されない。成形容易性の観点から、この厚みTmは、0.25mm以上が好ましく、0.50mm以上がより好ましく、0.70mm以上がさらに好ましい。適正な厚みのカバーが形成され、割れ耐久性が向上するとの観点から、この厚みTmは、2.70mm以下が好ましく、2.50mm以下がより好ましく、2.30mm以下がさらに好ましい。部分的中間層の厚みTmは、ゴルフボールの中心点を通過する平面で切断して得られる断面にて測定される。
部分的中間層8は、単層で形成されてもよく、2以上の層から形成されてもよい。部分的中間層8が2以上の層から形成される場合、最外層の部分的中間層8の色が、この部分的中間層8にカバー6が積層した領域に反映される。2以上の層からなる部分的中間層8において、各層の厚みは同じであってもよく、異なっていてもよい。各層の厚みの合計が、前述した数値範囲となることが好ましい。
部分的中間層8のショアD硬度は、特に限定されないが、耐久性の観点から、30以上が好ましく、32以上より好ましく、34以上がさらに好ましい。打球感の観点から、部分的中間層8のショアD硬度は、70以下が好ましく、68以下がより好ましく、66以下がさらに好ましい。部分的中間層8が2以上の層から形成される場合、各層のショアD硬度は、同じであってもよく、異なっていてもよい。成形容易との観点から、各層のショアD硬度が同じである部分的中間層8が好ましい。
部分的中間層8の硬度は、「ASTM-D 2240-68」の規定に準拠して測定される。自動硬度計(H.バーレイス社の商品名「デジテストII」)に取り付けられたショアD型硬度計により、部分的中間層の硬度が測定される。測定には、熱プレスで成形された、部分的中間層8の材料と同一の材料からなる、厚みが約2mmであるシートが用いられる。測定に先立ち、シートは23℃の温度下に2週間保管される。測定時には、3枚のシートが重ね合わされる。
好ましくは、カバー6は、樹脂組成物から形成される。カバー6の樹脂組成物の基材樹脂として、例えば、アイオノマー樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリウレタン等が挙げられる。好ましい基材樹脂は、アイオノマー樹脂である。部分的中間層8に関して前述されたアイオノマー樹脂が用いられうる。カバー6に、アイオノマー樹脂と他の樹脂とが併用されてもよい。
カバー6の樹脂組成物が着色剤を含んでもよいが、所望の色差ΔE1が得られやすいとの観点から、カバー6が透明又は淡色に形成されることが好ましい。このゴルフボール2では、部分的中間層8の色がゴルフボール2の表面に反映される。カバー6を通して、プレーヤーが部分的中間層8を視認することができるゴルフボール2が、特に好ましい。このようなゴルフボール2では、プレーヤーは、打撃時及び打撃後に、部分的中間層8を直接ガイドとして用いることができる。このゴルフボール2では、優れたアシスト機能が発揮されうる。本発明の効果が阻害されない範囲内で、カバー6の樹脂組成物が、充填剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光剤、蛍光増白剤等をさらに含んでもよい。
コア4及び部分的中間層8からなる中間体上に、カバー6を形成する方法は、特に限定されず、射出成形、コンプレッション成形等既知の方法が用いられうる。通常、カバー6の成形時には、成形型のキャビティ面に形成されたピンプルにより、ディンプルが形成される。
本発明の効果が得られる限り、カバー6の平均厚みTcは、特に限定されず、前述した色差ΔE1が所定の範囲となるように適宜調整される。本願明細書において、カバーの平均厚みTcは、コア4の中心点からカバー6の外表面までの距離Rbと、このコア4の中心点からこのコア4の表面までの距離の平均値Rcとの差(Rb-Rc)で表される。耐久性の観点から、このカバー6の平均厚みTcは、0.25mm以上が好ましく、0.50mm以上がより好ましく、0.70mm以上がさらに好ましい。所望の色差ΔE1が得られやすいとの観点から、カバー6の平均厚みTcは、3.0mm以下が好ましく、2.8mm以下がより好ましく、2.6mm以下がさらに好ましい。カバー6の平均厚みTcは、ゴルフボール2の中心点を通過する平面で切断して得られる断面にて測定される距離Rbと、平均値Rcとから求められる。なお、コア4の中心点からカバー6の外表面までの距離Rbは、その外表面にディンプルが形成されていない領域にて測定される。
好ましくは、前述した部分的中間層8の厚みTmは、このカバー6の平均厚みTcより小さい。成形容易性及び耐久性の観点から、カバー6の平均厚みTcと、部分的中間層8の厚みTmとの差Tc-Tmは、0.25mm以上が好ましく、0.40mm以上がより好ましく、0.50mm以上がさらに好ましい。この差Tc-Tmは2.00mm以下が好ましい。
部分的中間層8に積層するカバー6の厚みTも特に制限はなく、前述した色差ΔE1が所定の範囲となるように適宜調整される。耐久性の観点から、部分的中間層8に積層するカバー6の厚みTは、0.25mm以上が好ましく、0.50mm以上がより好ましく、0.70mm以上がさらに好ましい。所望の色差ΔE1が得られやすいとの観点から、この厚みTは、2.75mm以下が好ましく、2.50mm以下がより好ましく、2.30mm以下がさらに好ましい。このカバー6の厚みTは、ランドの直下にて測定される。このゴルフボール2において、部分的中間層8に積層するカバー6の厚みTは、ボール全体で同じであってもよく、異なっていてもよい。異なっている場合、コア4に設けられた部分的中間層8を無作為に選択して得られる測定値が、上記数値範囲となることが好ましい。
カバー6のショアD硬度は、特に限定されないが、耐久性の観点から、30以上が好ましく、32以上より好ましく、34以上がさらに好ましい。パッティング時に柔らかい打球感が得られるとの観点から、このショアD硬度は、70以下が好ましく、68以下がより好ましく、66以下がさらに好ましい。カバー6の硬度は、部分的中間層8のショアD硬度について前述した方法と同様にして測定される。
好ましくは、部分的中間層8の硬度とカバー6の硬度とが同じになるように、それぞれの組成物が調整される。部分的中間層8及びカバー6が同じ硬度を有するゴルフボール2では、種々のクラブで打撃する場合にも、その初期条件が変わらないという効果が得られる。
このゴルフボール2の直径は、40mmから45mmが好ましい。米国ゴルフ協会(USGA)の規格が満たされるとの観点から、直径は42.67mm以上が特に好ましい。空気抵抗抑制の観点から、直径は44mm以下がより好ましく、42.80mm以下が特に好ましい。このゴルフボール2の質量は、40g以上50g以下が好ましい。大きな慣性が得られるとの観点から、質量は44g以上がより好ましく、45.00g以上が特に好ましい。USGAの規格が満たされるとの観点から、質量は45.93g以下が特に好ましい。
打球感の観点から、ゴルフボール2の圧縮変形量は1.85mm以上が好ましく、2.15mm以上がより好ましく、2.30mm以上が特に好ましい。反発性能の観点から、圧縮変形量は4.85mm以下が好ましく、4.55mm以下がより好ましく、4.40mm以下が特に好ましい。圧縮変形量の測定には、YAMADA式コンプレッションテスターが用いられる。このテスターでは、ゴルフボールが金属製の剛板の上に置かれる。このゴルフボール2に向かって金属製の円柱が徐々に降下する。この円柱の底面と剛板との間に挟まれたゴルフボール2は、変形する。ゴルフボールに98Nの初荷重がかかった状態から1274Nの終荷重がかかった状態までの円柱の移動距離が圧縮変形量として測定される。
[第二実施形態]
本発明の第二実施形態に係るゴルフボールでは、コアの中心点からコアの表面までの距離の平均値を半径とする仮想球の表面に描かれた大円又はこの大円に平行な小円に沿って、コアとカバーとが帯状に接触するように、部分的中間層が設けられている。このゴルフボールによれば、コアの色調が反映された領域Cが、プレーヤーには、平面投影視として直線と認知される。ゴルフボールの表面にみえる直線的なラインは、打撃時のガイドとして有効である。より好ましくは、この仮想球の表面に描かれた少なくとも2つの大円に沿って、コアとカバーとが帯状に接触するように、部分的中間層が設けられている。
この第二実施形態のゴルフボールでは、コアとカバーとが接触している帯状の領域を、この仮想球の表面に投影して測定される総長さL2の、この仮想球の表面に描かれた大円の円周に対する比率(「直線%」)が、25%以上であることが好ましい。この直線%が25%以上であるゴルフボールでは、その外表面において、直線と認知できるラインが充分に長い。プレーヤーは、打撃時又は打撃後に、このラインを容易に視認できる。このゴルフボールは、打撃時にアドレスしやすく、かつ、打撃後のボールの回転状態を確認しやすい。この観点から、この直線%は、50%以上がより好ましく、75%以上が特に好ましい。
図5は、本発明の第二実施形態に係るゴルフボール20を説明するための模式図である。図5には、このゴルフボール20の外観が示されている。ゴルフボール20の内部の構成部材が、破線で示されている。このゴルフボール20は、コア24と、このコア24の外側に位置するカバー26と、を備えている。このコア24とカバー26との間には、部分的中間層28が設けられている。
図示されないが、カバー26の表面には、多数のディンプルが形成されている。ゴルフボール20の表面のうちディンプル以外の部分は、ランドと称される。このゴルフボール20は、カバー26の外側にペイント層及びマーク層を備えているが、これらの層の図示も省略されている。
図示される通り、コア24は、球体である。このゴルフボール20では、球体であるコア24の表面に、部分的中間層28が形成されており、この部分的中間層28にカバー26が積層している。部分的中間層28が形成されていない帯状の領域では、カバー26がコア24に直接積層している。このゴルフボール20において、カバー26により積層されている領域のコア24の面積は、このコア24の中心点から表面までの距離の平均値を半径とする仮想球の表面積の5.0%以上95.0%以下である。球体であるコア24の場合、カバー26により積層されている領域のコア24の面積は、このコア24の表面積の5.0%以上95.0%以下である。
このゴルフボール20では、前述の仮想球の表面に描かれる大円に沿ってコア24とカバー26とが帯状に接触するように、部分的中間層28が設けられている。詳細には、この部分的中間層28は、仮想球の表面に描かれ、相互に直交する3つの大円に沿って、コア24とカバー26とが帯状に接触するように形成されている。球体であるコア24において、この仮想球の表面とは、コア24の表面である。このゴルフボール20において、コア24とカバー26とが接触する帯状の領域を仮想球の表面(即ち、コア24の表面)に投影して測定される総長さL2の、この仮想球の表面に描かれる大円の円周に対する比率(直線%)は300%である。
図5中、記号Rは一の大円と他の大円との交点であり、記号Sは部分的中間層28が設けられている領域に位置する点である。図6は、図5のゴルフボール20のVI-VI線に沿った部分断面図である。図6中、両矢印Tmは、部分的中間層28の厚み(mm)であり、両矢印Tcは、カバー26の平均厚み(mm)である。カバー26の平均厚みTcは、コア24の中心点からカバー26の外表面までの距離Rb(mm)と、このコア24の中心点からこのコア24の表面までの距離の平均値Rc(mm)との差(Rb-Rc)として定義される。球体であるコア24において、コア24の中心点からコア24の表面までの距離の平均値Rc(mm)とは、換言すれば、このコア24の半径である。
図示される通り、このゴルフボール20では、点Rを含む領域に部分的中間層28が形成されていない。この領域では、カバー26がコア24に直接積層している。点Sを含む領域M、1層(n=1)の部分的中間層28がコア24とカバー26との間に設けられている。このゴルフボール20の外表面において、点Sを含む領域Mには、部分的中間層28の色が反映される。部分的中間層2が設けられておらず、カバー26がコア24に帯状に積層している領域Cには、コア24の色が反映される。このゴルフボール20において、領域Mと領域CとのCIELAB表色系による色差ΔE1は20.0以上である。
この第二実施形態において、面積%及び色差ΔE1が前述した数値範囲を満たす限り、部分的中間層28が形成されず、コア24がカバー26により直接積層されている領域の形状は、特に限定されない。例えば、ゴルフボール20の表面に描かれた大円と、この大円に平行な複数の小円とに沿った複数の帯状の領域で、コア24がカバー26により直接積層されるように、部分的中間層28が形成されてもよい。また、図5に示されるように、ゴルフボール20の表面に描かれた相互に直交する3つの大円に沿って、コア24とカバー26とが帯状に接触するように、部分的中間層28が形成されてもよく、この3つの大円から無作為に選択された2つの大円に沿って、コア24とカバー26とが帯状に接触するように形成されてもよく、この3つの大円から無作為に選択された1つの大円に沿って、コア24とカバー26とが帯状に接触するように形成されてもよい。
また、図5に示されるように、コア24とカバー26とが帯状に接触するように形成される場合、この帯状の領域の幅は、面積%が前述した数値範囲を満たすように適宜調整される。適正な面積%が得られやすいとの観点から、好ましい幅は0.5mm以上10.0mm以下である。
コア24、部分的中間層28及びカバー26の好ましい構成及び材料については、第一実施形態に関して前述した構成及び材料が適宜適用されうる。以下に、第一実施形態とは異なる構成及び材料について説明する。
このゴルフボール20において、コア24は、樹脂組成物から形成されてもよく、ゴム組成物から形成されてもよい。第二実施形態では、コア24が、着色剤を含む組成物から形成されてもよい。着色剤の配合により、コア24の外表面の色が調整される。例えば、カバー26が透明又は淡色に形成されたゴルフボール20では、着色剤を含んで形成されたコア24の色が、このコア24にカバーが直接積層した領域に反映される。コア24が白色に着色される場合、代表的な白色着色剤は、二酸化チタンである。第一実施形態の部分中間層8に関して前述した着色剤が、コア24に配合されてもよい。この着色剤と、白色着色剤とが併用されてもよい。白色着色剤と他の着色剤との併用により、所望の色を有するコア24が得られうる。コア24に配合される着色剤の種類及び量は、前述した色差ΔE1が得られるように適宜選択される。
このゴルフボール20において、部分的中間層28は、樹脂組成物から形成されてもよく、ゴム組成物から形成されてもよい。好ましくは、部分的中間層8は、着色剤を含む組成物から形成される。例えば、カバー26が透明又は淡色に形成されたゴルフボール20では、着色剤を含む部分的中間層28の色が、ゴルフボール20の外表面に反映される。第一実施形態に関して前述した着色剤が、部分的中間層28の着色に用いられうる。
部分的中間層28の組成物が、二酸化チタン等の白色着色剤を含んでもよい。第二実施形態において、コア24が白色以外に着色される場合、視認性の観点から、部分的中間層28が白色に着色されることが好ましい。これにより、コア24にカバー26が積層した帯状の領域が、着色されたラインとして視認されうる。部分的中間層28に配合される着色剤の種類及び量は、前述した色差ΔE1が得られるように適宜選択される。
ゴルフボール20において、部分的中間層28は、コア24の外側に位置している。このゴルフボール20では、コア24の外表面の一部が、部分的中間層28に被覆されていない。この部分的中間層28は、樹脂組成物から形成されてもよく、ゴム組成物から形成されてもよい。製造容易性の観点から、樹脂組成物からなる部分的中間層28が好ましい。第一実施形態にて前述した樹脂組成物が用いられうる。
この第二実施形態において、面積%及び前述した色差ΔE1が前述した数値範囲を満たす限り、部分的中間層28が形成されず、コア24がカバー26により直接積層されている領域の形状は、特に限定されない。例えば、ゴルフボール20の表面に描かれた大円と、この大円に平行な複数の小円とに沿った複数の帯状の領域で、コア24がカバー26により直接積層されるように、部分的中間層28が形成されてもよい。また、図5に示されるように、ゴルフボール20の表面に描かれた相互に直交する3つの大円に沿って、コア24とカバー26とが帯状に接触するように、部分的中間層28が形成されてもよく、この3つの大円から無作為に選択された2つの大円に沿って、コア24とカバー26とが帯状に接触するように形成されてもよく、この3つの大円から無作為に選択された1つの大円に沿って、コア24とカバー26とが帯状に接触するように形成されてもよい。
また、図5に示されるように、コア24とカバー26とが帯状に接触するように形成される場合、この帯状の領域の幅は、面積%が前述した数値範囲を満たすように適宜調整される。適正な面積%が得られやすいとの観点から、好ましい幅は0.5mm以上10.0mm以下である。
第二実施形態におけるカバー26の好ましい態様及びゴルフボール20の好ましい物性については、第一実施形態にて前述した内容が適用される。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
100質量部のハイシスポリブタジエン(JSR社の商品名「BR-730」)、35.0質量部のアクリル酸亜鉛(三新化学工業社の商品名「サンセラーSR」)、5質量部の酸化亜鉛(三井金属鉱業社の商品名「酸化亜鉛」)、11質量部の硫酸バリウム(堺化学社の商品名「硫酸バリウムBD」)、0.5質量部のジフェニルジスルフィド(住友精化社製)、0.9質量部のジクミルパーオキサイド(日本油脂社の商品名「パークミルD」)及び5質量部の二酸化チタン(石原産業社の商品名「タイペークA-220」)を混練し、ゴム組成物R1を得た。このゴム組成物R1を共に半球状キャビティを備えた上型及び下型からなる金型に投入し、170℃で18分間加熱して、白色の球体コア(直径38.7mm)を得た。
47質量部のアイオノマー樹脂(前述の「ハイミラン#1555」)、46質量部の他のアイオノマー樹脂(前述の「ハイミラン#1557」)、7質量部のスチレンブロック含有熱可塑性エラストマー(前述の「テファブロックT3221C」)、1質量部の着色剤(UKSEUNG CHEMICAL社の商品名「FP113」)及び0.2質量部の光安定剤(城北化学社の商品名「JF-90」)を二軸混練押出機で混練して、ショアD硬度57である赤色の樹脂組成物Q1を得た。
次に、それぞれが略半球状のキャビティを備えた上型及び下型からなる金型を準備した。このキャビティは、その壁面に、上型及び下型が組み合わせられたときに形成される球の表面に描かれる、相互に直交する3つの大円に沿って、均一な深さの溝が形成されたものであった。この金型に、得られたコアを設置した後、キャビティの溝に、樹脂組成物Q1を射出することにより、厚み1.0mm、幅4.0mmの帯状の部分的中間層(円周帯)を形成した。この部分的中間層は1層であり、コア表面に描かれる相互に直交する3つの大円に沿って形成された。
47質量部のアイオノマー樹脂(前述の「ハイミラン#1555」)、46質量部の他のアイオノマー樹脂(前述の「ハイミラン#1557」)、7質量部のスチレンブロック含有熱可塑性エラストマー(前述の「テファブロックT3221C」)及び0.2質量部の光安定剤(前述の「JF-90」)を二軸混練押出機で混練して、ショアD硬度57である樹脂組成物P1を得た。
それぞれが半球状キャビティを備えた上型及び下型からなる金型に、コア及び部分的中間層からなる中間体を投入した。樹脂組成物P1を射出成形法にて中間体の周りに被覆し、透明のカバーを形成した。コア上に積層したカバーの厚みは、2.0mmであった。部分的中間層上に積層したカバーの厚みは、1.0mmであった。カバーには、ピンプルの形状が反転した形状を有するディンプルが形成された。
このカバーの周りに二液硬化型ポリウレタンを基材とするクリアー塗料を塗装し、直径が約42.7mmであり質量が約45.5gである実施例1のゴルフボールを得た。このゴルフボールの表面には、部分的中間層の色を反映した領域Mと、コアの色を反映した領域Cとが形成された。前述した方法で、領域C及び領域MのL値、a値及びb値をそれぞれ測定し、領域Cと領域Mとの色差ΔE1を算出した。得られた結果が下表1に示されている。
[実施例2、3、7、9-12、14及び15並びに比較例1、2及び4]
コア及び部分的中間層の仕様を下表3-7に示される通りとした他は、実施例1と同様にして、実施例2、3、7、9-12、14及び15並びに比較例1、2及び4のゴルフボールを得た。コアのゴム組成物の詳細が、下表1に示されている。部分的中間層の樹脂組成物の詳細が、下表2に示されている。下表3-7中、実施例2、3、7、9-12、14及び15並びに比較例1、2及び4について示された幅hは、帯状に形成された部分的中間層の幅(mm)であり、直線%は、部分的中間層をコアの表面に投影して測定される長さの合計の、コアの大円の円周に対する比率(%)である。
[実施例4]
実施例1と同様にして、直径が38.7mmである白色の球体コアと、ショアD硬度が7である樹脂組成物Q1を準備した。続いて、47質量部のアイオノマー樹脂(前述の「ハイミラン#1555」)、46質量部の他のアイオノマー樹脂(前述の「ハイミラン#1557」)、7質量部のスチレンブロック含有熱可塑性エラストマー(前述の「テファブロックT3221C」)、10質量部の着色剤(大日精化工業社の商品名「PE-RM 18Q8863」)、0.1質量部の二酸化チタン(前述の「タイペークA-220」)及び0.2質量部の光安定剤(前述の「JF-90」)を二軸混練押出機で混練して、ショアD硬度57であるピンク色の樹脂組成物Q2を得た。
次に、それぞれが略半球状のキャビティを備えた上型及び下型からなる金型を準備した。このキャビティは、その壁面に、上型及び下型が組み合わせられたときに形成される球の表面に描かれる、直交する2つの大円に沿って、均一な深さの溝が形成されたものであった。この金型に、得られたコアを設置した後、キャビティに形成された1本の溝に樹脂組成物Q1を投入した。その後、他の1本の溝に樹脂組成物Q2を射出することにより、それぞれ幅4.0mmの部分的中間層を形成した。
このコアでは、コアの球面上に描かれる1つの大円沿って、樹脂組成物Q1からなる第一の部分的中間層が形成され、この大円に直交する他の大円に沿って、樹脂組成物Q2からなる第二の部分的中間層が形成された。第一の部分的中間層と第二の部分的中間層とが交差する領域では、厚み0.5mmの第二の部分的中間層により、厚み0.5mmの第一の部分的中間層が積層された2層(n=2)が形成された。両者が交差しない領域における第一及び第二の部分的中間層の厚みは1.0mmであった。
次に、実施例1と同様にしてショアD硬度57である樹脂組成物P1を準備し、これを射出成形法にて、コア及び部分的中間層からなる中間体の周りに被覆することにより、透明のカバーを形成した。カバーの平均厚みは、2.0mmであった。第一及び第二の部分的中間層に積層したカバーの厚みは、いずれも1.00mmであった。
このカバーの周りに二液硬化型ポリウレタンを基材とするクリアー塗料を塗装し、直径が約42.7mmであり質量が約45.5gである実施例4のゴルフボールを得た。コアのゴム組成物の詳細が、下表1に示されている。部分的中間層の樹脂組成物の詳細が、下表2に示されている。このゴルフボールの表面には、第一の部分的中間層の色を反映した領域M1と、第二の部分的中間層の色を反映した領域M2と、コアの色を反映した領域Cとが形成された。第一の部分的中間層と第二の部分的中間層とが交差する領域には、上層をなす第一の中間層の色が反映されたものであった。前述した方法で、領域C、領域M1及び領域M2のL値、a値及びb値をそれぞれ測定し、領域Cと領域M1及び領域M2との色差ΔE1をそれぞれ算出した。その後、領域M1と領域M2との色差ΔE2を算出した。得られた結果が下表4に示されている。表4中、実施例4について示された幅hは、帯状に形成された各部分的中間層の幅(mm)であり、直線%は、第一及び第二の部分的中間層をそれぞれコアの表面に投影して測定される長さの合計の、コアの大円の円周に対する比率(%)である。
[実施例5]
部分的中間層の仕様を下表4に示される通りとした他は、実施例4と同様にして、実施例5のゴルフボールを得た。コアのゴム組成物の詳細が、下表1に示されている。部分的中間層の樹脂組成物の詳細が、下表2に示されている。下表4中、実施例5について示された幅hは、帯状に形成された部分的中間層の幅(mm)であり、直線%は、部分的中間層をコアの表面に投影して測定される長さの合計の、コアの大円の円周に対する比率(%)である。
[実施例6]
実施例1と同様にして、直径が38.7mmである白色の球体コアと、ショアD硬度がそれぞれ57である樹脂組成物Q1及び樹脂組成物P1を準備した。
次に、それぞれが略半球状のキャビティを備えた上型及び下型からなる金型を準備した。このキャビティは、その壁面に、上型及び下型が組み合わせられたときに形成される球の表面に描かれる、相互に直交する3つの大円に沿って、均一な高さの凸部が形成されたものであった。この金型に、得られたコアを設置した後、キャビティの凸部以外の部分に樹脂組成物Q1を射出することにより、厚み1.0mmの部分的中間層を形成した。この部分的中間層は1層であり、コアの球面上に描かれる相互に直交する3つの大円に沿って、コアの表面が幅4.0mmの帯状に露出するように形成された。
続いて、準備した樹脂組成物P1を射出成形法にて、コア及び部分的中間層からなる中間体の周りに被覆することにより、透明のカバーを形成した。このカバーは、コアの球面上に描かれる相互に直交する3つの大円に沿って形成された幅4.0mmの帯状の領域で、コアに直接積層するように形成された。カバーの平均厚みは、2.0mmであった。部分的中間層に積層したカバーの厚みは、1.0mmであった。カバーには、ピンプルの形状が反転した形状を有するディンプルが形成された。
このカバーの周りに二液硬化型ポリウレタンを基材とするクリアー塗料を塗装し、直径が約42.7mmであり質量が約45.5gである実施例6のゴルフボールを得た。コアのゴム組成物の詳細が、下表1に示されている。部分的中間層の樹脂組成物の詳細が、下表2に示されている。このゴルフボールの表面には、部分的中間層の色を反映した領域Mと、コアの色を反映した領域Cとが形成された。前述した方法で、領域C及び領域MのL値、a値及びb値をそれぞれ測定し、領域Cと領域Mとの色差ΔE1を算出した。得られた結果が下表5に示されている。下表5中、実施例6について示された幅h(mm)は、部分的中間層が形成されず、コアとカバーとが接触している帯状の領域の幅である。
[実施例8、13及び16並びに比較例3]
部分的中間層の仕様を下表5-7に示される通りとした他は、実施例6と同様にして、実施例8、13及び16並びに比較例3のゴルフボールを得た。コアのゴム組成物の詳細が、下表1に示されている。部分的中間層の樹脂組成物の詳細が、下表2に示されている。下表5-7中、実施例8、13及び16並びに比較例3について示された幅h(mm)は、部分的中間層が形成されず、コアとカバーとが接触している帯状の領域の幅である。
[評価試験]
実施例1-16及び比較例1-4のゴルフボールを、30名のプレーヤーに、パター及びウェッジにて各10回打撃させた後、下記(1)-(4)の項目についてそれぞれ6段階で評価させた。パターはグリーン上の任意の位置から打撃目標に向かって打撃させた。ウェッジは平坦な芝生上から約20yd先の打撃目標に向かって打撃させた。
(1)視認性1:色調が異なる領域(大きさ)が視認できるか(できる:5点-できない:0点)
(2)視認性2:色調が異なる領域の境界(コントラスト)は明確か(明確:5点-不明確:0点)
(3)使いやすさ:打撃時のアドレス及び打撃後の回転状態の確認が容易か(容易:5点-困難:0点)
(4)デザイン性:外観が好ましいか(好ましい:5点-好ましくない:0点)
各項目について求めた平均値に基づいて、下記基準により格付けをおこなった結果が、下表3-7に示されている。
S:4.0点以上
A:2.5点以上4.0点未満
B:1.0点以上2.5点未満
C:1.0点未満
[成形性]
実施例1-16及び比較例1-4について、それぞれ、射出成形法により、120個のゴルフボールを成形した。120個中、成形不良であったゴルフボールの数に基づき、下記の格付けをおこなった。この結果が下表3-7に「成形容易性」として示されている。なお、成形不良とは、部分的中間層が、所望の位置及び厚みに形成できなかったことを意味する。
S:0個
A:1個
B:2個
C:3個以上
Figure 0007476726000001
表1に記載された化合物の詳細は、以下の通りである。
BR730:JSR社製のポリブタジエンゴム(シス結合含有率:96質量%)」
アクリル酸亜鉛:三新化学工業社の商品名「サンセラーSR」
硫酸バリウム:堺化学社の商品名「硫酸バリウムBD」
酸化亜鉛:三井金属鉱業社の商品名「酸化亜鉛」
DPDS:住友精化社製のジフェニルジスルフィド
ジクミルパーオキサイド:日本油脂社の商品名「パークミルD」
二酸化チタン:石原産業社の商品名「タイペークA-220」
黄色着色剤:住友カラー社製の商品名「LB3A1323」
Figure 0007476726000002
表2に記載された着色剤の詳細は、以下の通りである。
FP113:UKSEUNG CHEMICAL社の赤色顔料
ZQ-14:DayGlo社の橙色顔料
ZQ-17:DayGlo社の黄色顔料
ZQ-18:DayGlo社の緑色顔料
FP1050:住友カラー社の青色顔料
PBF-640:レジノカラー社の黒色顔料
PE-RM 18Q8863 RD:大日精化工業社の桃色顔料
Figure 0007476726000003
Figure 0007476726000004
Figure 0007476726000005
Figure 0007476726000006
Figure 0007476726000007
表3-7中、面積%は、カバーにより直接積層されている領域のコアの面積の、このコアの中心点からこのコアの表面までの距離の平均値を半径とする仮想球の表面積に対する比率(%)を意味する。直線%は、部分的中間層をこの仮想球の表面に投影して測定される総長さの、この仮想球の表面に描かれた大円の円周に対する比率(%)である。実施例1-16及び比較例1-4のコアが球体であることから、これら仮想球はコアと一致する。また、幅hは、実施例1-5、7、9-12、14及び15並びに比較例1、2及び4(第一実施形態)の場合は、帯状に形成された各部分的中間層の幅(mm)を意味し、実施例6、8、13及び16並びに比較例3(第二実施形態)の場合は、部分的中間層が形成されず、コアとカバーとが直接接触している帯状の領域の幅(mm)を意味する。
表3-7から、実施例1-16のゴルフボールでは、部分的中間層の形成により、ボール表面に色調の異なる領域が形成され、この領域をガイドとすることで、プレーヤーが打撃時にアドレスしやすく、また、打撃後のボールの回転状態を確認しやすいことが確認された。一方、色差ΔE1が20.0未満である比較例1では、コントラストが明確ではなく、デザイン性に劣るものであった。カバーにより直接積層されているコアの面積(面積%)が95.0%を超える比較例2及び4並びにこの面積%が5.0%未満である比較例3では、ガイドとして色調の異なる領域を視認することが困難であった。
以上説明されたゴルフボールは、ゴルフ場でのプレーや、練習場でのプラクティスに用いられうる。
2、20・・・ゴルフボール
4、24・・・コア
6、26・・・カバー
8、8a、8b、28・・・部分的中間層

Claims (11)

  1. コアと、このコアの外側に位置するカバーとを備えており、
    上記コアと上記カバーとの間に、n層(nは自然数)の部分的中間層が設けられており、
    上記カバーにより積層されている領域のコアの面積が、上記コアの中心点からこのコアの表面までの距離の平均値を半径とする仮想球の表面積の5.0%以上95.0%以下であり、
    その外表面において、上記カバーが上記コアに直接積層している領域Cと、上記カバーが上記部分的中間層に積層している領域Mとの、CIELAB表色系による色差ΔE1が、20.0以上である、ゴルフボール。
  2. 上記カバーにより積層されている領域のコアの面積が、上記コアの中心点からこのコアの表面までの距離の平均値を半径とする仮想球の表面積の50.0%以上95.0%以下である、請求項1に記載のゴルフボール。
  3. 上記部分的中間層が、上記仮想球の表面に描かれた大円又はこの大円に平行な小円に沿って帯状に形成されており、この部分的中間層をこの仮想球の表面に投影して測定される総長さL1が、この仮想球の表面に描かれた大円の円周に対して、25%以上である、請求項1又は2に記載のゴルフボール。
  4. 上記部分的中間層が、上記仮想球の表面に描かれた少なくとも2つの大円に沿って、帯状に形成されている請求項3に記載のゴルフボール。
  5. 上記仮想球の表面に描かれた大円又はこの大円に平行な小円に沿って、上記コアと上記カバーとが帯状に接触するように、上記部分的中間層が設けられており、このコアとカバーとが接触している領域を、上記仮想球の表面に投影して測定される総長さL2が、この仮想球の表面に描かれた大円の円周に対して、25%以上である、請求項1又は2に記載のゴルフボール。
  6. 上記仮想球の表面に描かれた少なくとも2つの大円に沿って、上記コアと上記カバーとが帯状に接触するように、上記部分的中間層が設けられている、請求項5に記載のゴルフボール。
  7. 上記コアと上記カバーとの間に、それぞれ色調の異なる第一の部分的中間層と第二の部分的中間層とが設けられており、
    その外表面において、上記カバーが上記第一の部分的中間層に積層している領域M1と、上記カバーが上記第二の部分的中間層に積層している領域M2との、CIELAB表色系による色差ΔE2が、20.0未満である、請求項1から6のいずれかに記載のゴルフボール。
  8. 上記コアと上記カバーとの間に、それぞれ色調の異なる第一の部分的中間層と第二の部分的中間層とが設けられており、
    その外表面において、上記カバーが上記第一の部分的中間層に積層している領域M1と、上記カバーが上記第二の部分的中間層に積層している領域M2との、CIELAB表色系による色差ΔE2が、20.0以上である、請求項1から6のいずれかに記載のゴルフボール。
  9. 上記コアが球体であり、このコアの球面上に上記部分的中間層が配置されている、請求項1から8のいずれかに記載のゴルフボール。
  10. 上記部分的中間層が、上記カバーと等しい硬度を有している、請求項1から9のいずれかに記載のゴルフボール。
  11. 上記カバーを通して、上記部分的中間層を視認することができる、請求項1から10のいずれかに記載のゴルフボール。

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